サムスンの最新スマートウォッチ「Galaxy Watch6」は、Androidスマホ専用としては機能てんこ盛りのハイエンドモデル。しかも、本モデルから交通系ICカードのSuicaに対応しました。使い勝手が圧倒的に変わった「Galaxy Watch6」をレビューします。
FeliCa対応によりSuicaやID、QUICPayが使えるようになった「Galaxy Watch6」
「Galaxy Watch6」は、同シリーズの特徴であるミニマルなデザインを受け継いでおり、腕時計とも、四角型のスマートウォッチとも異なるスタイリッシュな外観デザインが魅力です。
ケースは40mmと46mmの2種類が用意されており、それぞれグラファイトとシルバー、グラファイトとゴールドのカラーバリエーションから選択可能。今回レビューで試用したのは40mmのグラファイトで、落ち着いた雰囲気はプライベートからビジネスまで幅広いシーンで合わせやすいです。
落ち着いた雰囲気のグラファイト
フラットな盤面と、滑らか曲線を描くケースが非常に洗練された印象。デザイン的なむだを省きつつも、クラシカルな雰囲気を漂わせています。個人的にはすごく好きなデザインです。
アルミニウムを採用したケースはシンプルで曲線の美しさが光ります
操作に関しても、デザインと同じくらいシンプルです。基本はディスプレイでのタッチ操作を行い、画面を左右にスワイプすると、設定した睡眠モニタリングやワークアウトメニューなどを表示。上下にスワイプすると、アプリにアクセス。非常に直感的な操作を実現していると感じました。
本体右側にはホームボタン(上)と戻るボタン(下)を搭載。2つのボタンは、2回押しや長押しなど、ボタンの押し方によって機能のショートカットを登録できます
ディスプレイに関しても、本体同様に美しい画面表示です。有機ELディスプレイの鮮やかさに加えて、1.3インチの画面は表示がすごく見やすいのもポイントです。
1.3インチの画面は、「Super AMOLED」と呼ばれる有機ELディスプレイを採用。大きくて非常に鮮やかです
バンドは、フッ素エラストマー素材の「Sport Band」のほか、Dバックルの「Hybrid Eco-Leather Band」「D-Buckle Hybrid Eco-Leather Band」、反射糸を採用した「Fabric Band」を用意。「Sport Band」はやわらかく、さらっとした肌触り。本体が軽いため、着け心地も快適です。
運動時に汗をかいても快適さをキープするフッ素エラストマー素材。これが気持ちいいんですよね
バッテリー駆動時間は、スペックシートで最大40時間。検証時は、約24時間使用(1時間のGPS起動を含む)した後のバッテリー残量が約40%でした。昨今のスマートウォッチは、最大2週間などのロングバッテリーに対応するモデルが増えており、この点は不満が残るところです。
OSには、Googleのスマートウォッチ向け次世代OS「Wear OS 4」を採用しており、動作は非常にスムーズ。このOSのおかげで、アプリを追加して機能を拡張できるのも大きな特徴です。GoogleマップやSpotifyなどをインストールしておけば、スマートフォンを出さずともウォッチ本体で経路案内をチェックしたり、音楽を再生したりできます。
Google Playからさまざまなアプリをインストールして、自分だけの便利なスマートウォッチにカスタマイズ可能
Googleマップで経路案内。目的地を設定すれば、スマートフォンを取り出す必要がありません
健康管理の機能は、心拍数や消費カロリーなどユーザーがスマートウォッチに期待するものはカバーしていると思っていただいて大丈夫です。そのなかでも特徴的なのが睡眠モニタリング。睡眠の質をスコア化してくれる基本機能以外に、「体力回復」「精神回復」といった「回復」に注目したスコアも表示。いびきや血中酸素濃度の計測も可能で、さまざまな角度から睡眠の状態をチェックし、睡眠習慣の改善に役立てられます。
健康や睡眠モニタリングなどのデータはアプリ「Samsung Health」でチェック
もうひとつの特徴的な機能としては、従来モデルから搭載されている体組成を測定する機能をピックアップしましょう。体脂肪率や骨格筋量まで数10秒ほどで計測。ダイエットや筋トレをしている人には重宝するでしょう。もちろん、精度は専用の体組成計にかないませんが、それでも健康管理の目安として活用可能です。
体組成の測定
心拍数センサーや内蔵GPSを使い、ランニングに関する幅広いデータを収集するワークアウトは、人気どころの種目を押さえています。また、ワークアウトの自動計測に対応したのもポイントです。計測のスタートや終了時の操作を忘れてしまっても、自動で通知してくれます。これも便利ですね。
実際にランニングを行った結果を見ると、基本的なデータに加えて、「左右の非対称性(左右バランス)」「接触時間(着地時間)」など、ランニングレベルの向上に役立てられるデータも計測してくれます。自身のパフォーマンスアップを目指している人でも満足できると思います。
1歩1歩の力強さを示す「剛性」など、マニアックな数値も表示してくれます
自動で計測したワークアウトは「(自動)」と表記。ちょっとした移動も認識してくれるのは便利です
ワークアウトを自動で計測してくれるスマートウォッチは数多くありますが、「Galaxy Watch6」はそのなかでも精度の高さが光っています。乗り降りを繰り返すポタリング(自転車の散歩)を行った日でも、そのたびに自動計測でデータを計測してくれていました。
筆者は以前に「Galaxy Watch4」を使用したことがあるのですが、さすがに2世代前と比べると、体組成計、ワークアウトの自動計測、睡眠モニタリングなどの機能の精度がより高くなったと感じました。しかも、SuicaやID、QUICPayが利用できるなど、使い勝手の面でも大きく向上しています。
今回レビューしたのは小さいサイズの40mmでしたが、それでも画面が大きく、非常に見やすかったです。デザイン、機能、使い勝手においては、スマートウォッチのなかでも非常に高い部類に入ります。あとは、バッテリー駆動時間だけですね。購入の際には、この点だけ頭の片隅に置いておくほうがいいと思います。