レビュー

お手ごろ価格のGalaxyスマホ! 高コスパ「Galaxy S23 FE」を試してみた

近年のスマホは高価。特にフラッグシップ機は25万円を超える製品も登場しており、数シーズン機種変更を見送っている人も多いのではないでしょうか。そこで今回ご紹介したいのがサムスン「Galaxy S23 FE」。2世代前のフラッグシップ向けSoCを採用し、最大120Hzの有機ELディスプレイとトリプルカメラを搭載。それでいて販売価格は88,000円(税込、auでの端末価格)と高コスパを実現しているのです。

サムスン「Galaxy S23 FE」

サムスン「Galaxy S23 FE」

絶妙に機能を割り切りつつもコスパを重視した「FEシリーズ」

「Galaxy S23 FE」は、OSにAndroid 14をベースにした「One UI 6.0」を、プロセッサー(SoC)にクアルコム「Snapdragon 8 Gen 1 Mobile Platform」を採用。メモリーは8GB、ストレージは256GBを搭載しています。なお「FE」は「Fan Edition」の略で、上位モデルから一部の機能を割り切りつつ、コスパを重視したシリーズです。

ディスプレイは約6.4インチの有機ELディスプレイ(フルHD+、2340×1080、ピーク輝度1450nits、最大120Hz駆動、Gorilla Glass 5)。ブルーライトを低減する「目の保護モード」も実装されています。

カメラは広角カメラ(約5000万画素、F1.8)、超広角カメラ(約1200万画素、F2.2)、望遠カメラ(約800万画素、F2.4、光学最大3倍ズーム)、フロントカメラ(約1000万画素、F2.4)を搭載します。

通信機能は5G(sub6/NR化)、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3、FeliCaセンサー(おサイフケータイ対応)をサポート。SIMは、nanoSIMとeSIMに対応しています。

本体サイズは約76.5(幅)×158(高さ)×8.2(厚さ)mmで、重量は約209g。4500mAhのバッテリーを内蔵しており、バッテリー駆動時間は連続ビデオ再生で21時間、連続音楽再生で66時間とうたわれています。

「Galaxy S23 FE」と最新フラッグシップモデル「Galaxy S24」の主な違いをまとめると下記のとおり。SoCの処理性能には大きな差がありますが、意外と違いは少ないです。ただし、「Galaxy S24」には生成AI「Galaxy AI」が搭載されており、ソフトウェア的に大きな進化を遂げている点には留意が必要です。

約6.4インチの有機ELディスプレイはフラットで保護フィルムを貼りやすい

約6.4インチの有機ELディスプレイはフラットで保護フィルムを貼りやすい

色域はDCI-P3を100%カバー、コントラスト比は2,000,000:1。HDR規格はHDR10+に対応

色域はDCI-P3を100%カバー、コントラスト比は2,000,000:1。HDR規格はHDR10+に対応

生体認証は画面下指紋認証と顔認証に対応

生体認証は画面下指紋認証と顔認証に対応

SIMカードトレイはnanoSIMカード1枚を装着可能。microSDメモリーカードは利用できません

SIMカードトレイはnanoSIMカード1枚を装着可能。microSDメモリーカードは利用できません

「Galaxy S23 FE」のAnTuTuスコアは「Galaxy S24」の69%相当

「Galaxy S23 FE」はSoCに「Snapdragon 8 Gen 1 Mobile Platform」を搭載しています。今回主要ベンチマークを実施したところ、「AnTuTu Benchmark V10」の総合スコアは1209907、「Geekbench 6」のMulti-Core Scoreは4241、Single-Core Scoreは1714、「3DMark」のWild Life Extremeは2592(15.52fps)、「Geekbenc ML」のTensorFlow Lite NNAPI Scoreは453となりました。

「Snapdragon 8 Gen 3 Mobile Platform for Galaxy」を搭載する「Galaxy S24」は、「AnTuTu Benchmark V10」の総合スコアが1745823、「Geekbench 6」のMulti-Core Scoreが6710、Single-Core Scoreが2125、「3DMark」のWild Life Extremeが4364(26.13fps)、「Geekbench ML」のTensorFlow Lite NNAPI Scoreが511を記録しています。

この結果から、「Galaxy S24」のスコアに対する「Galaxy S23 FE」のスコアの割合を計算すると下記のとおり。

「AnTuTu Benchmark V10」総合スコア:69%相当
「Geekbench 6」Multi-Core Score:63%相当
「Geekbench 6」Single-Core Score:81%相当
「3DMark」Wild Life Extreme:59%相当
「Geekbench ML」TensorFlow Lite NNAPI Score:89%相当

「Snapdragon 8 Gen 1」は「Snapdragon 8 Gen 3」より2世代前のSoCということもあり、ベンチマークスコアでは明確な差があります。しかし「Snapdragon 8 Gen 1」は2022年のフラッグシップ向けSoC。今でも最新3Dゲームを実用的な速度で動作可能です。最高画質を求めるゲーマー以外なら、パワー不足を感じることはないはずです。

曇天でもわかるカメラの素性のよさ、「ナイトモード」はスマホ最高クラス

最後に、現代のスマホにとって最も重要なカメラ画質を見てみましょう。今回天気に恵まれず曇天での撮影となりましたが、それでも「Galaxy S23 FE」のカメラの素性のよさがわかります。

望遠カメラでは30倍デジタルズームを試していますが、「CITIZEN」という小さな文字までクッキリと記録されています。やや塗り絵みたいな不自然さはありますが、記録用途であれば実用上十分なクオリティーと感じました。

広角カメラでは「12Mモード」と「50Mモード」の2種類の解像度で撮影可能。40インチ超えのテレビなどで見ると、両者には質感に明確な違いが感じられます。同じ条件下で撮影した写真でファイルサイズをチェックしたところ、「12Mモード」は3.3MB、「50Mモード」は7.7MBとそれほど差が生じなかったので、「迷ったら50Mモード」くらいの気軽さで積極的に利用したいところです。

そして改めて感心させられたのが「ナイトモード」の画質。夜景の明るさを引き上げつつも、白飛びを強力に抑え、ノイズもほとんど気にならないレベルに低減しています。「ナイトモード」については「Galaxy S24」に見劣りしない画質を実現していると言えるでしょう。

超広角カメラ

広角カメラ

「12Mモード」

「12Mモード」

「50Mモード」

「50Mモード」

「12Mモード」(左)、「50Mモード」(右)で時計の部分を比較

「12Mモード」(左)、「50Mモード」(右)で時計の部分を比較

望遠カメラ

光学3倍ズームで撮影

光学3倍ズームで撮影

デジタルズーム30倍で撮影

デジタルズーム30倍で撮影

ナイトモード

広角カメラで撮影

広角カメラで撮影

フラッグシップGalaxyの使い勝手を手ごろな価格で実現

「Galaxy S23 FE」は一部スペックを低く抑えた「Fan Edition」です。流行りのデザインやカラー、そして最新のAI生成機能などを利用したいのであれば最新フラッグシップモデル「Galaxy S24」がおすすめですが、「Galaxy S23 FE」のスペックの設定は絶妙で、「Galaxy S24」と比べて使い勝手で見劣りすることはありません。フラッグシップGalaxyの使い勝手を手ごろな価格で試したい人には絶好の1台と言えます。

ジャイアン鈴木
Writer
ジャイアン鈴木
レビューした製品を高確率で買ってしまう物欲系ITライター。守備範囲はPC、スマホ、VRがメイン。ゲーム、デジタルトイも大好き。最近サバゲにはまっています。愛車はスイフトスポーツで、断然マニュアル派です。
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水川悠士(編集部)
Editor
水川悠士(編集部)
デジタル系メディアから価格.comへ。スマホ、スマートウォッチなどのガジェット周り、ゲーム関連を担当。触ってきた製品は数えきれないほど多いです。価格.comマガジンのYouTubeにも出演中。
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