レビュー

自撮り棒&三脚を内蔵! スマホ用ジンバル「Insta360 Flow」は携帯性抜群

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最近のスマートフォンのカメラには強力な手ブレ補正機能が搭載されています。しかし、スマホの画面で見ていると気づきませんが、大きな画面で見ると微妙に画面がブレていることがあります。そんな時に使いたいのがスマホ用ジンバルです。

スマホ用ジンバルとして圧倒的な人気を誇るのは、DJIの「Osmo Mobile」シリーズですが、そこにニューフェイスのInsta360「Insta360 Flow」が3月29日に登場。自撮り棒や三脚が内蔵された唯一のスマホ用ジンバルと謳われています。Insta360は360度カメラにおいて実績あるメーカーですが、初のスマホ用ジンバルでどのような使い勝手を実現しているのかレビューしますね。

Insta360「Insta360 Flow」。通常版の公式サイト販売価格は20,900円(税込。以下同)

Insta360「Insta360 Flow」。通常版の公式サイト販売価格は20,900円(税込。以下同)

通常版、クリエイターキット、プロ三脚キットの3モデルを用意

「Insta360 Flow」はiOS、Androidスマホ用のジンバル。厚み6.9〜10mm、幅64〜84mm、重量130〜300gの端末に対応。デバイスの固定には専用の「磁気スマートフォンクランプ」を使用します。アプリは同社他製品でおなじみの「Insta360」を使用します。

手ブレ補正は3軸で、可動域はパンが-230度〜100度、ロールが-150度〜180度、チルトが-100度〜82度。内蔵する自撮り棒の長さは最大215mmで、内蔵三脚のサイズは伸張時の長さが80mm、直径が187.6mmです。

本体サイズは伸張時に73.6(幅)×269.4(高さ)×69.9(奥行)mm、収納時に79.6(幅)×162.1(高さ)×36(奥行)mm。重量はジンバルが約369g、磁気スマートフォンクランプが約32g。たとえば、重量206gの「iPhone 14 Pro」で使用した場合には、総重量は607gとなるわけです。

バッテリーは2900mAhを内蔵しており、連続動作時間は12時間、充電時間は2時間とのこと。ただし、この連続動作時間は室温条件下(25度)で完全にバランスの取れた状態で設置したときのもので、モーターが常に大きく補正を繰り返している条件下ではある程度短くなるはずです。

製品は通常版(20,900円)、クリエイターキット(28,000円)、プロ三脚キット(26,000円)の3種類を用意。カラーはストーングレイとサミット・ホワイトの2色がラインアップされています。

・通常版(20,900円)
Insta360 Flow×1、保護ポーチ×1、磁気スマートフォンクランプ×1、グリップカバー×1、Type-C to A 充電ケーブル×1

・クリエイターキット(28,000円)
Insta360 Flow×1、スポットライト×1、磁気スマートフォンクランプ×1、グリップカバー×1、収納ケース×1、Type-C to A 充電ケーブル×1、Type-C to C ケーブル×1、Type-C to Lightning スマートフォンケーブル×1

・プロ三脚キット(26,000円)
Insta360 Flow×1、万能三脚×1、保護ポーチ×1、磁気スマートフォンクランプ×1、グリップカバー×1、Type-C to A 充電ケーブル×1

なお、購入から1年以内に無料修理を一度受けられる「Insta360 Care」(2,090円)、品質不良に対して2年間の保証を提供する「Insta360延長保証」(2,090円)がオプションとして用意されています。アウトドアアクティビティーなどで利用するのであれば、加入したほうが安心ですね。

収納時は、ジーンズのうしろポケットに入れて持ち歩けるくらいのコンパクトなサイズ感

収納時は、ジーンズのうしろポケットに入れて持ち歩けるくらいのコンパクトなサイズ感

磁気スマートフォンクランプは厚み6.9〜10mm、幅64〜84mmの端末に対応。よほど大きくない限り、取り付けできるでしょう

磁気スマートフォンクランプは厚み6.9〜10mm、幅64〜84mmの端末に対応。よほど大きくない限り、取り付けできるでしょう

磁気スマートフォンクランプを「iPhone 14 Pro」に装着。ケースを装着したままでも取り付けられます

磁気スマートフォンクランプを「iPhone 14 Pro」に装着。ケースを装着したままでも取り付けられます

ジンバルと磁気スマートフォンクランプは磁力で強力に固定

ジンバルと磁気スマートフォンクランプは磁力で強力に固定

これがアームだけを展開した基本スタイル

これがアームだけを展開した基本スタイル

前面操作部。スマートホイールを時計方向に半円になぞると、動作モードを切り替えられます。左はシャッターボタン、右は切り替えボタン、下は電源ボタン。中央にあるのはカメラの方向を変えるレバー。操作部のベゼルは、なぞることでズームイン/アウトするズームホイールとして機能します

前面操作部。スマートホイールを時計方向に半円になぞると、動作モードを切り替えられます。左はシャッターボタン、右は切り替えボタン、下は電源ボタン。中央にあるのはカメラの方向を変えるレバー。操作部のベゼルは、なぞることでズームイン/アウトするズームホイールとして機能します

背面にはトリガーボタンを装備。2回押すとジンバルをセンタリング、3回押すと撮影方向を前後に切り替えます。なお、アームは内部の基板が透けて見えるスケルトンデザインです

背面にはトリガーボタンを装備。2回押すとジンバルをセンタリング、3回押すと撮影方向を前後に切り替えます。なお、アームは内部の基板が透けて見えるスケルトンデザインです

アームのバッテリーシェル部には「カスタムインサート」を挿入可能。このカスタムインサートはテキスト、アイコン、画像ファイルを指定するだけでなく、AI画像を生成して、オリジナルデザインを実現できます

アームのバッテリーシェル部には「カスタムインサート」を挿入可能。このカスタムインサートはテキスト、アイコン、画像ファイルを指定するだけでなく、AI画像を生成して、オリジナルデザインを実現できます

右側面にはUSB Type-C端子を配置

右側面にはUSB Type-C端子を配置

内蔵アクセサリーシューはマイク装着に利用できます

内蔵アクセサリーシューはマイク装着に利用できます

内蔵自撮り棒の長さは最大215mm。角度も変更可能です

内蔵自撮り棒の長さは最大215mm。角度も変更可能です

三脚が搭載されており、テーブルなどに設置しての撮影なども可能です

三脚が搭載されており、テーブルなどに設置しての撮影なども可能です

底面にはネジ穴が付いていて、より丈夫な三脚に取り付け可能です

底面にはネジ穴が付いていて、より丈夫な三脚に取り付け可能です

ジンバル、磁気スマートフォンクランプ、「iPhone 14 Pro」(ケース含む)の合計重量は実測648g

ジンバル、磁気スマートフォンクランプ、「iPhone 14 Pro」(ケース含む)の合計重量は実測648g

スポットライトはジンバルのUSB端子から電源を供給します

スポットライトはジンバルのUSB端子から電源を供給します

スマホの手ブレ補正よりも、スムーズな映像が撮影できる

さて「Insta360 Flow」で実際に撮影した感想ですが、やはり3軸ジンバルの手ブレ補正効果は強力かつ、自然ですね。

「iPhone 14 Pro」では「手ブレ補正(拡張)」で強力な効果を得られますが、よく見ると微妙に小刻みな振動が残っていたりします。いっぽう、「Insta360 Flow」では走った時にわずかな揺れはありましたが、その揺れさえもスムーズな動きです。映像の自然さという点では、「Insta360 Flow」に軍配が上がると感じました。

個人的に驚いたのがAI追跡技術「ディープトラック3.0」。たとえば人物を追跡する際に、いったんフレームからはずれてしまっても、もう一度フレームに収まれば追跡を再開してくれる機能です。ダイナミックなダンス映像などを撮るのにもってこいですね。

オッサン的にありがたいのが「美顔効果」。人物を撮影する際にリアルタイムにビューティー効果を適用できます。10歳ぐらいは若返っていると思いませんか? まあオッサンであることには変わりありませんが……。どアップで撮影してしまったので、ブラクラ並みの動画だと筆者自身が最も痛感しておりますが、効果を知りたい人のみ下記の動画をご覧ください。

「Insta360 Flow」にはタイムシフト、モーションタイムラプス、バレルロール、ワイドスクリーンモードなどなど「クリエイティブ効果」が用意されていますが、特に気に入ったのが「ドリーズーム」。被写体の大きさを変えずに背景の大きさだけを変化させる、ホラーやサスペンス映画でよく見かける映像効果です。日常動画に心理描写を入れたいときに重宝しますね。

ドリーズームはヒッチコック監督が映画「めまい」で編み出したことから、「めまいショット」とも呼ばれています。かわいい銅像も衝撃を受けているように感じられなくもありません

撮影モードは、状況に応じてジンバルの設定を自動で調節してくれる「自動」、動きにすぐに反応して正確な操作が可能な「フォロー」、水平方向や周囲からの撮影に適した「パンフォロー」、FPVドローンライクな映像を撮影できる「FPV」などが用意。アマチュアがドローンを飛ばすにはさまざまなハードルがあるので、この「Insta360 Flow」でドローン気分を味わってはいかがでしょうか?

デザイン性を重視するなら「Insta360 Flow」は要チェックの1台

「Insta360 Flow」はスマホ用ジンバルのなかではお高めの製品ではあります。しかし、後発だからこそ三脚を内蔵することでコンパクトに携帯でき、素早くセットアップできる製品に仕上げられています。

スケルトンボディや、着せ替えできるカスタムインサートも、毎日持ち歩くことが楽しくなる試みです。機能性にプラスして、デザイン性も高いスマホ用ジンバルを探しているのなら、「Insta360 Flow」は要チェックの1台と言えるでしょう。

ジャイアン鈴木
Writer
ジャイアン鈴木
レビューした製品を高確率で買ってしまう物欲系ITライター。守備範囲はPC、スマホ、VRがメイン。ゲーム、デジタルトイも大好き。最近サバゲにはまっています。愛車はスイフトスポーツで、断然マニュアル派です。
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水川悠士(編集部)
Editor
水川悠士(編集部)
デジタル系メディアから価格.comへ。スマホ、スマートウォッチなどのガジェット周り、ゲーム関連を担当。触ってきた製品は数えきれないほど多いです。価格.comマガジンのYouTubeにも出演中。
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