2023年6月発売から1年以上が経過した2024年10月時点でも、価格.comの「ノートパソコン」カテゴリーの人気売れ筋ランキングでトップ10内に入り続けるなど、不動の人気を誇るHP「HP 14」。ユーザーからの評価の理由はどこにあるのか、実際に試して検証しました。
HP「HP 14」、価格.com最安価格69,900円(2024年10月28日時点)、2023年6月7日発売
・持ち運び向けのスタンダードな14型モデル
・勉強、仕事、普段使いに十分なスペック
・7万円以下の高コスパマシン
HPは、世界的に高いシェアを誇る、1939年創業の老舗パソコンメーカーです。ノートパソコンは、エントリー向けモデル「HPシリーズ」から、ゲーム用途に特化したゲーミングモデル「OMENシリーズ」「Victusシリーズ」まで、計7シリーズの充実したラインアップを揃えています。
「HP 14」は、HPのノートパソコンのなかではエントリー向けに位置する「HPシリーズ」の14型モデルです。
「HP 14」にはスペックの異なる機種がいくつか用意されていますが、そのなかでも特にコストパフォーマンスにすぐれるのが、今回取り上げる価格.com限定モデル。69,900円の低価格ながら、ミドルクラスのCPU「Ryzen 5 7530U」、16GBメモリー、512GB SSDといった十分な基本スペックが備わっています。
もちろん、本体の素材、キーボードなどコストを抑えている部分がありますが、それを差し引いてもコスパの高さが光ります。価格.comのレビューでも、できるだけ安くノートパソコンを探しているユーザーからの評価が非常に高くなっています。
■「HP 14」価格.com限定モデル 筆者による評価チャート
評価チャートについて
・実際に製品を使用して、価格.com「ノートパソコン」カテゴリーのユーザーレビューと同じ評価項目で点数を付けました。
評価項目:満足度、デザイン、処理速度、グラフィック性能、拡張性、使いやすさ、持ち運びやすさ、バッテリー、画面、コストパフォーマンス
点数:5点満点(標準点は3点)
・製品カテゴリーや価格を考慮して評価しています。ノートパソコンとしての絶対的な評価ではありません。
・本記事を執筆した筆者による個人的な評価です。評価は個人によって変わりますので、あくまでも参考程度にとどめてください。
価格.com「ノートパソコン」カテゴリーのユーザーレビュー一覧
キーボードの使いやすさにはクセがある(詳細は後述)ものの、価格を考慮すると全体的な評価は高くなりました。実際に使用してみた印象では、Webブラウジングや資料作成、動画鑑賞、オンライン会議などの一般的な用途向きのノートパソコンです。
詳細な特徴は、次項以降のレビューをぜひご確認ください。
「HP 15」の基本スペック
CPU:Ryzen 5 7530U
メモリー:16GB
ストレージ:512GB SSD
「HP14」の最推しポイントは、やはりコストパフォーマンスの高さです。搭載されている「Ryzen 5 7530U」はミドルクラスのCPUで、一般的な作業は快適にこなせます。ただし、グラフィック性能は高くないので、動画編集だとフルHDの動画でも書き出しに時間がかかったり、高度な3Dグラフィックのゲームはそもそもの動作が難しかったりする場合があります。負荷のかかる作業は、時間がかかる、場合によってはできないと考えておくのがよいでしょう。
「HP14」は14型とコンパクトなサイズですが、1.39kgと同サイズ帯で軽量な部類には入りません。それでも、コンパクトなのでカバンやリュックに入りやすいですし、外に持ち出すのが厳しいというわけではありません。もう少し軽ければ、持ち運びも楽ちんと言えますが、そこは価格とのトレードオフの部分です。
小脇に抱えられるコンパクトなサイズ感
片手で持つと、ちょっとズシっと重量を感じます
電源アダプターはコンパクトなサイズ
デザインは、ナチュラルシルバーでスタンダードなノートパソコンという感じ。高級感はないですが、チープさも感じません。万人受けするシンプルなデザインです。
続いては、キーボードや外部インターフェイスなど使い勝手に関わる部分を見ていきましょう。キーボードの打ち心地は軽くて、強めに押すと底につく感じがします。バックライトが付いておらず、少しチープな印象ですが、価格を考えればまったく問題なし。ただし、Enterキーの右横に1列用意されており、使い始めはひんぱんに誤入力をしてしまいました。
キーボードとタッチパッド。キーボードは、Enterキーの右側に一列配置されているのが難点
外部インターフェイスは、HDMI×1、USB Type-Aポート(5Gbps)×2、USB Type-Cポート(5Gbps)×1、マイク&イヤホンジャック×1を搭載。USBポートの転送速度がすべて5Gbpsのため、大容量ファイルの転送には少し時間がかかります。
本体の左側にUSB Type-Aポート(5Gbps)、HDMIポート、USB Type-Cポート(5Gbps)、イヤホン/マイクジャックを備えます
本体右側にはUSB Type-Aポート(5Gbps)と電源アダプター用端子を配置
USB Type-Cポートは映像出力に対応していないため、モニターなどへの接続にはHDMIケーブルが必要になります。ここも注意しておきましょう。
使い勝手の高さを感じた点としては、指紋認証センサーです。パスワードを入力せずとも、指を添えるだけでサインインできるのは、1日に何度もPCを開け閉めする人からすると便利だと思います。
キーボードの右側下部にあるのが指紋認証センサー
Webカメラは画質が約92万画素。Web会議やオンライン授業を受けるぶんには問題ありませんが、画質を求めるのであれば、追加でWebカメラを購入する必要があります。
ディスプレイは、14型、フルHD(1920×1080)、アスペクト比16:9のIPS液晶を採用しています。とびきり美しいとは言えませんが、資料作成やYouTubeなどで動画を見るぶんには十分です。反対に、画像編集や動画編集を行うには、このディスプレイだと物足りないと思います。
フルHD解像度のディスプレイ。ノングレアで映りこみも少ないです
また、ノングレアで発色が自然なため、長時間ディスプレイを見ていても目が疲れにくいと感じます。その半面、ディスプレイ輝度がそこまで高くないため、太陽がまぶしい昼間に外で作業する際には見にくいと思います。電気がついている室内であれば、見にくさを感じませんでした。
派手さはありませんが、動画鑑賞も十分楽しめるレベルです
本機の性能をベンチマークテスト「PC Mark10」でテストしてみました。スコアは5477。資料作成など一般的な作業であればサクサク動作します。また、ゲームも画質などを落とせば遊べそうですが、いかんせんディスプレイがゲーム用ではないため、快適に遊べるとはいいがたいです。あくまでも、ビジネスユース、学習用のスペックです。
「PC Mark10」のテスト結果
「HP 14」は、負荷の高い作業は行わず、事務作業やWebブラウジング、軽めのアプリといったニーズにピッタリなノートパソコン。高級感のあるデザインや、高速転送やUSB Type-Cポートによる映像出力などを求めなければ、コストパフォーマンスが優秀で満足度も高くなるでしょう。