充実した機能と大型ディスプレイを搭載したシャオミ(Xiaomi)のスマートウォッチ「Redmi Watch 5」シリーズから、「Redmi Watch 5 Lite」と「Redmi Watch 5 Active」の2モデルが同時発売された。両機種とも安価でコストパフォーマンスにすぐれ、デザインも機能も似ているのだが、どちらを買うべきか、悩めるあなたへ購入のアドバイスをお届けする。
左/「Redmi Watch 5 Lite」、公式サイト販売価格(以下同)6,480円。右/「Redmi Watch 5 Active」、3,980円、どちらも2024年10月10日発売
充実した機能と低価格を武器にした圧倒的なコストパフォーマンスが魅力のスマートウォッチ「Redmi Watch」シリーズの第5世代モデルとして登場したのが「Redmi Watch 5 Lite(以下、Lite)」と「Redmi Watch 5 Active(以下、Active)」の2モデルだ。2024年11月20日時点での価格.com「スマートウォッチ・ウェアラブル端末 注目ランキング」では、「Lite」が1位、「Active」が8位となっており、注目度の高さがうかがえる。
そんな両モデルの価格には、2,500円の違いがあるが、サイズもデザインもそっくりなうえ、搭載される機能もかなり似ている。この両モデルは何が違うのか、主な4つの違いは以下の4点だ。
(1)GPSの有無
(2)ディスプレイ素材
(3)ボディの仕上げ
(4)「ランニング」アプリの有無
まずは、GPSの有無について。「Lite」は、精度の高い衛星測位システムの「GNSS」に対応しており、スマホを携帯せずとも位置情報を取得できる。いっぽうの「Active」は、スマホなしでは位置情報を取得できない。そのため、位置情報を取得したい場合は、スマホを携帯し接続する必要がある。
「Lite」は、スマートウォッチ単体で位置情報が取得可能
2つめは、ディスプレイ素材の違いだ。「Lite」は、鮮やかで明るい有機ELディスプレイを搭載。さらに、常時画面表示機能も付いており、いつでもディスプレイが表示された状態にしておける。対する「Active」は液晶ディスプレイを搭載しており、有機ELに比べると、発色や明るさが劣る認識でよいだろう。常時画面表示機能も搭載していない。
陽の当たる屋外での視認性はほぼ同じ。どちらも表示内容は確認できる
3つめの違いは、ボディ表面の仕上げだ。「Lite」は光沢のあるボディ。対する「Active」は、つやのないマットカラーである。形状や大きさに大きな違いはないので、見た目で選ぶ場合は、好みで選択すればよいだろう。
「Lite」のボディは光沢(左)、「Active」のボディはマット仕上げ(右)
4つめは、「Lite」にのみ「ランニング」アプリが搭載されている(2024年11月11日時点)ことだ。運動データの取得に使用する「ワークアウト」アプリ内にも、「屋外ランニング」「ウォーキング」といったランニングメニューが搭載されているが、この「ランニング」アプリには、「脂肪燃焼ラン(基礎、上級)」「MIIT」「持久走(基礎、上級)」「インターバルラン(基礎、上級)」といった、より詳細なランニングメニューが搭載されている。
自分に適したランニングメニューが選択できる
上記4点を除けば、「Lite」と「Active」は、基本的にほぼ同じスマートウォッチだ。「Lite」は、スマホを携帯せずに位置情報を取得できるGNSSに対応し、豊富なランニングメニューが用意されている。
もし、スマートウォッチを購入する目的がランニングのサポートであれば、「Lite」のほうが「Active」よりも、充実した機能を搭載していると言えるだろう。
ここからは、より詳しく「Lite」「Active」のデザインをチェックしてみたい。どちらも約2インチの大きなディスプレイを搭載したスクエア型のボディを持ち、さきほど、説明したボディの仕上げ以外はそっくりだ。
「Lite」は1.96インチの有機ELディスプレイ(左)。「Active」は2インチの液晶ディスプレイを搭載する(右)。ひと回りほど「Active」が大きく正方形に近い印象
中肉中背の40代男性の筆者(手首は少々細め)が着用してみたところ、どちらも画面が大きく見やすい。
「Lite」を着用。ディスプレイは鮮やか
「Active」を着用。「Lite」よりもディスプレイはわずかに暗いが、使用にはほとんど問題ない
重量(付属のストラップは含まない)は、「Lite」が29.2gで、「Active」が30.6gとどちらもとても軽いので、着けたまま生活していても、重たいと感じることはなかった。逆に軽すぎて、センサー精度に影響がでないか不安になる。
操作は、本体横に付いたボタンのほか、画面のタッチとスワイプによって行う。多機能なためアプリアイコンが豊富だが、画面が大きいのでタッチ操作はしやすい。
どちらもアイコンが大きく表示されるので、タッチ操作は快適
筆者が2モデル共通の弱点だと感じたのが、ストラップの形状だ。長さを調整したのち、ストラップの先を、腕との間に滑り込ませて固定する。この装着方法によって運動中でもズレにくい仕様になっているのだが、装着には慣れが必要であり、外す際にはストラップ同士が固定されすぎて外しにくかった。
慣れれば簡単と思っていたが、約2週間のレビュー期間では、両モデルともにスムーズに着脱できるようにはならなかった。
「Lite」のストラップ
「Active」のストラップ
スマートウォッチを着用する大きな理由のひとつが、「健康モニタリング」機能だろう。「Lite」「Active」でも、心拍数、消費カロリー、歩数、血中酸素濃度、睡眠、ストレス、生理周期といった、充実した健康指標がモニタリング可能だ。
本体の裏側にある心拍センサーで、健康指標をモニタリングする
「Lite」「Active」でのモニタリング結果は、スマートウォッチ上でもチェックできるが、より詳細なデータは、公式のスマホアプリ「Mi Fitness」から確認可能だ。
「睡眠」アプリでは、眠りの質を、深い・浅い・レム・覚醒の4段階でモニタリング。翌朝目覚めると、質の変化がグラフで確認でき、100点満点の「睡眠スコア」として数値化してくれる。
朝起きてすぐに、スマートウォッチ上で睡眠データの変化が確認できる
スマホアプリ「Mi Fitness」では、より詳細な睡眠のモニタリング結果が確認できる
「ワークアウト」アプリで測定したサイクリングの結果も、スマホアプリ「Mi Fitness」で詳細にチェック
また、スマホの着信に対し、スマートウォッチ内蔵のマイクとスピーカーで会話できる「Bluetooth通話」機能を搭載。ノイズキャンセリングにより、外出先での通話もクリアだ。5ATMの防水性能があるので、ちょっとした雨や日常生活での水濡れは気にせず使用できてありがたい。
スマホへの着信の通知画面。中央の緑ボタンから電話をとり、そのまま会話ができる
バッテリーの持続時間は両モデル共通だ。公称値によると標準使用モードで最大18日間。各種健康モニタリングや機能をフル活用したヘビーユースモードでも最大12日間と、かなりのロングバッテリーモデルと言える。また、「Lite」を常時画面表示モードに設定すると7日間とさらに短くなる。
実際にフル充電から使用した2週間のレビュー期間中に、充電は1回のみ。充電切れを心配することはなかった。
駆動時間の残量が、“時間”表示でなく“日数”で表されるのも、ロングバッテリーモデルの証しだ
記事の冒頭にまとめてしまったが、「Lite」には、「Active」には搭載されていないランニングサポート機能がある。そのため、スマートウォッチを買う目的がランニングなど走力を強化するためのであれば、「Lite」を選択するのがよいだろう。もしランニングを前提としていないのであれば、「Active」に搭載された機能で十分満足できるはずだ。