インテルは米国ラスベガスで開催される世界最大のテクノロジー見本市「CES 2023」に合わせ、第13世代Coreプロセッサー(開発コード名:Raptor Lake)の追加ラインアップを一挙発表した。
今回明らかにされたのは、デスクトップ向けの第13世代Coreプロセッサーの追加ラインアップ、モバイル向け第13世代Coreプロセッサー、そして新たにエントリー領域をカバーする新シリーズ、Intel Processor Nだ。
デスクトップ向け第13世代Coreプロセッサーは、末尾にKを冠したアンロックモデルがすでに発表済みだが、今回はPBPが最大65Wの無印モデル、末尾にTを冠したPBP 35Wの低消費電力モデルが新たに加わった。無印モデルは内蔵GPUのないFを冠したモデルを含めて全部で10モデル、低消費電力モデルは全部で6モデルが加わる。価格は、無印が109〜549USドル、低消費電力モデルが134〜549USドルだ。
同社によれば、第13世代Coreプロセッサーの「Core i9-13900」と第12世代Coreプロセッサー「Core i9-12900」との比較において、シングルスレッド性能で最大11%,マルチスレッド性能で最大34%の性能向上を実現したという
PBPが最大65Wの無印モデルのラインアップ
PBP 35Wの低消費電力モデルのラインアップ
モバイル向け第13世代Coreプロセッサーは、2チップ構成・PBP 55WのHXシリーズ、1チップ構成を採用するPBP 45WのHシリーズ、PBP 28WのPシリーズ、PBP 15WのUシリーズが投入される。
モバイル向け第13世代Coreプロセッサーは4シリーズを投入
ハイエンドなゲーミングノートPCやワークステーションなどに搭載が見込まれる第13世代Core HXシリーズは、第12世代Core HXシリーズ同様、デスクトップ向けのRaptor Lake-Sを転用しており、CPUコアは最大でPコア8基+Eコア16基の合計24コア/32スレッドと、デスクトップ向けRaptor Lake-Sと同じ規模となっている。いずれも、Pコアの最大動作クロックが向上したほか、一部モデルでは対応メモリーのスペックも引き上げられた。いっぽうで、CPU直結のPCI Express 5.0が16レーン、PCI Express 4.0が4レーン、EU数最大32基のGPUコアといった仕様は第12世代Core HXシリーズから据え置かれている。
同社は、第12世代Core Hシリーズの「Core i9-12900HK」と比べ、SPECrate2017を利用したベンチマークでシングルスレッド性能が最大11%、マルチタスク性能が最大49%、Blenderを用いた3Dレンダリングパフォーマンスが最大で79%、クリエーター向けのアプリケーションで最大15%、ゲーミングパフォーマンスで最大12%向上したとアピール。今後、さまざまなメーカーから60を超える製品が投入される予定とのことだ。
第13世代Core HXシリーズの概要
第13世代Core HXシリーズのラインアップ
第13世代Core H/P/Uシリーズは、CPUコアがPコア最大6基、Eコア最大8基の最大14コア/20スレッドとなっており、規模としては第12世代Core H/P/Uシリーズから据え置きとなっているが、Pコアの性能向上やキャッシュ容量の最適化により、第12世代Core H/P/Uシリーズよりもパフォーマンスが向上しているという。なお、対応メモリーはDDR5-5200/DDR4-3200で、特定SKUではLPDDR5-6400やLPDDR4-4267なども利用できるとのこと。GPUコアのEU数は最大96基で、ディスクリートGPUの組み合わせを想定したHXシリーズよりも高性能なものとなっている。
第13世代Core H/P/Uシリーズの概要
第13世代Core Hシリーズのラインアップ
第13世代Core Pシリーズのラインアップ
第13世代Core Uシリーズのラインアップ
新たにモバイルプロセッサーのラインアップに加わったIntel Processor Nは、ハイブリッドアーキテクチャーで用いられているEコアのみで構成されたCPUコアとEU数最大32基のGPUコアを組み合わせ、コストパフォーマンスを追求した従来のPentiumやCeleronを置き換えるエントリーグレードの新シリーズという位置づけだ。シリーズ内で2グレードが用意されており、上位のCore i3 Nは最大8基のEコアを、下位のIntel Processorは最大4基のEコアを搭載。50を超える製品が今後投入される予定とのことだ。
Intel Processor Nシリーズの概要
Intel Processor Nシリーズのラインアップ
AV家電とガジェット系をメインに担当。ポータブルオーディオ沼にどっぷりと浸かっており、家のイヤホン・ヘッドホンコレクションは100を超えました。最近はゲーム好きが高じて、ゲーミングヘッドセットも増えてます。家電製品総合アドバイザー資格所有。