特別企画
スマホ1台で定期券の2枚持ちが可能。ポイントも効率的に貯まる

「Xperia 8」で「モバイルPASMO」と「モバイルSuica」の併用を試した

2020年3月より「モバイルPASMO」のサービスが始まり、既存の「モバイルSuica」と合わせて、おサイフケータイで使うことのできる首都圏の交通系ICカードは2種類になった。そして、この両サービスを併用できるスマートフォンが一部に存在する。両サービスの違いと併用の利点を解説しつつ、併用対応の「Xperia 8」(UQ mobile版)を実際に使った使用レポートをお届けする。

同じようで違いも多い「モバイルPASMO」と「モバイルSuica」の関係

「モバイルPASMO」は、首都圏の鉄道・バス事業者が参加する株式会社パスモが発行する交通系ICカード「PASMO」のスマートフォン版。おサイフケータイのサービスのひとつとしてAndroidスマートフォンで利用できる。おサイフケータイでは、交通系ICカードとして「モバイルSuica」が以前から使われており、両サービスは相互に利用可能だ。しかし、それぞれが独自の機能やサービスを提供している点はあまり知られていないのではないだろうか。まずは「モバイルPASMO」と「モバイルSuica」それぞれの独自機能を紹介しよう。

「モバイルPASMO」独自の機能

JR区間を使わない定期券が購入できる
主要な違いのひとつに、定期券の対応エリアがある。JR東日本が運営する「モバイルSuica」では、原則としてJRとの連絡定期券としてしか非JR区間の定期券を買うことができない。しかし、「モバイルPASMO」なら、JR区間の入らないPASMO区間のみの定期券が購入できる。

バス定期券をアプリ上でクレカを使って買える
従来は窓口で買う必要のあったバス定期券をアプリ上でクレジットカード決済を使って購入できる。購入できるのは金額式IC定期券または全線フリー定期券だ。ただし、PASMOに対応していても、バス定期券の購入には対応していないバス事業者も存在する。また、一部の路線については対応していない場合もある。

「モバイルPASMO」アプリ上でバス定期券を購入可能なバス事業者の一覧。すべてのPASMO対応事業者が対応しているわけではないし、路線によって対応していない場合もある

バス特ポイントをPASMOアプリで確認できる
バス利用特典サービス(通称「バス特」)のポイントをアプリ上で簡単に確認できる。「バス特」は、「モバイルSuica」でもポイントが貯まっていたが、ポイントの確認が面倒なこともあって、あまり見たことがないという人も多いだろう。しかしモバイルPASMOでは貯まったポイント額や、付与されるバスチケットの残額が簡単に表示されるので便利だ。

「モバイルSuica」では手間のかかった「バス特」のポイントを「モバイルPASMO」アプリでは簡単に確認できる

「モバイルSuica」では手間のかかった「バス特」のポイントを「モバイルPASMO」アプリでは簡単に確認できる

オートチャージに11種類の鉄道系クレジットカードが利用できる
「モバイルSuica」「モバイルPASMO」ともに、オートチャージに対応しているが、決済に対応するクレジットカードが異なる。「モバイルSuica」ではJR東日本グループが発行する「VIEWカード」のみの対応だ、いっぽうの「モバイルPASMO」は、加盟鉄道事業各社が発行する11種類のクレジットカードが対応している。(詳細は以下を参照)。

私鉄系ポイントが貯まる
ポイント制度にも違いがある、「モバイルSuica」では「JRE POINT」がたまるが(別途会員登録が必要)、モバイルPASMOでは、東京メトロの「メトポ」など、私鉄各社のポイントを貯めることができる(こちらも別途会員登録が必要)。なお、都営交通のポイントサービス「ToKoPo」のようにモバイルPASMOにはまだ対応していないポイントサービスも少なくないので注意したい。

「モバイルSuica」独自の機能

Suicaグリーン券やエクスプレス予約ができる
「モバイルSuica」では、JR各線のグリーン券が購入できる。また、東海道・山陽新幹線の切符のオンライン販売である「エクスプレス予約」が利用できる。

一部のスマートフォンに限り、「モバイルPASMO」と「モバイルSuica」の併用が可能

このように、「モバイルPASMO」と「モバイルSuica」には機能的な違いがあるので使い分けができれば便利だ。特に「モバイルPASMO」と「モバイルSuica」それぞれで定期券を購入すれば、1台のスマホで2枚の定期券を利用できる。

しかし、1台のスマートフォンで両サービスを併用できるのは、株式会社パスモが「TYPE1」に分類している製品に限られている。「TYPE1」に属するのは2020年5月29日時点でソニーモバイル「Xperia 1/5/8/1 II/10 II」の各機種のほか、シャープ「AQUOS R5G」、京セラ「Android One S6」、Google「Pixel 4/4XL」のみ。最新モデルでも「TYPE1」の製品はあまり増えていないのが現状だ。

モバイルPASMOとモバイルSuicaを併用できる「TYPE1」に属する製品(2020年5月29日現在)

「Xperia 8」を使って「モバイルPASMO」と「モバイルSuica」の併用を試した

今回はソニーモバイル「Xperia 8」(UQ mobile版)を使って、「モバイルPASMO」と「モバイルSuica」を併用してみた。「モバイルPASMO」と「モバイルSuica」のアプリは、いずれも「おサイフケータイ」アプリからダウンロードできる。各サービスともメールアドレスとクレジットカードがあれば数分で入会手続きは終わる。

肝心の両サービスの切り替えは、「おサイフケータイ」アプリの「マイサービス」でメインカードを指定する形で行う。メインカードの切り替えはいつでも行えるし、切り替えにかかる時間も、処理性能がさほど高くない「Xperia 8」でも数秒以内に終わる。ただし、指定されたメインカードのみがアクティブになる仕様のため、連携は自動ではできない。2枚の定期券を併用する場合は、改札口を通る前に毎回切り替えを済ませる必要がある。これは少々不便で、検証中に切り替えをうっかり忘れたせいで数回改札口のゲートを閉められたことがあった。また、両カードの連携ができれば理想だが、現在のメインカードとそのSF残高などを表示して、両カードを随時切り替えられるようなウィジェットのようなものがあれば、使い勝手は改善しそうだ。

両カードを切り替えるには、「おサイフケータイ」アプリでいずれかのカードをメインカードに指定する必要がある。メインカードのみがアクティブになる仕様だ

「モバイルPASMO」のもうひとつの特徴である、バス定期券やバス特などバス周辺のサービスについても試してみたが、筆者の住む近隣の大手バス事業者が運営するバス路線はいずれもバス定期券の対象外路線だった。バス定期券の「モバイルPASMO」への対応は、バス事業者やその営業支社によって温度差があるのが現状のようである。この点は事前に確認しておく必要があるだろう。

都営バスおよび都電は原則としてモバイルPASMOのバス定期券に対応している

都営バスおよび都電は原則としてモバイルPASMOのバス定期券に対応している

併用は便利だが、切り替えの煩雑さと対応スマホの少なさが欠点

以上、「モバイルPASMO」と「モバイルSuica」の併用を試した。バス定期券のオンライン購入や、定期券の2枚持ち、効率的にポイントを貯められるといった、併用のメリットは少なくない。「モバイルSuica」が今年2月から年会費を無料化したことで、両サービスとも年会費がかからないのも、その魅力を高めている。

現状での欠点は、併用に対応するスマートフォンが少ないことだ。現状、両カードを併用できるのはAndroidスマートフォンのごく一部に限られており、最新機種でも対応はさほど進んでいない。また、両サービス間の連携が行えないので、現在どちらがメインカードなのかを常に把握して、必要に応じて手動で切り替える必要がある。カード間の連携ができれば理想だが、アプリやウィジェットで手軽にカードの確認と切り替えができれば使い勝手は改善されそうだ。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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