レビュー
買えば最大26,999ポイントが付与される、楽天モバイルの最注力モデル

安い、小さい、速い、高機能の4拍子揃った、楽天モバイルのオリジナルスマホ「Rakuten Hand」レビュー

楽天モバイルのオリジナルスマートフォン「Rakuten Hand」は、最近では数少なくなったコンパクトな製品である。防滴・防塵ボディ、FeliCa搭載で、処理性能も文句ないうえに、2万円の端末価格に対して最大で26,999ポイントのポイント還元を受けることができ、買って損をしないという楽天モバイルの最注力モデルだ。

※本記事中の価格は税込みで統一している。

扱いやすいコンパクトボディ。FeliCaや防滴・防塵にも対応

スマートフォンは年々大型化しており、5インチクラスのコンパクトモデルは少なくなった。そんな中、楽天モバイルは、「Rakuten Mini」「Rakuten BIG」に続くオリジナルモデルの第3弾として、約5.1インチの有機ELディスプレイを搭載した「Rakuten Hand」を2020年12月8日に発売した。なお、端末の価格は20,000円(税込)と格安だが、さらに最大で26,999ポイント(内訳、初回の「Rakuten UN-LIMIT V」回線契約で5,000ポイント、同日の端末購入で19,999ポイント、2021年2月1日までの期間限定で2,000ポイント)の楽天スーパーポイント還元を受けることができ、すべての条件がそろえば、端末料金実質0円に加えて、6,999ポイント分が余計にもらえる計算となる。なお、現在、楽天モバイルに契約中の機種変更の場合は、ポイントは付与されない。

本機のボディサイズは約63(幅)×138(高さ)×9.5(厚さ)mmで、重量は129g。扱いやすいコンパクトボディだが、曲面ディスプレイを採用することで、さらに持ちやすさに磨きがかかっている。このほか、FeliCaポートやヘッドホン端子を搭載するほか、IPX2等級の防滴仕様と、IP5Xの防塵仕様をクリアしている。搭載される約5.1インチの有機ELディスプレイは、1,520×720のHD+表示に対応しており、ディスプレイ指紋認証にも対応している。有機ELディスプレイらしい高めのコントラスト比が魅力だが、最大輝度が少々低く、明るい場所では少し画面が薄暗く感じた。

HD+表示に対応する有機ELディスプレイを搭載する。最大輝度がやや暗めで、明るい場所では少し見にくく感じる場合があった

HD+表示に対応する有機ELディスプレイを搭載する。最大輝度がやや暗めで、明るい場所では少し見にくく感じる場合があった

ディスプレイは左右の長辺が手になじみやすい曲面になっている

ディスプレイは左右の長辺が手になじみやすい曲面になっている

ディスプレイ指紋認証を搭載。認証精度は高いが速度はほどほど

ディスプレイ指紋認証を搭載。認証精度は高いが速度はほどほど

検証機は、楽天のイメージカラーである「クリムゾンレッド」。このほかブラックとホワイトも用意されている

検証機は、楽天のイメージカラーである「クリムゾンレッド」。このほかブラックとホワイトも用意されている

ボディ上面にヘッドホン端子を搭載する

ボディ上面にヘッドホン端子を搭載する

ボディ下面にUSB Type-Cポートを配置する

ボディ下面にUSB Type-Cポートを配置する

ボディ右側面にボリュームと電源の各ボタンを配置する。なお、SIMに関してはeSIMのみの対応のため、SIMカードスロットは非搭載だ

ボディ右側面にボリュームと電源の各ボタンを配置する。なお、SIMに関してはeSIMのみの対応のため、SIMカードスロットは非搭載だ

本機の基本性能を見てみよう。SoCはミドルレンジ向けの「Snapdragon 720G」で、4GBのメモリーと64GBのストレージを組み合わせる、増設用のmicroSDメモリーカードスロットは非搭載。OSはAndroid 10だ。本機のSoCは、シャープ「AQUOS sense4」シリーズや、シャオミ「Redmi Note 9S」といった人気の低価格モデルに搭載されているもの。このSoCはグラフィック性能が強化されており、従来のミドルレンジ向けSoCが苦手にしていたゲームも、比較的スムーズに動作するのが特徴だ。

定番のベンチマークアプリ「AnTuTuベンチマーク」を使って、実際の処理速度を計測したところ、総合スコアは266,277(内訳、CPU:100,427、GPU:73,346、MEM:43,711、UX:48,793)となった。このスコアは、Snapdragon 720G搭載機としては標準的なものと言える。なお、注目のグラフィック性能を示すサブスコア「GPU」は73,346となっており、2世代ほど前のハイエンドスマートフォンを少し下回るレベルである。画面スクロールやアプリの起動など細かな動作もスムーズで、ゲームを含むさまざまな用途に対応する能力を備えている。この処理性能で2万円というコストパフォーマンスは相当高い。

AnTuTuベンチマークの計測結果。Snapdragon 720G搭載機としては妥当な値だ。ミドルレンジ向けSoCとしてはグラフィック性能を示すサブスコア「GPU」の値が高く、ゲームなども比較的スムーズに動作する

AnTuTuベンチマークの計測結果。Snapdragon 720G搭載機としては妥当な値だ。ミドルレンジ向けSoCとしてはグラフィック性能を示すサブスコア「GPU」の値が高く、ゲームなども比較的スムーズに動作する

SIMスロットのないeSIM専用機。全機能を使えるのは、楽天自社回線エリアのみ

前述したように、本機はeSIMのみの対応でSIMカードスロットを備えていない。現在eSIMを発行しているのは、楽天モバイルと、MVNOの「IIJmio」(データ通信のみ)のみで、大手通信キャリアもeSIMのサービスを表明しているが、登場するのはもう少し先になる。なお、eSIMは、SIMデータをダウンロードするためにインターネットにつながったWi-Fi環境が必要となるので、セットアップを行う場所には少し注意がいる。

LTEの対応バンドはB1/2/3/4/5/7/18/19/26/28/38/41/42で、NTTドコモのB19や、パートナー回線として利用するKDDIのB18/B26といった他社のプラチナバンドが利用できる。ただし、対応するVoLTEは楽天モバイルのみだ。

楽天モバイルのネットワークは、通信容量無制限の自社回線エリアと、月間5GBまでなら速度制限のかからないKDDIのネットワークを借りたパートナー回線の2種類を組み合わせている。楽天モバイルの自社回線エリアはその狭さを指摘されることが多いが、サービス開始当初は23.4%だった人口カバー率は2020年12月末時点で73.8%を達成しており、今年夏には96%を達成する予定だ。これは計画に対して約5年という大幅な前倒しで、かなりの勢いでエリア展開を進めていることがわかる。

東京、大阪、奈良など一部の地域では屋外の自社エリア化が完了しており、これらの地域ではパートナーエリアは建物の中や地下街などに限られている。なお、建物の中や地下街の自社回線エリア化も少しずつではあるが進んでいるようで、都心の著名な商業施設やデパート、オフィスビルでも自社回線エリア化されている場所を何か所か確認できた。いっぽう、郊外はまだこれからで、マップ上ではエリア化されていても、実際はまだまだということも多い。

また、自社回線用の電波は周波数帯が比較的高いため、鉄筋コンクリートなど電波を通しにくい建物の中は少々苦手だ。なお、手持ちの端末でモバイルネットワークナンバーを表示して「440 11」と表示されていれば、そこは自社回線の電波が届いていることになる(詳細は以下の記事を参照)。

指摘されることの多い自社回線エリアの狭さだが、サービス開始当初からすさまじい勢いでエリアを拡大している。都市部では地下やビル内のエリア化に課題が移っている

指摘されることの多い自社回線エリアの狭さだが、サービス開始当初からすさまじい勢いでエリアを拡大している。都市部では地下やビル内のエリア化が課題になっている

AI機能を備えたデュアルカメラを搭載。クセが少なく扱いやすい

本機のメインカメラは、約4,800万画素の広角カメラと約200万画素の被写界深度センサーを組み合わせたデュアルカメラで、AIシーン認識機能やHDR機能を備える。なお、フロントカメラは約1,600万画素だ。

トリプルカメラが低価格帯でも普及しているが本機は光学ズームのないデュアルカメラを搭載する

トリプルカメラが低価格帯でも普及しているが本機は光学ズームのないデュアルカメラを搭載する

以下に、メインカメラを使って撮影した作例を掲載する。いずれもAIシーン認識機能を使った初期設定のまま撮影を行っている。

晴天のビル街を撮影。コントラストが少しだけ強調されている印象で、肉眼で見たよりも青空が多少鮮やかに写っている

晴天のビル街を撮影。コントラストが少しだけ強調されている印象で、肉眼で見たよりも青空が多少鮮やかに写っている

カラフルなフェルトのクッションを撮影。撮影環境のためアンダー気味になり黒いフェルトがややつぶれ気味だが、肉眼と色調の大きな変化はなく、ホワイトバランスも自然。ただし、周辺部分の解像感の低下がやや目立つ

カラフルなフェルトのクッションを撮影。撮影環境のためアンダー気味になり黒いフェルトがややつぶれ気味だが、肉眼と色調の大きな変化はなく、ホワイトバランスも自然。ただし、周辺部分の解像感の低下がやや目立つ

フラッシュをオフにしてビル街の夜景を撮影。光量を引き上げることはせず、ハイライトから暗部まで階調を保つように調整しているようだ。暗部のノイズは思いのほか少ない。手ぶれ補正機能を備えていないものの、手持ちでもかなり手ぶれは抑えられている

フラッシュをオフにしてビル街の夜景を撮影。光量を引き上げることはせず、ハイライトから暗部まで階調を保つように調整しているようだ。暗部のノイズは思いのほか少ない。手ぶれ補正機能を備えていないものの、手持ちでもかなり手ぶれは抑えられている

背景ぼかしモードで撮影。左はチャーシューに、右はその奥のネギにピントを合わせているが、ボケに不自然さはない。F0.95という非常に高いF値を再現できるため被写界深度が浅く、構図の意図を伝えやすい

背景ぼかしモードで撮影。左はチャーシューに、右はその奥のネギにピントを合わせているが、ボケに不自然さはない。F0.95という非常に高いF値を再現できるため被写界深度が浅く、構図の意図を伝えやすい

本機のカメラは、光学ズームに対応していないシンプルなものだが、多くの人が「自然」と感じるクセのない画質と言える。夜景撮影でもそれほど明るく撮れるというわけではないが、カラーノイズも少なめで、なるべく階調を維持するように調整されているようだ。また、手ぶれ補正機能がないものの、手持ち撮影でも手ぶれは抑えられているので、実用上困ることは少なそうだ。2万円のスマートフォンとしてはかなりレベルが高いカメラ性能と言える。

コンパクトモデルとしてはまずまずの電池持ち。ヘビーに使わなければ3日以上持つ

本機は2,750mAhのバッテリーを内蔵しており、連続待受時間(LTE)は約420時間、連続通話時間(LTE)約18.3時間(約1,098分)となっている。この値は近ごろのスマートフォンとしてはごく普通といったところだろう。今回の検証は1週間にわたって行ったが、1日に2時間程度の比較的ライトな使い方で、3日以上はバッテリーが持続した。コンパクトなスマートフォンはバッテリー容量に制約があるため、電池持ちはあまり期待できないものが多いが、本機はSNSやWebページの閲覧をメインに、空いた時間にカジュアルなゲームを楽しむくらいなら、2日くらいは余裕でバッテリーが持つだろう。

2万円のスマートフォンとは思えない内容の、扱いやすいコンパクトモデル

本機は2万円という格安な価格設定ながら、FeliCa搭載や防滴・防塵ボディに加え、処理性能、機能性も十分だ。さらに、本機の購入と回線契約を同時に行うことで楽天スーパーポイントが26,999ポイントも進呈されるため、端末代を差し引いてもユーザーの手元にポイント6,999が残る計算で、これだけでも本機にかける楽天モバイルの意気込みがわかるというものだ。楽天モバイルの製品ラインアップでは、シャープ「AQUOS sense4 lite」やオッポ「OPPO A73」「OPPO Reno3 A」など低価格帯モデルが充実しているが、それらと比べても本機は十分に魅力的な1台と言えるだろう。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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