レビュー
「iPhone 6s Plus」で撮影した4K動画を「iMovie」で編集

「21.5インチ iMac Retina 4K ディスプレイモデル」で4K動画は快適に編集できるのか?

新しい「iMac」が登場した。注目すべきは、21.5型モデルに4Kディスプレイを搭載した「21.5インチiMac Retina 4Kディスプレイモデル」(以下、iMac 4Kモデル)が追加されたこと。これにより、「MacBook Air」以外のMacで、Retinaディスプレイモデルが選べるようになった(「Mac Pro」と「Mac mini」はディスプレイが別売りなので除く)。4Kといえば、最新の「iPhone 6s/6s Plus」で4K動画を撮影できるようになったので、iMac 4Kモデルで、どれだけ快適に4K動画を編集できるのかを試してみた。

21.5インチiMac Retina 4Kディスプレイモデル

21.5インチiMac Retina 4Kディスプレイモデル

色域が広い4096×2304の4Kディスプレイを搭載

まずは、一番大きな強化点であるディスプレイをチェックしていきたい。画面の解像度は4096×2304で、ドット感がなく精細な表示だ。dpiは27型の5Kモデルと統一されている。標準では、2048×1152の疑似解像度に設定されているため、表示が細かすぎることはない。高解像度なディスプレイは、作業スペースが広く、複数のソフトを開いて作業しやすいのが特徴だが、さすがに4096×2304で使うと、文字やアイコンが小さすぎるので実用的ではない。広いスペースで作業したい人は、「スペースを拡大」を選ぶといいだろう。

Retina 4Kディスプレイは、一般的なsRGBディスプレイよりも色域が25%広いのも特徴だ。デジタルシネマ向けの色域である「DCI-P3」(P3)がベースで、特に赤と緑の色再現性が高い。さらに、バックライトを白色LEDから、赤色・緑色蛍光体のLEDに変更することで、色のバランスと正確さも高まっている。実際のところは、見比べないと違いはわからないレベルだが、画面の美しさに文句をつける人はいないだろう。高解像度化によって心配される、画面の明るさも心配ない。最高輝度にするとまぶしいくらいだ。

4096×2304の4Kディスプレイを搭載。sRGBディスプレイよりも色域が25%広く、赤や緑の色再現性が高いのも特徴だ

4096×2304での表示。表示が細かくなり、実用的ではない

4096×2304での表示。表示が細かくなり、実用的ではない

4Kならではの精細感。近寄ってもザラザラしたドット感は見られなかった。パッと見で4Kだと気づく人はいないだろうが、iMac 4Kモデルを使ってから、毎日利用している24型のフルHDディスプレイに戻ると、ドット感が気になる

洗練されたデザインは従来モデルから変更なし。4Kディスプレイを搭載しても、ディスプレイのエッジは5mmのままだ。搭載する外部インターフェイスの種類や数も変わっていない

「iMovie」を使えば4K動画を快適に編集できる

本題の4K動画の編集を見ていこう。新しいiMacと同じタイミングで、動画編集アプリ「iMovie」が4Kに対応し、iPhone 6s/6s Plusなどで撮影した4K動画の取り込みや4Kでの書き出しが可能となった。今回はiPhone 6s Plusで撮影した4K動画を編集したが、編集作業は実に快適にこなせた。プレビューはときどきカクカクするが、ストレスになるほどではない。負荷の大きいピクチャーインピクチャーやサイドバイサイドなどのエフェクトをかけてもスムーズに動作した。2分6秒の4K動画のエンコードにかかった時間は5分20秒。品質を「最高」、圧縮を「品質優先」にした状態だったので、品質などを下げればもと短時間で処理できたはずだ。

今回、使用したモデルは標準モデルで、CPUは「Core i5-5675R」(3.1GHz-最大3.6GHz)、メモリーは8GB(1867MHz LPDDR3)、ストレージには1TBのHDD(5400rpm)を搭載する。27型の5Kモデルはインテルの最新CPUである「第6世代Coreプロセッサー」を採用しているが、21.5型モデルは一世代前のCPUを採用している。それでも4K動画をスムーズに編集できるだけのパワーは備えていると言える。スペック面の注意点は、購入後にメモリーを増設できないこと。標準では8GBで、趣味やプライベートで使うには十分だが、クリエイティブ用途などヘビーに使いたい人は、オプションの16GBを選ぶべきだ。

4K動画はデータ容量が多いので、ストレージに余裕がないと扱いに困る。今回、iMovieで30分の4K動画を作成したところ、ファイルサイズは125GBにもなってしまった。iMac 4Kモデルで4K動画を快適に編集できるのは、高解像度な大画面ディスプレイを搭載するのに加え、ストレージ容量に余裕があることも大きい。4K動画を存分に楽しみたい人は、オプションで大容量かつ高速な2TBのFusion Driveを選んだほうがいいだろう。

iMovieで4K動画を編集してみた。デスクトップが広いと、やはり編集作業がしやすい。ときどきカクカクするが、ストレスになるほどではなく、快適に作業できた。エンコード中にほかの作業をすると、動作が遅くなるので、エンコードは就寝中などに行うといいだろう

4KはフルHDの4倍もファイルサイズが大きい。4K動画を存分に楽しみたいなら、2TBのFusion Drive(オプション)を選ぶとよさそうだ

ベンチマークアプリ「GeekBench 3」のスコア。デスクトップPCならではの高いスコアだ。ちなみに、「Core i5-4258U」を搭載する「MacBook Pro 13インチモデル」(Late2013)のスコアはシングルコアが「2942」、マルチコアが「6292」だった

充電式になったキーボードとマウス

周辺機器のキーボードは、「Apple Wireless Keyboard」から「Magic Keyboard」へ、マウスは「Magic Mouse」から「Magic Mouse 2」へ一新された。どちらも充電式となり、電池が不要になったのが大きな変更点だ。付属する「Lightning-USBケーブル」を使って、iMacなどに接続して充電する。どちらも2時間の充電で1か月使えるが、Magic Mouse 2は充電用のLightningポートが背面にあり、充電しながらの利用はできない。それでも、2分間の充電で9時間使えるので、実用上は問題になることはなさそうだ。

Magic Keyboardは、Fnキーが大きくなり、カーソルキーのレイアウトが12インチの「MacBook」と同じとなった。新しいシザー構造を採用することで、キーの安定性が33%向上しているという。実際は、キーのグラつきがなく、安定してタイピングできる。Apple Wireless Keyboardは、電池を入れるためのスペースを確保するために底面に隙間があったが、Magic Keyboardは、1枚の板になったことで、たわみがなくなったことも大きい。Magic Mouse 2は、少し軽くなっており、より少ない力で動かせるようになった。

オプションで選べる「Magic Trackpad」は、「Magic Trackpad 2」に進化。表面が29%広くなり、新しいMacBookと同じ感圧センサーを搭載した。対応アプリは少ないが、トラックパッドを押してから指先で圧力を加えると、いろいろな操作ができる「強めのクリック」をサポートする。アップルストアでの価格は14,800円(税別)。MacBook感覚で操作したい人は、Magic Trackpad 2を選ぶといいだろう。

Fnキーが大きくなったMagic Keyboard

Fnキーが大きくなったMagic Keyboard

1枚の板になったことで、たわみにくくなった

1枚の板になったことで、たわみにくくなった

見た目は変わっていないMagic Mouse 2。少しだけ軽くなり、少ない力で動かせるようになった

見た目は変わっていないMagic Mouse 2。少しだけ軽くなり、少ない力で動かせるようになった

充電中はこのように底面にケーブルを接続するため、充電しながら使えない。それでも2分間の充電で9時間使えるので、不便に感じることはなさそうだ

オプションのMagic Trackpad 2

オプションのMagic Trackpad 2

新しいMacBookなどと同じ感圧センサーを搭載。電源を入れないとタダの板で押しこむこともできないが、電源を入れるとクリックした感覚が指に伝わる

iMacとはBluetoothで接続する仕組みだが、ペアリングはLightning-USBケーブルで接続するだけ

iMacとはBluetoothで接続する仕組みだが、ペアリングはLightning-USBケーブルで接続するだけ

まとめ

洗練されたデザイン、鮮やかで高精細な4Kディスプレイ、4K動画を軽快に編集できるスペックとアプリケーション。21.5インチiMac Retina 4Kディスプレイモデルは、自宅で使うデスクトップPCとしては非常に完成度が高い。4K動画の編集に挑戦してみたい人にも向いている。また、MacBook Proなどで、動画を編集している人で、もっと広い画面で作業したいと思っている人も検討してみる価値はある。

価格.com最安価格は170,690円(2015年10月30日時点)。安くはないが、表示品質の高い4Kディスプレイと高性能なデスクトップPCの組み合わせと考えると、価格は妥当なのではないだろうか。迷うとすれば、27型モデルとどちらにするかだろう。一番安価な27型モデルの価格.com最安価格は209,227円(同)で、価格差は4万円ほど。設置スペースに余裕があるなら、27型モデルを選んだほうがよさそうだが、コンパクトな21.5型モデルのほうがちょうどいいという人も少なくないだろう。

三浦善弘(編集部)

三浦善弘(編集部)

パソコン関連を担当する双子の兄。守備範囲の広さ(浅いけど)が長所。最近、鉄道の魅力にハマりつつあります。

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