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視線認識でどの角度から見ても自然な裸眼3D立体視を実現

空間に3DCGを映し出すソニーの「空間再現ディスプレイ」の近未来感がスゴかった!

今年のCES 2020の会場でソニーが技術参考展示を行った独自の「視線認識型ライトフィールドディスプレイ」。見る人の視線の検知し、視線の角度に合わせて3Dコンテンツの表示をリアルタイムで制御することで、あたかもそこにあるかのような立体映像をディスプレイ上の空間に再現するというもので、たとえばディスプレイを上からのぞき込むように見ると、空間上に再現された3Dオブジェクトも上からのぞき込んだときのようなリアルな形で楽しめるというのが最大の特徴だ。そんな最先端の技術がついに民生向けにも提供される。

今回ソニーが投入するのは、同社が“Spatial Reality Display(空間再現ディスプレイ)”と呼ぶ「ELF-SR1」。パネルサイズ15.6インチの空間再現ディスプレイと、コンテンツ制作用の開発ツールをセットにした形で提供される。発売は10月31日で、市場想定価格は50万円前後だ。

ソニーのSpatial Reality Display(空間再現ディスプレイ)「ELF-SR1」

ソニーのSpatial Reality Display(空間再現ディスプレイ)「ELF-SR1」

空間再現ディスプレイの仕組みは、CSE 2020で披露された「視線認識型ライトフィールドディスプレイ」とほぼ同じで、ディスプレイ上部に組み込まれた高速ビジョンセンターで視聴者の顔(両目)の位置を感知し、コンテンツ再生用PC側で立体視に最適な映像をリアルタイムに生成。生成したデータをディスプレイ本体に送り、パネル表面に無数に配置したマイクロオプティカルレンズで左右の目に映像を分割して届けることで、裸眼立体視を実現している。

本体上部に搭載されている高速ビジョンセンサー。こちらで人の両目を認識している。認識できるエリアは、左右それぞれ45度、上下それぞれ60度の範囲をトラッキング可能とのこと

本体上部に搭載されている高速ビジョンセンサー。こちらで人の両目を認識している。認識できるエリアは、左右それぞれ45度、上下それぞれ60度の範囲をトラッキング可能とのこと

ディスプレイの表面に配置されたマイクロオプティカルレンズで映像を分割し、左右の瞳に対して送信することで、裸眼での立体視を実現している

ディスプレイの表面に配置されたマイクロオプティカルレンズで映像を分割し、左右の瞳に対して送信することで、裸眼での立体視を実現している

本体には没入感を高めるオプションパーツも付属

本体には没入感を高めるオプションパーツも付属

オプションパーツはマグネットで本体に固定することができる

オプションパーツはマグネットで本体に固定することができる

3D立体視を効果的に体感できるように、ディスプレイには角度が付けられている

3D立体視を効果的に体感できるように、ディスプレイには角度が付けられている

ディスプレイの下にはスピーカーが配置されており、中央部にはPCとの接続に使用するUSBポート、HDMIポート、電源供給用のACポートが並ぶ

ディスプレイの下にはスピーカーが配置されており、中央部にはPCとの接続に使用するUSBポート、HDMIポート、電源供給用のACポートが並ぶ

左右の瞳に対して立体視を届ける仕組みとしては、1枚のパネル内で複数の視点に分割して映像を表示するバリア方式がすでにあるが、ソニーの空間再現ディスプレイは、高速ビジョンセンサーでとらえた1人だけに対してパネルの全画素を占有描画している点が大きく異なる。これにより、バリア方式に比べて高い解像感で3Dオブジェクトの細部までしっかりと確認でき、映像のつながりもよりなめらかになっているという。

ちなみに、高速ビジョンセンサーでは、左右の瞳に対して高精度な映像を届けるため、上下方向だけでなく、奥行き方向の動きも検知している。両目の位置を正確にトラッキングするために最初に顔を認識する仕組みになっているそうで、現状ではマスクをしたままでは正しく認識できないことがあるが、今後、マスク装着時の顔を機械学習させ、マスク装着時でも正確にトラッキングできるように改良を加えていくそうだ。

3DCG製作などコンテンツ制作に携わるコンテンツクリエイターがメインのターゲットユーザーということで、開発用PCの脇に置いてもじゃまにならない比較的コンパクトなサイズとなっている。ディスプレイサイズは15.6インチで、解像度は4K(3840×2160)だ。マイクロオプティカルレンズを通して映像を分割して送信し、脳内で結合して立体視を実現するという仕組みなので、2Dのディスプレイとの単純比較はできないが、実際の解像度としてはフルHD以上4K未満のクオリティくらいになるそうだ。なお、色域はAdobe RGB約100%をカバーしている。

空間再現ディスプレイに表示させるコンテンツ制作用の開発ツール(専用SDK)についてはダウンロードでの提供になるそうで、対応ゲームエンジンとしてはUnityとUNREAL ENGINE4の2種類をサポート。ゲームエンジンを利用してコンテンツを開発できるので、インタラクティブ性のあるコンテンツ開発や、すでに開発済みのVRコンテンツの移植なども容易に行えるという。空間再現ディスプレイに表示する流れは、3DCGデータなどをゲームエンジンで読み込み、専用SDKを使ってアプリ化して表示するといった流れになっており、専用SDKでは表示エリアを決定したり、バーチャルカメラで視点を決めるなどの作業が必要となる。担当者によれば、調整の追い込み具合にもよるが、すでに開発済みのコンテンツであれば1日程度で移植できるという。

専用SDKで表示エリアなどを調整して空間再現ディスプレイに表示する流れ

専用SDKで表示エリアなどを調整して空間再現ディスプレイに表示する流れ

コンテンツ再生用PCとの接続はUSBとHDMIを使用。空間再現ディスプレイ用に4K60Pで3DCGをリアルタイムでレンダリングするため、コンテンツ再生用PCのスペックについても、必要動作環境でCPUがインテル「Core i5 9600」以上、GPUがNVIDIA「GeForce GTX RTX 2060」以上、メモリー8GB以上、推奨動作環境で、「Core i7 9700」以上、GPUがNVIDIA「GeForce GTX RTX 2070 Super」以上、メモリー16GB以上と、かなりのスペックが要求される点は注意が必要だ。なお、動作確認済みのCPU/GPUについては、順次公開していくとのことだ。

今回、短い時間ではあるが、実際に空間再現ディスプレイでさまざまなコンテンツを体験させていただいたが、これまでの裸眼3Dのイメージを覆すような高精細かつなめらかな3D映像体験に驚いた。正面からでは見えない部分も上からのぞき込むとしっかりと見えるなど、平面のディスプレイでは難しい空間の奥行きがしっかりと再現されており、リアリティが格段に増していた。近未来のSF映画などで空間に映像を映し出すシーンなんかをよく見るが、テクノロジーがついに追いついてきたかと、なかなか感慨深いものがあった。

写真や映像だとどうしても伝わらない部分があると思うが、10月16日からソニー銀座を皮切りに、ソニーストア札幌、ソニーストア大阪、ソニーストア福岡、ソニー名古屋で実機の展示を開始するとのことなので、ぜひその目で確かめてみてほしい。

遠山俊介(編集部)

遠山俊介(編集部)

PC・家電・カメラからゲーム・ホビー・サービスまで、興味のあることは自分自身で徹底的に調べないと気がすまないオタク系男子です。最近はもっぱらカスタムIEMに散財してます。

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