ワコムは2025年2月12日、プロクリエイター向けペンタブレット「Wacom Intuos Pro」の新モデルを発表した。2017年発売の従来モデルから8年ぶりのリニューアルということで、さらに使いやすく進化を遂げている。具体的にどう進化したのかをまとめよう。
プロ向けペンタブレット「Wacom Intuos Pro」の新モデルが登場
ワコムは、1998年にプロクリエイター向けペンタブレットの初代モデルを発売して以降、この市場のリーディングカンパニーとして数多くの製品をリリースしてきている。なかでも、2017年発売の「Wacom Intuos Pro」は、使い勝手のよさから、漫画やイラスト、アニメーション、3D、フォトレタッチといった分野で活躍するプロから高く評価され、ロングセラーとなった。
今回発表された新しい「Wacom Intuos Pro」は、ワコムのプロ向けペンタブレットとしては8代目にあたる製品。新設計のICチップを採用することで基本性能が大幅に向上している。
ペンタブレットで最も重要視される描き心地の面では、ワコムの最新ペンテクノロジー「Wacom Pro Pen 3」に対応したのが大きな進化。「Wacom Pro Pen 3」はペンのサンプリングレートが向上しており、遅延を抑え、より正確で滑らかな描き味を実現している。ペン先の構造を改良することで芯が回転しにくく、より安定した描画が可能になったのも特徴だ。ペン芯の交換も可能で、新しい「Wacom Intuos Pro」には滑りにくいラバー芯が付属する。
ペンタブレットとして初めて「Wacom Pro Pen 3」に対応
「Wacom Pro Pen 3」は細くシャープなペン先を採用。描き味とともにペン先の視認性も向上している
ペンのカスタマイズパーツとして3種類のボタンプレートが付属する
新しい「Wacom Intuos Pro」は、本体が薄型・軽量化したのもトピックだ。従来モデルと比較すると厚みは8mmから最薄部4mmに。最も大きいサイズのモデル(largeモデル)では重量が1300gから660gに軽減している。
ポイントは、使い勝手を犠牲にせずに薄型・軽量化を実現していること。読み取り範囲のアスペクト比を従来の16:10から16:9へと少し横長のレイアウトに変更し、操作部を上部に移動することで、描画スペースは従来モデルよりも拡大している。
従来モデルと同様、「small」「medium」「large」の3サイズを用意。芯の削れやすさを軽減したオーバーレイシート(取り替え可能)も採用されている
左が新モデルで、右が従来モデル(いずれも「large」サイズ)
従来モデルの上に新モデルを重ねてみた。新モデルのほうがひと回りコンパクトなことがわかる
新モデル(上)は最薄部4mmの薄型化を実現
新モデルと従来モデルのスペック比較
描画スペースは従来モデルよりも拡大している
操作性では、キーボードとの併用を想定して操作部の位置を変更。本体上部に、十字カーソルのような上下左右ボタンの「ExpressKey」と、クリック感のある回転式ダイヤルを搭載するようになった。
操作部は上部に移動。「ExpressKey」とダイヤルが備わっている
「ExpressKey」とダイヤルはショートカットのカスタマイズが可能。一括で設定できるプリセットも用意されている
さらに、USB接続とBluetooth接続を切り替えるセレクターも用意。ケーブルを抜き差しすることなくUSB接続×1とBluetooth接続×2を切り替えられるようになった。
上部側面にUSB/Bluetooth接続のセレクターを用意(矢印部分)
同梱物の一覧。ペン芯は標準芯×5、フェルト芯×3、ラバー芯×2が付属する
付属のペンスタンド。替え芯と芯抜きを収納できる
「Wacom Pro Pen 3」のほか、文房具メーカーとコラボレーションしたデジタルペン(UDペン)の使用にも対応
新製品体験会では、イラストレーターの吉田誠治さんによる新製品のデモンストレーションが行われた
吉田誠治さんによるデモンストレーションの様子。「ExpressKey」とダイヤルの位置が扱いやすく、ショートカットが使いやすくなったとのこと
新しい「Wacom Intuos Pro」のラインアップは、「small」「medium」「large」の3サイズ。発売は2025年春で、直販価格は「small」が41,580円、「medium」が62,480円、「large」が82,280円(いずれも税込)。