レビュー
同梱の専用ケースを使って約6.8インチ×2の2画面スマホに変身

5G対応の2画面スマホ「LG V60 ThinQ 5G」レビュー

LGの「LG V60 ThinQ 5G」は、近ごろLGが注力している、ディスプレイ付きの専用カバーを使うことで、折りたたみ2画面表示を可能にする5G対応スマートフォンだ。NTTドコモ版「L-51A」および、ソフトバンク版「A001LG」が4月下旬より発売予定だが、そのうち「L-51A」の先行開発機を入手できたので、その使い勝手などをレビューする。

※本記事中の価格は税別で統一しています。
※今回の検証機は、開発途中版のため製品版と仕様が異なる場合があります。

専用ケース装着で約6.8インチ×2の2画面スマホに

最近、折りたたみスタイルの2画面スマートフォンがいくつかのメーカーからリリースされているが、LGでは、ディスプレイを備えた専用ケースを使った折りたたみ2画面スマートフォンに注力している。2019年12月には「LG G8X ThinQ」をソフトバンクからリリースしたが、その後継として5G対応の「LG V60 ThinQ 5G」が、NTTドコモおよびソフトバンクから4月下旬より発売される予定だ。

スマートフォンとしての本体単体としては、サイズが約78(幅)×170(高さ)×9.2(厚さ)mmで、重量約218gのボディに、2,460×1,080のフルHD+表示に対応する約6.8インチの有機ELディスプレイを備える。80mmに迫る横幅や200gを大きく超える重量など、本体だけでもサイズはかなり大きめと言える。有機ELディスプレイは、小型のノッチを備えた平面ディスプレイで、ディスプレイ指紋認証に対応したもの。なお、ボディは、IPX5/8等級の防水仕様と、IP6X等級の防塵仕様をクリアしており、FeliCa・NFCポート、ヘッドホン端子を備えるほか、ワイヤレス充電の「Qi」にも対応しているなど、多機能だ。いっぽう、「LG G8X ThinQ」では搭載されていたフルセグ・ワンセグのテレビチューナーは非搭載となった。サウンド機能では、ハイレゾ音源の再生に加えて、LG製スマートフォンではおなじみのクアッドDACを備えており、ヘッドホン端子から出力されるサウンドに対して、ノイズを抑えたクリアな音質で再生できる。また、LG独自のバーチャルサラウンド機能「LG 3Dサウンド」も備えており、サウンド機能も充実した内容だ。

有機ELディスプレイは約6.8インチというかなりの大画面だ

有機ELディスプレイは約6.8インチというかなりの大画面だ

ディスプレイ指紋認証に対応。精度と速度ともに良好だった

ディスプレイ指紋認証に対応。精度と速度ともに良好だった

背面はガラス製でつるりとした質感。カラーバリエーションはNTTドコモ版が写真の「ザ ブラック」と「クラッシーホワイト」の2色、ソフトバンク版はクラッシーブルーの1色

ボディ下面には、USB Type-Cポートと、ヘッドホン端子が配置される

ボディ下面には、USB Type-Cポートと、ヘッドホン端子が配置される

ボディ右側面には電源ボタンを配置

ボディ右側面には電源ボタンを配置

ボディ左側面には、ボリュームとGoogleアシスタントの呼び出しなどが行えるファンクションボタンを配置する

ボディ左側面には、ボリュームとGoogleアシスタントの呼び出しなどが行えるファンクションボタンを配置する

同梱される専用カバー「LGデュアルスクリーン」は、本体と同じく、2,460×1,080のフルHD+表示に対応する約6.8インチの有機ELディスプレイを備える。本体側ディスプレイと同じようにノッチもあるが、カメラや指紋認証センサーは搭載されていない。なお、カバーの表側には、時計や通知などを表示するモノクロの小型ディスプレイが搭載されている。なお、「LGデュアルスクリーン」を装着した場合、本機の全体のサイズは、約87(幅)×177(高さ)×15(厚さ)mm、重量は約353gになる。

「LGデュアルスクリーン」の表面には、時計や通知などを表示するモノクロの小型ディスプレイが配置される

「LGデュアルスクリーン」の表面には、時計や通知などを表示するモノクロの小型ディスプレイが配置される

ケースは本体と異なり防水・防塵に対応しておらず、外部接続端子も独自仕様のものになる。USB Type-Cケーブルを接続する場合は、同梱のアダプターを使う

本機の基本性能だが、今期の5Gスマホの多くが採用するハイエンドSoC「Snapdragon 865」に、8GBのメモリーと128GBのストレージ、512GBまで対応するmicroSDXCメモリーカードスロットを組み合わせたもの。OSは、Android 10だ。実際の処理性能を定番のベンチマークアプリ「AnTuTuベンチマーク(Ver.8.3.1)」と「Geekbench 5」を使って計測したところ、「AnTuTuベンチマーク」の総合スコアは549,647(内訳、CPU:181,258、GPU:207,584、MEM:84,727、UX:76,078)となった。このスコアは、本機と基本スペックが類似するサムスン「Galaxy S20」の540,515(内訳、CPU:163,979、GPU:215,479、MEM:79,653、UX:81,404)と比較しても、ほぼ同レベルと言える。「Geekbenck 5」のスコアも、本機はシングルコアが919、マルチコアが3,251なのに対し、「Galaxy S20」は、シングルコア913、マルチコア3,174とほぼ同じだった。メモリーの容量が、本機は8GBなのに対して、「Galaxy S20」は12GBという違いがあるものの、処理性能の面では、両機はほぼ同等レベルと言えそうだ。

「AnTuTuベンチマーク」の計測結果。左が本機で、右が「Galaxy S20」のもの。同じSoCを搭載することもあり、スコアの傾向はよく似ている

「Geekbench」の計測結果。左が本機、右が「Galaxy S20」のもの。本機はシングルコアが919、マルチコアが3,251で、こちらも「Galaxy S20」のシングルコア913、マルチコア3,174とほぼ同じスコアだった

本機のメモリー容量は8GBと、ハイエンドモデルとしてはやや少ない。たしかにタスクの切り替えで、その差を多少感じることもあるが、バックグラウンドで動作するアプリをたまに終了させれば、さほど気にならないレベルだ。なお、2画面表示にした場合、AnTuTuベンチマークのGPUのスコアが1割ほど低下する傾向が見られ、2画面表示を行うことで、1割くらいグラフィック負荷が増加するようだ。

デュアルディスプレイは便利だが、マルチタスク作業には注意が必要

デュアルディスプレイの基本的な使い方であるが、Android OSの標準機能である2画面表示を応用して、左右の画面にそれぞれ別のアプリを表示させて使うことができる。また、アプリ側が対応していれば、左右の画面をひとつの画面にまとめて表示する「ワイドモード」も利用できる。また、ユニークな機能として、片方の画面をレフ板代わりにする「レフ板モード」や、ゲームのコントロールパッドにする「LGゲームパッド」(アプリの対応が必要)といった使い方も行える。

2画面表示は、ゲームをしながら攻略サイトをチェックしたり、動画を再生しながらSNSを使うといった使い方に便利だ。ただし、表示しているアプリが同時にアクティブにはならない場合もある。攻略サイトを操作するとゲームはいったん停止する場合もあるし(同じアプリでも状況によって停止しない場合もある)、「YouTube」と「YouTube Music」は同時に起動できるが、当たり前だが同時に動画を再生はできない。こうしたアプリを同時に使う場合には少し注意がいる。(2020年4月17日修正:2画面がアクティブで動作する場合もあることをふまえて表現を修正しました。)

1画面で動画を再生し、もう片方の画面でSNSを表示することも可能。この場合、動画の再生は停止しない

1画面で動画を再生し、もう片方の画面でSNSを表示することも可能。この場合、動画の再生は停止しない

本体と「LGデュアルスクリーン」とはUSB Type-C端子を使って接続する。なお、「LGデュアルスクリーン」にはバッテリーは搭載されていない

Webブラウザーは一般的な「Chrome」と、本機独自の「Whale」の2種類がプリインストールされており、両方とも「ワイドモード」に対応しているが、「Whale」では、さらにリンク先を別画面で開くことができ、2画面表示により適したものとなっている。

プリインストールされるWebブラウザー「Whale」は、リンクを素早く2回タップすると、別画面にリンク先のページが表示される。2画面を有効に使える便利なブラウザーだ

2個の画面をひとつの画面として使う「ワイドモード」を使うには、アプリ側の対応が必要となる

2個の画面をひとつの画面として使う「ワイドモード」を使うには、アプリ側の対応が必要となる

5G通信機能に加えてWi-Fi 6にも対応

本機の5G通信機能は、NTTドコモ版「LG-51A」とソフトバンク版「A001LG」ともにSub-6に対応している。NTTドコモ版では下り最大3.4Gbps/上り最大1.7Gbps、ソフトバンク版はまだ数値計測中とのことだが、ほかの機種と同様に、下り最大2Gbps程度、上り最大100Mbps程度の通信が行えるものと思われる。5Gは、利用する周波数帯の性質でエリアひとつひとつが狭いうえに、建物などの障害物を回り込む回折や、建物の中への電波の浸透がしにくいため、まだ対応エリアは大都市のほんの一部という状況だ。しかし、NTTドコモでは、2021年3月末時点で全国の政令指定都市を含む500都市にエリアを広め、2022年3月末に全国2万基地局の稼働を目指すとしており、ソフトバンクも2021年3月までに人口カバー率90%を目指すとしている。なお、今回のレビューでは、東京都の緊急事態宣言のため、5Gエリアでの通信テストは割愛させていただいた。ご了承いただきたい。

なお、本機はWi-Fi 6にも対応しており、対応するWi-Fiルーターを使うことで高速なデータ通信が行える。

デュアルカメラ+ToFセンサーのトリプルカメラを搭載

本機のメインカメラは、約6,400万画素の超広角カメラ(15mm)と、約1,300万画素の標準カメラ(26mm)に加えて、構図を認識するToFカメラを組み合わせたトリプルカメラだ。8Kの動画撮影に対応しているほか、ARエフェクト機能などを備えている。なお、フロントカメラは約1,000万画素だ。

以下に、本機のメインカメラを使って撮影した静止画の作例を掲載する。いずれも初期設定のままオートモードで撮影を行っている。なお、今回の検証機は開発途中版のため、製品版とは画質チューニングが異なる場合がある。

超広角カメラで撮影

地面近くにカメラを設置して撮影。超広角らしく広々とした広場の印象だ。また、周辺部分の画質の荒れは思ったよりも気にならない

標準カメラで撮影

上と同じ構図を標準カメラに切り替えて撮影。中央のタンポポの綿毛部分は良好な解像感だ。また、超広角カメラよりも背景のボケが大きくなり、より立体的な構図になった

超広角カメラで撮影

菜の花畑を接写気味に撮影。こちらも構図の周辺部分の画質は比較的保たれている。菜の花の発色も自然で、明暗差の激しい雲もHDR処理が自動でかかり階調の大きな破綻は見られない

標準カメラで撮影

上と同じ構図を標準カメラで撮影。構図中央のピントの合った部分はディテールがよく残っている。背景のボケも比較的大きく、一眼カメラのような印象の写りだ

本機のカメラは、今のハイエンド機としては珍しい、デュアルカメラ+ToFカメラという構成で、基本的には、超広角と広角の2段階の切り替えができるだけだ(10倍までのデジタルズームは可能)。超広角カメラは焦点距離15mmと極端な広角ではないものの、荒れやすい構図の周辺部分の画質も保たれており、バランスがいい。標準カメラの画質も安定しており、構図を工夫すれば、背景を大きくぼかした一眼カメラのような写真を撮ることもできる。

気になった点だが、明暗差が大きい構図の場合、全般にもやのかかったようなフレアが発生しやすい。このフレアは、LGの過去のハイエンドモデルでも見かけることがたびたびあったので、カメラの映像チューニング自体は大きく進化していないのかもしれない。

5,000mAhの大容量バッテリーを搭載。フル充電で2日+αのバッテリー持ちが可能

本機は容量5,000mAhという、かなり大容量のバッテリーを搭載している。なお、NTTドコモ版「LG-51A」もソフトバンク版「A001LG」は電池持ちに関する公式スペックはまだ公表していない。
今回の検証では、1日に3時間(そのうち「LGデュアルスクリーン」を使った時間が約1時間。緊急事態宣言のため5Gエリアでの検証は見送った)というペースで利用したが、フル充電から丸2日が経過した時点でバッテリーは15%が残っていた。大容量バッテリーということもあって、バッテリー持ちにさほど不満はなさそうだ。なお、本機はUSB Type-Cを使った有線接続に加えて、Qi規格のワイヤレス充電に対応しているのも魅力と言えるだろう。

1画面と2画面化の選択肢があるのは大きな魅力

本機の最大の魅力は、1画面でも2画面でも使えるディスプレイにあるだろう。本体だけでも約6.8インチという大画面で、なかなか迫力があるが、「LGデュアルスクリーン」を装着すればさらに倍の画面サイズになる。「ワイドモード」対応のアプリを使えば、タブレットや折りたたみディスプレイを使ったフォルダブルスマートフォンに近い使い勝手を得られる。本体価格も「LGデュアルスクリーン」同梱で、NTTドコモ版「LG-51A」が107,280円(ソフトバンク版はまだ価格が公開されていない)と、ほかの5Gスマホよりも特に割高と言うことはなく、2画面対応モデルとしてはむしろ割安だ。

気になった点としては、現在のハイエンドモデルの中では、カメラの望遠撮影がやや弱い点と、フレアが目立ちやすいか。また、大画面のメリットと表裏の関係ではあるが、この大きなサイズを受け入れられるかも重要になるだろう。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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