レビュー
au版、UQ mobile版に加えSIMフリー版も登場予定

90Hz駆動ディスプレイを備えた5G入門機、オッポ「OPPO A54」レビュー

オッポのエントリー向けスマートフォン「OPPO A54」が発売される。販路によっていくつかのモデルがあるが、2021年6月4日にau版が、6月10日にUQ mobile版が、6月下旬にSIMフリー版が順次発売される予定だ。近ごろ増えている低価格の5Gスマートフォンのひとつである「OPPO A54」を、au版「OPG02」を使ってレビューした。

操作性と視認性が魅力の90Hz駆動ディスプレイを搭載するエントリーモデル

オッポの製品ラインアップは、ハイエンド向け「Find」、ミドルレンジの「Reno」、エントリー向けの「A」という3シリーズで構成されている。今回取り上げる5G対応スマートフォン「OPPO A54」(以下、「A54」)は、昨年秋に登場した4Gスマホ「A73」に続くエントリーモデルだ。auのラインアップとして見ると、シャープ「AQUOS sense5G」、サムスン「Galaxy A32 5G」、シャオミ「Mi 10 Lite 5G」といった、低価格帯5Gスマホの一角を占める最新モデルとなる。

約75(幅)×163(高さ)×8.4(厚さ)mm、重量約190gのボディに、2,400×1,080のフルHD+表示に対応する約6.5インチの液晶ディスプレイを搭載。本機のボディは、同時期に発売された上位モデル「Reno5 A」と異なり、防水・防塵には非対応で、FeliCaポートも非搭載で、NFCポートのみ搭載している。指紋認証センサーは、側面の電源ボタンとの一体型だ。ヘッドホン端子はボディ下面に搭載され、本体スピーカーはモノラル。サウンドエンハンサーの「Dolby Atoms」なども非搭載となる。ある意味、割り切った仕様と言えるだろう。

写真では暖色系に見えるが、角度によって複雑に反射する背面のデザイン。重量はやや重めだが、近ごろのスマートフォンとしては標準的な大きさだ

写真では暖色系に見えるが、角度によって複雑に反射する背面のデザイン。重量はやや重めだが、近ごろのスマートフォンとしては標準的な大きさだ

ボディ下面に、USB Type-Cポートとヘッドホン端子を配置する

ボディ下面に、USB Type-Cポートとヘッドホン端子を配置する

ボディ右側面に配置された電源ボタンに指紋センサーが内蔵されている。なお、ボリュームボタンは反対側の左側面に配置される

ボディ右側面に配置された電源ボタンに指紋センサーが内蔵されている。なお、ボリュームボタンは反対側の左側面に配置される

ディスプレイは液晶を採用するが、液晶パネルのネックである黒浮きを抑えたコントラスト比の高い画質で、発色も良好だ。ハイエンドモデルに搭載される有機ELディスプレイと比べると階調表現での差は否めないが、エントリーモデルに搭載される一般的な有機ELディスプレイと比べれば決定的な違いは感じられない。なお、この液晶パネルは90Hz(1.5倍)のリフレッシュレートと、180Hzのタッチサンプリングレートにも対応しており、Twitterやマップアプリなどの画面スクロールなどでも指に吸い付くような操作感覚を味わえた(なお、ゲームや動画の再生リフレッシュレートは60Hz駆動)。この90Hz対応ディスプレイは、サムスン「Galaxy A32」やシャープ「AQUOS sense5G」、シャオミ「Mi 10 Lite 5G」といった競合製品に対する本機ならではの魅力と言える。

手元にあった有機ELディスプレイ搭載スマートフォン(写真上)と本機(写真下)を並べてカラーサンプルを表示させた。本機のカラー表示はかなり健闘しているほうだ。ただし、サンプル下部のモノクロの階調表現はつぶれ気味だった

手元にあった有機ELディスプレイ搭載スマートフォン(写真上)と本機(写真下)を並べてカラーサンプルを表示させた。本機のカラー表示はかなり健闘しているほうだ。ただし、サンプル下部のモノクロの階調表現はつぶれ気味だった

ディスプレイの90Hz駆動は設定画面の「ディスプレイと輝度」→「もっと見る」から設定する。なお、アプリ別に設定はできない

ディスプレイの90Hz駆動は設定画面の「ディスプレイと輝度」→「もっと見る」から設定する。なお、アプリ別に設定はできない

最新SoCの搭載で処理性能とグラフィック性能はミドルレンジ級

「A54」の基本スペックを見てみよう。SoCに「Snapdragon 480」を採用し、4GBのメモリーと64GBのストレージ、1TBまで対応するmicroSDXCメモリーカードを組み合わせる。OSは、Android 11をベースにカスタマイズが施されたColorOS 11だ。

本機が採用するSoC「Snapdragon 480」はエントリースマホ向けのチップだが、2021年1月に発表されたばかりの最新世代のもの。基本設計が新しいこともあり、従来のエントリースマホ向けSoCよりも、処理性能・グラフィック性能の両方が大きく向上しているという。ベンチマークアプリ「Geekbench 5」を使って実際の処理性能を計測したところ、シングルコアが618、マルチコアが1806となった。このスコアを、ミドルレンジ向けSoC「Snapdragon 690 5G」を搭載するシャープ「AQUOS sense5G」のスコアと比べると、「AQUOS sense5G」はシングルコア575、マルチコア1,429で、「A54」のほうが1割強スコアが上という結果になった。

グラフィック性能を調べるベンチマークアプリ「3DMark」のスコアでは、Vulkan APIを使った検査項目「Wild Life」が978、OpenGL ES 3.1を使った検査項目「Sling Shot Extreme」は2,406となった。「AQUOS sense5G」のスコアは「Wild Life」が828、「Sling Shot Extreme」が2,164だったので、こちらも本機のほうがスコア上は上となった。処理性能、グラフィック性能ともに、従来のミドルレンジスマホ並みの実力があると言えそうだ。

CPUの処理性能を計測するベンチマークアプリ「Geekbench 5」の計測結果。左が本機「A54」、右が価格帯の近い5Gスマートフォン「AQUOS sense5G」のもの。シングルコア、マルチコアともに本機のほうが良好な結果だった

CPUの処理性能を計測するベンチマークアプリ「Geekbench 5」の計測結果。左が本機「A54」、右が価格帯の近い5Gスマートフォン「AQUOS sense5G」のもの。シングルコア、マルチコアともに本機のほうが良好な結果だった

グラフィック性能を計測するベンチマークアプリ「3DMark」の計測結果。左が本機で右が「AQUOS sense5G」のもの。新しいAPI「Vulkan」を使った検査項目「Wild Life」と、従来からのAPI「OpenGL」を使った「Sling Shot Extreme」のいずれも、本機のほうが高いスコアとなった

グラフィック性能を計測するベンチマークアプリ「3DMark」の計測結果。左が本機で右が「AQUOS sense5G」のもの。新しいAPI「Vulkan」を使った検査項目「Wild Life」と、従来からのAPI「OpenGL」を使った「Sling Shot Extreme」のいずれも、本機のほうが高いスコアとなった

本機の処理面での体感速度は、5万円前後のミドルレンジ機に迫るものだ。加えて、エントリーモデルでネックだったグラフィック性能が向上しているので、3Dゲームなども比較的快適に動作する。ただし、メモリーとストレージ容量が少ない点には少し注意したい。Android 11の利用環境としては、4GBという本機のメモリーはぎりぎりで、長期間使うことで速度低下が現われやすい。また64GBのストレージも、近ごろの肥大化するアプリ事情を見ると物足りない。大容量のmicroSDXCメモリーカードを購入し、カメラの撮影データや音楽データなどは、そちらに保存するといった対策が必須になるだろう。

次に、5Gを含む通信機能を見てみよう。通信機能はau版(UQ mobile版)とSIMフリー版とで異なっている。au版(UQ mobile版)は空きのSIMカードスロットが1基のみで、基本的にKDDIの4G・5Gネットワークで使うことを前提としている。5Gでは、通信速度の速い5G専用周波数帯であるSub-6と、エリアの広い4Gからの転用周波数帯にも対応。5Gエリアにおける通信速度は、下り最大1.9Gbps、上り最大183Mbpsとなる。なお、KDDIでは5Gへの転用周波数帯を活用することで、2021年3月末時点で5Gの人口カバー率90%を実現する予定だ。このように5Gエリアが今後急激に拡大していくことで、5G対応の本機のメリットも大きくなるだろう。

いっぽう、SIMフリー版は、2基のSIMカードスロットを備えたDSDV対応となり、5Gと4GいずれもがNTTドコモ、KDDI(UQ mobile)、ソフトバンク(ワイモバイル)、楽天モバイル(MNO)の各キャリアに対応している。なお、SIMフリー版も4Gからの転用周波数帯にはもちろん対応している。

クアッドカメラを搭載。標準カメラは使いやすいが超広角カメラは露出がやや不安定

本機のメインカメラは、約4,800万画素の標準カメラ、約800万画素の超広角カメラ、約200万画素のマクロカメラ、約200万画素のモノクロカメラという組み合わせのクアッドカメラとなる。このうち、モノクロカメラは、映像の記録には使われず、ポートレート撮影時のエフェクトに使用する。フロントカメラは約1,600万画素だ。ユニークな機能として、超解像技術を使い1億800万画素相当まで静止画をアップスケーリングする機能を備えている。

メインカメラは、約4,800万画素の標準カメラ、約800万画素の超広角カメラ、約200万画素のマクロカメラ、約200万画素のモノクロカメラ(ポートレート撮影のエフェクト用)という組み合わせのクアッドカメラ

メインカメラは、約4,800万画素の標準カメラ、約800万画素の超広角カメラ、約200万画素のマクロカメラ、約200万画素のモノクロカメラ(ポートレート撮影のエフェクト用)という組み合わせのクアッドカメラ

大きめのパンチホールに収まるフロントカメラは約1,600万画素

大きめのパンチホールに収まるフロントカメラは約1,600万画素

以下に、本機のメインカメラを使って撮影した静止画の作例を掲載する。いずれも、初期設定のままカメラ任せで撮影を行っている。

標準カメラで撮影

川面から望む景色を順光で撮影。やや鮮明さを強調しているが、何気ない光景が見栄えのする仕上がりとなった

川面から望む景色を順光で撮影。やや鮮明さを強調しているが、何気ない光景が見栄えのする仕上がりとなった

超広角カメラで撮影

上と同じ風景を超広角カメラに切り替えて撮影した。この作例に限らず、日中の撮影では総じてアンダー傾向になりやすかった

上と同じ風景を超広角カメラに切り替えて撮影した。この作例に限らず、日中の撮影では総じてアンダー傾向になりやすかった

標準カメラで撮影

手持ちでビル街の夜景を撮影した。心配された手ぶれは抑えられているが、光量が不足しており、あまり鮮明とは言えない

手持ちでビル街の夜景を撮影した。心配された手ぶれは抑えられているが、光量が不足しており、あまり鮮明とは言えない

夜景モードで撮影

上と同じ構図を、夜景モードに切り替えて撮影した。全般に鮮明さが増しており、ハイライト部分も階調が保たれている。長時間露光だが路上の人物のブレも抑えられている。露光時間も6秒程度で済んだ

上と同じ構図を、夜景モードに切り替えて撮影した。全般に鮮明さが増しており、ハイライト部分も階調が保たれている。長時間露光だが路上の人物のブレも抑えられている。露光時間も6秒程度で済んだ

超広角カメラで撮影

上と同じ風景を超広角カメラに切り替えて撮影した。全般にアンダー傾向になりやすい本機の超広角カメラだが、夜景撮影では十分明るく写った。ただし植栽のディテールをみると、解像感には乏しく、暗所撮影にそれほど強いとは言えないようだ

上と同じ風景を超広角カメラに切り替えて撮影した。全般にアンダー傾向になりやすい本機の超広角カメラだが、夜景撮影では十分明るく写った。ただし植栽のディテールをみると、解像感には乏しく、暗所撮影にそれほど強いとは言えないようだ

マクロカメラで撮影

ヤグルマギクを接写。風で揺れていたが、シャッター速度が確保されており、被写体ブレを起こさず撮影できた

ヤグルマギクを接写。風で揺れていたが、シャッター速度が確保されており、被写体ブレを起こさず撮影できた

超解像モード(左)と通常モード(右)の比較

1億800万画素相当に写真をアップスケーリングする超解像モード(左)と通常モード(右)を比較。いずれも縦横比とサイズをそろえてトリミングしている。左の超解像モードのほうが籐の細部が全般にクッキリしている。なお、ファイルサイズが通常モードでは3MB程度のところ、超解像モードでは17MB以上になった

1億800万画素相当に写真をアップスケーリングする超解像モード(左)と通常モード(右)を比較。いずれも縦横比とサイズをそろえてトリミングしている。左の超解像モードのほうが籐の細部が全般にクッキリしている。なお、ファイルサイズが通常モードでは3MB程度のところ、超解像モードでは17MB以上になった

本機のカメラは、近ごろよく見かける、標準、超広角、マクロという組み合わせで、さまざまな構図に対応できる。ズーム撮影はデジタルズームだが、標準カメラの画素数が4800万と高いので、画質の劣化はある程度抑えられる。標準カメラでの撮影ではカメラ任せでキレイな写真を撮れたが、超広角カメラは、全般にアンダー傾向かつ、構図によっては色かぶりも起こりやすく、少々クセがあるように感じた。なお、超解像技術を使い1億800万画素相当にアップスケーリングする機能は、ディテールがうまく補完されるものの、ファイルサイズがかなり大きくなるので、使いどころが難しい。トリミングを使ったズーム撮影時の画質確保に使うのが適当だろう。

5,000mAhのバッテリーは18Wの急速充電にも対応。フル充電で2日程度の電池持ち

「A54」のバッテリーまわりを見てみよう。本機は5,000mAhの大容量バッテリーを内蔵しており、カタログスペックによると、連続通話時間約1,580分、連続待ち受け時間約660時間となっている。この値は、本機と同じ5,000mAhのバッテリーを搭載するサムスン「Galaxy A32」の連続通話時間約2,280分、連続待受時間約720時間や、シャープ「AQUOS sense5G」の連続通話時間約2,890分、連続待受時間約920時間のよりも見劣りする。実際の利用でも、フル充電で1日に3時間程度(うち1時間をゲーム)使用したところ、2日+αでバッテリーがなくなった。最新世代のSoCを搭載したことにより、消費電力がやや多くなったものと思われ、大容量のバッテリーを搭載するものの、電池持ちはほどほどだ。

ただし、QuickCharge 2.0とUSB PD規格に対応した最大18Wの急速充電に対応しており、最短で約150分のフル充電が可能だ。急速充電を使うことで、大容量バッテリーの欠点である充電時間の長さはさほど気にすることがなくなるだろう。

90Hz駆動ディスプレイが魅力のエントリーモデル

オッポの「A54」には、au版で28,765円(税込)というエントリークラスのスマホながら、90Hz駆動ディスプレイによる視認性や操作性、高い基本性能、扱いやすい標準カメラなどの魅力がある。ただし、メモリーとストレージ容量がAndroid 11世代としては余裕に乏しいので、負荷のかかる作業を日常的に行うような使い方には向いていない。あくまで、エントリーモデルとして想定されるライトな使い方向けの製品だ。

なお、エントリー機に5Gは時期尚早と思う方もおられるだろうが、auでは、今年度中にエリアの急拡大が予定されているので、5Gが利用できるエリアは今後増えていくだろうし、5G・4Gエリアを問わず、快適なエントリーモデルとして使えるはずだ。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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