アップルは2025年2月20日、iPhone 16シリーズの廉価版「iPhone 16e」を発表。2月28日に発売する。実質的に「iPhone SE(第3世代)」の後継機だが、性能が向上しボディも大型化、価格も上昇している。
アップル「iPhone 16e」。2025年2月28日発売。アップル直販の税込価格は99,800円
「iPhone 16e」の本体サイズは約71.5(幅)×146.7(高さ)×7.8(厚さ)mm、重量は約167g。ディスプレイは2532×1170の表示に対応する6.1インチの有機EL「Super Retina XDRディスプレイ」を搭載する。本機は「iPhone SE(第3世代)」の実質的な後継モデルだが、サイズは「iPhone 16」に近くなり、大型化している。ディスプレイは、ノッチが設けられており、解像度も「iPhone 16」の2556×1179よりもわずかに少ない。なお、IP68等級の防水・防塵仕様をクリア、最大水深6メートルで最大30分間の水没に耐性がある。外部接続ポートはUSB-Cで480Mbpsのデータ転送と最大20Wの充電に対応している。Qi規格のワイヤレス充電も利用できる。Wi-Fiは2×2のMIMOに対応したWi-Fi 6(802.11ax)だが、Wi-Fi 6Eには対応していない。
カラーバリエーションはブラックとホワイトの2色。別売りでカラフルなケースも用意される
Face ID対応、ホームボタンの廃止、ノッチ付き6.1インチ有機ELディスプレイ、USB-C対応など、「iPhone SE」シリーズから大幅にアップデートされている
側面にカスタマイズ可能な「アクションボタン」を搭載し、カメラの起動やフラッシュライトの点灯などを素早く行える。なお、初期設定では着信と消音を切り替えが設定されている
搭載されるチップセットは「iPhone 16」シリーズに搭載されている最新世代の「A18チップ」。6コアのCPUは共通だが、GPUのコアが「iPhone 16」の5コアから4コアに削減されており、グラフィック性能が異なる。また、通信モデムに自社開発の「Apple C1」を搭載する、このモデムはすぐれた電力効率が特徴で、後述するバッテリー持ちにも貢献している。
「iPhone 16」シリーズと同じチップセット「A18チップ」を搭載するが、GPUが5コアから4コアに削減されており、グラフィック性能に差が設けられている
2025年4月初旬に日本語に対応予定のAI機能「Apple Intelligence」も利用できる。画像生成機能「Image Playground」では、テーマ、衣装、アクセサリ、場所などのコンセプトを選択して簡単に画像を生成できる
背面に備わるメインカメラは約4800万画素の「Fusionカメラ」1基のシングルカメラ。望遠カメラを統合しており、2倍の光学ズーム撮影(35mm換算の焦点距離は52mm)も行える。なお、フロントカメラである「TrueDepthカメラ」は、約1200万画素。
「ナイトモード」を使うと暗いシーンでも高精細な撮影が行える
「iPhone SE」シリーズのネックだったバッテリー持ちが大幅に強化されている。アップルによると、バッテリー駆動時間は「6.1インチのiPhone史上最長」で、「iPhone 11」より最大6時間長く、すべての世代の「iPhone SE」より最大12時間長くバッテリーが持続するという。
ストレージの容量は128GB(直販サイトの税込価格は99,800円。以下同)、256GB(114,800円)、512GB(144,800円)の3種類を用意する。「iPhone SE(第3世代)」と比較すると値上がりとなったが、米国における販売価格も、128GBモデルが599ドル、256GBモデルが699ドル、512GBモデルが899ドルで、前モデルの429〜579ドルから値上がりしている。日本における価格は端末そのものの値上げに為替の影響も加わったものだろう。なお、本製品の発表にともない、アップル直販サイトにおいて「iPhone SE(第3世代)」の販売が終了している。