レビュー
薄型大画面ボディに、大容量のバッテリーを搭載

現時点で最高レベルのハイエンドスマホ、サムスン「Galaxy Note10+」レビュー

サムスンの高性能スマートフォン「Galaxy Note 10+」が、2019年10月18日よりNTTドコモとauから発売中だ。高性能、大画面、ペン入力という本シリーズのポイントを中心に、旧モデルとの違いなども踏まえてレビューをした。

画面はやや大型化しつつも、薄く軽くなったボディ

サムスンの「Galaxy Note」シリーズは、国内市場でも近ごろは毎年製品が投入されている大型スマートフォンだ。今回取り上げる「Galaxy Note 10+」も、昨年の「Galaxy Note9」から1年ぶりのバージョンアップとなる。なお、グローバルではひと回りコンパクトな「Galaxy Note10」もラインアップされているが、国内向けは上位モデルの「Galaxy Note 10+」だけがNTTドコモとauから発売されている。

「Galaxy Note 10+」は、約77.2(幅)×162.3(高さ)×7.9(厚さ)mm、重量約196gのボディに、3,040×1,440のQHD+表示に対応する約6.8インチの有機ELディスプレイを組み合わせた大型ボディが特徴。前モデル「Galaxy Note9」とサイズを比較すると、画面サイズが0.4インチ拡大し、幅が約1.2mm、高さが0.3mmそれぞれ大きくなったが、厚さは約0.9mm薄くなり、重量も約5g軽くなっている。実機の感触だが、手にした瞬間に前モデルよりも薄くなったことを実感できた。この薄さのおかげで、手にした際にもてあますような印象はさほど受けない。

なお、本機のボディはIPX5/IPX8等級の防水仕様と、IP6X等級の防塵仕様をクリアしている。FeliCaポートを搭載するほかワイヤレス充電「Qi」に対応しているが、前モデルで搭載されていたフルセグ・ワンセグのテレビチューナーは非搭載となった。また、ヘッドホン端子も搭載されておらず、ヘッドホン端子とUSB Type-Cポートの変換アダプターも同梱されていない。ただし、USB Type-C接続のイヤホンは同梱されている。

約7.9mmという薄さは圧巻。手にした際の印象はスペック値以上に薄く感じる

約7.9mmという薄さは圧巻。手にした際の印象はスペック値以上に薄く感じる

背面はガラス製。薄さと相まって高級感は十分

背面はガラス製。薄さと相まって高級感は十分

ボディ上面にはSIMカードのトレーが配置されている

ボディ上面にはSIMカードのトレーが配置されている

ボディ下面には、USB Type-Cポートが装備されるほかSペンが収納される。なお、USBポートはUSB PDを使った45Wという大電力充電に対応している

写真は同梱品。左から、USB Type-C接続のカナル型イヤホン、USBケーブル、Sペンの軸2本と交換に使う小型のペンチだ

樹脂製のケースも同梱されている。ケースを買わなくてもいいのはありがたいが、グローバルで展開される本機は、豊富なケースを選べるのも美点である

搭載される有機ELディスプレイ「Dynamic AMOLED」は、フロントカメラをパンチホールに収めることで、前モデルから0.4インチのサイズアップを実現した。そのおかげで、ボディ前面を埋め尽くすようにディスプレイが広がり、見た目の印象は先進的だ。画質の傾向は今夏モデルの「Galaxy S10」シリーズと大きく変わらず、有機EL特有のコントラスト比の高さに加えて、透明感も感じられる。近ごろは安価なスマートフォンでも有機ELディスプレイの普及が進んできているが、それらとは一線を画する画質と言っていいだろう。なお、初期設定では画面解像度がフルHD+に制限されている。

ボディ表面を覆い尽くすディスプレイ。見た目の印象も最新モデルらしい

ボディ表面を覆い尽くすディスプレイ。見た目の印象も最新モデルらしい

白の背景で電子書籍を表示させてみたが、全般的にクリアな発色で明るい色の表示にすぐれている

白の背景で電子書籍を表示させてみたが、全般的にクリアな発色で明るい色の表示にすぐれている

「Galaxy Note edge」からの伝統である曲面ディスプレイを採用しているが、曲率がゆるやかなので、ゆがみはさほど気にならない

内蔵バッテリーは容量4,300mAhとなり、2世代前の「Galaxy Note8」の3,300mAhや前モデル「Galaxy Note 9」の4,000mAhよりも、さらに大容量化された。バッテリー持ちの指標である「電池持ち時間」を見ると、NTTドコモ版「SC-01M」で約145時間、au版「SCV45」では約140時間で、いずれもハイエンドモデルの中でもかなりバッテリーが持続する部類となっている。今回の検証は1週間行ったが、1日2〜3時間程度の利用ペースなら、1.5〜2日はバッテリーが持続した。使い方にもよるが、かなり酷使しても1日以上の電池持ちは望めそうな手応えがあった。

基本機能はそのままにジェスチャー機能を搭載したSペン

Galaxy Noteシリーズの特徴のひとつである「Sペン」も引き続き搭載されている。基本的な機能や形状はそのままで、従来通りのペン入力はもちろん、スライドやビデオ再生などのリモコン操作も引き続き行える。また、新機能として、ジェスチャー操作の「エアアクション」が追加された。これは、Sペンを本体近くで動かすことで一部の操作が行えるというもので、具体的には、カメラアプリの使用時にメインカメラとフロントカメラを切り替えたり、ギャラリーアプリでは次の画像の表示させることができる。また、ボリューム調整も行える。

類似するジェスチャー機能を搭載するスマートフォンもあるが、操作する側に慣れが求められることが多い。しかし、本機の場合、素手でのジェスチャーと異なりSペンを使うため、操作が曖昧になるようなことが少ない。

ソフトウェアの新機能だが、手書きの文字をテキストに変換する機能「テキストエクスポート」が搭載されている。これは、メモをテキストにしてWordやPDFとして保存できる。

Sペンはつなぎ目がなくなり、より本物のペンに近い剛性感になった

Sペンはつなぎ目がなくなり、より本物のペンに近い剛性感になった

手書きの文字をテキストデータに変換可能。また、WordやPDF、JPEGファイルへの書き出しも行える

手書きの文字をテキストデータに変換可能。また、WordやPDF、JPEGファイルへの書き出しも行える

NTTドコモ版「SC-01M」にはカレンダーの上に手書きメモを残せるアプリ「てがき手帳」がプリインストールされる

最強レベルの基本性能と高い冷却性能を兼備

基本性能の高さも本機の魅力だ。ハイエンドSoC「Snapdragon 855」に、12GBのメモリーと256GBのストレージ、1TBまで対応するmicroSDXCメモリーカードを組み合わせる。OSはAndroid 9。12GBという大容量メモリーに注目が集まるが、ストレージに高速なUFS3.0に対応するSSDを採用している点も見逃すことができない。現状、国内で正規販売される製品としては望みうる最高の性能と言っていいだろう。

実際の処理性能を定番のベンチマークアプリ「AnTuTuベンチマーク(バージョン8.0.2-OB)」を使って計測したところ、総合スコアは449,350(CPU:135,488、GPU:171,963、MEM:83,864、UX:58,035)となった。比較対象として、同じSoCを搭載するGoogle「Pixel 4」のスコア(387,757(CPU:117,026、GPU:164,109、MEM:55,385、UX:51,237)もあわせて掲載するが、同じSoCながらスコアにはかなり大きな開きがある。この理由であるが、本機がもつ高いSoCの冷却性能のほか、メモリー容量違い、そしてUSF3.0対応ストレージなどが影響しているものと思われる。

体感速度はさすがに速い。ゲームを3時間ほど続けて行ったが、処理落ちが見られないばかりかボディ表面の発熱も抑えられており、手に持ち続けても不快に感じることがなかった。また、メモリー容量が多いので、バックグランドで動作しているアプリが自動的に終了することが少ない。本機は処理性能、グラフィック性能、メモリー、ストレージのすべてにおいて相当余裕があり、同じSoCを搭載し、メモリーとストレージ容量も共通する「BlackShark2」と双璧をなすハイエンドモデルと言える。

左が本機、右が同じSoCを採用する「Pixel 4」のベンチマークテストの結果。総合スコアで6万というかなりの差が付いているが、ここには、SoCの冷却性能やストレージの仕様などの周辺部分の設計が影響しているものと思われる

超広角、広角、望遠で光学4倍ズームに対応。TOFカメラも搭載

本機のメインカメラは、約1,600画素の超広角カメラ(13mm、以下いずれも35mm換算時の焦点距離)、約1,200万画素の広角カメラ(26mm)、約1,200万画素の望遠カメラ(52mm)、被写界深度の計測に使うTOFカメラという組み合わせのクアッドカメラだ。サムスンでは、広角カメラを基準に、光学2倍ズームとしているが、カメラの作法に従ってワイド端とテレ端の焦点距離を比較すると、実質的には光学4倍のズームとなる。広角カメラと望遠カメラには光学手ぶれ補正が搭載されているほか、広角カメラにはF1.5とF2.4の2段階で絞り値を切り替えられるデュアルアパチャー機能も搭載されている。なお、フロントカメラは、約1,000万画素のシングルカメラだ。

本機のメインカメラは、先行して発売されている「Galaxy S10」と見た目も構成もよく似ているが、望遠カメラの絞り値がF2.2からF2.1へとわずかに明るくなっているほか、被写界深度を計測するTOFカメラが搭載されているなど、弱冠機能強化されている。なおTOFカメラは背景ぼかしなどに使われるが、今後普及すると見られているARやMRの精度向上にも活用できると言われている。

メインカメラは、超広角、広角、望遠の各カメラに加えて、TOFカメラを組み合わせたクアッドカメラ

メインカメラは、超広角、広角、望遠の各カメラに加えて、TOFカメラを組み合わせたクアッドカメラ

フロントカメラはディスプレイの一部をくりぬいて搭載されている。画素数は約1,000万

フロントカメラはディスプレイの一部をくりぬいて搭載されている。画素数は約1,000万

以下にメインカメラを使った作例を掲載する。なお、いずれもカメラ任せのオートモードで撮影を行っている。

超広角カメラ(13mm)で撮影

街の様子を超広角カメラで撮影。あえて太陽光を入れて明暗差を大きくしてみたが、階調の大きな破綻は見られない。13mmという超広角のため、街の広がりがより強調されている

広角カメラ(26mm)で撮影

上と同じ構図を広角カメラで撮影。空の階調はかなり良好で深みも感じられる

上と同じ構図を広角カメラで撮影。空の階調はかなり良好で深みも感じられる

望遠カメラ(52mm)で撮影

これも同じ構図を望遠カメラで撮影。中央のビルのディテールがよくわかる

これも同じ構図を望遠カメラで撮影。中央のビルのディテールがよくわかる

望遠カメラでタテハチョウを接写

望遠カメラに切り替えてツマグロヒョウモンを接写。広角カメラに対して光学2倍というズームのおかげで、被写体をぎりぎりまで大きく撮影できた

望遠カメラでモデルを撮影

東京モーターショーのコンパニオンを望遠カメラを使って遠めから撮影。ポートレート風の写真も望遠カメラを使えば距離を長めにとってモデルに圧迫感を与えずに撮影できる

本機のカメラは、細かなスペックの向上はあるが、基本的には3基のカメラを組み合わせて実質4倍の光学ズームに対応するという点で、「Galaxy S10」と似ている。各カメラの焦点距離は、実はアップルの「iPhone 11 Pro/ Max」と同じだが、超広角カメラは13mmという超広角撮影に対応しており、ソニー「Xperia 5」やファーウェイ「P30 Pro」のカメラのワイド端である16mmよりも3mmも広い。超広角領域では1mmの焦点距離の差はかなり大きいため、超広角撮影を重視するなら、本機は最有力のAndroidスマホになるだろう。

また、望遠カメラは、おおむね10cmあたりまで被写体に寄ることができ、スマートフォンでは難しかったマクロ撮影も行いやすい。本機はカメラを最大のセールスポイントにしているわけではないが、機能面ではトップレベルにあると言っていいだろう。

隙がみられない現時点で最高級のAndroidスマホ

2019年10月1日に施行された電気通信事業法の影響で、ハイエンドスマホの価格は全般的に上昇している。本機も、NTTドコモ版「SC-01M」は110,160円、au版「SCV45」も118,800円(いずれも税別)とかなり高めだ。本機のようなハイエンドスマホを買うには、何か特別な理由が欲しい。その理由としては、圧倒的な大画面かつ薄型のボディ、高いカメラ機能、使いやすいSペンなどがあげられる。また、前モデル「Galaxy Note9」と同じく放熱効果の高いベイパーチャンバー冷却システムを採用しているので、高い負荷が長時間続くゲームをプレイするためのゲーミングスマホとしても適している。現時点で見れば、ハイエンドスマホの中のハイエンドモデルと言える内容だ。

すでに発売から2年が経った「Galaxy Note8」からの買い換えでも、1,000mAhも増加した大容量バッテリーや、拡大されたディスプレイ、処理性能の向上、カメラの機能強化、機能が強化されたSペンなど、その進化を実感できるはずだ。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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