レビュー
気になる利用料金や海外旅行などで使えるのか調べてみた

海外パケ死の心配なし。200以上の国で使えるSIM「Google Fi」使用レポート

日本国外に出かける間もスマートフォンを使用したいけれど、「通信回線はどれを使えばいいのだろう?」 というのは旅行者や出張族に共通する悩みです。元バックパッカーで、現在は海外取材に奔走する筆者にとっても、この問題は身近なので色々と調べてみたところ、全世界200以上の国や地域で使用でき、しかもデータ通信料金はどこの国でも一律1GB当たり10ドル(約1,080円)という手頃な値段で利用できるサービス「Google Fi」をGoogleが提供していることを知りました。というわけで、今回は実際に「Google Fi」に契約してその使い勝手を確かめてみることにしました。

Googleが提供するモバイル回線「Google Fi」 とは?

「Google Fi」は、GoogleがMVNO(仮想移動体通信事業者 )として提供するモバイル回線サービス(4G LTE)です。日本のMVNOとしては楽天の「楽天モバイル」やオプテージの「mineo」など多数の事業者がサービスを展開していますが、アメリカにおける同様の仕組みとしてGoogleの「Google Fi」があるというわけです。

ちなみに、「Google Fi」はかつて「Project Fi(プロジェクト・ファイ)」と呼ばれていましたが、現在は名称が変更になっています。

「Google Fi」 の特徴と使用条件

・データ通信料金は世界中どこでも1GBあたり10ドル、6GB以降は追加課金なし
・料金は月額20ドル(約2,060円)から。米国内の通話はかけ放題。米国外は通話料1分20セント(約22円)
・契約期間に縛りなし
・契約にはアメリカ国内で郵便物を受け取れる住所が必須
・対応機種は「iPhone 5s」以降のiPhoneシリーズ、「Pixel 3」「Moto G7」など

本記事の情報は2019年7月時点のものです。最新の情報は「Google Fi」公式ページ(英語)でご確認ください。

Google Fi

「Google Fi」 の契約にはアメリカ国内の住所が必須というハードルがある。ただし、ホテルでもOK

一般的な携帯電話回線と同様に、「Google Fi」を使用するには契約が必要ですが、日本人にとって少しハードルが高そうなのは「アメリカに住所がないと契約できない」という点。ただし、これはアメリカに家を持っていないとNGというわけではなくSIMを郵送するための住所があればOKです。ホテルやAirbnbなどの宿初施設であっても、荷物さえ受け取れれば問題ありません。なお、契約に際してアメリカで発行されたクレジットカードや社会保障番号などは不要でした。

Google Fiを使ってみた
筆者は2019年に米国で「Google Fi」を契約しました

出張でネバダ州に2週間ほど滞在することがあったので、その時のホテルの住所を受け取り先にして、「Google Fi」公式サイトから契約したところ、10日ほどで無事にSIMカードが届き、使用できるようになりました。

白い防水封筒に入って届いた「Google Fi」

白い防水封筒に入って届いた「Google Fi」

シンプルなデザインのパッケージ

シンプルなデザインのパッケージ

SIMカードスロットを開けるためのPINが同梱されています。説明はすべて英語ですが、簡潔な内容ではあるので読解に苦労することはなさそう

SIMカードを受け取ったら、手持ちのスマートフォンに差し込み、「Google Fi」のアプリから初期設定を行います。設定の言語は英語しかありませんが、画面の指示に従うだけなので、英語が苦手な人でも問題なし。初期設定自体は数分で完了し、その後すぐに現地の回線に接続されます。

契約さえすれば面倒な手続きなし。どの国でもすぐにネットワークにつながる

筆者の経験では、「Google Fi」は米国内の都市部(ラスベガス、ロサンゼルス)では快適に使用できました。「Uberで車を呼ぶ」「Googleマップを見る」「インターネットで調べ物をする」といった程度の作業において、ネットワーク回線(4G LTE)の体感速度は日本国内のモバイルネットワーク通信と大差ないものでした。

回線速度を測る「RBB SPEED TEST 」を使ってニューヨークでテストを5回行った結果(平均)は、下り7.9Mbps、上り16.7Mbps(いずれも小数点第2位四捨五入)でした。通信速度は時間帯や場所によるブレがあるので、この数値があらゆる状況でのスピードを表すわけではありませんが、日本国内で主要MVNOのサービスを使用した場合と比べても見劣りする結果ではありません。

「RBB SPEED TEST」の測定結果

「RBB SPEED TEST」の測定結果

香港と中国へ行った際も同様に通信速度は快適でした。中国は海外の主要なインターネットサービス(Google検索、Facebookなど)を遮断しているので、現地の通信会社のSIMカードを使ったりWi-Fiネットワークに接続したりする際はVPNを使用しないとそれらのサービスが使用できません。いっぽうで、「Google Fi」であれば、問題なくアクセスできました。香港や日本のAmazonなどでチャイナモバイルのプリペイド式SIMカードなどを購入すれば同じようなメリットが享受できますが「SIM購入→アクティベーション」という手間がかかるため、「Google Fi」の方が手間要らずで使用できるのは、大変助かります。

国や地域に応じて自動で現地の通信会社のネットワークに接続されるので、SIMの差し替えやチャージなどの手間は一切不要

使用するSIMカード は、Googleのアカウントに紐づけられており、専用サイトから使用データ量などをサクッと確認可能。シンプルなデザインのページで、ゴテゴテしたキャンペーン情報や広告などが表示されることはありません。

「Google Fi」はどのようなユーザーにとって便利なのか?

先述の通り、「Google Fi」を使用するためには、契約したSIMカードをアメリカで受け取らなければなりませんし、英語のページを読んで申し込みをしなければいけないという手間もあります。 では、日本人がわざわざ「Google Fi」を契約して使用するメリットはあるのでしょうか? ここからは、「Google Fi」を使用するメリットが少ない場合と多い場合をそれぞれ考えていきましょう。

「Google Fi」のメリットが少ないケース

例えば「韓国に1泊、データ通信料は控えめ」といったケースであれば、日本の通信キャリアが提供する海外ローミングプラン(24時間980円)などの手ごろなプランが用意されています。このようなサービスを利用すると、インターネットや現地でのわずらわしい手続きが不要になる点がメリットです。短期利用であれば金額も大半の旅行者や出張族にとっても許容範囲でしょう。手軽さを最重視するなら、日本のキャリアの海外ローミングを使うのがベターです。

もう少し節約したい場合、例として「アメリカの都市部に1カ月滞在、データ通信をタップリ使う」というような場合は、通信事業者「Simple Mobile(シンプル・モバイル)」のプリペイドSIMカードを現地の大手量販店(Best Buyなど)で購入できます。「30日間、データ使い放題、50ドル(約5,500円)」といったプランもあります。こういった現地の通信事業者が提供しているプリペイド式のSIMカードを使うというのもアリでしょう。

ただし、現地で購入するのは英語が苦手な人にとってハードルが高いし、到着した瞬間からスマートフォンを使いたい人や、面倒な手続きは日本で済ませておきたいという人には、最適解にはならないかもしれません。

また、スマートフォン用のSIMカードではありませんが、海外でインターネットを使うにはモバイルWi-Fiルーターをレンタルする、という方法もあります。値段だけを考えれば最も魅力的な選択肢になるいっぽうで、荷物が重くなる、充電するモノが増える、といったデメリットがあります。

上記と比べると、「Google Fi」は短期旅行や出張における最安の選択肢にはならず、1か月程度であっても行く国が限られていれば、プリペイドSIMの方が割安になるケースがほとんどでしょう。

「Google Fi」のメリットが多いケース

それでは、どんなケースで「Google Fi」のメリットがあるのかというと、それは「頻繁に、海外のさまざまなエリアに行く」という場合です。この場合でも、必ずにしも最安の選択肢にはなりません。しかし、1度契約すれば現地での手続きは一切不要、SIMカードの差し替えもチャージも不要で使える、という手軽さがにメリットを感じられるなら「Google Fi」が魅力的な選択肢となるでしょう。

なお、日本にいて「Google Fi」を使用しない場合などは、90日間利用を停止(サスペンド)できるので使用料を抑えられます。

「今月はアメリカ、来月は中国、その後もいろいろな国に行かなければ。でも、場所ごとにSIMカードを買ったり設定したりするのは手間だし、ローミングだと高くつくなぁ。広い地域で使えるサービスはデータ通信容量が微妙だし……」とお困りの方は「Google Fi」がぴったりです。世界のどこでも、空港に入った瞬間に現地の回線を掴んで、しかも料金体型が明確なおかげていくら使ったかヒヤヒヤする必要がない、というのは安心です。

Mr.TATE(Masahira TATE)

Mr.TATE(Masahira TATE)

世界50カ国以上を旅したバックパッカー。週間アスキー編集部などを経て、AppBankに入社。「バイヤーたてさん」として仕入れとYouTubeを活用したコンテンツコマースに取り組み、上場時は広報として企業PRを担当。現在はフリーランスで活動中。

関連記事
価格.comマガジン「動画」まとめページ
ページトップへ戻る