多彩な機能を搭載しながらも1万円弱で手に入る高コスパで人気のXiaomi「Redmi Watch 4」。同様に充実した機能で低価格を実現したZepp Healthの最新モデル「Amazfit Bip 5 Unity」は、どこか「Redmi Watch 4」に似た印象を持つスマートウォッチです。良コスパモデルとして注目される、この2台の実力を比較してみましょう。
「Redmi Watch 4」(左)、11,980円(税込。以下同)、2024年2月27日発売。「Amazfit Bip 5 Unity」(右)、11,900円、2024年 6月11日発売
価格.com「ウェアラブル端末・スマートウォッチ」カテゴリーの人気売れ筋ランキング(2024年8月15日時点)をチェックすると、「Redmi Watch 4」は、発売から半年の間、ほぼ1位をキープし続けています。そんな人気モデルと、ほぼ同サイズの大画面を搭載する注目作が「Amazfit Bip 5 Unity」です。まずは両モデルの主なスペックを確認してみます。
Xiaomi「Redmi Watch 4」
・重量:31.5g(ストラップ含まず)
・画面:1.97インチ 有機ELディスプレイ
・サイズ:41.1(幅)×47.5(高さ)×10.5(奥行)mm
・バッテリー持続時間:最大20日(標準使用)
・GPS:内蔵
Zepp Health「Amazfit Bip 5 Unity」
・重量:25g(ストラップ含まず)
・画面:1.91 インチTFT液晶ディスプレイ
・サイズ:約37.08(幅)×45.8 (高さ)×10(奥行)mm
・バッテリー持続時間:最大11日間(標準使用)
・GPS:非搭載
ハードウェアでは画面に違いがあって、「Redmi Watch 4」のほうがわずかに画面サイズが大きいです。バッテリーの駆動時間も「Redmi Watch 4」のほうが長いですね。対して、ボディのスリムさと軽さは「Amazfit Bip 5 Unity」に軍配が上がります。使ってみた印象では、ボディサイズ、画面サイズとも両者にあまり違いはなく、GPS搭載/非搭載が最も大きな違いに思えます。
1.97インチディスプレイの「Redmi Watch 4」(左)、1.91 インチの「Amazfit Bip 5 Unity」(右)。ほぼ同じサイズで形状もそっくり
「Redmi Watch 4」は、過去に以下の記事で細かくチェックしていますので、簡単にポイントをまとめます。
1万円弱の価格帯のスマートウォッチとしては比較的大きなサイズの有機ELディスプレイを搭載し、高い画面視認性とタッチ操作のしやすさが魅力です。この価格帯では珍しくGPSを内蔵しています。
加えて、心拍数や血中酸素濃度、睡眠やストレスといった主要な健康モニタリングが可能。150以上のスポーツモード、5つの衛星システム(BeiDou/GPS/GLONASS/Galileo/みちびき)など、価格に見合わない充実した機能を搭載しています。
Bluetooth通話にも対応しており、ランニング中や料理中など手が離せないときでも、時計に内蔵したマイクとスピーカーで通話ができます。
GPSを内蔵した「Redmi Watch 4」は、スマホを携帯せず身軽にランニングしたい人に向いています
対する「Amazfit Bip 5 Unity」は、1.91インチという大型のディスプレイを搭載しながら、1万円弱という価格、さらには最大で11日間駆動するバッテリーを採用していることが大きな特徴です。エントリーモデルの位置づけですが、睡眠の質、心拍数、ストレスレベル、血中酸素濃度など健康モニタリング機能が充実しています。
レンズ素材に頑丈な強化ガラスを採用し、指紋防止コーティングも施されています。解像度320×380 、260PPIのTFT液晶ディスプレイは、細かい数値もくっきりと表示します
本体右側の物理ボタンでアプリの一覧表示が可能。長押しすることで、任意のアプリが立ち上がるショートカットを設定できます
睡眠計測では、睡眠の質や心拍数の変化もしっかり計測
睡眠の質を数値化してくれる「睡眠スコア」は、毎朝だけでなく、週間、月間といった長いスパンでも計測できるので、長期的な睡眠の改善に役立ちます。
「Amazfit Bip 5 Unity」と組み合わせて利用する専用アプリ「Zepp」では、睡眠の「規則性」を確認できます
さらに、「Zepp Aura」という睡眠改善が期待できるサービスがスタート。無料でもアドバイスが受けられますが、有料プラン(月額約1,507円)では、さらに詳しい睡眠の分析、アドバイスを提供してくれます。
詳細な睡眠分析、アドバイスをくれる有料サービス「Zepp Aura」
先に紹介したように、「Redmi Watch 4」は高性能なGPSを内蔵していますが、「Amazfit Bip 5 Unity」はGPSを内蔵していません。
GPSの有無でスマートウォッチの使い方がどう変わるかというと、GPSがない「Amazfit Bip 5 Unity」は、スマートウォッチ単独ではGPSを使ったデータ計測ができず、屋外での行動データを取得するにはペアリングしたスマホを持ち歩く必要があります。「Amazfit Bip 5 Unity」は、屋内外のランニングやサイクリングなどの一般的なものから、テニスなどの球技、eスポーツといった100以上のスポーツに対応しており、スポーツシーンでも活躍しますが、ここは両者で使い勝手が大きく変わるところです。
「Redmi Watch 4」は時計単体で走行距離やペースを記録してくれます
液晶ディスプレイを採用する「Amazfit Bip 5 Unity」。日中の視認性は良好で、画面がワイドなので数値も見やすいです
「Amazfit Bip 5 Unity」をランニングで使用したところ、スマホのGPSを使用しているので、距離やペースはとても正確に計測。筆者はスマホを携帯して走るので、時計単体でGPSが使えなくても、問題はありませんでした。それ以上に、スマホのGPSを使ったデータの正確さにメリットを感じました。また、ランニングをスタートすると自動検出してくれるので、設定が不要なのはありがたかったです。
普段のランニングではスマホを携帯して走ることが多いはずなので、多くの人にとって「Amazfit Bip 5 Unity」でも問題ないはず。もしスマホを携帯せずに、身軽な状態でマラソンに参加したいと考えている人には、GPSを内蔵する「Redmi Watch 4」がよいでしょう。
「Redmi Watch 4」と「Amazfit Bip 5 Unity」は、組み合わせて利用するアプリの機能性にも違いがあります。
Amazfitの専用アプリ「Zepp」は、走行状態を数値化した「リアルタイムパフォーマンス」や細かなトレーニング効果が表示されるなど、エントリーモデルらしからぬハイスペックな印象。Xiaomiの専用アプリ「Mi Fitness」よりも、専門的な運動データが取得できるので、日常的にスポーツをする人にとっては魅力的に映るでしょう。
「Amazfit Bip 5 Unity」の専用アプリ「Zepp」。自分の走力が視覚化される「リアルタイムパフォーマンス」が面白いです
Xiaomiの専用アプリ「Mi Fitness」の画面。詳細なデータを収集できますが、データの充実度は「Zepp」に劣ります
バッテリーについては、公証値で最大20日間の「Redmi Watch 4」、最大11日間の「Amazfit Bip 5 Unity」と、かなり差がありますが、実際に使用してみたところでは、どちらも週に1回充電すれば十分なこともあり、まったくストレスは感じませんでした。
どちらも「Amazon Alexa」の音声アシスタントに対応しており、声でコントロールできます
天気の表示は、「Amazfit Bip 5 Unity」のほうがより現在地に近い位置の状況を表示できました
「Redmi Watch 4」と「Amazfit Bip 5 Unity」は、どちらも1万円弱の価格ながら視認性がよく、多くの健康モニタリング機能を搭載。Bluetooth通話や「Amazon Alexa」での音声操作といった、エントリーモデルらしからぬ機能にも対応しています。甲乙をつけがたいですが、あえて結論づけるのであれば、スマートウォッチ単体で持ち歩くことの多い人は、GPS内蔵でバッテリーの駆動時間が長い「Redmi Watch 4」がよいでしょう。対して、専門的で充実した運動データを取得したければ「Amazfit Bip 5 Unity」をおすすめします。