レビュー
Galaxy Noteに強力なライバルが出現?

安価な大画面ペン入力スマホ、LG「Q Stylus」レビュー

楽天モバイルで発売中のミドルレンジ向けスマホ「Q Stylus」(LG製)は、約6.2インチの大画面ディスプレイを使ったペン入力が行えるのが特徴。サムスンのハイエンドスマホ「Galaxy Note」と似たコンセプトの製品だが、楽天モバイルでは3万円台という低価格で発売されており、そのコストパフォーマンスのよさが注目される。本製品を、1週間以上じっくり使ってみた。

画面サイズ(解像度):約6.2インチ(1080×2160)
サイズ(幅×高さ×厚さ):約78×160×8.5 mm
重量:約172g
SoC:Snapdragon 450 SDM450(1.8GHz×8)
RAM容量:3GB
ストレージ容量:32GB
増設用メモリーカードスロット:microSDXC(最大400GBまで対応)
OS:Android 8.1
SIMカードスロット:nanoSIM×1
LTE対応バンド:非公開
Wi-Fi:IEEE802.11a/b/g/n/ac(2.4GHz帯/5GHz帯)
NFC:非搭載
FeliCa:非搭載
指紋認証センサー:搭載
ワンセグ/フルセグ:搭載/非搭載
メインカメラ:約1,600万画素
サブカメラ:約800万画素
バッテリー容量:3,300mAh
USB:USB Type-C

タフネスボディを備え、ワンセグも見られる、手ごろな価格の大画面スマホ

「Q Stylus(キュー・スタイラス)」は、1080×2160表示に対応する約6.2インチの液晶ディスプレイを搭載する大画面のスマートフォンだ。その名前からもわかるように、スタイラスペンを備えており、ペン入力が行えるのが最大の特徴である。大画面でペン入力というコンセプトは、サムスンの「Galaxy Note」シリーズと似ているが、本機の端末価格は36,800円(税別。2019年1月31日までのキャンペーン期間中に通話SIMで契約した場合の一括払いの料金)で、「Galaxy Note9」の実質負担金のおおむね半額という安さだ。

ボディサイズは、約78(幅)×160(高さ)×8.5(厚さ)mmで、重量は約172g。6インチ以上の画面を備えるスマートフォンとしては、平均的なサイズだ。なお、ボディは、IPX5/8等級の防塵仕様と、IP6X等級の防塵仕様に加えて、米国国防総省の調達基準「MIL-STD-810G」のうち、防水(浸漬)、防水(雨)、防塵、耐衝撃、耐振動、耐日射、防湿、煙霧耐久、高温保管、高温動作、低温保管、低温動作、低圧動作、温度衝撃の14項目をクリアした、タフネス仕様となっている。

背面のデザインは、NTTドコモから発売されている「LG Style」と似たもの。カラーバリエーションは今回の検証機であるモロッカンブルーに加え、ラベンダーの計2色が用意されている。

スタイラスペンを内蔵し、SIMカードとmicroSDカードを装着した状態で計測した重量は約173gだった

スタイラスペンを内蔵し、SIMカードとmicroSDカードを装着した状態で計測した重量は約173gだった

ボディ下面にUSB Type-Cポートを搭載。ヘッドホン端子も備わっている

ボディ下面にUSB Type-Cポートを搭載。ヘッドホン端子も備わっている

SIMカードとmicroSDXCメモリーカードのトレーは一体型

SIMカードとmicroSDXCメモリーカードのトレーは一体型

背面のデザインは個性的ではないが、指紋認証センサーの位置など使い勝手は悪くない

背面のデザインは個性的ではないが、指紋認証センサーの位置など使い勝手は悪くない

LGが過去に発売した低価格帯のスマートフォンの中には、ディスプレイに色むらやぎらつきが目立つなど、コストダウンの影響が露骨に出ているものもあったが、今回の検証機を見る限り、画質面において取り立てて不満はなく、違和感なく使うことができた。

ディスプレイにカラーバーを表示させた。ぎらつきも目立たず発色に問題はない

ディスプレイにカラーバーを表示させた。ぎらつきも目立たず発色に問題はない

基本スペックだが、SoCにクアルコムのミドルレンジ向け「Snapdragon 450」を使用し、3GBのRAMと32GBのストレージ、400GBまで対応するmicroSDXCメモリーカードスロットを組み合わせる。OSは、Android 8.1。なお、本機のSoCは、シャープ「AQUOS sense2」や、LG「LG style」、富士通「arrows Be F-03K」、OPPO「R17 neo」などで広く使われているものである。

実際の処理性能を、定番のベンチマークアプリ「AnTuTuベンチマーク v7.1.3」を使って計測したところ、総合スコアは、68,117(内訳、CPU:34,329、GPU:12,160、UX:17,499、MEM:4,189)となった。このスコアを、本機と同じSoCを採用する「LG Style」の66,866(CPU:32,915、GPU:12,091、UX:17,543、MEM:4,317)と比較すると、結果は誤差の範囲内に収まった。なお、通信が続くなどボディが熱を持った状態になると、CPUの動作クロック落とされるのか、動作全般のなめらかさが明らかに悪化することがあった。こうした場合にベンチマークテストを行うと、総合スコアが2割程度低下していた。熱の影響にはややシビアな一面があるようだ。

SoCが十分冷えた状態で計測したAnTuTuベンチマークの総合スコア。左が本機、右が「LG Style」のもの。スコアの違いは誤差の範囲内と言ってよい。Snapdragon 450搭載機としても、標準的な値だ

付加機能としては、SIMフリースマホとしては珍しく、録画はできないもののワンセグチューナーが搭載されている。テレビを見られるSIMフリースマホはかなり限られているので、そうしたニーズに対して本機は貴重な選択肢になるだろう。なお、FeliCaポートおよびNFCポートは非搭載となっている。

サウンド機能では、「LG Style」や「V30+ Pro」など、近ごろのLG製スマホではよく見られるクアッドDACは搭載されていない。ただし、サラウンドフォーマットの「DTS:X」に対応している。「DTS:X」はイヤホンなど外部のオーディオ機器に接続した場合に有効となり、基本的にはDTS:Xフォーマットに対応したコンテンツに対してもっとも効果的だが、通常の音楽ファイルやストリーミング動画であっても、バーチャルサラウンド効果を得ることができる。

「DTS:X」に対応。イヤホンでバーチャルサラウンドを実現する

「DTS:X」に対応。イヤホンでバーチャルサラウンドを実現する

ワンセグチューナーを搭載。テレビを見られるSIMフリースマートフォンはかなり貴重だ

ワンセグチューナーを搭載。テレビを見られるSIMフリースマートフォンはかなり貴重だ

ヘッドホン端子に差し込む方式のワンセグ受信用アンテナが同梱される。なお、ヘッドホン端子に装着したイヤホンもアンテナとして利用できる

着実な操作が行えるスタイラスペンは、シニアユーザーにも使いやすい

本機最大の特徴であるスタイラスペンは、金属製でしっかりとしたつくりのものだが、やや細身。機能面では、Galaxy Noteのようなアナログ入力は行えず、ファンクションキーもないシンプルなもので、あくまで指の代わりに使うものという印象だ。LGによれば、本国の韓国ではタッチ操作を敬遠しがちなシニアユーザーに受けているという。確かに、大きな画面で行えるペン入力は、操作した感覚がハッキリわかるので、シニア層に受けるのも納得だ。

機能面では、スリープ状態からでもペンを引き抜くだけで画面にメモが残せる「画面OFFメモ」や、操作中に手早くメモを残せる「POP MEMO」といった実用性の高いものに加え、塗り絵およびスクラッチアートといったエンターテインメントアプリも内蔵されている。
アナログ入力に対応していないので、イラストを本格的に描くといった用途には向かないが、シンプルな図やイラストなら十分描きこめる。
手書き文字入力では、仮名、漢字、数字、アルファベット、記号、ハングルなどをいちいちモードを切り替えなくても入力可能。この点でも、タッチ操作の文字入力に苦手意識のある人に適している。

スタイラスペンは本体下部に収納される

スタイラスペンは本体下部に収納される

スタイラスペンは細身で、ファンクションキーなどのないシンプルなもの

スタイラスペンは細身で、ファンクションキーなどのないシンプルなもの

スタイラスペンで画面を2回軽く叩くだけでスリープから復帰、そのままパターン認識や指紋認証でロックを解除できる

ペンを引き抜くだけで起動する「画面OFFメモ」。思いついたときにすぐに画面上にメモを残せる

ペンを引き抜くだけで起動する「画面OFFメモ」。思いついたときにすぐに画面上にメモを残せる

ペンから一定以上離れると、落としていないか警告する機能もある

ペンから一定以上離れると、落としていないか警告する機能もある

HDRと手ぶれ補正が搭載されているが、高感度撮影に強いわけではない

続いてカメラ機能を見てみよう。メインカメラは約1,600万画素で、フロントカメラは約800万画素という組み合わせだ。スペック的に突出したものはないが、動画と静止画両方に対応する手ぶれ補正機構を備えているほか、HDR機能も備えている。なお、昨今の流行であるAIシーン認識などは備えていない。

メインカメラは約1,600万画素。動画と静止画両方に対応する手ぶれ補正機構を備えている

メインカメラは約1,600万画素。動画と静止画両方に対応する手ぶれ補正機構を備えている

以下に、メインカメラを使って撮影した作例を紹介する。なお、すべてカメラ任せのオートモードで撮影を行っている。

明るいビニールハウスの中でイチゴを接写。真っ赤に熟した実の発色がきれいだ

明るいビニールハウスの中でイチゴを接写。真っ赤に熟した実の発色がきれいだ

逆光気味の構図で柿の木を撮影。肉眼ではほとんど黒くつぶれていたが、HDRが動作したことで、実の色も表現できている

夜のガード下を撮影。ISO2150というかなりの高感度で、シャッター速度も1/10秒。手ぶれが最も少ないものを選んだ。光量が不足気味だが、ノイズは抑えられている

遠景で夜景を撮影。明暗差のある構図となった。同様の構図を10ショットほど撮影したが、ピントが迷うことも多く、この作例はその中でもっともピントが合ったもの

本機のカメラ性能は3万円台のスマートフォンとしては価格相応と言ったところ。明るい屋外ではHDRの効果もあり、明るさや構図を気にせずに撮影が行える。いっぽう夜景撮影では、手ぶれ補正機構があるものの、高感度に強いというわけでもないので、ぶれやすく、ボディをしっかりホールドしながら、枚数も多めに撮影する必要があった。

フルに使っても1日半は持つバッテリー

本機は、容量3,300mAhのバッテリーを内蔵する。このサイズの大型スマートフォンとしてはやや少なめだ。なお、駆動時間などのスペックは公表していない。今回の検証は9日の期間で、前半4日間は、かなりアクティブに使い、後半5日間は、待ち受け主体で、1日のうち断続的に1時間程度使うという利用頻度だった。前半4日間でバッテリーの充電は2回行い、筆者の利用パターンではフル充電からバッテリーの残量がゼロになるまでだいたい1日半は十分持つという印象である。待ち受け主体の後半5日間の場合、充電は2回しか行っていないが、フル充電から71時間経過した時点で、バッテリーの残量は38%も残っており、かなりゆるやかな消費ペースだ。あまり酷使しないなら、フル充電で5日程度は十分持続しそうだ。価格.comに寄せられるユーザーレビューは3件で、件数こそ少ないが、バッテリーに関しては、カテゴリー平均値の3.66に対して本機は、4.33と高く、個々のコメントも好意的なものが目立つ。

多くの人にペン入力の便利さもたらしてくれる1台

「元祖ペン入力スマホ」と言えるサムスンの「Galaxy Note」は人気モデルで、筆者も使うたびにペン入力の魅力を実感している。ただし、Galaxy Noteは万人にすすめるには高価格だし、人によってはオーバースペックでもある。そういう状況の中、登場した本機は、Galaxy Note的な大画面と&ペン入力という使い勝手を3万円台という価格で実現したもので、いままでありそうでなかった製品だ。また、大画面&ペン入力に加えて、タフネスボディやワンセグチューナー搭載という点も、SIMフリースマホとしては貴重な選択肢と言える。

なお、楽天モバイルでは2019年1月末までの期間で、端末価格が3,000円割引されるキャンペーンを実施中だ。キャンペーンが終わると39,800円(税別)となる。購入するならこのタイミングを活用したい。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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