トリニティは2015年11月30日、基本ソフト(OS)に「Windows 10 Mobile」を搭載したSIMフリースマートフォン(スマホ)「NuAns NEO(ニュアンス ネオ)」を2016年1月下旬に発売すると発表した。カバーを付け替えることで、72通りものカスタマイズを楽しめるのが特徴。直販価格は39,800円(税別)。30日からWebサイト(neo.nuans.jp)で先行予約を開始する。ロフトや三越伊勢丹などで販売するほか、U-NEXTがSIMカードとセットにしたモデルを販売する。
5型液晶ディスプレイを搭載するNuAns NEO
トリニティは、スマホ用のケースや保護フィルムなどを手がけるアクセサリーメーカーで、スマホを開発・販売するのは今回が初めて。ケースを開発してきた同社のスマホだけに、外装にはユニークな工夫が盛り込まれている。「COREコンセプト」と呼ばれるもので、スマホの機能を集約した核となるハードウェアと、好みに応じた外装(カバー)を組み合わせられるというものだ。カバーは、上下で色や素材を組み合わせられる「TWOTONE」(上8種類、下8種類、計64パターン)と、手帳のようなスタイルの「FLIP」(8種類)の2つを用意。TWOTONEは、天然木材や人工皮革を用いて、日本の協力工場で生産する。価格は1,400〜1,600円(税別、素材によって異なる)。FLIPは、クレジットカードなどが入るポケットを2つ備え、スタンドとしても利用できる。価格は2,750円〜3,680円(税別、素材によって異なる)。
どちらのカバーも、同社のスマホ用ケースと同じく、内部にSuicaやPASMOなどのICカードを内部に収められる仕組みも盛り込んでいる。スマホ用ケースを手がける同社ならではのアイデアだ。さらに、カバーの3Dデータも公開する。3Dプリンターで出力すれば、オリジナルカバーを作成できるという。
別売りのTWOTONE(上8種類、下8種類、計64パターン)と、FLIP(8種類)
スマホの機能を集約した核となるハードウェア。くぼみにはICカードを入れられる
TWOTONEは、上と下を自由に組み合わせられる
FLIPはスタンドとしても利用できる
本体サイズは約74.2(幅)×714(高さ)×11.3(厚さ)o、重量は約150g。薄さを売りするスマホが多いなかで、あえて薄さを追求しないことで、すぐれたホールド感を実現。また、3350mAhの大容量バッテリーを搭載するスペースを確保するのにもつながっている。バッテリー駆動時間は、待ち受け時間が400時間、連続通話時間が16時間。
ディスプレイは5型(720×1280)、CPUは1.5GHzで駆動するオクタコアの「Snapdragon 617(MSM8952)」、メモリーは2GB、ストレージは16GB。スペックはミドルクラスだ。スマホをPC化するWindows 10 Mobileの目玉機能である「Continuum」にも対応する。対応バンドはLTEが1/3/8/19/28(カテゴリー4、下り最大150Mbps)。無線LANはIEEE802.11a/b/g/n/acをサポート。NFC(Type A/B/FeliCa)も搭載する。外部インターフェイスには、リバーシブルのUSB Type-Cを採用。クアルコムの「Quick Charge 2.0」に対応しており、高速充電をサポート。USB On The Goにも対応する。
カメラは、メインカメラがF2.0の1300万画素、インカメラがF2.4の500万画素。デュアルマイクやノイズキャンセル機能なども備える。
薄さにこだわらず、一定の厚みを持たせることで持ちやすさに配慮した
Continuumに対応
外部インターフェイスは底面に一列に配置
アクセサリーメーカーであるトリニティがなぜスマホを販売するのだろうか。同社の星川哲視社長は、「日本ではスマホの半分がiPhoneと言われている。それ以外を探そうとすると、いわゆる“格安スマホ”かキャリアに縛られた高級機の2択になる。NuAnsというブランドが、そうではない新しい価値を提供できるのではないかと考えたのが出発点」と語った。また、Windows 10 Mobileを採用した理由については、「アップルやグーグルのプラットフォームと比較して、シームレスなワークスタイルを実現している。マイクロソフトが長年取り組み続けた強固なセキュリティもある」と述べた。
トリニティの星川社長(左)と日本マイクロソフトの高橋美波氏
パッケージは貯金箱として使えるシカケがほどこされている。写真はTWOTONEのパッケージ