レビュー

「iPad mini(A17 Pro)」レビュー、変わらない安心感とAI対応への期待感

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アップルが3年ぶりに「iPad mini」の新モデルを発売した。新モデルの名称は「iPad mini(A17 Pro)」。ほかの「iPad」と名称ルールを合わせ、搭載するチップ名が末尾に記載される。さっそく実機を試す機会を得たのでレビューしていきたい。

アップルの「iPad mini(A17 Pro)」。価格.com最安価格は78,012円から。2024年10月23日発売

アップルの「iPad mini(A17 Pro)」。価格.com最安価格は78,012円から。2024年10月23日発売

デザインはそのまま、好評のサイズ感は変わらず

「iPad mini」は、2021年に発売された一世代前の「iPad mini(第6世代)」でフルモデルチェンジを果たしている(関連記事)。このタイミングで、現行の「iPad Pro」や「iPad Air」と同じようにホームボタンがなくなり、外部インターフェイスがLightningポートからUSB-Cポートに変更された。最新の「iPad mini(A17 Pro)」は、この「iPad mini(第6世代)」のデザインを踏襲する。本体の重量やサイズのほか、「Touch ID」やスピーカーなど細かい部分の配置もそのままで変わっていない。ディスプレイは8.3インチで解像度や輝度、リフレッシュレートなどのスペックも同じだ。

「変わっていない」「同じ」と言うと、ネガティブに聞こえるかもしれないが、「iPad mini(A17 Pro)」では、それが褒め言葉になる。手の大きな人であれば、片手で持てるコンパクトなサイズ感で、重量も293 g(Wi-Fiモデル)/297g(Wi-Fi+Cellularモデル)と軽量だ。どこにでも気軽に持ち出せて、スマートフォンに近い感覚で使える。手帳代わりにしたり、電子書籍端末として使ったり、“パーソナルなiPad”としてベストなサイズ感と言える。

「iPad mini」と言えば、コンパクトなサイズ感がいちばんの魅力。片手で持ちやすいのはもちろん、ノートPCやスマートフォンと一緒に持ち出すのにも便利だ

「iPad mini」と言えば、コンパクトなサイズ感がいちばんの魅力。片手で持ちやすいのはもちろん、ノートPCやスマートフォンと一緒に持ち出すのにも便利だ

SDR輝度が最大500二トの8.3インチディスプレイ。細かいスペックは「iPad mini(第6世代)」から変わっていない。解像度は2266×1488で高精細な表示

SDR輝度が最大500二トの8.3インチディスプレイ。細かいスペックは「iPad mini(第6世代)」から変わっていない。解像度は2266×1488で高精細な表示

カメラは背面、前面ともに1200万画素広角カメラで変更なし。背面カメラは4K動画を撮影できる。前面カメラは「FaceTime」中に被写体を中央に配置してくれる「センターフレーム」に対応。ただし、カメラが搭載されるのは額縁の短辺のまま(最新の「iPad Pro」や「iPad Air」は長辺に搭載されている)

カメラは背面、前面ともに1200万画素広角カメラで変更なし。背面カメラは4K動画を撮影できる。前面カメラは「FaceTime」中に被写体を中央に配置してくれる「センターフレーム」に対応。ただし、カメラが搭載されるのは額縁の短辺のまま(最新の「iPad Pro」や「iPad Air」は長辺に搭載されている)

 カラーはブルー、パープル、スターライト、スペースグレイの4色。「iPad mini(第6世代)」にあったピンクがなくなり、ブルーに置き換えられた。そのブルーを今回試しているが、実物はかなりシルバーに近い色味

カラーはブルー、パープル、スターライト、スペースグレイの4色。「iPad mini(第6世代)」にあったピンクがなくなり、ブルーに置き換えられた。そのブルーを今回試しているが、実物はかなりシルバーに近い色味

変わったところ1――チップが「A17 Proチップ」にパワーアップ

「iPad mini(A17 Pro)」は見た目こそ前世代モデルから変わっていないが、中身は変わっている。まず製品名のとおり、チップが「A15 Bionicチップ」から「A17 Proチップ」にアップグレードされた。

「iPhone 15 Pro/ 15 Pro Max」にも搭載される同チップは、アップルのAI機能「Apple Intelligence」をサポートするのがポイント。アップルも言っているが、「iPad mini(A17 Pro)」は、この「Apple Intelligence」に対応するためのアップグレードなのだ。ただ、「Apple Intelligence」が日本で利用できるのは来年2025年以降の予定で、その実力を体験できるのはもう少し先だ。

「A17 Proチップ」のパフォーマンスはどれほどなのか? 定番のベンチマークアプリ「Geekbench 6」の結果は以下のとおり。「A18チップ」を搭載する「iPhone 16」に迫るスコアだ。「M2チップ」を搭載する「13インチiPad Air(M2)」と比べるとさすがに、ワンランク落ちる。

定番ベンチマークアプリ「Geekbench 6」の結果

定番ベンチマークアプリ「Geekbench 6」の結果

「Geekbench 6」によると、「iPad mini(A17 Pro)」のメモリー容量は8GB。「iPad mini(第6世代)」は4GBだったので倍増している。「Apple Intelligence」のためかもしれないが、単純にメモリー容量のアップは動作の快適さに直結するのでうれしいスペックアップだ。実際の動作は快適そのもの。

そのほか、スペック面ではUSB Cポートの転送速度が最大10Gbpsにアップ。データ転送がより高速にできるようなった。無線LANもWi-Fi 6からWi-Fi 6Eにアップデートされている。

変わったところ2――「Apple Pencil Pro」に対応

別売りではあるが、対応する「Apple Pencil」が変更されている。「iPad mini(第6世代)」は「Apple Pencil(第2世代)」と「Apple Pencil(USB-C)」に対応していたが、「iPad mini(A17 Pro)」は、「Apple Pencil Pro」と「Apple Pencil(USB-C)」に対応。「Apple Pencil(USB-C)」はそのまま使えるが、「Apple Pencil(第2世代)」を使っていた人は買い換えが必要だ。

「Apple Pencil Pro」のアップルストア価格は21,800円(税込)と決して安いものではない。それでも最新の「Apple Pencil」らしく、指で強く押すとパレットを表示する「スクイーズ」や、反応が触覚でわかる触覚フィードバック、回転を認識するバレルロールなど便利な機能が詰まっている。紛失時に助かる「探す」アプリにも対応する。

「iPad mini(A17 Pro)」を手帳代わりに、ガンガン手書き入力したい人は、「Apple Pencil Pro」を合わせて使いたいところだ。

最新の「Apple Pencil Pro」に対応。手帳代わりにガンガン手書きしたい人にうれしいアップデート

最新の「Apple Pencil Pro」に対応。手帳代わりにガンガン手書きしたい人にうれしいアップデート

指で強く押すとパレットを表示する「スクイーズ」。ペンの種類や色、太さなどを素早く切り替えられる

指で強く押すとパレットを表示する「スクイーズ」。ペンの種類や色、太さなどを素早く切り替えられる

変わったところ3――価格とストレージ

ストレージ容量の選択肢も変更された。

iPad mini(第6世代):64GB/128GB
iPad mini(A17 Pro):128GB/256GB/512GB

最小容量が64GBから128GBに増え、512GBが追加された。アプリにしても動画にしても、大容量化が進んでいるのでストレージ容量のアップは大歓迎だ。

価格は値下げされたことが話題になっているが、「iPad mini(第6世代)」は、59,800円→78,800円→84,800円と2度値上げされている。2度目の値上げ前の価格と同じだが、ストレージ容量が2倍になっているのでお得感はある。

まとめ

デザインやサイズ感はそのままに、「Apple Intelligence」に対応したのが、新しい「iPad mini(A17 Pro)」だ。3年前に発売された「iPad mini(第6世代)」ユーザーが買い替えるかどうかは、「Apple Intelligence」次第だろう。もちろん、動作が遅いと感じている人は買い替えを検討するといいだろう。「Apple Pencil」を多用している人にも、「Apple Pencil Pro」に対応した本モデルは魅力的なはずだ。

「Apple Intelligence」はプライバシーにしっかり配慮したAI機能であり、手帳代わりに肌身離さず持ち歩く「iPad mini(A17 Pro)」との相性もよさそうだ。ただ、「Apple Intelligence」抜きでも、「iPad mini(A17 Pro)」は“小さなiPad”という貴重なポジションとして、長く愛用できるだろう。

「iPad」は製品寿命が長く、「iPad mini(A17 Pro)」も長く販売され続けるモデルになりそうだ

「iPad」は製品寿命が長く、「iPad mini(A17 Pro)」も長く販売され続けるモデルになりそうだ

三浦善弘(編集部)
Writer / Editor
三浦善弘(編集部)
出版社で月刊誌やWebメディアの編集・記者を経験し、2013年にカカクコム入社。「価格.comマガジン」にて、PCやスマートフォン分野を担当。取材歴は20年以上。現在は「価格.comマガジン」全体を統括する。
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