シャープは2015年10月6日、ヒューマノイドロボット型の携帯電話「RoBoHoN(ロボホン)」を2016年前半に発売すると発表した。身長約20cmの小型ロボットで、ロボットクリエイターの高橋智隆氏が率いる株式会社ロボ・ガレージと、シャープが共同開発した。価格は未定。
RoBoHoN
RoBoHoNは、ロボ・ガレージのロボット技術と、シャープの携帯電話とAI技術が融合した携帯情報通信端末。シャープいわく、モバイル型のロボット電話とのことで、RoBoHoNとは、RobotのRoboと、Phoneのhonからつくった造語だ。RoBoHoNには、シャープのAIインターフェイス「ココロエンジン」で培った、音声対話、センシング、人工知能、嗜好理解が詰め込まれており、話しかけることでユーザーの嗜好を理解していくという。
シャープによれば、人に寄り添う「ココロプロジェクト」の象徴的な存在とのこと。ロボットクリエイターの高橋氏によれば、「ヒト型にすることで動物や植物と同じように話かけやすくなる。スマホのようにシカクイ物体だと声をかけにくいが、これだとそういう印象を持つこともなくなる」と説明した。
「使う人の気持ち」にこたえる新しい電話のカタチがロボホンだ
姿型はロボットだが、モバイル通信(LTE/3G)に対応し、音声通話やメールの送受信が可能。また、800万画素のカメラを搭載し、写真やHDムービーが撮影できる。撮ったデータをその場で投影できる、新開発のフォーカスフリーの小型プロジェクター(解像度は1280×720ドット)も内蔵した。プロジェクターでは、地図も表示できるという。
操作方法は簡単で、ロボホンに話かけるだけ。たとえば、ロボホンに「写真撮って」とお願いすると、「OK」と声を返し、カウントダウンもしてくれる。また、メールの受信時には、内容を読み上げてくれる。このほか、背中には約2インチのタッチディスプレイ(QVGA)も搭載。そこからスマートフォン感覚で操作できるのもポイントだ。
本体は持ち運びできる大きさになっており、高さは約19.5cmで重量は約390g。二足歩行が可能なヒト型ロボットとしては小さめだが、薄型軽量が好まれる携帯電話としては大きめだ。とはいえ、多少はみ出すが、胸ポケットにも入る本体サイズを実現しているなど、必要なところはしっかりおさえている印象はある。
ロボットとしての機能は、身振り手振りを交えた愛らしい動きが特徴的。そのバリエーションも一通り揃っており、座った状態から起き上がったりできるほか、歩いたり、踊ったりすることもできる。間接を動かせる数は13だが、動きは想像以上にスムーズだ。また、簡単に壊れそうな感じもしない。
ポケットに入れて持ち運ぶこともできるロボホン。上半身はほぼはみ出す
このほか、アプリにも対応。具体的なものは明かされてないが、ロボホンのパートナー企業の中には、コンテンツ&サービスとして、るるぶDATA、KADOKAWA、タカラトミー、twitter、music.jpなどの名前が挙がっている。
仕様については、通信方式が3G/LTE、無線LANは802.11b/g/n(nは2.4GHz帯のみ対応)。CPUはMSM 8926 1.2GHz(4コア)。ちなみに、ウェブブラウジングはできないとのこと。