VAIOは2015年12月9日、SIMフリーのノートパソコン「VAIO S 11」を12月18日に発売すると発表した。LTEのバンド1/3/19/21に対応しており、MVNOが提供する格安SIMカードと組み合わせて利用できる。NTTコミュニケーションズと協力し、パソコンに最適化した独自の接続サービスも合わせて提供する。市場想定価格は、スペックを選んで購入できるカスタマイズモデルが114,800円(税別)から。店頭販売モデルは149,800円(税別)から。
VAIO S 11
VAIOはソニー時代から、無線WANを搭載したモデルをラインアップしてきたが、料金が高かったり、通信速度が遅かったり、どこか我慢して使わなければならず、パソコン上級者にしか使いこなせなかった。今回は、MVNOの格安SIMカードの普及や、通信速度の向上にともない、SIMフリーという形で常時インターネットに接続できるVAIO S 11を商品化した。LTEは、多くのMVNOが採用するNTTドコモの4バンドに対応。通信速度は下り最大150Mbps、上り最大50Mbps。筐体に樹脂材料を使うなど、受信感度の最適化も図っている。スマートフォンでテザリングをした場合よりも、大型で高性能なアンテナを搭載しているVAIO S 11のほうが接続は安定しているという。
また、NTTコミュニケーションズと協力し、パソコンのデータ通信に最適化した接続サービス「VAIOオリジナルLTEデータ通信SIM」を用意。通信速度の上限が200kbpsで使い放題の基本速度モードと、必要なときに下り最大150Mbpsの高速通信を利用できる高速通信モードを組み合わせたものだ。高速通信モードで利用できる容量は、「手間なし1年間プラン」が32GB、「手間なし2年間プラン」が64GB、「手間なし3年間プラン」が128GB。月々の上限や期限切れがないのがポイントで、専用ユーティリティから必要なときに切り替えて利用できる。年単位のプリペイド方式なので、月々の支払や更新が不要なのも特徴だ。
VAIOオリジナルLTEデータ通信SIMの価格は、1年間プランが13,800円(VAIO S 11同時購入時が11,800円)、2年間プランが22,800円(同20,800円)、3年間プランが32,800円(同29,800円)。価格はいずれも税別。ランニングコストを考えると、従来の無線WAN搭載パソコンよりも、ずいぶん安く利用できると言える。
背面にSIMカードスロットを搭載。カードはmicroSIMをサポート
高速通信モードのオン・オフに利用する専用ユーティリティ
ディスプレイは11.6型(1920×1080)で、タッチ操作はサポートない。本体サイズは284.0(幅)×190.4(奥行)×16.4〜19.1(高さ)o、重量は約920〜940g(構成による)。バッテリー駆動時間は最大約15時間で、LTE使用時でも最大約8時間の使用が可能。
筐体は、ガラス繊維入り強化樹脂を使用。カラーはホワイト、ブラック、シルバーの3色をラインアップする。使い勝手の面では、静音キーボードとWindows 10の各種ジェスチャー操作に対応するタッチパッドを搭載。キーボードには、新開発したフッ素含有UV硬化性塗装を使用することで、摩擦や皮脂油によるテカリを防げるという。
フッ素含有UV硬化性塗装を施したキーボード(左)。テカリや汚れを防げるという
外部インターフェイスには、VGA端子、有線LAN端子、フルサイズのSDメモリーカードスロットを搭載。液晶を開くと本体が浮き上がるチルトアップ構造を採用しているため、厚みのあるVGA端子が机に干渉することはない。ケーブル1本でディスプレイやストレージと接続できるThunderbolt 3対応のUSB Type-Cも備える。
店頭販売モデルの主な仕様は、CPUが「Core i5 6200U」(2.30GHz-最大2.80GHz)、メモリーが4GB、ストレージが128GBのSSD。OSは「Windows 10 Home 64ビット」で「Office Home and Business Premium」が付属する。店頭販売モデルはLTEの有無が選択可能。カスタマイズモデルでは、より高性能な「Core i7 6500U」(2.50GHz-最大3.10GHz)や512GBの高速なSSDが選べる。
VGA端子や有線LAN端子といった、まだまだ利用する機会の多い外部インターフェイスを搭載。最大転送速度が10GbpsのUSB Type-Cも備える
カラーはブラック、ホワイト、シルバーの3色
スケルトンモデル。排熱量の多い大型ファンを採用することで、長時間使用しても安定したパフォーマンスを発揮できる。加圧振動試験やペンはさみ試験などもクリアしている