レビュー

Snapdragon 8 Gen 1を強力冷却! 高コスパゲーミングスマホ「REDMAGIC 7」レビュー

最新のハイエンドSoC「Snapdragon 8 Gen1」を搭載するNubia Technologyのゲーミングスマートフォン「REDMAGIC 7」が4月中旬に発売された。ファンを備えた冷却機構「ICE8.0」や、大容量メモリーなど、まさに本格的ゲーミングスマホならではの性能を備えているが、99,000円(2022年5月9日以降の税込価格)〜という安さで、コスパにもすぐれている。その実力に迫った。

「Snapdragon 8 Gen1」搭載機としては安価。派手な外見だがゲーム向けの機能を満載

深刻な半導体不足や、急速に進む円安などの影響を受け、最近のスマートフォンの価格は上昇傾向にある。

今回紹介する「REDMAGIC 7」は、99,000円の12GB/128GBモデルと、128,000円の18GB/256GBの2モデル(いずれも2022年5月9日に実施される値上げ以降の税込価格)をラインアップ。ほぼ10万円オーバーの製品ではあるが、本機と同じSoC「Snapdragon 8 Gen1」を備えたサムスン「Galaxy S22(8GB/256GB)」が12万円以上することを考えると、割安感がある。

本機は、サイズが約78.33(幅)×170.57(高さ)×9.5(高さ)mmで、重量が約215gというかなりの大型ボディ。搭載される有機ELディスプレイも2,400×1,080のフルHD+表示に対応した約6.8インチというなかなかの大画面だ。もちろん、ゲーミングスマホであるから、画面は大きいほうがプレイしやすいし、後述するようにボディ内部に独自の冷却機構「ICE8.0」を搭載するため、これだけのボディサイズになったのだろう。ゲーミングスマホでは必須のヘッドホン端子やステレオスピーカーもちろん搭載するほか、側面にはLとRのタッチ式のショルダーボタンが備わる。このボタンは、500Hzのタッチサンプリングレートを備え、遅延はわずか8msという性能を誇る。なお、NFCポートは備えるが、FeliCaポートは非搭載で、防水・防塵にも対応していない。

デザインもかなり尖っている。面面は、視界を妨げるノッチやパンチホールのない平面ディスプレイだが、裏面には、性能や機能をアピールする文言があちこちに記載されるなど、メカ感を強くアピールしている。また、今回の検証機である18GB/256GBの上位モデル「Supernova」は、背面の一部が透明になっており、本機の特徴である放熱ファンが透けて見える。しかも、このファンは駆動中に赤、緑、青、黄の4色に光るというギミックまで施されており、ゲーミングスマホらしい派手さにも事欠かない。

今回の検証機は18GB/256GBの「Supernova」。背面には本機の性能や機能などが記載されている

今回の検証機は18GB/256GBの「Supernova」。背面には本機の性能や機能などが記載されている

「Supernova」の透けて見える放熱ファンには、動作中は光るギミックが備わる

「Supernova」の透けて見える放熱ファンには、動作中は光るギミックが備わる

しかし、こうした派手さとは裏腹に、背面の形状は凹凸を可能な限り抑えており、とても持ちやすい。大きめなボディも、ゲームプレイ時に手で握った際の誤作動を防ぐために、ディスプレイのベゼル部を長辺も短辺もある程度幅広く取っているためだ。すべてはゲームプレイをしやすくするための機能的なデザインになっている。

ボディ下面には、USB Type-Cポートとスピーカーを搭載する

ボディ下面には、USB Type-Cポートとスピーカーを搭載する

ボディ上面にはヘッドホン端子を配置する

ボディ上面にはヘッドホン端子を配置する

側面左右には、LとRのショルダーボタンを配置。500Hz駆動のタッチ式で8msという低遅延を誇る

側面左右には、LとRのショルダーボタンを配置。500Hz駆動のタッチ式で8msという低遅延を誇る

同梱される樹脂カバーは、表面がマット処理されており、滑りにくい。また、平面設置時の安定性を高める効果もある。同梱品としてはかなりよく考えられたカバーだ

同梱される樹脂カバーは、表面がマット処理されており、滑りにくい。また、平面設置時の安定性を高める効果もある。同梱品としてはかなりよく考えられたカバーだ

本機が搭載する有機ELディスプレイは、60Hz/90Hz/120Hz/165Hzの4段階で調節可能な高速リフレッシュレートに対応。初期設定では90Hzに指定されている。タッチサンプリングレートは360Hzと720Hzの2段階で切り替え可能だ。動きの速いFPSはもちろんだが、リズムゲームなどアクション性のあるゲームなら幅広いジャンルで威力を発揮するだろう。なお、高速リフレッシュレートはアプリ側での対応が必要だが、タッチサンプリングレートはアプリの対応は不要なので、ゲームはもちろん、それ以外のアプリにおいても繊細でキレのよい操作が行える。

なお、画面の最大輝度は700nitとなっており、それほど明るくはない。ゲーミングスマホという性質から、明るい屋外で使うことはあまり想定していないのだろう。ただし、約10億色の階調表現が可能なほか、HDR対応、DCI-P3の色域を100%カバーするなど、動画や静止画などの再生用途としても十分なスペックを備えている。なお、本機の有機ELディスプレイは、DC調光を採用しているため、ちらつきが起こらず、目の負担も抑えられる。

約6.8インチの大画面、かつ視界を妨げるパンチホールやノッチのない平面ディスプレイは、ゲーム用途には最適だ

約6.8インチの大画面、かつ視界を妨げるパンチホールやノッチのない平面ディスプレイは、ゲーム用途には最適だ

生体認証としては、ディスプレイ指紋認証を搭載

生体認証としては、ディスプレイ指紋認証を搭載

ディスプレイのリフレッシュレートは60Hz/90Hz/120Hz/165Hzの4段階で調節できる

ディスプレイのリフレッシュレートは60Hz/90Hz/120Hz/165Hzの4段階で調節できる

本機の右側面に備わる切り替えスイッチを使うと、ゲーム専用モード「ゲームスペース」に切り替わる。ゲームスペースでは、音声通話の着信を含む通知が制限されるほか、ハードウェアをゲームの動作に集中させたり、処理性能を調整するなど、よりきめ細かい設定が行われる。

注目の新機能として、プラグインによる機能拡張に対応したことがあげられる。プラグインの中には、画面の反転や、FPSなどで足音として聞こえるサウンドの周波数帯の拡大、照準を大きくするなど、主にFPSにおいて便利なものが多く用意されている。また、プレイ中の画面を動画として記録するものや、本機のオプションとして用意される、外付けファンやパッドコントローラーを制御できるものも用意される。

本機のゲームモード「ゲームスペース」は、プラグインによる機能拡張に対応した

本機のゲームモード「ゲームスペース」は、プラグインによる機能拡張に対応した

冷却機構「ICE8.0」は、Snapdragon 8 Gen 1を強力に冷やす

本機は、先に触れたようにクアルコムの最新ハイエンドSoC「Snapdragon 8 Gen1」を搭載する。メーカーのNubiaでは、前モデル「Snapdragon 888」と比較して、CPU性能が20%以上、GPU性能は30%以上、AI処理は最大で4倍の性能アップを果たしているとしている。これに組み合わされるメモリーはLPDDR5を12GBあるいは18GB、ストレージは128GBあるいは256GBのUFS3.1となる。OSは、Android 12ベースの独自OS「REDMAGIC OS 5.0」だ。なお、増設用のメモリーカードスロットは搭載されない。

本機の実際の処理性能を定番のベンチマークアプリ、AnTuTuベンチマークを使って計測したところ、総合スコアは1,028,380(内訳、CPU:233,063、GPU:442,576、MEM:171,713、UX:181,028)となった。サブスコアを見ると、ゲームにおいて特に重視されるグラフィック性能を示す「GPU」の値が約44万と顕著に高い。なお、前モデル「RedMagic 6」のスコア、827,520(内訳、CPU:207,886、GPU:316754、MEM:141,008、UX:161,872)と比較すると、いずれのスコアもNubiaが言う通りの性能アップとなっている。

AnTuTuベンチマークの計測結果。左が本機のもの、右は前モデル「RedMagic 6」のもの。ゲームにおいて重要視されるグラフィック性能を示す「GPU」の値が特に大きく伸びている

AnTuTuベンチマークの計測結果。左が本機のもの、右は前モデル「RedMagic 6」のもの。ゲームにおいて重要視されるグラフィック性能を示す「GPU」の値が特に大きく伸びている

高性能であるいっぽう、「Snapdragon 8 Gen1」は、発熱の多さを指摘されることが多い。本機はその対策として、冷却機構「ICE 8.0」を搭載するほか、バッテリーの発熱を抑えるダイレクト給電機能も搭載している。なお、この熱耐性を調べるために、上記AnTuTuベンチマークを4回連続で計測したところ、最後のテストの総合スコアは996,027で、GPUの速度低下は5%ほどにとどめられている。ボディ表面の熱は高いが、高負荷が続いても動作は最後まで安定していた。過剰に思えるほどの本機の冷却性能だが、Snapdragon 8 Gen1をフルに稼働させるとなると、これでもまだ足りないほどだ。なお、前モデル「RedMagic 6」のファンはかなり甲高い動作音がしたが、本機は風切り音が主体で耳障りな高周波音は減った。ちなみに、ファンの回転数はアプリ上から調整できるので、騒音が気になる場所でも問題なく使うことができるだろう。

バッテリー容量は4,500mAh。電池持ちは設定次第

本機は容量4,500mAhのバッテリーを搭載する。なお、同梱の充電器は65Wの急速充電対応で、約25分でフル充電が可能となっている。バッテリー持ちに関するスペックは公表されていないが、冷却機能「ICE 8.0」や、ディスプレイの応答速度の調整などによって、バッテリー持ちは大きく変わってくる。軽めのゲームやSNSを1日に2〜3時間程度利用するなら、発熱もほどほどで、48時間以上の駆動も可能だった。いっぽうで、「ICE 8.0」を活用しつゲームを行った場合、3時間程度でバッテリーを使い切るようなこともあった。なお、本機はACアダプターから、バッテリーを介さずに給電を行うパススルー機能も装備している。電源のある場所でゲームをプレイしたい時には便利な機能だ。

65Wの出力に対応したGaN充電器を同梱。最短25分でフル充電が可能

65Wの出力に対応したGaN充電器を同梱。最短25分でフル充電が可能

ネットワークは国内4キャリアに対応するが、ドコモ系SIMとの相性はあまりよくない

通信性能を見てみよう。本機は2基のnanoSIMカードスロットを備えており、5Gの対応周波数帯はn77のみ。4GについてはB1/3/8/18/19/26/28A/34/41の各バンドに対応し、その中には4キャリアすべてのプラチナバンドが含まれている。メーカーでは、NTTドコモ系、KDDI系、ソフトバンク系、楽天モバイル(MNO)の4キャリアでネットワークの動作確認も行っている。

下の表は、5Gと4Gについて本機で対応する周波数帯を通信キャリア別にまとめたものだ。5Gについては、NTTドコモが利用できる対応バンドはない。KDDIについても、n77ひとつだけでn78は利用できない。NTTドコモの4GではB1、B3、B19の3バンドのみの対応なので、特にNTTドコモのネットワークを利用した場合、一般的な用途での通信速度を期待するのは少々厳しいかもしれない。

REDMAGIC 7が対応する周波数帯と4キャリアの5Gと4Gの対応表

なお、緊急地震速報などで使われるETWS(Earthquake and Tsunami Warning System)と、110番や119番へ発信した際に、相手先に高精度な位置情報を提供する機能に対応していない点にも注意だ。これらの機能は、日常的に使うものではないが、緊急時の備えとしてはあまり適していない。

本機の通信機能は、日本国内で使うにはいくつか気になるところがある。メイン端末として使うよりも、ゲームプレイ用のプラス1台として選んだほうがよさそうだ。

6,400万画素のトリプルカメラを搭載

本機のメインカメラは約6,400万画素の標準カメラと約800万画素の広角カメラ、約200万画素のマクロカメラという3基のカメラによるトリプルカメラだ。AIを使ったシーン認識や、オートHDRなどの撮影を手軽に行うための機能や、エフェクトも豊富で、ゲーミングスマートフォンではあるものの、カメラ機能も十分な機能を備えている。

メインカメラは、約6,400万画素の標準カメラと約800万画素の広角カメラ、約200万画素のマクロカメラという3基のカメラを組み合わせる

メインカメラは、約6,400万画素の標準カメラと約800万画素の広角カメラ、約200万画素のマクロカメラという3基のカメラを組み合わせる

以下に、本機のメインカメラで撮影した静止画の作例をいくつか掲載しよう。なお、初期設定を基本としているがAIシーン認識だけはオンに切り替えて撮影を行っている。

標準カメラで撮影

薄曇りの日中の風景を撮影。逆光気味の空の明るさに引きずられて全般にアンダーに写っている。等倍で拡大すると、周辺部分のノイズがやや目立つものの、発色としては素直で、十分実用になるレベルだ

薄曇りの日中の風景を撮影。逆光気味の空の明るさに引きずられて全般にアンダーに写っている。等倍で拡大すると、周辺部分のノイズがやや目立つものの、発色としては素直で、十分実用になるレベルだ

超広角カメラで撮影

上と同じ風景を、カメラを切り替えて撮影。全般的なトーンは維持されており、カメラ間の画質調整はきちんと行われているようだ。ただ、メインカメラより画素数が少ないため、拡大してみると粗さは感じる

上と同じ風景を、カメラを切り替えて撮影。全般的なトーンは維持されており、カメラ間の画質調整はきちんと行われているようだ。ただ、メインカメラより画素数が少ないため、拡大してみると粗さは感じる

標準カメラで撮影

逆光のカエデを撮影し、構図中央を等倍でトリミングしている。透けて見える葉脈部分がしっかり撮れている

逆光のカエデを撮影し、構図中央を等倍でトリミングしている。透けて見える葉脈部分がしっかり撮れている

標準カメラで撮影

明るめの夜景を標準カメラで撮影。周辺部分がややざらついているが、シャッタースピードも速く、歩いている人もぶれていない、明暗差もうまく処理されている

明るめの夜景を標準カメラで撮影。周辺部分がややざらついているが、シャッタースピードも速く、歩いている人もぶれていない、明暗差もうまく処理されている

カメラ機能に期待して本機を選ぶという人は少なそうだが、AIシーン認識のおかげでイメージ通りの写真が手軽に撮れるし、オートフォーカスも正確、シャッタータイムラグも少なく軽快に撮影できた。この価格帯のスマートフォンとして期待されるカメラ機能は十分に備えていると言える。ただし、過去モデルもそうだったが、マクロカメラの切り替え方法がわかりにくく、操作に多少の慣れは必要かもしれない。

複数所有の敷居が下がった今、ゲーム向けのサブ機として選びたい1台

スマートフォンでゲームを快適にプレイするためには、処理性能やグラフィック性能、ディスプレイの表示性能が高い次元で求められるため、どうしても高価なハイエンド機が必要になる。「REDMAGIC 7」もほぼ10万円前後の製品ではあるが、ゲーミング性能に特化しているうえに、今後発表される予定のハイエンドモデルよりも、価格は抑えられている。もちろん、本機が搭載する冷却機能「ICE8.0」は、発熱の多い「Snapdragon 8 Gen1」との相性もよい。

ネガティブな面をあげるとするなら、本機は、国内で対応するネットワークの周波数帯に偏りがあり、緊急地震速報などに非対応であるなど、非常時の連絡手段としては心もとない面がある。また、防水・防塵ボディやFeliCaに非対応であるなど、メインで使うスマートフォンというよりも、ゲーム用のサブ機として使うことを前提に考えたほうがよいだろう。幸い、今は、楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT」や、KDDI「povo 2.0」のように、基本料金の安い料金プランの選択肢が増えているので、こうした通信サービスと組み合わせて、2台目スマホとして使うのがよさそうだ。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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