レビュー

10万円切りの折りたたみスマホ「motorola razr 40」レビュー

折りたたみスマホが複数のメーカーから発売され、自分に合った端末を選べるようになりました。しかし折りたたみスマホは、折り曲げ可能な有機ELディスプレイ、折りたたみヒンジ機構、高度な集積技術が必要とされるため価格はちょっと高めです。

そこで今回ご紹介したいのが、モトローラの縦折り型の折りたたみスマホ「motorola razr 40」。公式サイトでの販売価格は125,800円(税込、以下同)ですが、IIJmioでは10万円を切る95,800円という手ごろな価格で提供されています。というわけで今回は、高コスパが魅力の「motorola razr 40」の使い勝手、パフォーマンス、カメラ画質などについて迫っていきましょう。

ミドルレンジクラスのSoCでコストカット

「motorola razr 40」はプロセッサー(SoC)に「Snapdragon 7 Gen 1」を採用。このSoCに8GBメモリーと256GBストレージ容量を組み合わせています。

メインディスプレイは約6.9インチの有機ELディスプレイ(2640×1080、最大144Hz駆動)。アウトディスプレイには約1.5インチの有機ELディスプレイ(194×368、最大60Hz駆動)を搭載しています。

アウトカメラは超広角(約1300万画素、F2.2、120度)と広角(約6400万画素、F1.7、光学式手ブレ補正)の2種類。インカメラには約3200万画素(F2.4)を装備しています。

通信機能は5G(nanoSIM/eSIM)、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3をサポート。FeliCaセンサーに対応しており、おサイフケータイを利用可能です。内蔵バッテリーの容量は4200mAh。防水・防塵はIP52に対応しています。

本製品は、ミドルクラス向けのSoC「Snapdragon 7 Gen 1」を採用することで手ごろな価格を実現。それでいてメインディスプレイやカメラ機能など、ユーザー体験を左右する重要パーツにはしっかりとコストをかけているのが好印象です。

メインディスプレイは約6.9インチの有機ELディスプレイ

メインディスプレイは約6.9インチの有機ELディスプレイ

カラーはこのバニラクリームとセージグリーンの2色が用意されています

カラーはこのバニラクリームとセージグリーンの2色が用意されています

アウトディスプレイは約1.5インチ

アウトディスプレイは約1.5インチ

クローズ時の背面にはFeliCaセンサーのタッチポイントとワイヤレス充電エリアを内蔵

クローズ時の背面にはFeliCaセンサーのタッチポイントとワイヤレス充電エリアを内蔵

折りたたんだときにメインディスプレイはほぼすき間なく密着します。チリやゴミは入りにくそうです

折りたたんだときにメインディスプレイはほぼすき間なく密着します。チリやゴミは入りにくそうです

折りたたみスマホ最大の魅力は携帯性。「motorola razr 40」は、ふたつに折れば手のひらサイズで、小さなポケットでもスムーズに出し入れ可能です。アウトドア系の趣味を楽しんでいる人にピッタリのコンパクトスマホだと思います。ただ、防水・防塵性能はIP52なので、がっつりアウトドアで使いたい人は注意したほうがいいでしょう。

アウトディスプレイは約1.5インチとちょっと小さめですが、時計、オーディオレコーダー、カレンダー、連絡先、タイマー、メディア、天気などのパネルを表示できるのは便利。今後アウトディスプレイで利用できるアプリが増えれば、さらに活用範囲が広がりますね。

左上から、時計、オーディオレコーダー、カレンダー、連絡先、タイマー、メディア、天気。必要なパネルだけを表示できます

左上から、時計、オーディオレコーダー、カレンダー、連絡先、タイマー、メディア、天気。必要なパネルだけを表示できます

使い勝手において見逃せないのが撮影のしやすさ。90度に折りたためば、三脚などがなくても設置が可能。集合写真であればアウトカメラでセルフタイマー撮影、自撮りするならインカメラでジェスチャー撮影と、手軽に写真・動画撮影を楽しめます。わざわざ自撮り棒や三脚などを持ち運ぶ手間から解放されますよ。

ディスプレイを曲げると、プレビュー画面が上に、操作画面が下に表示されます。明るいディスプレイのおかげでプレビューも見やすいです

ディスプレイを曲げると、プレビュー画面が上に、操作画面が下に表示されます。明るいディスプレイのおかげでプレビューも見やすいです

変わった使い方としては、ディスプレイを曲げた状態での動画視聴。スタンドなしで大きな画面で動画が見られます。

映像が曲がっているのが気になる人もいるかもしれませんが、映画に集中するといつの間にか忘れてしまいますよ

映像が曲がっているのが気になる人もいるかもしれませんが、映画に集中するといつの間にか忘れてしまいますよ

ただし、ちょっと苦手な分野もあります。それは電子コミック鑑賞。画面比率が22:9と極端なので、縦持ちでの1ページ表示、横持ちでの見開き表示のどちらでも余白が大きくなります。マンガを読むなら縦スクロールマンガとの相性がよさそうです。

マンガを読むならどちらかと言えば縦持ちのほうがよいですね(※鈴木みそ氏「ナナのリテラシー1」より)

マンガを読むならどちらかと言えば縦持ちのほうがよいですね(※鈴木みそ氏「ナナのリテラシー1」より)

個人的にかなり残念なのがHDRコンテンツへの対応。せっかく有機ELディスプレイを搭載しているのに、「Netflix」アプリでHDRコンテンツを再生できません。ディスプレイ自体はHDRコンテンツの再生に対応しているので、できるだけ早く「Netflix」アプリでも利用可能となることを強く期待したいところです。

普段使いには十分な性能

前述のとおり、「motorola razr 40」はミドルレンジクラスのSoC「Snapdragon 7 Gen 1」を採用しています。定番ベンチマークを実施したところ、総合ベンチマーク「AnTuTu Benchmark V10」の総合スコアは672923、CPUベンチマーク「Geekbench 6」のMulti-Core Scoreは2972、Single-Core Scoreは1045、機械学習ベンチマーク「Geekbench ML」のTensorFlow Lite NNAPI Scoreは321、3Dグラフィックスベンチマーク「3DMark」のWild Lifeは3135となりました。

2023年10月時点のAnTuTu Benchmarkのランキングトップが「Snapdragon 8 Gen 3」搭載の「Xiaomi 14」で、スコアは1997427です。つまり「motorola razr 40」はその約34%相当のスコアということになります。

ただし、実際に「motorola razr 40」を使っていてパフォーマンス不足を感じることはほとんどありません。3Dゲーム「原神」をプレイしてみましたが、実用的な速度で遊べました。最新のフラッグシップモデルと性能差があるのは確かですが、一般的な用途であれば「motorola razr 40」はストレスなく利用できる性能を備えていると言えます。

各種ベンチマークテストの結果

各種ベンチマークテストの結果

多彩な撮影スタイルを支えるカメラ

カメラ画質はなかなかいいですね。特に、約6400万画素の広角カメラは解像感が高く、8倍デジタルズームでも実用上十分な画質が確保されています。下の写真は早朝に撮影したのですが、色も実際に忠実です。

また、動画撮影もテストしてみましたが、光学式手ブレ補正と電子式手ブレ補正が組み合わされており、強力に手ブレを軽減してくれます。電子式手ブレ補正を効かせるぶんだけ画角は狭くなりますが、スマホ用ジンバルなどを使わずにブレの少ない動画を手軽に撮れることは大きなメリットです。

超広角カメラ作例

超広角カメラ作例

広角カメラ作例(等倍)

広角カメラ作例(等倍)

広角カメラ作例(デジタルズーム8倍)

広角カメラ作例(デジタルズーム8倍)

広角カメラ作例

広角カメラ作例

広角カメラ作例

広角カメラ作例

超広角カメラ(マクロモード)作例

超広角カメラ(マクロモード)作例

積極的にメインディスプレイを開いて活用したい折りたたみスマホ

手ごろな価格を実現した「motorola razr 40」ですが、アウトディスプレイが約1.5インチなので、大きなアウトディスプレイを備える上位モデル「motorola razr 40 ultra」のようにはAndroidアプリを表示できません。

筆者は両機種とも試用していますが、「motorola razr 40 ultra」はできるだけメインディスプレイを閉じたまま使いたい折りたたみスマホ、「motorola razr 40」はコンパクトに持ち歩き、積極的にメインディスプレイを開いて活用したい折りたたみスマホだと感じました。自分の利用スタイルをイメージして、最適な1台をお選びください。

ジャイアン鈴木
Writer
ジャイアン鈴木
レビューした製品を高確率で買ってしまう物欲系ITライター。守備範囲はPC、スマホ、VRがメイン。ゲーム、デジタルトイも大好き。最近サバゲにはまっています。愛車はスイフトスポーツで、断然マニュアル派です。
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水川悠士(編集部)
Editor
水川悠士(編集部)
デジタル系メディアから価格.comへ。スマホ、スマートウォッチなどのガジェット周り、ゲーム関連を担当。触ってきた製品は数えきれないほど多いです。価格.comマガジンのYouTubeにも出演中。
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