レビュー

価格差わずか1万円強の「Redmi Pad SE」と「Xiaomi Pad 6」はこうして選ぼう!

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シャオミの11インチタブレットには、エントリー向けの「Redmi Pad SE」と、ミドルハイ向けの「Xiaomi Pad 6」の2機種がある。価格.com最安価格(2023年12月中旬時点)は「Redmi Pad SE」の6GBメモリーモデルが約27,000円、「Xiaomi Pad 6」の6GBメモリーモデルが約39,000円で、その差は12,000円程度。どちらを選んだほうがよいのか、お互いの存在が気になる絶妙な関係にある。そんな両機種の違いや適した用途に迫った。

価格が密接しているシャオミの最新タブレットを比較した

価格が密接しているシャオミの最新タブレットを比較した。なお、今回は一般流通モデルを取り上げている

ディスプレイを比較
電子書籍や動画視聴は両機種とも快適、大きな違いはHDR10対応

まずは、タブレットを使用するうえで特に気になるディスプレイのスペックから見ていこう。両機種で同じなのは画面サイズと、ほかのスペックはすべて異なっている。

両機種のディスプレイを見比べると、解像度が高い「Xiaomi Pad 6」のほうが、活字やアイコンのような動きのない映像ではきめ細かい表示に感じる。ただし、そこまで決定的な差ではない。

動画においては、YouTubeの最高解像度は「Redmi Pad SE」が1080pのSDRなのに対して、「Xiaomi Pad 6」は2160pのHDRまで選択できる。タブレットの画面サイズなら1080pと2160pの違いは気にならない人も少なくなさそうだが、SDRとHDRはすぐに見分けがつく。両機種のディスプレイの実用上の大きな違いはこのHDR 10対応の有無になるだろう。

このほかに違いを感じたのが画面の最大輝度だ。「Redmi Pad SE」は400ni、「Xiaomi Pad 6」は550nitで150nitの差があり、建物の中でも明るい場所では「Xiaomi Pad 6」のほうが多少見やすかった。

リフレッシュレートとタッチサンプリングレートは、いずれも「Xiaomi Pad 6」のほうが高性能。120Hz以上のリフレッシュレートに対応しているので、アクションゲームでは有利である。ただ、「Redmi Pad SE」でも1.5倍速の90Hzのリフレッシュレートと3倍速の180Hzのタッチサンプリングレートに対応しているので、画面スクロールは十分に滑らかだ。

なお、いずれもWidevineセキュリティレベルの「L1」をクリアしているので、Netflixなどの動画配信サービスにおけるDRMの制約はない。こうした用途であれば筆者には「Redmi Pad SE」でも十分だと感じる。

左が「Redmi Pad SE」で、右が「Xiaomi Pad 6」。ディスプレイのサイズは同じ11インチで、基本的な画質も共通だ。そのいっぽうで解像度や最大輝度、HDR対応の有無などが異なっている

左が「Redmi Pad SE」で、右が「Xiaomi Pad 6」。ディスプレイのサイズは同じ11インチで、基本的な画質も共通だ。そのいっぽうで解像度や最大輝度、HDR対応の有無などが異なっている

サウンド性能を比較
ヘッドホン端子搭載の「Redmi Pad SE」、指向性マイク搭載の「Xiaomi Pad 6」

両機種とも、短辺の左右それぞれに2基のスピーカーを備えた4スピーカーシステムを採用している。Dolby Atmos対応も共通で、本体だけでバーチャルサラウンド再生が行える。ボディが大きくハウジングにも余裕があるため音質もなかなか良好だ。

機能面に注目すると、「Xiaomi Pad 6」が4個のマイクを使った指向性マイクで、オンライン会議では画面の前方の一部に集中して収音が行える。いっぽう「Redmi Pad SE」は、マイクは1個だけ。「Xiaomi Pad 6」の指向性マイクは、後述するようにキーボード付きカバーやペンデバイスに対応することと共通で、ノートPCの代わりに使うことを想定しているためだろう。

そのいっぽうで、「Redmi Pad SE」はヘッドホン端子を備えているが、「Xiaomi Pad 6」は非搭載だ。高価格帯モデルでは非搭載なことが多いヘッドホン端子だが、備えていれば有線ヘッドホンを使いながら充電ができるなど使い勝手は高まる。遅延を見ても今でも有線接続のほうが有利だ。

「Redmi Pad SE」にはヘッドホン端子が搭載されている。充電しながら有線イヤホン・ヘッドホンが使えるなど、使い勝手はよい

「Redmi Pad SE」にはヘッドホン端子が搭載されている。充電しながら有線イヤホン・ヘッドホンが使えるなど、使い勝手はよい

サイズと重量などボディを比較
両機種とも質感はほとんど同レベル。防水・防塵非対応も共通。

両機種とも、背面と側面を一体形成したアルミ合金製のユニボディなので、かなりがっしりした印象。なお、防水・防塵には対応していない。

持ち比べると「Xiaomi Pad 6」のほうが1mmほどボディが薄い。カラーバリエーションは「Redmi Pad SE」がミントグリーン、グラファイトグレー、ラベンダーパープルの3色で、総じて明るい色が多い。いっぽう「Xiaomi Pad 6」は、グラビティグレー、シャンパンゴールド、ミストブルーの3色で、ややシックなカラーだ。

サイズはほぼ同じで、ともにアルミ合金製のユニボディ構造を採用する、かなりしっかりした感触だ。そのいっぽう、防水・防塵に対応していない点も共通である

サイズはほぼ同じで、ともにアルミ合金製のユニボディ構造を採用する、かなりしっかりした感触だ。そのいっぽう、防水・防塵に対応していない点も共通である

カメラを比較
Web会議用のフォーカスフレーム機能を備える「Xiaomi Pad 6」

タブレットではあまり重視されないカメラだが、両機種を比較すると、「Xiaomi Pad 6」は、メインカメラが4K/30fpsの動画撮影に対応している点と、被写体が動いても構図の中央にフレーミングするフォーカスフレーム機能を備えている点が異なる。これも、「Xiaomi Pad 6」がWeb会議を重視していることの表れと言えるだろう。

バッテリー性能を比較
「Redmi Pad SE」は10W充電、「Xiaomi Pad 6」は33Wの急速充電

両機種ともバッテリーの容量は8000mAh台だが、同梱の充電器は「Redmi Pad SE」が10W、「Xiaomi Pad 6」は33Wで3倍以上違う。「Redmi Pad SE」はフル充電に3時間半ほどかかるが、「Xiaomi Pad 6」は最新のスマートフォンと同じように2時間はかからない。両機種の充電時間はざっと倍違う。

ただし、「Redmi Pad SE」は10W以上の充電に非公式ではあるが対応しているようで、市販のUSB PD充電器を使用した場合、充電は約180分で済んだ。 「Redmi Pad SE」の充電時間が気になる場合、18W程度の安価なUSB PD充電器を揃えてもよいだろう。

同梱の充電器。左が「Redmi Pad SE」のもので最大出力は10W、右は「Xiaomi Pad 6」のもので最大出力は33W。いずれもケーブルが同梱される

同梱の充電器。左が「Redmi Pad SE」のもので最大出力は10W、右は「Xiaomi Pad 6」のもので最大出力は33W。いずれもケーブルが同梱される

基本性能を比較
SDカード対応の「Redmi Pad SE」、グラフィック性能が魅力の「Xiaomi Pad 6」

両機種の基本スペックを見ると、ストレージが128GBが確保されているところに注目したい。近ごろはアプリが大型化していて、ダウンロードが必要なコンテンツが増えていることを考えるとやはりこの程度の容量は欲しい。また、製品を長く使う場合に重要なソフトウェアのバージョンアップの際にもストレージに十分な空き容量が必要になる。

そのうえで、「Redmi Pad SE」はmicroSDXCカードによる増設が行える点は心強い。電子書籍などのかさばるデータをメモリーカードに保存すれば、ストレージの圧迫を改善できるだろう。なお、両機種とも仮想メモリー機能を備えており、ストレージの一部をメモリーとして利用できる。

「Redmi Pad SE」は、最大1TBまで対応するmicroSDXCメモリーカードスロットを備える

「Redmi Pad SE」は、最大1TBまで対応するmicroSDXCメモリーカードスロットを備える

処理性能を定番のベンチマークアプリ「AnTuTuベンチマーク」で計測したところ、総合スコアは「Redmi Pad SE」が256681、「Xiaomi Pad 6」が786754で、比較的大きい差がついた。サブスコアを見てもいずれも大差がついているが、なかでもグラフィック性能の指標「GPU」は「Redmi Pad SE」が40759、「Xiaomi Pad 6」が214602でと約5倍の大差となった。

「GPU」の性能が重要なゲームを想定すると、やはり「Xiaomi Pad 6」のほうが断然適していると言える。なお、アプリの起動などのレスポンスも「Xiaomi Pad 6」のほうが有利だ。ただし、SNSや動画再生、電子書籍の閲覧程度なら「Redmi Pad SE」の性能でも不満はないだろう。

「AnTuTuベンチマーク」の計測結果。左が「Redmi Pad SE」で、右が「Xiaomi Pad 6」

「AnTuTuベンチマーク」の計測結果。左が「Redmi Pad SE」で、右が「Xiaomi Pad 6」

OSのバージョンアップについてはメーカーから公式の発表はない。ただし「Xiaomi Pad 6」の前モデルである「Xiaomi Pad 5」では2回、「Redmi Pad SE」の前身である「Redmi Pad」では1回のバージョンアップ実績があることは参考になるだろう。

周辺機器の違いを比較
アナログペンやキーボード付きカバーを用意する「Xiaomi Pad 6」

両機種とも、ペン、カバー、画面保護ガラスがひと通り用意されている。ただし、その機能の差は大きい。

「Xiaomi Pad 6」が対応するペンデバイス「Xiaomi スマートペン (第2世代)」は、アナログ入力に対応したもので、アップルの「Apple Pencil」に近い機能を持つ。いっぽう「Redmi スタイラスペン」はオン・オフの2段階しかない普通のスタイラスだ。

また、両機種ともフリップケースが用意されるが、「Xiaomi Pad 6」にはさらにキーボード付きカバー「Xiaomi Pad 6 キーボード」も用意される。こうしたキーボード付きカバーはiPadシリーズで広く用意されており、モバイルノートPCのように使うことができる。もし、周辺機器を含めてiPadの使い勝手に近づけたいのなら「Xiaomi Pad 6」を選ぶべきだろう。

「Xiaomi Pad 6」の対応する「Xiaomi スマートペン (第2世代)」。アナログ入力対応の高性能ものだ

「Xiaomi Pad 6」の対応する「Xiaomi スマートペン (第2世代)」。アナログ入力対応の高性能ものだ

「Xiaomi Pad 6」には、キーボード付きカバー「Xiaomi Pad 6 キーボード」が用意されているので、モバイルノートPCの代わりとして使える

「Xiaomi Pad 6」には、キーボード付きカバー「Xiaomi Pad 6 キーボード」が用意されているので、モバイルノートPCの代わりとして使える

“見る・聴く”なら「Redmi Pad SE」で十分、Web会議やゲーム、周辺機器目的なら「Xiaomi Pad 6」

以上、シャオミの最新11インチタブレット2機種を比較した。

使い比べると「Redmi Pad SE」が予想以上にしっかりしており、電子書籍の閲覧、写真の表示、動画の視聴といったタブレットの基本的な用途ならこれで十分に思えた。ストレージの増設ができるのも電子書籍を保存するなら断然重宝するだろう。閲覧・視聴用途のネックはHDRに対応していない点くらいだ。

いっぽう、「Xiaomi Pad 6」は、基本性能が高いため「Web会議で使いたい」「ゲームをより快適に楽しみたい」場合に向いている。また、「ペンデバイスやキーボード付きカバーのような周辺機器を使いたい」場合に選ぶ製品でもあるだろう。値上がりの続くiPadの代替として選ぶなら「Xiaomi Pad 6」だ。

両機種の約12,000円という価格差を大きいと見るか小さいと見るかは判断が分かれる。ただ、両機種の狙いは価格差以上にはっきりしている。スペックや価格に惑わされず、用途を考えて選べば納得できる買い物になるだろう。

田中 巧(編集部)
Writer / Editor
田中 巧(編集部)
通信を中心にしたIT系を主に担当。Androidを中心にしたスマートデバイスおよび、モバイルバッテリーを含む周辺機器には特に注力している。
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