レビュー

au版が2万円の値下げで購入しやすく。折りたたみスマホ「Galaxy Z Flip3 5G」レビュー

サムスンの折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Flip3 5G」のau取り扱いモデル「SCG12」が、20,010円値下げされ、オンラインショップの一括払い価格で128,915円となった。値段の高さがネックとなっていた折りたたみスマートフォンだが、以前よりは購入しやすくなった形だ。その魅力を改めて確認しよう。

※本記事中の価格は税込で統一している。

デザイン買いしたくなるボディは健在。防水やFeliCaにも対応

2021年10月6日に発売された「Galaxy Z Flip3 5G」は、縦に折り曲げるメインディスプレイを備えた折りたたみボディの5Gスマートフォン。価格.comに寄せられるユーザーレビューの満足度は4.65(2022年3月17日現在)というかなり高い評価を獲得している。

内側に折りたたみ可能なメインディスプレイは約6.7インチの有機ELディスプレイで、2,640×1,080のフルHD+表示に対応。10〜120Hzの可変リフレッシュレートに対応するほか、HDRにも対応している。なお、タッチサンプリングレートは公開されていない。このほか、背面には、260×512表示に対応した約1.9インチのサブディスプレイも備える。

縦長の約6.7型有機ELディスプレイを搭載。ちょうど真ん中で折りたためる仕様だ。120Hz駆動やHDR対応など、機能は申し分ない

縦長の約6.7型有機ELディスプレイを搭載。ちょうど真ん中で折りたためる仕様だ。120Hz駆動やHDR対応など、機能は申し分ない

背面に備わる有機ELのサブディスプレイは、カラー表示対応でタッチ操作も可能

背面に備わる有機ELのサブディスプレイは、カラー表示対応でタッチ操作も可能

ボディサイズは、閉じた状態で約72.2(幅)×86.4(高さ)×17.1(厚さ)mm、開いた状態で約72.2(幅)×166.0(高さ)×6.9(厚さ)mmで、重量は183gだ。IPX8等級の防水仕様に対応しているが、防塵には対応していない。FeliCaポートやQi規格のワイヤレス充電に対応しており、ハイエンドモデルらしく高い機能性を備える。サウンド面では、ステレオスピーカーを備えるものの、ヘッドホン端子は非搭載。USB Type-C接続のイヤホンが同梱されるが、変換アダプターは別売りとなる。なお、生体認証として、ボディ側面の電源ボタン上に指紋認証センサーを備える。

ヒンジ部分は分厚い金属板で覆われている

ヒンジ部分は分厚い金属板で覆われている

ボディ下面にUSB Type-Cポートを搭載。ヘッドホン端子は非搭載だ

ボディ下面にUSB Type-Cポートを搭載。ヘッドホン端子は非搭載だ

右側面には、ボリュームと、指紋認証センサー内蔵の電源ボタンを配置する

右側面には、ボリュームと、指紋認証センサー内蔵の電源ボタンを配置する

本機を折りたたんでみると、スクエア型にコンパクトにまとまるのに加え、質感が高く洗練された背面デザインのおかげもあって、一般的なスマートフォンにはない魅力を感じる。折りたたんだ状態では外側に出るサブディスプレイも大きなポイントで、約1.9インチという比較的大きな画面かつフルカラー表示のため、各種の通知や時計表示も見やすい。また、タッチ操作で表示内容を切り替えることもできる。最近はどれも同じようなデザインになってきているスマートフォンの中で、本機は外見で個性を主張できる貴重な1台と言えるだろう。

ヒンジは頑丈なうえに、75〜115°の範囲であれば折り曲げ角度を保持できるので、このように自立させて、動画の再生を行うことも可能だ

ヒンジは頑丈なうえに、75〜115°の範囲であれば折り曲げ角度を保持できるので、このように自立させて、動画の再生を行うことも可能だ

有機ELパネルを採用したメインディスプレイ「Infinity Flexディスプレイ」は、サムスンの「Galaxy」シリーズではおなじみのメリハリのある画質だ。約6.7インチという大きな画面サイズに対して解像度はフルHD+にとどまっているが、粗さは感じられない。また、最大120Hzの可変リフレッシュレート機能により、画面スクロールがとてもなめらかなうえ、タッチ操作も心地よく、高級感を高めている。なお、折りたたみディスプレイのデメリットとして指摘されることの多い折り目部分の違和感については本機でも無縁ではなく、わずかではあるものの折り目部分にゆがみを感じる。また、折り目部分は背後の土台の構造が異なるためか感触にスムーズさが欠ける、強い力がかかることへの不安を感じる人もいるだろう。折りたたみディスプレイゆえの繊細な扱いは引き続き必要だろう。

折り目部分にしわがあり、画面のゆがみがわずかだが発生している

折り目部分にしわがあり、画面のゆがみがわずかだが発生している

搭載されるSoCはハイエンド向け「Snapdragon 888」で、8GBのメモリーと128GBのストレージ、1TBまで対応するmicroSDXCメモリーカードスロットを組み合わせる。プリインストールOSはAndroid 11だが、サムスンでは本機は将来的に3回までのOSメジャーバージョンアップと、発売後4年間のセキュリティアップデートの配布を行うことを明らかにしている。なお、Android12へのバージョンアップは実施済みで、今回の検証機もAndroid 12がプリインストールされていた。

実際の処理性能を計測するため、ベンチマークアプリ「AnTuTuベンチマーク(バージョン9.X)」を使ってベンチマークテストを行ったところ、総合スコアは767,727(内訳、CPU:211,423、GPU:274,388、MEM:134,050、UX:147,866)となった。「Snapdragon 888」搭載機としては標準的な性能と言える。実際の体感速度についても申し分なく、特にグラフィック性能が高いため、ゲーム用途などに適している。ハイエンド機としてはストレージが128GBとやや少ないので、大容量のmicroSDXCカードを併用して、撮影データなどはそちらに保存するほうがよいだろう。

AnTuTuベンチマークの計測結果。総合スコアは767,727で、「Snapdragon 888」搭載機としては標準的なスコアとなった

AnTuTuベンチマークの計測結果。総合スコアは767,727で、「Snapdragon 888」搭載機としては標準的なスコアとなった

なお、本機の5G通信機能は、ミリ波には対応しておらず、Sub6のみの対応となる。5Gでの通信速度は、NTTドコモ版が下り最大4.2Gbps、au版は下り最大3.4Gbpsとされている。

au版は2万円の値下げで、ようやくライバルと比較可能なレベルの価格に

上述したように、本機については、au版「SCG12」が、2022年3月1日より、148,925円から128,915円へと端末価格が値下げされた。端末価格121,405 円のソニー「Xperia 5 III」や、122,095円のオッポ「OPPO Find X3 Pro」(いずれもau取り扱いモデルの端末販売価格)などのライバル機とほぼ同等の価格に引き下げられた形だ。なお、これにともなって、残価設定型の端末購入補助である「スマホトクするプログラム」を利用した場合の実質負担金も、従来の99,245円(月額4,315円×23回払い)から79,235円(月額3,445円×23回払い)に引き下げられている。なお、「スマホトクするプログラム」は、回線契約が不要かつ端末の返却時に次の端末の購入も不要なので、端末のみの購入でも気軽に利用できる。

これに加えて、auでは「5Gスマートフォンおトク割」として、MNP契約であれば22,000円、新規契約でも11,000円(契約者が22歳以下であれば22,000円)の端末価格割引きを受けることができる。なお、機種変更でも、5,500円の割引きが受けられる「5G機種変更おトク割」が用意されている。これらの割引きをうまく適用させることで、かなり安価に購入することができる。

なお、本機は、NTTドコモ版もau版もSIMロックがかかっておらず、端末だけでの購入も可能。裏技的には、値下げされたau版を買って、他社のSIMカードを挿して運用するということも行える。ただし、au版「SCG12」は、NTTドコモのB19やソフトバンクのB8といった、他社の4Gのプラチナバンドには対応していない。5Gについても、NTTドコモで使われるn79には非対応だ。現実的に見ると、au版「SCG12」を国内で快適に使えるのは、au、UQ mobile、povoのSIMカードおよび、KDDIの回線を使ったMVNOの格安SIMカードに限られるので、この点は注意されたい。

バッテリーはやや少なめの3,300mAh。現実的には1日+αの電池持ち

本機は3,300mAhのバッテリーを内蔵している。5G対応のハイエンドスマートフォンとしてはやや少なめなこともあり、カタログスペックでは、連続通話時間は約1,320分、連続待ち受け時間は約270時間とかなり短めだ。本機と同じ「Snapdragon 888」を搭載する「Xperia 5 III」と比べるとざっと3分の2程度の電池持ちで、実際の電池持ちもあまりよくない。1日に3時間ほど使った場合、1日半くらいでバッテリーの残量が10%を下回った。場合によっては1日ギリギリ持つか微妙だろう。また、本機に限らずSnapdragon 888搭載機に広く見られる傾向だが、ゲームなどグラフィック処理に負荷のかかる状態では、ボディの一部がかなりの熱を持ち始め、バッテリーの消費ペースも上がる。熱を抑えるためにあえて処理性能を抑えている機種も多く、高性能を長時間安定して発揮できるとは言いがたいところがある。本機は処理性能的にはゲームなどにも向いているが、バッテリーの消耗については、充電用のモバイルバッテリーなどが必須となりそうだ。

なお、急速充電については、USB PD 3.0 PPSに対応しており(充電器は別売)、ゼロからフル充電にかかる時間は最短で約130分となる。このほか、前述の通り、Qi規格のワイヤレス充電にも対応している。なお、ワイヤレス充電では、ほかの機器を充電するリバースチャージ機能も備えている。

標準カメラと超広角カメラのデュアルカメラを搭載。画質は素直で安定

本機のメインカメラは、いずれも約1,200万画素の広角カメラと超広角カメラを組み合わせたデュアルカメラ。ハイエンドモデルの中では比較的シンプルなカメラだ。なお、β機能であるが、HDR10+規格でのHDR動画の撮影にも対応している。

メインカメラは、広角カメラと超広角カメラのデュアルカメラ。ハイエンドスマホとしてはシンプルな構成だ

メインカメラは、広角カメラと超広角カメラのデュアルカメラ。ハイエンドスマホとしてはシンプルな構成だ

以下に、本機のメインカメラを使って撮影した静止画と動画の作例を掲載しよう。いずれも初期設定のまま、カメラ任せのAIオートモードを使用している。

広角カメラで撮影(屋外)

逆光気味の噴水を撮影。水面が鮮やかに撮影できた。霞のかかった空は肉眼の印象どおりで、映像の誇張を抑えた自然な画質となっている

逆光気味の噴水を撮影。水面が鮮やかに撮影できた。霞のかかった空は肉眼の印象どおりで、映像の誇張を抑えた自然な画質となっている

超広角カメラで撮影(屋外)

上と同じ風景を、超広角カメラで撮影。構図に太陽が入ったためフレアが少し現われた。ただし、全体的なトーンは広角カメラと共通で、カメラを切り替えても画質は安定している

上と同じ風景を、超広角カメラで撮影。構図に太陽が入ったためフレアが少し現われた。ただし、全体的なトーンは広角カメラと共通で、カメラを切り替えても画質は安定している

広角カメラで撮影(室内)

窓から外を望む、明暗差の大きな構図。オートHDRが動作しており、暗部のディテールを確保しつつ、遠景のハイライト部分まで階調が保たれている

窓から外を望む、明暗差の大きな構図。オートHDRが動作しており、暗部のディテールを確保しつつ、遠景のハイライト部分まで階調が保たれている

超広角カメラで撮影(室内)

上と同じ風景を撮影。広角カメラよりも暗部が増えたため遠景の白飛びが増えているものの、スマートフォンのカメラとしてはなかなか優秀と言える

上と同じ風景を撮影。広角カメラよりも暗部が増えた分、遠景の白飛びが増えているものの、スマートフォンのカメラとしてはなかなか優秀と言える

広角カメラで撮影(夜景)

明るめの夜景を撮影。肉眼よりも鮮やかさを増したキラキラとした夜景になった。同じような構図で数十枚撮影したが、手ブレが少なく、ホワイトバランスや明るさも安定していた

明るめの夜景を撮影。肉眼よりも鮮やかさを増したキラキラとした夜景になった。同じような構図で数十枚撮影したが、手ブレが少なく、ホワイトバランスや明るさも安定していた

超広角カメラで撮影(夜景)

上と同じ風景を超広角カメラに切り替えて撮影。広角カメラと比較したトーンの変化はほぼない。こちらのカメラも手ブレが少なく非常に安定した画質で撮影できた

上と同じ風景を超広角カメラに切り替えて撮影。広角カメラと比較したトーンの変化はほぼない。こちらのカメラも手ブレが少なく非常に安定した画質で撮影できた

本機のカメラには、特別な画像補正機能などが備わっているわけではないものの、広角カメラ・超広角カメラともに画質は安定しており、青空や夜景などを実際以上に誇張することもなく、日中や夜景を問わず肉眼の印象に近い写真が撮れる。スナップ写真や風景を撮るのであれば十分なカメラと言えるだろう。気になった点としては、オートフォーカスが少々甘く、動く被写体を追尾し続ける「追尾オートフォーカス」を備えているものの、途中で被写体を見失ってしまうこともあった。屋内で動き回るペットや子どもなどを撮影するといった用途では、やや注意が必要だ。

ネックだった価格の高さが解消され買いやすく。折りたたみスマホの魅力が詰まった1台

「Galaxy Z Flip3 5G」は、価格.comのユーザーレビューでも満足度は4.65という非常に高い数値を獲得しており、今回のレビューでもその完成度の高さは証明できた。ある意味では、その価格の高さだけが大きなネックとなっていた感もある。

ガジェットマニア向けというイメージがある折りたたみスマホだが、実際に使ってみると、コンパクトにおりたためることで高い携帯性を持っているほか、自立させて動画を見るなど、使い勝手のよさもあり、多くの人に支持されうる潜在能力がある。また、デザインが同じような感じになりやすい最近のスマートフォンの中にあって、一風変わった本機のデザインも魅力だろう。このように総じて完成度の高い製品ではあるが、バッテリー持ちはあまりよくないので、充電器やモバイルバッテリーの携帯は必要になるだろう。この点だけは注意したい。

今回、au版「SCG12」の20,000円値下げにより、ようやくほかのハイエンド機と十分に渡り合えるようになった。折りたたみスマホの今後の可能性を広げる点でも、本機の値下げはおおいに歓迎したい。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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