レビュー

久々に登場した高性能Androidタブレット「Xiaomi Pad 5」レビュー

シャオミが2021年10月21日に発売した「Xiaomi Pad 5」は、最近数が少ないハイエンド仕様のAndroidタブレットだ。これまで日本国内で発売されてきたAndroidタブレットは、価格重視のエントリーモデルが中心だったが、本機はハイエンドSoC「Snapdragon 860」や、10bit階調表示と120Hz駆動に対応した11インチ液晶ディスプレイを備えた実力派だ。それでいて、4万円台前半からという、シャオミらしい攻めた価格設定がなされている。そんな本機をレビューした。

久しぶりに登場した高性能Androidタブレット

以前は、さまざまな製品が選べたAndroidタブレット。しかし、徐々にその人気が衰えていき、主要メーカーだったファーウェイが、アメリカの制裁を受けて事実上新製品を投入できなくなってからは、国内市場では主にレノボやNECくらいしか製品を発売していない状況が続いている。

そんな状況で、シャオミが発売したAndroidタブレットが「Xiaomi Pad 5」だ。10月21日の発売以来、価格.comでの人気はなかなか高く、「タブレットPC」カテゴリーの人気売れ筋ランキングで4位の好位置に付けている(2021年11月25日時点)。もちろん、Androidタブレットとしては最上位だ。ユーザーレビューを見ても4.12ポイントとなかなかの好評価で、投稿件数も13件と比較的多め。Androidタブレットとしては、最近珍しくかなり高い注目を集めていることがうかがえる。

「Xiaomi Pad 5」は、1,600×2,560のWQHD+表示に対応した、11インチの液晶ディスプレイを備える。5Gや4Gのモバイルネットワークには対応しておらず、基本的にWi-Fiでのインターネット利用を想定している。サイズは、約166.25(幅)×254.69(高さ)×6.85(厚さ)mmで、重量は約511gと少し重めだが、アップル「iPad(10.2インチ)」や「iPad Air」と比較的近いサイズ感だ。

背面は表面にマット加工が施されている。質感も良好だ

背面は表面にマット加工が施されている。質感も良好だ

左側面には電源ボタンが配置される。ステレオスピーカーは左右の側面にそれぞれ2基ずつ、合計4基搭載される

左側面には電源ボタンが配置される。ステレオスピーカーは左右の側面にそれぞれ2基ずつ、合計4基搭載される

右側面にUSB Type-Cポートを配置。その左右にあるのはスピーカーだ。なお、サウンドエンハンサーの「Dolby Atoms」に対応している

右側面にUSB Type-Cポートを配置。その左右にあるのはスピーカーだ。なお、サウンドエンハンサーの「Dolby Atoms」に対応している

上側面には、ボリュームボタンを配置。また、別売りのペンデバイス「Xiaomi Smart Pen」の装着端子がある

上側面には、ボリュームボタンを配置。また、別売りのペンデバイス「Xiaomi Smart Pen」の装着端子がある

本機の特徴のひとつは、高品質な液晶ディスプレイの採用だ。11インチの画面サイズに対して1,600×2,560と十分な解像度があり、約10億色の表示に対応するなど階調も十分で、写真なども高精細に表示できる。加えて、HDR10や「DolbyVision」にも対応しており、動画の閲覧にも適している。また、120Hzのリフレッシュレートと240Hzのタッチサンプリングレートに対応しているため、スクロールもなめらかでタッチ操作のキレも良好。輝度も500nitsと高く、明るい日中でも十分な明るさがある。

約10億色の表示に対応するほか、HDR10や「DolbyVision」にも対応。なかなか高性能なディスプレイだ

約10億色の表示に対応するほか、HDR10や「DolbyVision」にも対応。なかなか高性能なディスプレイだ

ディスプレイは120Hzのリフレッシュレートと、240Hzのタッチサンプリングレートに対応。なめらかなスクロールや、ゲームなどでのスピーディーな操作が行える

ディスプレイは120Hzのリフレッシュレートと、240Hzのタッチサンプリングレートに対応。なめらかなスクロールや、ゲームなどでのスピーディーな操作が行える

本機が注目を集めるもうひとつの理由は、処理に関わる基本スペックが高いことだ。ハイエンド向けSoC「Snapdragon 860」を搭載するほか、6GBのメモリーを搭載しており、処理には余裕がある。ストレージは現行モデルは128GBだが、後日256GBモデルも追加される。OSは、Android 11をベースにした「MIUI 12.5 for pad」を採用。なお、microSDメモリーカードスロットは非搭載となる。

定番のベンチマークアプリ「AnTuTuベンチマーク」で本機のパフォーマンスを計測してみたところ、総合スコアが562,436(内訳、CPU:141,876、GPU:202,557、MEM:92,159、UX:125,544)となった。このスコアは、昨年のハイエンド向けSoC「Snapdragon 865」を搭載したスマートフォンをやや下回るものの、グラフィック性能を示す項目「GPU」が20万以上を記録するなど、ハイエンド機として十分な性能と言える。

AnTuTuベンチマークの結果。処理性能を示す「CPU」が約14万、グラフィック性能を示す「GPU」が約20万と、かなり高い。

AnTuTuベンチマークの結果。処理性能を示す「CPU」が約14万、グラフィック性能を示す「GPU」が約20万と、かなり高い。

体感速度はかなり良好だ。基本的な処理性能やグラフィック性能の高さに加えて、120Hzディスプレイのおかげでスクロールなどがなめらかな点も、体感速度を高めている。液晶ディスプレイが苦手とする黒の表示もしっかり沈み込んでおり、コントラストも高い。またHDRコンテンツを表示した際の階調表現やハイライトの表現も良好だ。

なお、シャオミの一部のスマートフォンでは、一部のゲームタイトルで十分な性能を発揮できないものがある。しかし、本機でリズムゲームやFPSなどの数タイトルを試した限り、極端に動作が遅くなるものは見当たらなかった。同社のスマートフォン「Mi 11 Lite 5G」で、重度のコマ落ちを指摘されていた「原神」や「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク」も、わずかなコマ落ちが瞬間的に発生する程度で、概してスムーズと言えるレベルで動作した。特に、240Hzのタッチサンプリングレートに対応した大画面を備えた本機と、リズムゲームの相性はかなり良好で、スマートフォンでのプレイよりもミスが減り、高得点を狙いやすかった。なお、本機を使ったゲームアプリの動作についてはユーザーによる動作報告がインターネット上で公開されている。意中のタイトルの動作について調べてから購入するのもよいだろう。

大画面がものを言うリズムゲームでは、グラフィック性能が高く、タッチサンプリングレートも速い本機は、ぴったりと言える

大画面がものを言うリズムゲームでは、グラフィック性能が高く、タッチサンプリングレートも速い本機は、ぴったりと言える

家庭内で使うことを想定したシンプルなカメラやセンサーの構成

タブレット端末では、スマートフォンほどカメラ性能は重視されないが、本機に搭載されるメインカメラも、約1,300万画素のシングルカメラとシンプルなもの。HDR撮影機能やAIを使ったシーン認識機能は備えるが、高度なオートフォーカス機能や、シャオミの特徴でもあるユニークなエフェクト機能も搭載されていない。ただし、プリインストールされるアプリ「スキャナー」を使って、OCRやQRコードの読み取りが行えるなど、ユニークな機能も搭載されており、写真メモとして使うには十分な性能と言える。フロントカメラは約800万画素でこちらもミニマムな仕様だが、顔認証やWeb会議に使うには十分だろう。なお、指紋認証センサーは非搭載となっている。

センサー類を見ても、GPSやQZSSなど、人工衛星を使った測位システムには非対応となる。また、温度センサーや気圧計、近接センサーも搭載されない。あくまで、自宅で使うWi-Fiタブレットというコンセプトに沿った製品だと言える。このほか、ヘッドホン端子も非搭載で、USB Type-Cからヘッドホン端子への変換アダプターも同梱されない。

メインカメラは約1,300万画素のシングルカメラ。メモやOCRなどの用途を想定したシンプルなカメラだ

メインカメラは約1,300万画素のシングルカメラ。メモやOCRなどの用途を想定したシンプルなカメラだ

フロントカメラは約800万画素。ミニマムな性能だが、顔認証やWeb会議などで使用するには十分な性能だ

フロントカメラは約800万画素。ミニマムな性能だが、顔認証やWeb会議などで使用するには十分な性能だ

メインカメラで、色鉛筆を撮影。グレーのバックがやや暖色気味のホワイトバランスだが、暗部の階調表現も悪くない

メインカメラで、色鉛筆を撮影。グレーのバックがやや暖色気味のホワイトバランスだが、暗部の階調表現も悪くない

8,720 mAhの大容量バッテリーを搭載。1日2時間程度の使用でギリギリ3日の電池持ち

本機は、8,720mAhのバッテリーを内蔵する。シャオミの調べでは5日以上の音楽再生、16時間以上の音楽再生、10時間以上のゲームが可能という。筆者が120Hz駆動モードで1日に2時間程度(1時間以上のゲームを含む)使用したところ、24時間で30〜35%程度というバッテリーの消費ペースだった。単純計算で、3日ギリギリ持続するという電池持ちで、特別スタミナにすぐれるというわけではない。ただ、電源の確保が容易な家の中で使用するWi-Fiタブレットという本機のコンセプトを考えれば、これで十分だろう。

同梱の充電器は最高出力20Wに対応している。手元の時計で充電時間は約2時間

同梱の充電器は最高出力20Wに対応している。手元の時計で充電時間は約2時間

高性能の割に安価。Androidタブレットの買い換えユーザーには待望の1台

発売される製品がかなり少なくなってしまったこともあり、Androidをメインで使うユーザーであっても、タブレットについてはiPadシリーズを選んでいるという人は少なくない、筆者もそのひとりだ。Androidスマホで購入したコンテンツやサービスなどは、iPadでも問題なく利用できるので、大きな不便はない。

しかし、どうしてもAndroidタブレットでないと困るような状況もある。たとえばゲーム内のアイテムや有料ジュエルなどの扱いだ。OS間でアカウントの移行はできても、それに紐付くアイテムまでは引き継げない場合があるからだ。そういう場合には、高性能なAndroidタブレットが欲しくなるが、なかなかこれという製品に巡り会えずに、購入の機会を失ってしまっていた。そうしたユーザーにとって、本機は待ちに待った1台となるのではないだろうか。

価格的にも、10億色表示の120Hz駆動ディスプレイ、ハイエンドSoC「Snapdragon 860」+6GBメモリーを備えつつ、128GBモデルが43,780円(以下、いずれも税込価格)、256GBモデルが54,780円という価格は妥当だろう。39,800円のエントリーモデル「iPad(64GB)」と比べても、その内容を考えれば十分に安い。十分な性能と低価格を両立した本機が、Androidタブレットの買い換えを考えていたユーザーにとって待望の製品として人気を集めるのも十分にうなずける。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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