レビュー
初めての5Gスマホに最適な、性能と価格のベストバランス

「sense4」ゆずりの価格と機能を備えた5Gスマホ、シャープ「AQUOS sense5G」を1週間使った

人気の低価格モデル「AQUOS sense4」の機能性と低価格を受け継ぎつつ、5Gに対応したスマートフォン「AQUOS sense5G」(シャープ製)が、2021年2月10日より発売開始された。au版「SHG03」を使い、「AQUOS sense4」との違いに留意しつつ、1週間使ってみたレビューをお届けしよう。

人気モデル「AQUOS sense4」の5G対応版

「AQUOS sense5G」は、シャープの人気スマホ「AQUOS sense4」の5G対応モデル。今回の検証機であるau版「SHG03」(税込39,890円)のほか、NTTドコモ版「SH-53A」(税込39,600円)、ソフトバンク版「A004SH」(税込43,200円)がそれぞれ発売中だ。なお、「AQUOS sense4」は36,000円程度(SIMフリー版、2021年2月10日時点の価格)なので、両機の価格差はわずか数千円に抑えられている。

「AQUOS sense5G」のボディは、約71(幅)×148(高さ)×8.9(厚さ)mmで、重量が約178g。基本的に「AQUOS sense4」と共通だが、重量だけは本機が1gだけ重い。なお、IPX5/8等級の防水仕様、IP6X等級の防塵仕様、米国国防総省の調達基準MIL-STD-810Hの19項目に対応したタフネス性能を持ち、アルコールを含んだシートでボディを拭くことができる点も「AQUOS sense4」と同じだ。ボディの外寸や形状も「AQUOS sense4」と同じなので、「AQUOS sense4」用のカバーは本機に装着できる。ただし、アンテナの位置が一部異なるので「AQUOS sense5G対応」を明記してあるものを選んだほうが無難ではある。

ディスプレイも「AQUOS sense4」と共通で、2,280×1,080のフルHD+表示に対応する約5.8インチのIGZO液晶ディスプレイを搭載。FeliCa・NFCポートを搭載しているほか、Googleアシスタントを呼び出す「Google アシスタント ボタン」、指紋認証センサーを長押しすることで電子決済アプリを起動できる「Payトリガー」といった「AQUOS sense4」における新機能も同様に搭載されている。

搭載されるIGZO液晶は、120Hzのタッチサンプリングレートに対応しており、タッチ操作の応答性にすぐれる

搭載されるIGZO液晶は、120Hzのタッチサンプリングレートに対応しており、タッチ操作の応答性にすぐれる

ボディは表面にアルマイト加工が施されたアルミ製で、質感も高い。防水・防塵、タフネス性能を持つことに加えて、アルコールを含んだシートで拭くこともできる

ボディは表面にアルマイト加工が施されたアルミ製で、質感も高い。防水・防塵、タフネス性能を持つことに加えて、アルコールを含んだシートで拭くこともできる

ボタンは右側面にまとめられている。写真左から、ボリュームボタン、Googleアシスタントボタン、電源ボタンという配列だ

ボタンは右側面にまとめられている。写真左から、ボリュームボタン、Googleアシスタントボタン、電源ボタンという配列だ

ディスプレイ下に指紋認証センサーを配置。長押しすることで電子決済アプリを起動する「Payトリガー」機能を備える

ディスプレイ下に指紋認証センサーを配置。長押しすることで電子決済アプリを起動する「Payトリガー」機能を備える

ボディ上面にはヘッドホン端子を備える

ボディ上面にはヘッドホン端子を備える

ボディ下面にはスピーカーホールとUSB Type-Cホールが配置される

ボディ下面にはスピーカーホールとUSB Type-Cポートが配置される

本機の大きな特徴は言うまでもなく5Gへの対応だ。各キャリアの5G対応モデルは、いずれも現在の5Gのメイン周波数帯であるSub-6に対応しており、下り最大2.1Gbpsのデータ通信に対応している。

今回の検証機であるau版「SHG03」は、上記のSub-6に加えて、4Gからの転用周波数帯である3.5GHz帯にも対応していることもあって、東京都心部での5G対応エリアは、昨年10月にauの5Gスマートフォンで検証を行った際よりも明らかに拡大している。山手線一周のうち半分以上は断続的ではあるが5Gエリア化されているし、主要な駅の近くなら5Gのアンテナが表示されるところが多かった。東京以外の場所でも、KDDIのエリアマップによれば、大阪環状線沿線や、名古屋の中央線沿線を中心に5Gのエリア化が進んでいるようだ。いっぽう、街の中心部を離れると5Gエリアはほとんど見かけなくなる。5Gエリア(Sub-6)で通信速度を計測したが、下りの最高速度は357Mbpsとなり、1Gbpsを越えることはなかった。しかし、上りの速度は安定して80Mbpsを越えていた。データのアップロードを行うことが多い場合、5Gのメリットは活かしやすいと言えるだろう。

5Gのメリットは高速のデータ通信だ。下りの速度に注目が集まるが、今回の検証では上りの速度は80Mbps以上を安定して記録していた。アップロードの時間短縮が期待できる

5Gのメリットは高速のデータ通信だ。下りの速度に注目が集まるが、今回の検証では上りの速度は80Mbps以上を安定して記録していた。アップロードの時間短縮が期待できる

Android 11をプリインストール。処理性能は「AQUOS sense4」を少し下回る

本機の基本スペックであるが、ミドルレンジ向けSoC「Snapdragon 690 5G」に、4GBのメモリーと64GBのストレージ、1TBまで対応するmicroSDXCメモリーカードスロットを組み合わせる。OSは、AQUOSシリーズ初となるAndroid 11だ。

実際の処理性能を「AQUOS sense4」と比べてみよう。CPUの処理性能を計測するベンチマークアプリ「GeekBench 5」の計測結果は、「AQUOS sense5G」が、シングルコアで575、マルチコアは1,429となった。これに対して「AQUOS sense4」は、シングルコアが571、マルチコアは1,785。シングルコアはほぼ差がないが、マルチコアでは、「AQUOS sense4」がやや上という結果になった。

CPUの処理性能を計測するベンチマークアプリ「GeekBench 5」の計測結果。左が本機、右が「AQUOS sense4」のもの。シングルコアのスコアはほぼ同じだが、マルチコアのスコアは「AQUOS sense4」のほうが高かった

CPUの処理性能を計測するベンチマークアプリ「GeekBench 5」の計測結果。左が本機、右が「AQUOS sense4」のもの。シングルコアのスコアはほぼ同じだが、マルチコアのスコアは「AQUOS sense4」のほうが高かった

続いて、グラフィック性能を計測するベンチマークアプリ「3DMark」で計測したところ、「AQUOS sense5 G」のほうは、Open GL を使用したSling Shotが3,201、新世代の3D用APIであるVulkanを使ったWild Lifeが825。これに対して「AQUOS sense4」は、Sling Shotが3,598、Wild Lifeは781となった。Android 11では Vulkan APIの最適化が行われた影響もあってWild Lifeのスコアは「AQUOS sense5G」のほうが高くなっているが、グラフィック性能でも「AQUOS sense4」のほうがやや高いという結果になった。ただ、この差を体感できるのはかなり限定的な状況だろう。ゲームアプリの負荷レベルを見ても、体感的にはほぼ変わらないので、両機の処理性能は、実質上は同じと言ってよいだろう。

3DMark「Sling Shot」の計測結果。左の本機は3,201、右の「AQUOS sense4」は3,595となった。こちらも「AQUOS sense4」のほうが高かった

3DMark「Sling Shot」の計測結果。左の本機は3,201、右の「AQUOS sense4」は3,595となった。こちらも「AQUOS sense4」のほうが高かった

こちらは3DMarkの「Wild Life」の計測結果。左の本機は825、右の「AQUOS sense4」は781、こちらは「AQUOS sense5G」のほうが高かった

こちらは3DMarkの「Wild Life」の計測結果。左の本機は825、右の「AQUOS sense4」は781、こちらは「AQUOS sense5G」のほうが高かった

いっぽうで、「AQUOS sense5G」は、最新のOSであるAndroid 11がプリイストールされている点が魅力だ。発売後2年間で最大2回のバージョンアップが保証されているため、Android 13の世代まで最新のソフトウェア環境で利用できる。

カメラ機能は「AQUOS sense4」と共通だが、シャッタータイムラグが気になった

「AQUOS sense5G」のカメラ機能を見てみよう。本機のメインカメラは、やはり「AQUOS sense4」と共通のもの。約1,200万画素の標準カメラ(24mm)、約1,200万画素の広角カメラ(18mm)、約800万画素の望遠カメラ(53mm)という組み合わせのトリプルカメラで、広角カメラ起点で約3倍の光学ズームに対応する。

メインカメラは「AQUOS sense4」と共通。広角、標準、望遠のトリプルカメラだ

メインカメラは「AQUOS sense4」と共通。広角、標準、望遠のトリプルカメラだ

以下に本機のメインカメラを使って撮影した静止画の作例を掲載する。いずれも初期設定のまま、AIオートで撮影を行っている。

広角カメラで撮影

間接光の店内で料理を撮影。10ショットほど撮ったが、いずれもピントは合っているはずなのに料理のディテールがぼやけている

間接光の店内で料理を撮影。10ショットほど撮ったが、いずれもピントは合っているはずなのに料理のディテールがぼやけている

標準カメラで撮影

標準カメラで同じ被写体を撮影。こちらもピントは合っているはずなのにディテールが甘い。3種類のソースの発色ものっぺりとしている

標準カメラで同じ被写体を撮影。こちらもピントは合っているはずなのにディテールが甘い。3種類のソースの発色ものっぺりとしている

広角カメラで撮影

陳列されていた行灯を撮影。行灯がすべて構図に収まっている。この程度の明るさがあればノイズも少なく良好な仕上がりになる

陳列されていた行灯を撮影。行灯がすべて構図に収まっている。この程度の明るさがあればノイズも少なく良好な仕上がりになる

標準カメラで撮影

標準カメラに切り替えることで構図は狭くなるが、ディテールの緻密さは向上する。画質を重視したいなら標準カメラを積極的に使うのがよさそうだ

標準カメラに切り替えることで構図は狭くなるが、ディテールの緻密さは向上する。画質を重視したいなら標準カメラを積極的に使うのがよさそうだ

望遠カメラで撮影

望遠カメラで撮影。53mmの望遠は、遠くのものを大きくするほか、近くのものをアップで撮影したい場合にも便利だ

望遠カメラで撮影。コントラストの高い構図ということもあって、ピントに迷いはなかった。53mmの望遠は、遠くのものを大きくするほか、近くのものをアップで撮影したい場合にも便利だ

本機のカメラは、「AQUOS sense4」と同じもので、広角から望遠までいろいろな構図で撮影できる。画質の傾向は、肉眼の印象に近く、色味的には比較的あっさりとしている。なお「AQUOS sense」シリーズのカメラは、従来高感度撮影がネックだったが、本機の標準カメラについては夜景撮影性能が向上している。

気になったのは、明るい場所、暗い場所を問わず、シャッタータイムラグが長めで、撮影が終わるまでしっかりホールドしておかないと手ぶれが起こりやすい点と、オートフォーカスがやや甘く、構図のコントラストや明るさなどの影響を受けて合焦しているはずなのにピントを外してしまうことがやや目立った点。この点は、撮影の際には留意しておいたほうがよさそうだ。

4Gエリアなら4日は持つバッテリー性能。「AQUOS sense4」に準じるスタミナ

「AQUOS sense」シリーズが支持される理由のひとつに、バッテリー持ちのよさがある。5G対応になってもそこが維持されているのかは気になるところだ。「AQUOS sense5G」は、容量4,570mAhのバッテリーを内蔵。連続通話時間は約2,890分、連続待受時間は約920時間、電池持ち時間は約180時間(4G LTE/WiMAX 2+エリア)/約165時間(5G エリア)となっており、スペック上は「AQUOS sense4」と同じ1週間の電池持ちを実現している。

今回は、4Gエリアを主体で本機を1週間検証したが、1日3時間程度使用した場合で3日以上、1日の使用時間が1〜2時間程度なら4日はバッテリーが持続した。「AQUOS sense4」を検証した際も同じような傾向だったので、バッテリー持ちは。「AQUOS sense4」と同じく良好と言えるだろう。なお、スペック値を見ると、5Gエリアではバッテリーの消費ペースが速まるが、断続的に6時間ほど5Gエリアで検証を行った限りにおいては、目に見えてバッテリーの消費ペースが速まることはなかった。

5G対応新料金プランと組み合わせたい、高コスパモデル

これまでの5Gスマートフォンは、高価なハイエンドモデルが中心で、多くの人にとって購入を急ぐべき存在とは言いがたい存在だった。しかし、本機は、低価格モデルとして人気の「AQUOS sense4」との価格差もほとんどなく、4万円前後で購入可能。FeliCa対応や防水・防塵ボディ、良好なバッテリー持ち、タフネス性能など、「AQUOS sense4」の魅力をそのまま受け継ぎながら5Gに対応した、完成度の高いスマートフォンだ。

NTTドコモの「ahamo(アハモ)」、auの「povo(ポヴォ)」、ソフトバンクの「SoftBank on Line」など、この春に登場する各社の新料金プランは、月額2,980円で月間20GBの通信容量によるコスパに注目が集まるが、4Gと5G両対応という点も見逃せない(5Gの対応時期はサービスによって前後する)。これらの新料金と本機を組み合わせれば、5Gの魅力を手軽に実感できるだろう。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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