ロジクール「Slim Multi-Device K580」(以下、「K580」)は、コンパクトなデザインながら、独立したテンキーやスマートフォンホルダーなど、日々の作業を快適に支える多くの機能を備えたワイヤレスキーボード。その実力をお伝えします。
省スペース設計のワイヤレスキーボード「Slim Multi-Device K580」
「K580」は、ノートパソコンで広く使われている、パンタグラフ方式のキースイッチを採用しています。軽い力でタイピングできるため長時間の作業でも疲れにくく、静音性にもすぐれています。
また、キーボード全体が薄型かつ省スペースに設計されており、横幅は約373.5mmと非常にコンパクト。テンキーレスのメカニカルキーボードとほぼ同じサイズながら、その限られたスペースの中に、独立したテンキーや「Home」「End」「Page Up」「Page Down」といった、作業効率を高めるキーを備えています。
限られたスペースにテンキーなどを装備しています
テンキーを装備。Excelなど表計算ソフトでのデータ入力に役立ちます
本体の高さは21.3mm、重量は558g(単4形乾電池2本込み)
操作性については、勢いよくタイプしても打鍵感が損なわれず、着実に入力できるのが好印象です。また、各キーの押下圧も絶妙に調整されているようで、軽すぎず、重すぎない適度な抵抗感があります。指への負担は少なめです。これであれば、誤入力を防ぎながらタイピングできそうです。
打鍵感がよく、文字入力もスムーズに行えます
ただし、実際に使用して気になった点もあります。コンパクトな設計の影響で、カーソルキーなど、一部のキーが通常よりも小さくなっており、操作性にやや難を感じる場面がありました。たとえば、資料作成時にカーソル移動をひんぱんに行うユーザーにとっては、操作しづらいことがあるかもしれません。
カーソルキーが小さく、やや窮屈に感じてしまったのが気になりました
機能面では、Bluetooth接続をサポートし、スマートフォンやタブレット、パソコンなど、最大2台のデバイスとペアリングできます。キーボード上部のファンクションキー列に配置された「Easy-Switch」ボタンを押して、接続デバイスを簡単に切り替えられるため、複数端末を使い分ける作業もスムーズです。
さらに、キーボード上部に搭載したホルダーにスマートフォンを立たせることで、ノートパソコンのようなスタイルで作業できます。ホルダーの長さは175.7mmで、縦幅163mmの「iPhone 16 Pro Max」を格納できるほどです。固定された画面を見ながらキーボードを操作できるため、スマートフォンアプリを活用したレポート作成やデータ入力も快適に行えます。
色分けされた「Easy-Switch」ボタン。2台のデバイスを素早く切り替えられます
キーボード上部には、スマートフォンを格納できるホルダーを搭載しています
「K580」は、ロジクールのキーボードやマウスを統括して管理できる専用アプリ「Logi Options+」を使って、ファンクションキー(一部を除く)のカスタマイズが可能です。たとえば、「タスクビューを開く」といったOS標準の操作コマンドの呼び出しや、ロジクールが開発したAIプロンプト作成支援ツール「Logi AI Prompt Builder」によるChatGPT連携ウィンドウの起動もボタンひとつで行えます。自分好みにカスタマイズすることで、作業環境がより快適になることでしょう。
設定変更に対応するのは、ファンクションキーの一部のみ
「K580」は薄型ながら、着実に入力できる打鍵感があり、文字入力やデータ入力をする機会が多い人にとって頼れる1台になりそうです。さらに、「Easy-Switch」ボタンによるデバイスの切り替え、スマートフォンを格納できるホルダーの装備など、外部デバイスとの連携がスムーズな点も魅力。価格.com最安価格は7,821円(2025年8月29日時点)で、ワイヤレスキーボードとして決して安い買い物ではないものの、快適な打鍵感や機能性といった要素を総合すれば、コスパの高い1台と言えるでしょう。