賛否両論!? 2015夏スマホの本命モデル

ソニー「Xperia Z4」 ― バッテリーの持続性や発熱を中心にチェック ―

このエントリーをはてなブックマークに追加

Androidスマートフォンの人気ブランド「Xperia」シリーズの新しいフラッグシップモデル「Xperia Z4」が2015年6月10日より発売されている。ただし、NTTドコモ版の「SO-03G」の価格.comユーザーレビューを見ると、バッテリーの持続性能や発熱を中心に評価が分かれており、2015年6月22日14時時点での結果では、「満足度」が3.80(カテゴリー平均は4.16)、「バッテリー」が3.03(カテゴリー平均は3.55)とやや苦戦しているところがある。今回、ユーザーレビューやクチコミ掲示板で取り上げられている、Xperia Z4の気になる点を中心に検証してみた。

「シリーズの完成形」を目指したというXperia Z4。デザインは従来から大きく変わっていないが、約10gの軽量化を実現している

○(いいところ)
コンセプトを維持しながら、ボディの軽量化を達成

・従来モデルからボディが10g軽くなった
・「ヘッドホン自動最適化」は低価格ヘッドホン・イヤホンで特に有効

Xperia Z4は、Xperiaブランドのフラッグシップモデルとなる「Xperia Z」シリーズの最新モデル。初代モデルから数えて5世代目となる製品で、オクタコアCPU「Snapdragon 810 MSM8994」(以下、Snapdragon 810)や、3GBのRAMを搭載するハイスペックマシンだ。OSはAndroid 5.0。ハードウェアのスペックが高いだけでなく、フルセグチューナーやハイレゾ音源対応など、エンターテインメント関連の機能性も申し分ない。

デザインは、従来モデルの「Xperia Z3」のイメージが継承されていて、表面と側面にガラスを使用し、メタルフレームを組み合わせたデザインコンセプト「オムニバランスデザイン」に変更はない。ボディサイズは約72(幅)×146(高さ)×6.9(厚さ)mmで、重量は約144gと、Xperia Z3と比較すると、幅と高さは約1mm、厚さは0.5mm小さくなり、重量も約10gの軽量化を実現している。特に、10gの軽量化は効果が高く、手にしてみると、数値以上に従来よりもボディが軽く感じる。

加えて、防水・防塵性能を継承しつつ、キャップレス化されたmicroUSBポートやエッジ部分のキズを目立ちにくくする改良が加えられているのもポイント。従来の細かなネガティブ要素を徹底的に排除しており、ボディの完成度はきわめて高い。

処理性能も良好だ。最近のスマートフォンは体感速度では大きな差が感じられないが、Snapdragon 810とAndroid 5.0の組み合わせは、あらゆる動作を今まで以上にスムーズにこなすだけのキャパシティがある。

なお、ソニーは、このXperia Z4を「シリーズの完成形」と位置づけており、「Xperia Z」から続く製品コンセプトが、次世代モデルで大きく変更される可能性が示唆されている。

ディスプレイは約5.2インチの「トリルミナス・ディスプレイ for mobile」。画面解像度はフルHDで従来から変更はないが、最大輝度が少し上がっている。輝度の調節幅も広く使いやすい

microUSBポートがついにキャップレス化された。キャップの破損を気にせずに、防水・防塵ボディを維持できる

microUSBポートがついにキャップレス化された。キャップの破損を気にせずに、防水・防塵ボディを維持できる

エッジ部分の樹脂製シールドの塗装方法を見直して、キズがついても色落ちしにくくなっている

エッジ部分の樹脂製シールドの塗装方法を見直して、キズがついても色落ちしにくくなっている

Android 5.0で採用されるユーザーインターフェイスのコンセプト「マテリアルデザイン」と、従来のXperiaの操作性が融合された、新しい画面デザイン。アプリを追加しても、デザインの統一感を保ちやすくなった

Xperia Z4は、NTTドコモ、au、ソフトバンクという主要3キャリアから登場している点も注目に値する。いずれの製品も、ハードウェアは基本的に共通で、デザインもロゴが異なる程度。大きな違いは、通信キャリア各社のサービスに由来するアプリの構成だ。ただ、対応する電波の周波数帯がそれぞれのキャリア向けに最適化されているため、SIMロックを解除して他社のSIMカードを使っても、通信速度やエリアは同じにはならない。

さらに、本機のAV機能の高さは、Xperiaシリーズならではの部分だ。音質面では、ハイレゾ音源の再生に対応することに加えて、ヘッドホン・イヤホンの種類と周波数特性を認識して、音質を最適化する「ヘッドホン自動最適化」という機能が搭載されている。ワイヤレスタイプを除く、すべてのヘッドホン・イヤホンで利用可能という点が特徴である。

この機能では、最初に接続したヘッドホン・イヤホンの解析が行われる。解析には、大体3分前後の時間は見ておきたい。その効果だが、音の輪郭を整えてクリアで聴きやすい音にしてくれる。さすがに、解像度が上昇するといったハードウェアの限界を超えるような音質向上は難しいが、知識不要で手持ちのヘッドホン・イヤホンの性能を最大限に引き出してくれるので、万人向きの親切な機能といえる。

また、この機能では、音質チューニングに制限のある低価格なヘッドホン・イヤホンのほうが、効果がわかりやすい。逆に、十分にチューニングが煮詰められた高価なヘッドホン・イヤホンで試してみたところ、チューニングが過多になるためだろうか、少し帯域バランスが崩れているように感じることもあった。

ボディ上面に備わるヘッドホン端子。普通のヘッドホン端子だが、ハイレゾ音源対応やノイズキャンセル対応など、なかなかの多機能ぶりだ

ヘッドホン・イヤホンの種類や周波数特性を解析して、自動でチューニングする機能を搭載。一度使用したセッティングは記憶される

音楽再生アプリの名前が「Walkmanアプリ」から「ミュージック」に変更され、画面レイアウトも刷新されている

×(気になるところ)
発熱の高さ&バッテリーの持続性に注意

・バッテリーの持続性が低下している
・全体的に発熱が高い

価格.comユーザーレビューでのXperia Z4の評価を見ると、バッテリーの持続性能を積極的に評価する声は、お世辞にも多いとはいえない。なかには、「Xperia Zくらい」「2年使ったXperia Aくらい」といった意見があり、全体的な傾向として、バッテリーに対する満足度はあまり高くないようだ。

本機が備えるバッテリーは2930mAhで、Xperia Z3の3100mAhよりも少ない。NTTドコモ版のXperia Z3とXperiaZ4を比べてみると連続待受時間が約750時間から約470時間へ(いずれもLTEの静止時の値)、連続通話時間は約810分から変わってないものの(いずれも3Gの値)、実際の利用スタイルに近い条件で測定したNTTドコモの独自指標「実使用時間」で見ると、約 81時間から約 67.8時間へと減少している。

実際に、バッテリーの持続性能を検証したが、普段と同じような利用で(1日にWeb閲覧:2時間程度、ストリーミングを使った音楽再生:1時間、ソーシャルメディアを使ったメッセージのやり取り:随時)、1日半〜2日弱程度バッテリーが持続した。Xperia Z3と比較すると、やはり、半日から1日分はバッテリーの持続性が低下しているように思う。

また、バッテリーの消費で気になったのが、待ち受け状態でも1時間に0.8〜0.3パーセント程度の幅でバッテリー残量が減っていく点だろう。最近のスマートフォンは、待ち受け状態のバッテリー消費がかなり抑えられているが、その感覚で本機を見ると、待ち受け状態でもバッテリーを消費する印象を受ける。

バッテリーとともにユーザーの指摘が多いのが発熱だ。CPU温度をモニタリングしてみると、Webコンテンツや音楽再生を行っていると35〜40度あたりになった。アプリのダウンロードを行うなど、通信時間が長く続く場合は、43度くらいまで瞬間的に温度が上がることもあった。最新のスマートフォンとしては全般的に発熱が高めだ。この点においても、傾向としては初期のクアッドコアCPU搭載のスマートフォンと似ているところがある。

バッテリー管理アプリ「Battery Monitor Widget」でテスト。筆者の使用パターンを踏まえたうえで、ほぼフル充電時(99%)の総合予測は18時間11分となった。筆者がまとめていたデータと比較すると、バッテリー容量こそ違うものの、2年ほど前に登場した初期のクアッドコアCPU搭載のスマートフォンに近い値だった

CPU温度の3日間の移り変わりを示した画面。利用開始時に行われたアプリのアップデートにおいて通信が長く続いたときに、最高温度となる43.5度を記録。その後の使用時のCPU温度は、およそ35〜40度の範囲となった。全般的にCPU温度は高めだ

価格.comユーザーレビューやクチコミ掲示板に寄せられるXperia Z4ユーザーの声からは、発熱が原因でカメラアプリが強制終了するという現象を見かける。今回検証で使った個体でも、カメラを比較的長時間起動していると強制終了することがあった。特に、しばらくスマートフォンを使ってCPUが熱を持っている状態で、カメラを起動した場合に、その症状が出やすかった。本機の熱源はカメラ近くに集中しており、カメラモジュールが、CPUの発する熱の干渉を受けやすいようだ。カメラ機能の高さ(アウトカメラに有効約2070万画素の裏面照射積層型CMOSセンサーを、インカメラに有効約510万画素の裏面照射型CMOSセンサーを採用)は本機の特徴のひとつなので、発熱によって使用が制限されることがあるのは残念である。

メインカメラに有効約2070万画素の裏面照射積層型CMOSセンサーを採用。レンズは、25mmの広い画角を持つGレンズだ。ハードウェア的には従来から変更はない。いっぽう、サブカメラは約510万画素に画素数がアップしている

カメラアプリを比較的長く起動し続けると、上記のような警告が現れて、カメラアプリが強制終了する場合があった

まとめ
洗練されたボディや機能性は魅力。バッテリーの持続性は今夏のハイエンドモデル共通の課題

Xperia Z4は、ソニーが「シリーズの完成形」と言うとおり、ボディはとても洗練されている。特に、初代Xperia Zでは、お世辞にも持ちやすいとはいえなかったボディが、ここまで持ちやすくなったことは評価すべきだろう。

いっぽう、話題になることの多いバッテリーの持続性とボディの発熱については、確かに、従来機種と比べるとバッテリー性能は落ちるし、発熱も気になるところがある。ただ、同じような現象は、他モデルでも出ており、その原因として、最新のオクタコアCPUであるSnapdragon 810によるところが指摘されている。国内で正規発売されるスマートフォンの中でもSnapdragon 810を搭載するものは、「AQUOS ZETA」、「AQUOS SERIE」、「ARROWS NX」、「HTC J butterfly」の最新モデルなどがあるが、その多くが従来モデルよりもバッテリーの持続性や発熱に少なからず問題を抱えている。

とはいえ、Androidスマートフォンの中でも、Xperia Zシリーズは完成度の高さが魅力で、ユーザーからの期待値もかなり高い。今夏のハイエンドスマートフォンに共通する問題ではあるが、従来モデルからバッテリーの持続性が落ちたことに対して、厳しい意見が出ているのもいたし方ないところだ。可能であれば、今後のシステムアップデートによる改善に期待したいところである。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

紹介した製品の最新価格・クチコミをチェックする
このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事
レビュー最新記事
レビュー記事一覧
2017.6.24 更新
ページトップへ戻る