レビュー
27インチWQHD/165Hzだけじゃない

2.1chスピーカーを搭載したBenQ「EX2710Q」でゲーミングモニターの「音」の重要性を再認識した話

WQHD/HDR対応の低遅延ゲーミングモニター

コロナ禍においてホームエンターテインメント、特にゲーム関連製品は好調が伝えられている。ゲームは楽しいものだが、ストレス発散の手段として、いわゆる「おうち時間」の無聊を慰めるアイテムとしても最高だ。お目当てのゲームタイトルをより楽しめるよう、その世界観に浸れるよう周辺機器を充実させたくなるのもうなずける。

そのゲーム用周辺機器として最も効果的なもののひとつが「モニター」。いまどきのゲーム、特にFPSやTPSと呼ばれるシューティングゲームは画面の書き換えの速さ/滑らかさが重要で、できればリフレッシュレート120Hzに対応する「ゲーミングモニター」が欲しいところ。遅延の少なさも重要で、ここに問題があるとゲームに勝てない。

また、ゲームには「音」も求められる。銃声や爆発音がチープではせっかくの人気タイトルも興ざめだから、そこそこ鳴ってくれなくては困る。いまどきのFPS/TPSは、背後から迫る敵を音で表現するためにサラウンド対応のものが珍しくないが、そこまでしなくても"音がいい"ことは没入感と大きな関係がある。

ここに紹介するBenQ「EX2710Q」は、2020年始動の新ブランド「MOBIUZ(モビウス)」の元、ゲームタイトルの画と音に対する要請を念入りに検討して開発されたゲーミングモニターだ。27インチIPSパネルで解像度はWQHD(2560×1440ドット)というスペックはさておき、リフレッシュレートは最大165Hzで応答速度が1ms(MPRT)。通常のHDRにBenQ独自の色自動調節機能を融合した「HDRi」もサポート、センサーの働きにより周囲の明るさに応じた輝度へ自動調整してくれる。ディスプレイ同期技術のFreeSync Premiumに対応することもポイントだ。

BenQのゲーミングモニター「EX2710Q」

BenQのゲーミングモニター「EX2710Q」

IPパネルだけあって視野角が広い

IPパネルだけあって視野角が広い

音質面では、サブウーハーの搭載が光る。BenQ製品に採用されているスピーカー「treVolo(トレヴォロ)」は、自社音響開発チームの手によるもので、BenQ製モニターの特徴といっていい。ゲーミングモニターで2.1chスピーカーを搭載するメーカーはほかに類がなく、音に対する気合いのほどが伺える。

サブウーハーの開口部は背面上部にある

サブウーハーの開口部は背面上部にある

インターフェイスはHDMI 2.0x2、Display Port 1.4×1を装備

インターフェイスはHDMI 2.0x2、Display Port 1.4×1を装備

OSD操作用のコントローラは背面に配置されている

OSD操作用のコントローラは背面に配置されている

120Hzの滑らかさとサブウーハーの威力

まずはデザインから。スタンドは前モデル「EX2710」の角がとれた三角形から2本足に変更されており、鋭角的な印象が強まった。ただし安定性には問題なく、少し触れた程度でガタつくこともない。チルトは-5〜15度、スイーベルは左右15度、昇降は6.5〜16.5cmと設置自由度が高いところもポイントだ。それぞれ無段階調整できるので、自分の思いどおりの位置にピタリと固定できるのはうれしい。

背面に回ると、スタンド上部にメッシュがあることに気付く。下向きに設置すると音が画面下部に定位してしまうため、上向きに音を出すということなのだろう。背面全体がメタリックなところも特徴的だ。一般的にモニターといえば背面は黒い樹脂で覆われているものだが、シルバー(ただし素材は樹脂)にすることで鋭角的な印象を強めている。

最初に試したコンテンツは、PS5の「フォートナイト」。PS5側の設定で「パフォーマンス優先」を有効にしたあと、フォートナイトの設定画面で「120fpsモード」を選択すると、ゲーム画面右上のFPSが120Hzに変わる。動きが"ヌルヌル"という話は事前に聞いていたけれど、その表現がピタリとはまる。ゲームそのものは60Hz環境でも楽しめるが、この滑らかな動きは120Hzならでは、一度120Hzで遊んだら60Hzに戻そうとは思わないのではないだろうか。

ただし、HDMI端子はHDMI 2.0対応で、リフレッシュレート120Hz時は解像度がフルHD(1,920×1,080ピクセル)となる。4K HDR/60Hzの映像を入力した時にも、WQHD解像度にダウンコンバートしての疑似4K表示となる点は認識しておいたほうがいい。

明るさを自動調整し画像のコントラストと鮮明度を向上させる独自HDR技術「HDRi」も試してみた。フロントスピーカーの右端にあるボタンを押すと、「ゲームHDRi」に「シネマHDRi」、「DisplayHDR」、そして「オフ」という4つの選択肢が現れる。ゲームを楽しむ時には「ゲームHDRi」を選択すれば、周囲の明るさを検知してゲームに適したHDR映像にしてくれるというわけだ。

プレイ中にオン(ゲームHDRi)とオフを繰り返し切り替えてみたが、確かにオンにすると鮮やかさが増す。コントラストが高まり、たとえば山肌や草原の起伏がよりくっきりと感じられる。カーテンを開け締めして部屋の明るさを変えてみたが、目にキツく感じられるほどの輝度にはならなかったのは、HDRiの効果なのだろう。

前面のスピーカーグリル右端にHDRiボタンを配置

前面のスピーカーグリル右端にHDRiボタンを配置

カラーモードは「ゲームHDRi」など多数を用意

カラーモードは「ゲームHDRi」など多数を用意

120HzとHDRiを試したあとは、HDMIポートにFire TV Stick 4Kを挿し込み(長さ制限で直接挿し込めないため延長コードを利用)、Amazon Prime Videoで「007/スカイフォール」を再生。オープニングの列車を利用したアクションシーンで、2.1chスピーカーの実力を試そうという考えだ。しかし、どうも迫力が足りない。おかしいな...

それもそのはず、オーディオモードが「FPS」のままだったことに気付いた。それを「シネマ」に変えたところ、低音の量感がぐっと増える。爆発音はなかなかの迫力、「FPS」ではサブウーハーの存在感は希薄だが「シネマ」ではよくわかる。レーシングゲーム向けの「RCG」も同様で、低域重視のサウンドチューニングが施されている。

音楽コンテンツ(ライブ映像)として「Official髭男dism Universe CD+Live Blu-ray」も試してみた。画面中央よりやや下方に定位する印象はあるものの、解像度が高く左右の広がりが感じられる音場表現は、一般的なモニター内蔵スピーカーより数段上に感じる。

オーディオモードは5種類を用意。「RCG」と「シネマ」が低音厚めの味付け

オーディオモードは5種類を用意。「RCG」と「シネマ」が低音厚めの味付け

やはり大きいサブウーハーの効果

BenQのゲーミングブランド「MOBIUZ」第2弾となるこの製品、WQHD/120Hz対応だけあってPS5対応は申し分ないレベル。暗部階調表現というIPS液晶のウイークポイントは否めないものの、応答速度は1ms(MPRT)と鋭く、HDRiの賢さもあって手堅くまとめられた印象だ。

「EX2710Q」には同時期発売の兄弟機「EX2710S」と「EX2510S」も存在し、リフレッシュレート最大165Hz/応答速度1msと描画性能は「EX2710Q」に匹敵するが、こちらはサブウーハーを搭載しない。断然サブウーハーありのほうが臨場感は高く、ゲームの目的を果たした時の達成感・満足感も高いはず。解像度の違いもあり(EX2710S/2510SはフルHD)、個人的には「EX2710Q」一択と見るが、いかがだろう。

海上 忍

海上 忍

IT/AVコラムニスト、AV機器アワード「VGP」審査員。macOSやLinuxなどUNIX系OSに精通し、執筆やアプリ開発で四半世紀以上の経験を持つ。最近はAI/IoT/クラウド方面にも興味津々。

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