KDDI(au)は、2019年5月13日、「新auピタットプラン」、「auフラットプラン7プラス」に加えて、通信容量が原則として無制限となる「auデータMAXプラン」という3種類の新料金プランを発表した。いずれもユーザーの利用スタイルに最適化されたプランで、最大で4割の値下げになると言うが、細部や条件に複雑なところも見られる。ここでは、そんなauの各新プランの特徴と注意点を解説しよう。
注意
※本記事中の料金は税別、2年継続契約の場合のものとなります。
従来からあった「auピタットプラン」は「新auピタットプラン」にリニューアルされた。「新auピタットプラン」は、従来の5段階から3段階へと変更された段階制プランで、1段階目が毎月のデータ通信量1GBまで(月額2,980円)、2段階目が4GBまで(月額4,480円)、3段階目が7GBまで(月額5,980円)となる。毎月の通信量が1GB未満の場合、月額2,980円という料金は変わらないものの、後述する「家族割プラス」を組み合わせることで、月額1,980円という低料金が永続するのが特徴だ(旧プランでは契約当初1年のみのキャンペーン価格)。サービス開始は6月1日からとなっている。
「新auピタットプラン」では、1GB未満の月間データ利用量で、「家族割プラス」を組み合わせた場合、旧プランでは当初1年間だけだった月額1,980円の料金がずっと続く
月間データ利用量20GB/30GBの定額料金プラン「auフラットプラン」も内容が見直された。月間30GBの通信が行える「auフラットプラン30」が廃止され「auフラットプラン20」のみになったほか、新たによりライトでSNSをよく使うユーザー向けのプラン「auフラットプラン7プラス」が加わった。
「auフラットプラン7プラス」は、月間7GBまで(月額5,480円)のデータ通信が可能というものだが、「+メッセージ」(SMS送信は有料)、「Facebook」、「Instagram」、「Twitter」の各サービスについては、7GBの通信容量に加算しないカウントフリーとなっているのが特徴。また、7GBを超過した場合の通信速度も2019年秋以降は最大128kbpsから最大300kbpsにスピードアップされる。なお、こちらのプランも「家族割プラス」と「auスマートバリュー」の組み合わせで、家族3人の場合、毎月2,000円が割引され、月額3,480円での利用が可能となる。
本プランは、全体の約45%にあたる、月間の通信容量が1GB以上、7GB未満のユーザーに適したものだ(KDDI調べ)。動画視聴ではWi-Fiをメインで使い、屋外でカウントフリーのSNSを使うなら、月間7GBでもかなり余裕があるだろう。サービス開始は6月1日からだ。
SNSの通信がカウントフリーとなる。なお対応するサービスについては、「(グループ外企業でも)オープンなポジションで話があれば積極的に対応する」とのこと
今回新設された料金プラン「auデータMAXプラン」(月額料金8,980円)は、通信容量の上限がない使い放題プランとなる。ただし、一定期間内に大量のデータ通信を行った場合、混雑する時間帯については通信速度の制限がかかることがある(容量の上限や規制される速度といった条件は公表されていない)。なお、テザリング、データシェア、国際ローミングの利用については、別枠として月間20GBの容量制限が設けられている。こちらも「auスマートバリュー」(月額1,000円)と「家族割プラス」(3人以上で月額1,000円)を組み合わせれば月額6,980円で利用可能だ。さらに、本プラン専用のキャンペーンとして、契約した翌月から6か月間について月額1,000円の割引が適用される「auデータMAXプラン スタートキャンペーン」も用意されており、上記の割引と組み合わせれば、6か月間は月額5,980円で使い放題となる。
本プランは、来年に迫る5G時代で主流になると見られる使い放題プランだ。従来の「auフラットプラン30」(月額8,000円)の上限である月間30GB以上のデータ通信を安価に利用できるのがメリット。通信制限はあるものの、動画視聴、Wi-Fiテザリングや海外ローミングを多用する人にも適している。
サービス提供開始は、2019年夏以降を予定している。
MVNOではいくつか例があるが、国内の通信キャリアのLTEサービスとしては通信容量無制限は、初の試みとなる
これらの新料金プランには共通する注意点があるほか割引、キャンペーンが用意されている。それらを順番に解説しよう。
今回発表された新プランでは、音声通話の通話し放題は、国内通話が無料の「通話定額」オプション(月額1,700円)と、5分以内の国内通話が無料となる「通話定額ライト」オプション(月額700円)として扱われる。なお「家族割プラス」に加入している家族間の通話は、これらのオプションを使わなくても24時間無料だ。
なお、「新auピタットプラン」では、携帯電話からの買い換えユーザー向けの特典である「ケータイ→auスマホ割」の内容が変更された。変更後は、通話定額オプション加入なし、または「通話定額ライト」加入時では、契約の翌月から月額1,000円、「通話定額」オプション加入時では月額1,700円の割引を、それぞれ12か月間受けられる。これに加えて、60歳以上のユーザーを対象にした「カケホ割60」の内容も変更され、「BASIO3 KYV43」、「LG it LGV36」、「AQUOS sense2 かんたん」のいずれかのスマホを購入し、「新ピタットプラン」と「通話定額」オプションを組み合わせた場合、契約の翌月より月額1,000円の割引が永年適用となる。
各プランの説明で触れたように、新料金プランでは、家族を対象にした割引プラン「家族割プラス」が用意される。これは、家族2名なら月額500円、3名以上なら月額1,000円の割引が受けられるというもので、割引の重要な要素となっている。
ただし、加入できる家族の条件が「指定されたauの料金プランに加入していること」に加えて、「同一住所に住んでいる家族」または、「auひかりなど、対象となる固定通信サービスを契約している別住所の50歳以上の家族」となっており、ほかの通信キャリアとは家族の定義が異なっている。なお、“指定された料金プラン”とは「新auピタットプラン」、「auフラットプラン7 プラス」、「auデータMAXプラン」の3種で、こちらのプランに加入していればその家族も割引の対象となる。従来からの、「auフラットプラン20/30」、「auフラットプラン25 Netflixパック」、「auフラットプラン5(学割専用)」、「VKプラン」、「VKプランS」、「VKプランM」、「スーパーカケホ(ケータイ)」、「カケホ(ケータイ)」に加入している家族は、「家族割プラス」のユーザーとしてカウントは可能だが、割引は適用されない。
上記の「家族割プラス」の開始にともない、「家族割プラス スタートキャンペーン」が実施される。これは、2019年6月1日から9月30日までの期間に限り、家族の有無に関わらず月額1,000円の割引を行うというものだ。
光ファイバーやCATVなど、指定された固定通信回線とセットの場合に適用される割引「auスマートバリュー」は、新料金プランでも適用される。「新auフラットプラン」では月額500円(月間1GB未満の場合は適用されない)、「auフラットプラン7プラス」と「auデータMAXプラン」では、月額1,000円の割引となる。従来のプランのように期間によって割引額が変動することはなくなり、一定額の割引が永続するので、料金を把握しやすくなった。
2017年7月14日以降に端末を購入したユーザーは、新たに端末購入した場合に限り新料金プランに変更可能となっている。2017年7月13日までに端末購入済みのユーザーは、端末購入なしで新料金プランに変更できる。
3プランともに、テザリングオプションが廃止された。なお、繰り返しになるが、容量無制限の「auデータMAXプラン」では、通常の通信容量とは別枠で、月間20GBまでの通信容量枠(テザリング、データシェア、国際ローミングの合計が月間20GB)が設定されている。
新料金プランの実施にともない、以下スケジュールで旧料金プランの新規受け付けが終了される。6月30日に受け付け終了となるのは「auピタットプラン」と「auフラットプラン30」。8月31日に受け付け終了になるのは「LTEプラン+LTEフラット」、「カケホ+データ定額1/3/5/20/30」、「スーパーカケホ+データ定額 1/3/5/20/30」、「スーパーカケホ(a)+データ定額5/20/30」だ。なお、上記プランを契約中の場合、契約はそのまま継続される。
FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。