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【CES 2023】AMD「Ryzen 7000」シリーズ追加モデルとモバイル向けRDNA 3 GPUを一挙発表

AMDは、米国ラスベガスで開催される世界最大のテクノロジー見本市「CES 2023」に合わせた基調講演で、今後市場に投入を予定している新製品群を一挙発表した。

イベントに登壇したAMDのリサ・スーCEO

イベントに登壇したAMDのリサ・スーCEO

「Zen 4」マイクロアーキテクチャーを採用したデスクトップ向けCPU「Ryzen 7000」シリーズには、3D V-Cacheテクノロジーを導入した「Ryzen 7000 X3Dデスクトップ・プロセッサー」とTDP 65Wの「Ryzen 7000 65W デスクトップ・プロセッサー」が新たに加わることが発表された。

前者の「Ryzen 7000 X3Dデスクトップ・プロセッサー」は、キャッシュの積層技術「3D V-Cache テクノロジー」によって、L3キャッシュ大幅に増量させたモデルだ。前世代の「Zen 3」マイクロアーキテクチャーを採用した「Ryzen 5000」シリーズでは、同技術を搭載した製品はRyzen 7で「Ryzen 7 5800X3D」の1モデルのみの展開となっていたが、今回の「Ryzen 7000 X3Dデスクトップ・プロセッサー」では、Ryzen 9でも製品を展開。「Ryzen 9 7950X3D」「Ryzen 9 7900X3D」「Ryzen 7 7800X3D」の計3モデルが投入される。

「Ryzen 7000 X3Dデスクトップ・プロセッサー」は、「Ryzen 9 7950X3D」「Ryzen 9 7900X3D」「Ryzen 7 7800X3D」の3モデルが投入される

「Ryzen 7000 X3Dデスクトップ・プロセッサー」は、「Ryzen 9 7950X3D」「Ryzen 9 7900X3D」「Ryzen 7 7800X3D」の3モデルが投入される

同シリーズ最上位モデルとなる16コア/32スレッドの「Ryzen 9 7950X3D」は、「Ryzen 9 7950X」の2倍となる128MBの大容量L3キャッシュを搭載し、L2キャッシュ+L3キャッシュは144MBとなる。TDPは「Ryzen 9 7950X」の170Wから「Ryzen 9 7950X3D」では120Wへと引き下げられたいっぽうで、ブーストクロック最大5.7GHzなどの仕様は従来どおりとなっている。

12コア/24スレッドの「Ryzen 9 7900X3D」も、ベースモデルとなる「Ryzen 9 7900X」からL3キャッシュを倍増、ブーストクロック最大5.6GHzという仕様は同じだが、こちらもTDPが「Ryzen 9 7900X」の170Wから120Wへと引き下げられている。唯一Ryzen 7で展開される「Ryzen 7 7800X」については、既存の「Ryzen 7 7700X」と比較すると最大動作クロックが5.4GHzから5.0GHzに引き下げられ、TDPも105Wから120Wとなっているが、L3キャッシュは3倍の96MBとなり、L2キャッシュ+L3キャッシュは104MBとなった。

同社によれば、「Ryzen 9 7950X3D」とライバルインテルの「Core 19-13900K」の比較において、ゲーミングパフォーマンスで9〜24%の性能アップを実現。「Ryzen 7 7800X3D」と「Ryzen 7 5800X3D」の比較においても、ゲーミングパフォーマンスで10〜25%の性能アップを実現したという。現時点で価格は明らかにされなかったが、いずれも2023年2月発売を予定しているそうだ。

AMDが披露した「Ryzen 7950X3D」と「Core i9-13900K」のゲーミングパフォーマンスを比較したグラフ。9〜24%の性能アップを実現しているという

AMDが披露した「Ryzen 7950X3D」と「Core i9-13900K」のゲーミングパフォーマンスを比較したグラフ。9〜24%の性能アップを実現しているという

「Ryzen 7 7800X3D」は、「Zen3」アーキテクチャーを採用した「Ryzen 7 5800X3D」とゲーミングパフォーマンスを比較。グラフを見る限り性能は確実に向上しているようだが、「Ryzen 7 7800X3D」はTDPが120Wなので、消費電力的にどれほどインパクトがあるのか気になるところ

「Ryzen 7 7800X3D」は、「Zen3」アーキテクチャーを採用した「Ryzen 7 5800X3D」とゲーミングパフォーマンスを比較。グラフを見る限り性能は確実に向上しているようだが、「Ryzen 7 7800X3D」はTDPが120Wなので、消費電力的にどれほどインパクトがあるのか気になるところ

後者のTDP 65Wの「Ryzen 7000 65W デスクトップ・プロセッサー」については、12コア/24スレッドの「Ryzen 9 7900」、8コア/16スレッドの「Ryzen 7 7700」、6コア/12スレッドの「Ryzen 5 7600」の3モデルを展開。いずれも、末尾にXを冠したベースモデルに比べるとベースクロックやブーストクロックが若干引き下げられているものの、末尾にXを冠した前世代の「Ryzen 5000」シリーズの同等グレード比ではパフォーマンスが大きく引き上げられているという。

TDP 65Wの「Ryzen 7000 65W デスクトップ・プロセッサー」は、「Ryzen 9 7900」「Ryzen 7 7700」「Ryzen 5 7600」の3モデルが投入される

TDP 65Wの「Ryzen 7000 65W デスクトップ・プロセッサー」は、「Ryzen 9 7900」「Ryzen 7 7700」「Ryzen 5 7600」の3モデルが投入される

「Ryzen 9 7900」と「Ryzen 9 5900X」のパフォーマンス比較のグラフ。ゲーミングパフォーマンスだけでなく、クリエイター向けアプリのパフォーマンスも大きく向上していることが確認できる

「Ryzen 9 7900」と「Ryzen 9 5900X」のパフォーマンス比較のグラフ。ゲーミングパフォーマンスだけでなく、クリエイター向けアプリのパフォーマンスも大きく向上していることが確認できる

「Ryzen 7 7700」と「Ryzen 5 5800X」のパフォーマンス比較のグラフ。ベースクロックは両モデル同じ、TDPは新モデルのほうが下回る形だが、こちらも大きなパフォーマンスアップが確認できる

「Ryzen 7 7700」と「Ryzen 5 5800X」のパフォーマンス比較のグラフ。ベースクロックは両モデル同じ、TDPは新モデルのほうが下回る形だが、こちらも大きなパフォーマンスアップが確認できる

「Ryzen 7 7600」と「Ryzen 5 5600X」のパフォーマンス比較のグラフ。こちらも着実にパフォーマンスアップしていることがわかる

「Ryzen 7 7600」と「Ryzen 5 5600X」のパフォーマンス比較のグラフ。こちらも着実にパフォーマンスアップしていることがわかる

なお、すでに発売されているXを冠した「Ryzen 7000」シリーズにはクーラーが付属していないが、今回投入される「Ryzen 7000 65W デスクトップ・プロセッサー」については標準で付属する。いずれも2023年1月10日発売予定で、価格は「Ryzen 9 7900」が429USドル、「Ryzen 7 7700」が329USドル、「Ryzen 5 7600」が229USドルだ。

「Ryzen 9 7900」「Ryzen 7 7700」にはLEDライティング機能付きの「Wraith Prism cooler」が、「Ryzen 5 7600」にはシンプルな「Wraith Stealth cooler」が付属

「Ryzen 9 7900」「Ryzen 7 7700」にはLEDライティング機能付きの「Wraith Prism cooler」が、「Ryzen 5 7600」にはシンプルな「Wraith Stealth cooler」が付属

モバイル向けプロセッサーは、「Ryzen 7000モバイル・プロセッサー」が発表された。シリーズ展開は、性能を追求したエンスージアスト向けの「Ryzen 7045」シリーズ、ハイパフォーマンスゲーミングノートPCやクリエイター向けノートPCなどをターゲットにした「Ryzen 7040」シリーズ、ゲーミング用途にも使えるCPU/GPU性能とバッテリー性能の両立を狙った「Ryzen 7035」シリーズ、メインストリーム向けの「Ryzen 7030」シリーズ、ウルトラモバイル向けの「Ryzen 7020」シリーズの計5シリーズとなる。なお、全体を通して「Ryzen 7000モバイル・プロセッサー」という名称となっているが、「Zen4」アーキテクチャーを採用するのは「Ryzen 7045」シリーズと「Ryzen 7040」シリーズのみとなる。

「Ryzen 7000モバイル・プロセッサー」のラインアップ。全部で5シリーズ展開される

「Ryzen 7000モバイル・プロセッサー」のラインアップ。全部で5シリーズ展開される

「Ryzen 7045」シリーズは、既存のデスクトップ向けの“Raphael”をベースにした“Dragon Range”で、最大16コア/32スレッドのCPUコアとRDNA 2アーキテクチャーに基づいたGPUコアを内包。「Ryzen 7040」シリーズは完全新規で設計された“Phoenix”を採用しており、「Zen4」アーキテクチャーベースの最大8コア/16スレッドのCPUコアと、RDNA 3アーキテクチャーに基づいたGPUコア、そして「Ryzen AI」と呼ばれるAI向けプロセッサー(NPU)を1チップに内包する。RDNA 3アーキテクチャーに基づいたGPUコアを搭載するのは、「Ryzen 7040」シリーズが初となる。「Ryzen 7045」シリーズは2月から、「Ryzen 7040」シリーズは3月から搭載製品が登場する予定だ。

「Ryzen 7045」シリーズの概要。最大16コア/32スレッドのCPUコアとRDNA 2アーキテクチャーに基づいたGPUコアを内包し、性能を追求したエンスージアスト向けのノートPCや小型デスクトップPCなどがターゲット

「Ryzen 7045」シリーズの概要。最大16コア/32スレッドのCPUコアとRDNA 2アーキテクチャーに基づいたGPUコアを内包し、性能を追求したエンスージアスト向けのノートPCや小型デスクトップPCなどがターゲット

「Ryzen 7045」シリーズの最上位モデル「Ryzen 9 7945HX」と「Ryzen 9 6900HX」のゲーミングパフォーマンスを比較したグラフ。単純にコア数が2倍となっていることもあり、大幅にパフォーマンスが向上している

「Ryzen 7045」シリーズの最上位モデル「Ryzen 9 7945HX」と「Ryzen 9 6900HX」のゲーミングパフォーマンスを比較したグラフ。単純にコア数が2倍となっていることもあり、大幅にパフォーマンスが向上している

「Ryzen 7040」シリーズの概要。「Zen4」アーキテクチャーベースの最大8コア/16スレッドのCPUコア、RDNA 3アーキテクチャーに基づいたGPUコア、「Ryzen AI」と呼ばれるAI向けプロセッサー(NPU)を1チップに内包したのがトピック

「Ryzen 7040」シリーズの概要。「Zen4」アーキテクチャーベースの最大8コア/16スレッドのCPUコア、RDNA 3アーキテクチャーに基づいたGPUコア、「Ryzen AI」と呼ばれるAI向けプロセッサー(NPU)を1チップに内包したのがトピック

買収したXilinxの技術を応用したAI向けプロセッサー(NPU)の「Ryzen AI」は4ストリーム搭載

買収したXilinxの技術を応用したAI向けプロセッサー(NPU)の「Ryzen AI」は4ストリーム搭載

ノートPC向けのディスクリートGPUは、「Radeon RX 7000M」シリーズと「Radeon RX 7000S」シリーズの2シリーズが発表された。いずれも、昨年12月に発売が開始されたデスクトップ向けディスクリートGPU「Radeon RX 7900」シリーズにも採用されている、RDNA 3アーキテクチャーを採用。シリーズそれぞれに、CU(Compute Unit)数の異なる上位/下位モデルをラインアップしており、XTを末尾に冠した上位モデルは32CU、下位モデルは28CUを搭載する。ビデオメモリーはいずれも8GB GDDR6で、バス幅は128bit。なお、「Radeon RX 7000M」シリーズと「Radeon RX 7000S」シリーズの違いはパワーレンジで、「Radeon RX 7000M」シリーズのほうが全般的に高く設定されており、より高いクロックで動作させることができるようになっている。

「Radeon RX 7000M」シリーズの概要。XTを末尾に冠した上位モデルは32CU、無印の下位モデルは28CUとなる

「Radeon RX 7000M」シリーズの概要。XTを末尾に冠した上位モデルは32CU、無印の下位モデルは28CUとなる

「Radeon RX 7000S」シリーズの概要。GPUコアのスペックは「Radeon RX 7000M」シリーズを踏襲しているが、パワーレンジが「Radeon RX 7000M」シリーズよりも低めに設定されており、薄型のゲーミングPCに組み込みやすくなっている

「Radeon RX 7000S」シリーズの概要。GPUコアのスペックは「Radeon RX 7000M」シリーズを踏襲しているが、パワーレンジが「Radeon RX 7000M」シリーズよりも低めに設定されており、薄型のゲーミングPCに組み込みやすくなっている

遠山俊介(編集部)

遠山俊介(編集部)

PC・家電・カメラからゲーム・ホビー・サービスまで、興味のあることは自分自身で徹底的に調べないと気がすまないオタク系男子です。最近はもっぱらカスタムIEMに散財してます。

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