レビュー

「Sペン」付属の高コスパタブレット「Galaxy Tab S6 Lite」レビュー

サムスンの10.4インチタブレット「Galaxy Tab S6 Lite」は、高性能なペンデバイス「Sペン」を同梱しながら、価格.com最安価格が4万円台(2023年8月16日時点)というお手ごろ価格が魅力だ。その特徴をレビューしよう。

10.4インチタブレット「Galaxy Tab S6 Lite」の特徴に迫ろう

10.4インチタブレット「Galaxy Tab S6 Lite」の特徴に迫ろう

HDR対応ディスプレイを採用し、Dolby Atmosにも対応

一時期は安価な輸入品が目立っていたAndroidタブレットだが、近ごろは、シャオミ、オッポ、そしてサムスンといった大手メーカーが新製品を発売しており、目的や予算に応じた製品選びが行えるようになってきている。

今回取り上げるサムスン「Galaxy Tab S6 Lite」は、2022年春に登場したハイエンド向け「Galaxy Tab S8」シリーズに続くものとして、2023年6月23日に発売されたWi-Fiタブレット。「Galaxy Tab S8」シリーズは、有機ELディスプレイやハイエンドSoCを備えた高性能が特徴だが、本機は10.4インチの液晶ディスプレイを採用するエントリーからミドルクラスのモデルだ 。

本体のサイズは約244.5(幅)×154.3(高さ)×7.0(厚さ)mmで、重量は約465g。読書や動画視聴で長時間使っても苦になりにくいサイズ感のボディと言えるだろう。

10.4インチのディスプレイは2000×1200(WUXGA+)表示のTFT液晶。リフレッシュレートこそ60HzにとどまるもののHDRに対応している(※実機でHDRコンテンツ再生を確認、ハードウェアモニターツールでもHDR対応を確認)。さらに、ステレオスピーカーとヘッドホン端子を備え、Dolby Atmosによるバーチャルサラウンドにも対応。映像・音声の両面で、高品質な動画コンテンツの再生が可能だ。

画面サイズと重量のバランスが良好で、片手持ちでもそれほどのストレスは感じない

画面サイズと重量のバランスが良好で、片手持ちでもそれほどのストレスは感じない

右側面にヘッドホン端子を配置

右側面にヘッドホン端子を配置

左側面にはUSB Type-Cポートを配置する

左側面にはUSB Type-Cポートを配置する

以下に、本機と価格帯の近いWi-Fiタブレット3機種の、映像・音声の機能表を掲載しよう。本機は、他機種と比べてHDRに対応するのがポイントと言えるだろう。

ワコムのペンタブレット技術を取り入れた「Sペン」を標準搭載

本機の最大の特徴は「Sペン」を同梱していること。「Sペン」は、一般的なスタイラスと異なり、ワコムのペンタブレット技術を取り入れた、電磁誘導方式の本格的なペンデバイスだ。

本機同梱の「Sペン」は、鉛筆程度の軸の太さで持ちやすく、仕事や講義におけるノートとして長く持ち続けても使いやすい。ソフトウェア環境が充実しており、手書き文字を認識できるほか、スクリーンショットやPDFなどに手書きの書き込みを加えることもできる。もちろん、液晶タブレットのようにイラストを描いたり、写真に手書きの文字を加えたりすることも可能だ。

また、本機に適合するペーパーライクフィルムなど、「Sペン」を快適に使うための周辺機器が、iPadほどではないにしてもある程度そろっている点も心強い。

「Sペン」は、電磁誘導方式を採用し、筆圧を感知したアナログな書き味を再現しているのが特徴

「Sペン」は、電磁誘導方式を採用し、筆圧を感知したアナログな書き味を再現しているのが特徴

「Sペン」の軸は鉛筆よりもやや細い程度で持ちやすい

「Sペン」の軸は鉛筆よりもやや細い程度で持ちやすい

スクリーンショットに書き込みを入れて共有することも簡単だ

スクリーンショットに書き込みを入れて共有することも簡単だ

「Sペン」は筆圧を感知できるので、液晶タブレットのような使い方もできる

「Sペン」は筆圧を感知できるので、液晶タブレットのような使い方もできる

さらに、本機には、PCのようにマルチウィンドウ操作が可能な「Samsung DeX」という機能が備わっている。この機能と、「Sペン」や外付けキーボードなどの入力デバイスを組み合わせることで、より直感的かつスムーズな作業が行える。

マルチウィンドウとして動作する機能「Samsung DeX」は、プルダウンメニューから簡単に切り替えられる。PCのように使うことができる

マルチウィンドウとして動作する機能「Samsung DeX」は、プルダウンメニューから簡単に切り替えられる。PCのように使うことができる

別売オプションのケース「Galaxy Tab S6 Lite Book Cover」は、ディスプレイの傾きを2段階で調節可能なほか、「Sペン」の収納場所も用意されている

別売オプションのケース「Galaxy Tab S6 Lite Book Cover」は、ディスプレイの傾きを2段階で調節可能なほか、「Sペン」の収納場所も用意されている

やや旧式のミドルハイ向けSoC「Snapdragon 720G」を搭載。処理性能は現状のエントリーレベル

本機が搭載するSoC「Snapdragon 720G」は、2020年登場の当時としてはミドルハイクラスにあたる。メモリー容量は4GB、ストレージ容量は64GBでいずれも少なめだ。ただ、最大1TBまで利用できるmicroSDXCメモリーカードスロットを備えているため、ダウンロードデータはこちらに退避できる。

定番のベンチマークアプリ「AnTuTu Benchmark(Ver.10)」のスコアは376100だった。このスコアは最近のエントリー向けスマートフォンに近いものなので、処理性能はあまり高いほうとは言えない。体感速度はそこそこで、Webページをスクロールさせた場合の滑らかさもあまり高くない。また、メモリーも少なめなのでタスクを切り替えるともたつきが現れる。ゲーム用途もあまり強くなく、もし高い処理性能を求めるなら、本機と同価格帯でハイエンドSoCを備えたシャオミの「Xiaomi Pad 6」や「Xiaomi Pad 5」を選ぶほうがよいだろう。

「AnTuTu Benchmark(Ver.10)」のスコア。最近登場したエントリースマホに近いスコアで、処理性能はそれほど高くない

「AnTuTu Benchmark(Ver.10)」のスコア。最近登場したエントリースマホに近いスコアで、処理性能はそれほど高くない

バッテリーに関する性能を見てみよう。サムスンによれば、動画再生は最大15時間、インターネット使用なら最大14時間の連続利用が可能とのこと。バッテリーの使用効率も最近のSoCよりも劣るようで、1日に4時間程度のペースで使用すると約40%のバッテリーを消費した。通信時間が長くなるとバッテリーの消費が増える傾向が顕著だが、電源の確保が容易な屋内で使うWi-Fiタブレットであることを考えれば、それほど大きな問題にはならないだろう。

また、本機はUSB PD規格による18Wの充電に対応している。USB ケーブル(いわゆるA to Cケーブル)は付属するものの、充電器は同梱されていないので、試しに、出力60WのUSB PD充電器を使ったところ、手元の計測でフル充電に約2時間半かかった。バッテリー容量が大きいこともあって、充電にはそれなりに時間がかかるようだ。出力の小さなものでは充電にかなりの時間がかかることが予想されるので、本機用の充電器を選ぶなら18W以上の出力に対応しているものを選びたいところ。

「Sペン」を目的に選びたいAndroidタブレット。8月末までの割引にも注目

「Galaxy Tab S6 Lite」を選ぶ、ほかにはない大きな理由は「Sペン」だ。タブレットでペン入力を行いたい場合、本機のライバルとなるのは上位モデル「Galaxy Tab S8+」だが、価格が12万円台(税込)ととびぬけて高い。また、iPadとApple Pencilの組み合わせもライバルになるが、セットで予算は5万円台なかば(税込)ほど必要になる。

その点、本機は「Sペン」が同梱しながら価格.com最安価格が48,000円程度(税込、2023年8月16日時点)とずっと割安だ。しかも、2023年8月末までのキャンペーン期間中であればサムスンの直販サイトで39,800円(税込)という格安で購入できる。

そのうえで、本機はHDRとDolby Atmosに対応し、動画を高品質に楽しめるのも押さえておきたい。ペン入力対応ながらコスパにすぐれた10インチタブレットという、独自の特徴を備えた製品と言えるだろう。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック
関連記事
プレゼント
価格.comマガジン プレゼントマンデー
SPECIAL
ページトップへ戻る