シャオミは幅広いラインアップのスマホをリリースしており、特にエントリー、ミドルレンジクラスに高コスパな端末を揃えています。最新モデルも同様で、「Redmi Note 13 Pro 5G」と「Redmi Note 13 Pro+ 5G」の2モデルが展開されており、両者の価格差は約18,000円。この価格差ではいったいどれくらいの違いが設けられているのか、比較しながらチェックしてみました。
左が「Redmi Note 13 Pro 5G」、右が「Redmi Note 13 Pro+ 5G」
今回の2機種はどちらもシャオミが開発・製造していますが、日本では「Redmi Note 13 Pro 5G」(以下Pro)がauとUQ mobileから販売されており、「Redmi Note 13 Pro+ 5G」(以下Pro+)がオープンマーケット版として流通しています。基本構成としては下記の3モデルが存在します。
Redmi Note 13 Pro 5G
au/UQ mobile版:41,800円
Redmi Note 13 Pro+ 5G
メモリー8GB版:59,800円、12GB版: 74,800円
「Redmi Note 13 Pro 5G」
「Redmi Note 13 Pro+ 5G」
「Pro」と「Pro+」で大きく異なるのはディスプレイのスペック。両モデルとも約6.7インチの有機ELディスプレイを搭載し、リフレッシュレート最大120Hz駆動、ピーク輝度1800nitなど細かい部分は同じですが、「Pro+」のみHDR10+、12bitカラーに対応します。
つまり、「Pro+」はYouTubeやNetflixでHDRコンテンツが楽しめるというわけです。スマホで映画やミュージックビデオを頻繁に見るのであれば、HDR対応は重視したいポイントです。
左が「Pro」、右が「Pro+」。画面サイズなど基本的な部分は同じです
YouTubeを例にすると、「Pro+」(右)のみHDRコンテンツを再生可能です
いっぽう、ディスプレイと同じぐらい重視されるカメラは、背面に2億画素広角カメラ(F1.65)、800万画素超広角カメラ(F2.2)、200万画素マクロカメラ(F2.4)、前面に1600万画素(F2.4)カメラと、カタログスペックは同じです。実際の写りも同じかどうかは、後ほど実写テストで比べてみましょう。
左が「Pro」、右が「Pro+」。背面上部、カメラ周囲のデザインが異なります
外部インターフェイスは面白い差別化が図られています。いまどきのスマホらしくどちらもUSB Type-Cポートを搭載していますが、「Pro」のみイヤホンジャックを備えます。
また、ワイヤレス通信は、「Pro」がWi-Fi 5、Bluetooth 5.2対応に対して、Pro+がWi-Fi 6、Bluetooth 5.3をサポートするという違いがあります。
本体サイズ/重量は、「Pro」が約74(幅)×161(高さ)×8.1〜11.7(厚さ)mm/約189g、「Pro+」が約74.2(幅)×161.4(高さ)×8.9mm/約204.5g。バッテリー容量は「Pro」が5100mAh、「Pro+」が5000mAhで、あまり気にしなくていいくらいの差になっています。
日常での使い勝手という点では、防水防塵性能が異なり、「Pro」がIP54、「Pro+」がIP68に対応。水回りで気兼ねなく使いたいのであれば「Pro+」のほうが安心感は高いです。
さらに細かな点では、急速充電は「Pro」が最大67W、「Pro+」が最大120W対応。また「Pro」は67Wの充電が可能な充電器(税込4,490円)が別売りですが、「Pro+」は120 W対応充電器が同梱されています。急速充電器を使うのであれば、両者の価格差は縮まるわけですね。
「Pro+」にのみ120 W対応充電器とUSB Type-Cケーブルが同梱されています
上が「Pro」、下が「Pro+」。側面が丸みを帯びているぶん、「Pro+」のほうが握りやすいです
スマホの頭脳であるSoCは、「Pro」が「Snapdragon 7s Gen 2」、「Pro+」が「MediaTek Dimensity 7200-Ultra」を採用しています。総合ベンチマーク「AnTuTu Benchmark V10.2.5」のスコアで比較すると、「Pro+」は「Pro」に対して、総合で131%、CPUで126%、GPUで154%、MEMで125%、UXで124%のスコアを記録しました。
CPUベンチマーク「Geekbench 6.3.0」のMulti-Core Scoreでも「Pro+」は「Pro」に対して、スコアで上回っています。特に、AI性能をテストするベンチ―マークでは、「Pro+」は「Pro」の576%相当のスコアを記録。もちろん利用するアプリがNPUに対応している必要がありますが、「Pro+」はAI周りの処理で大きなアドバンテージがあります。
「Pro」のベンチマークテスト結果
「Pro+」のベンチマークテスト結果
「原神」クラスの3Dゲームであればどちらの機種でもストレスなくプレイできます
カタログスペックとしては「Pro」と「Pro+」のカメラ性能は同じですが、実際に撮影してみると両者には大きな違いがあります。良し悪しは別にして、明らかに「Pro+」のほうがディテールは細かく出ており、また発色も強めです。
下の例でいえば、花や時計などは色が濃く出すぎている印象ですが、ほかの写真では「Pro+」のほうが好ましく感じました。夜景も「Pro+」のほうが暗部も明るく撮影できて、白飛びをしっかりと抑えていますね。SoCの差が、画質の差となって表われているのかもしれません。
上が「Pro」、下が「Pro+」で撮影
上が「Pro」、下が「Pro+」で撮影
上が「Pro」、下が「Pro+」で撮影
上が「Pro」、下が「Pro+」で撮影(2倍ズーム)
上が「Pro」、下が「Pro+」で撮影(4倍ズーム)
上が「Pro」、下が「Pro+」で撮影(10倍ズーム)
上が「Pro」、下が「Pro+」で撮影
上が「Pro」、下が「Pro+」で撮影
上が「Pro」、下が「Pro+」で撮影
「Pro+」でのみ200MP(2億画素)モードを試してみましたが、非常に高い解像感を得られました。ファイルサイズが大きくなるので常用は難しいですが、レアな被写体では後で細かな部分を観察できるように積極的に200MPモードを活用したいですね。
「Pro+」で撮影
左は通常モード、右は200MPモードで撮影
「Pro」と「Pro+」の価格差は約18,000円とかなり大きいです。しかし、「Pro+」はHDRコンテンツを再生可能、夜景撮影機能が優秀、防水防塵性能が高い、2倍弱の出力で充電できるなどの違いがあります。CPU性能も「Pro+」のほうが上です。
安く抑えたいのであれば「Pro」、ディスプレイ画質、カメラクオリティー、防水防塵や急速充電などの使い勝手を重視したいという方には「Pro+」をおすすめします。