スタミナバッテリーや高精度GPSを備えつつも低価格というストロングポイントでじわじわ人気を得ているスマートウォッチ「Amazfit」シリーズから、最新モデル「Amazfit Active」が2023年12月に発売。2万円台の価格ながら、上位モデル譲りの機能を搭載しており、コスパは高い部類に入るでしょう。
スクエア型の「Amazfit Active」をレビュー
「Amazfit」シリーズのエントリークラス「Amazfit GTS 4 Mini」の後継として名前を新たに発売された「Amazfit Active」。ディスプレイが大きくなり、上位モデル譲りの機能が搭載されるなど、丸々一新された感があります。「Amazfit GTS 4 Mini」の公式サイト販売価格が16,800円(税込、以下同)だったのに対して、「Amazfit Active」は21,900円と少し値上がりしていますが、十分高コスパな印象です。
ディスプレイには1.75インチの有機ELディスプレイを採用。表面に指紋防止コーティングが施された2.5D強化ガラスを備えています。従来機「Amazfit GTS 4 Mini」からサイズアップしていることもあり、細かい文字の視認性が高くなりました。加えて、従来機からOSがアップグレードされていることもあってか、タッチ操作の反応が素早く操作性も向上しています。
1.75インチの有機ELディスプレイはスクエア型なので、グラフなどを表示しても見やすいです
細かい文字なども非常に見やすいです。表示スペースに余裕がありますね。屋外でも情報をしっかりとキャッチできます
外観デザインは物理ボタンをひとつ備えるだけと非常にシンプル。また、装着感のよさも際立ちます。バンドを合わせた重量は約35.7g。着け心地の軽さや、ベルトのシリコンがやわらかいのも快適さに貢献しているポイントです。これなら運動中、睡眠中に着用していても大きく気にならないでしょう。
「Amazfit Active」はエントリーモデルにはなりますが、上位モデル譲りの機能が搭載されており、機能性についても高いものがあります。そのひとつがフラッグシップモデル「Amazfit Balance」に採用されている「レディネススコア」です。
この「レディネススコア」は、日中の活動量や心拍数から割り出される「身体の回復」、睡眠時間やストレス具合によって変動する「精神の回復」、高いほどストレスレベルが低いことを示す「睡眠中のHRV(心拍変動)」などを総合してスコアを算出してくれます。最高の100に近づくほど身体のコンディションがよいとされています。
身体のコンディションを数値化する「レディネススコア」
日中に活動したり、激しい運動を行ったりすると次第に数値が減っていきますが、質のいい睡眠を取るとスコアが回復。毎日スコアをチェックすると、日中の運動と睡眠の大切さに気づかされます。
「レディネススコア」の算出元になる「身体の回復」「精神の回復」「睡眠時のHRV」の状態も別個に確認できるため、問題がどの部分なのかも簡単にわかるというわけです。
「身体の回復」「精神の回復」「睡眠時のHRV」を確認し、生活や睡眠習慣の改善につなげられます
「レディネススコア」のスコアを回復させるのに、最も重要なのが睡眠時間とその質です。睡眠トラッキングの機能は、もはやどのスマートウォッチにも備わっていますが、「Amazfit Active」は昼寝(仮眠)もトラッキングしてくれるのが特徴です。
いろいろなスマートウォッチを使っていると、昼寝トラッキングをうたうものの実際には正確に測定できてないということが起こるのですが、「Amazfit Active」はしっかりと記録ができていました。
睡眠で回復する「レディネススコア」が備わっているのに、肝心の睡眠トラッキングの精度が低いと「レディネススコア」をチェックするモチベーションが上がりません。その点、昼寝もしっかりとトラッキングしてくれる「Amazfit Active」は「レディネススコア」をチェックするかいがあります。
ランニングや登山をする人に外せないGPS。「Amazfit Active」は、フラッグシップモデルと同様の5種衛星測位システムと円偏波GPSテクノロジーを採用しており、位置情報の精度もエントリークラスとしては非常に高いです。
実際にランニングで使用した際のデータは以下の画像をご確認ください。いつものコースを走った体感になりますが、移動距離やペースは正確です。1kmごとのラップタイムも自動で表示してくれるので、その日の練習を振り返ってレベルアップに生かすことができます。
アプリ「Zepp」で表示したランニングのデータ
また、AIを活用してトレーニングプランを作成してくれる「Zepp Coach」も便利です。「5kmを完走したい」「心肺機能を向上させる」などの目標を入力すると、それに応じたトレーニングメニューを自動で提供してくれます。ランニング初心者にはありがたい機能です。これもフラッグシップモデルに搭載されている機能なので、何だかお得な感じがしますね。
「Amazfit Active」は、フラッグシップモデルに搭載されている健康管理に関する機能が新しく追加されており、健康意識を高めたいユーザーはより満足できると思います。使い勝手では、バッテリー駆動時間が最大14日間と長い点と、Bluetooth通話に対応している点なども見逃せません。不満をあげるとすれば、Siucaなどの電子決済に対応していないことでしょう。スマートウォッチでピッと買い物したい人には向いていません。しかし、それでも2万円強で購入できるのはコスパが高く、満足度も高いと思います。
アプリ「Zepp」からは、Amazfitシリーズ専用のアプリ、たとえば「計算機」「ヨガのセッション」のほかダイエットの記録用アプリも用意されており、自分好みのスマートウォッチにできるのも楽しい点です。