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変態スマホの実力をチェック!

カメラが飛び出すギミックを備えるOPPO「Find X」は使えるのか?

昨今のスマートフォン業界では、いかにして画面占有率を100%に近づけるかを競い合うような状況が続いています。そこで生まれたのが、アップル「iPhone X」でおなじみの「ノッチ(切り欠き)」。端末上部ベゼルに搭載されていたフロントカメラや各種センサーを、限りなく小さくしたスペースのノッチに収めて、画面占有率を上げるというアプローチです。

この流れを受けて多くのメーカーがノッチを採用する中、まったく異なるアプローチを仕掛けてきたのがOPPOの「Find X」です。カメラを本体内部に物理的に格納するという方法により、画面全体をさえぎるものが何もないという、本当の意味でのフルビューディスプレイ、全画面を実現しました。

OPPO「Find X」。価格は120,829円(税込。2018年11月8日時点での価格.com最安価格)

OPPO「Find X」。価格は120,829円(税込。2018年11月8日時点での価格.com最安価格)

しかし、こういった“飛び道具”的な機能を備えるスマートフォンは、見た目のインパクトこそスゴいものの、実際に使ってみると実用的ではないということがしばしばあります。そこのところ、「Find X」はどうなのでしょうか。本記事では実際に「Find X」を試してみて感じた使い勝手をレポートします。

「Find X」の特徴は以下の動画にまとめたので、こちらもご覧にください。

大画面の迫力はスマホ随一。曲線を多用したデザインは洗練されている

「Find X」は6.4型フルHD+(2340×1080)の有機ELパネルを採用したスマートフォン。前面はノッチやフロントカメラを備えず、93.8%という驚異的な画面占有率を誇ります。ディスプレイを遮るものが一切ないため、視覚体験はほかのスマートフォンとは一線を画すレベル。ノッチがあるのとないので、ここまで違うものかということをまざまざと思い知らせてくれます。

「Find X」(左)をほぼ同じ本体サイズの「Pixel 3 XL」(右)と比較。「Find X」のディスプレイは、フレームをさえぎるモノが一切なく、美しい

同じ写真を閲覧してみても、視覚のインパクトがあるのは「Find X」(左)のほうです

同じ写真を閲覧してみても、視覚のインパクトがあるのは「Find X」(左)のほうです

特に、写真や動画の閲覧時には全画面表示の恩恵を大いに受けます。Webブラウジングやアプリの使用時でも、視覚的な快適性は非常に高いです。「Find X」を使っていると、普段は気づかない、ノッチによって生み出される違和感の大きさを再確認できました。

Webブラウジング時(Chrome)やアプリの使用時でも、1画面に映し出される情報量が多いため、全画面表示の恩恵は大きい

次は、全画面表示がもたらす全体的なデザインを見ていきましょう。「Find X」は端末全体に曲線を多用して、美しさを追求しており、ディスプレイは側面に向かってカーブする3Dガラスを採用。ベゼル部分を限りなく狭くしているのが特徴です。

本体側面に向かってカーブするディスプレイ。サムスン「Galaxy」シリーズの「エッジディスプレイ」と同様の雰囲気

側面には細いアルミフレームを採用

側面には細いアルミフレームを採用

本体下部にはSIMカードスロット、USB Type-Cポートを備えます

本体下部にはSIMカードスロット、USB Type-Cポートを備えます

角が一切なくカーブした端末は手によくなじみ、大きめのサイズながら持ちにくさを感じさせません。ガラス製の背面は、外側から中央部に向かって色味が濃くなるグラデーションカラーを採用。光の当たり具合で異なる輝きを放り、全体として高級感あふれるデザインにまとまっています。背面のグラデーションが非常に美しく、カバーを付けるのが少しもったいなく感じます。

本体サイズは156.7(縦)×74.2(幅)×9.6(厚さ)mmで重量は186g。手で持った際にはズシッとした重さを感じますが、このサイズのスマートフォンとしては重い部類ではありません

高級感のあるグラデーションが目立つ背面

高級感のあるグラデーションが目立つ背面

リフトアップする「スライド式ステルスカメラ」の使い勝手は?

本機最大の特徴であるカメラに話を進めましょう。前述の通り、「Find X」はカメラ部分を端末内部に格納しており、カメラを起動するとニュッと自動でリフトアップします。OPPOはこれを「スライド式ステルスカメラ」と呼んでいます。

カメラを起動すると、端末上部からカメラ部がリフトアップ

カメラを起動すると、端末上部からカメラ部がリフトアップ

カメラ部はモーターが押し上げる仕組みになっていて、起動すると「ウィーン」という音が鳴りますが、動作音は非常に小さく気になるほどではありません。30万回の動作試験を行っているとのことなので、耐久性は安心していいでしょう。

背面ではリフトアップするとメインカメラが出てきます

背面ではリフトアップするとメインカメラが出てきます

なお、カメラの起動から画面がカメラUIに切り替わるまでの時間は0.4秒。これは、ほかのスマートフォンのカメラ起動時間と比べて、ほぼ同時、もしくはほんのすこし遅いくらい。試してみる前は、カメラの起動に時間がかかるため、撮りたい瞬間を逃してしまうかもと思っていましたが、ほかのスマートフォンのカメラと同じような使用感でした。

1点注意したいことは、「Find X」は指紋認証がなく顔認証機能にのみ対応しているので、端末のアンロック時にも0.4秒かかってしまう点。画面を点灯させて下から上にスワイプすると、カメラがリフトアップし顔認識し端末をアンロック。この一連の動作にかかる時間は、顔認証対応のスマートフォンよりも明らかに“遅い”と感じるレベルです。慣れてしまえば日常的に使っていてストレスを感じませんが、これを許容できるかどうかは人による思います。気になる人は、家電量販店などで1度試してみるのがベターでしょう。

ここからは、肝心のカメラの性能について解説します。「Find X」のメインカメラは1600万画素と2000万画素(両方ともF2.0)のデュアルカメラ構成。光学式手ブレ補正や、AIが撮影シーンの最適なカメラ設定を行う「AIシチュエーション」、「AIポートレート」やRAWデータをベースにHDR処理を行う「RAW HDR」といった機能を搭載しています。

メインカメラは1600万画素と2000万画素のデュアルカメラ

メインカメラは1600万画素と2000万画素のデュアルカメラ

実際に試してみたところ、細かい撮影の設定を行ってくれる「AIシチュエーション」により、使いやすいカメラだと感じました。「AIシチュエーション」に代表されるAI補正は、他社製のスマートフォンでも取り入れられているメジャーな機能ですが、機種によってはきつめの補正をかけてきます。しかし、「Find X」はどちらかというと自然に近い色合いや明るさで補正してくれる印象です。

これはAIが「風景」と認識して撮影した1枚。空や木の色は見た目に近い感じ。木の葉っぱがつぶれているので、欲を言えばもう少し精細さが欲しかったところ

ストリートアートを撮影した1枚。カラフルな色彩や壁の質感がよく表現できています

ストリートアートを撮影した1枚。カラフルな色彩や壁の質感がよく表現できています

HDRにより逆光でも黒くつぶれることはありません。葉っぱの葉脈まできちんと確認できます

HDRにより逆光でも黒くつぶれることはありません。葉っぱの葉脈まできちんと確認できます

照度の低い室内や、夜でも明るい写真を撮影可能。手持ちでもちょっとやそっとでブレることはありません。

少しくらめのお店での1枚。揚げ物のシズル感がよくでています

少しくらめのお店での1枚。揚げ物のシズル感がよくでています

手持ちでもブレることなく明るい写真を撮影可能。遠くにあるビルの明かりもしっかりととらえています

手持ちでもブレることなく明るい写真を撮影可能。遠くにあるビルの明かりもしっかりととらえています

メインカメラの性能に関してはおおむね満足ですが、12万円を超えるハイエンド端末ということを考慮すると、期待を大きく上回るほどではなく、ハイエンド端末として標準レベルに落ちついているという感じです。アップルの「iPhone X」やファーウェイ「P20 Pro」のように、使っていて驚くほどきれいというレベルには到達していません。

次は、フロントカメラ。OPPOが長年力を入れているのが、フロントカメラによる自撮り機能です。「Find X」もその例にもれず、2500万画素(F2.0)という高画素のセンサーとレンズに加えて、IRカメラや近接センサー、ドットプロジェクターなどのセンサーから得た情報でリアルタイムに補正を行う「A.I.インテリジェント3Dカメラ」という機能を搭載しています。

この機能は、事前に自分の顔の3Dモデルを作成し、それに最適なビューティー効果を保存するというもの。次回の撮影からは、この保存したビューティー効果をリアルタイムで付与できます。簡単に言えば、自分だけのオリジナルビューティー効果を作成できるというわけです。「Find X」のフロントカメラは、自撮りできれいに撮る、という点に特化しているのです。

自分だけのビューティー効果により、自撮りも自然に盛れる

自分だけのビューティー効果により、自撮りも自然に盛れる

最新CPUにDSDV対応。超急速充電など高いスペックと機能性備えるいっぽう、NFCや防水に非対応

最後に「Find X」の基本スペックですが、CPU「Snapdragon 845」、メモリー8GB、ストレージ容量256GBという最新のハイエンドスマートフォンにふさわしい構成です。ベンチマークアプリ「AnTuTuベンチマーク」や「3DMark」でテストしたところ非常に高いスコアを記録しましたが、「Find X」はベンチマークブーストの疑いで3DMark開発元であるUL社のランキングから削除されたということがあったため、本記事ではベンチマークテストの結果は割愛させていただきます。

アプリの起動や切り替えなどでもたつくことはなく、3Dゲームのプレイも快適に行えており、筆者が使用した範囲ではハイエンド端末にふさわしい動作を見せていました。

通信は、LTE FDDがB1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/25/26/28/29/32/66、TD-LTEがB34/38/39/40/41、WCDMAがB1/2/4/5/6/8/19、GSMが850/900/1800/1900。Wi-FiはIEEE 802.11 a/b/g/n/ac(2.4/5GHz)で、DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)に対応します(VoLTEはauとソフトバンクのみ対応)。

nanoSIMカードが裏表に1枚ずつ、合計2枚格納できるSIMカードスロット。microSDカードには対応していません

nanoSIMカードが裏表に1枚ずつ、合計2枚格納できるSIMカードスロット。microSDカードには対応していません

バッテリー容量は1700mAhのバッテリーを2つ搭載するという少し変わった仕様で、合計3400mAh。OPPO独自の充電技術「Super VOOC フラッシュチャージ」により約35分でのフル充電が可能です。この超急速充電は、同梱のアダプターとケーブルの使用時のみという条件がありますが、就寝時にうっかり充電し忘れても、朝出かける用意をしている時間でフル充電できるという、めちゃくちゃありがたい機能です。

「Super VOOC フラッシュチャージ」は充電を忘れがちな筆者にとって非常に助かる機能でした

「Super VOOC フラッシュチャージ」は充電を忘れがちな筆者にとって非常に助かる機能でした

まとめ

「Find X」は、カメラを格納するというギミックを備えつつ、ハイエンドスマートフォンとして申し分ない性能を持ち合わせています。しかし、12万円を超える価格帯であれば、NFCや防水・防塵ボディ、microSDカード対応など、いわゆる「全部入りスマートフォン」を実現してほしかったというが正直なところです。

しかし、新しい技術をいち早く体験したいというユーザーなら1度手に取ってみても損はないでしょう。特に、ガジェット好きならリフトアップするカメラ体験や、ノッチのないフルビューディスプレイに満足するはずです。

水川悠士(編集部)

水川悠士(編集部)

最新ガジェットとゲームに目がない雑食系ライター。最近メタボ気味になってきたので健康管理グッズにも興味あり。休日はゲームをしたり映画を見たりしています。

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