レビュー
「Apple Pencil」の書き心地は最高! 純正キーボードは慣れが必要

プロじゃなくてもOK? 「iPad Pro」は普通の人にも使いこなせるのか

2015年11月に発売されたアップルのタブレット端末「iPad Pro」。iPadシリーズ最大の12.9型の大画面ディスプレイを搭載するのが特徴で、純正の専用ペンやキーボードなども用意する。これまでのiPadとは、ちょっと毛色が違うiPad Proを2週間ほど試用しているので、その使い勝手をレポートしたい。

iPad Pro Wi-Fiモデルの価格.com最安価格は、32GBモデルが94,947円、128GBモデルが115,500円(2015年12月14日時点)。SIMフリーのWi-Fi+Cellularモデルは139,104円(同)

ピンチアウトが不要なほど広大なディスプレイ

iPad Proを語るには、まずサイズについて言及しなければならないだろう。価格.comのクチコミやユーザーレビューでも語られているが、実物はかなり大きい。9.7型の「iPad Air」と比べると、倍近いサイズだ(下写真)。Wi-Fiモデルの重量は713gあり、長時間手に持って使うのはなかなか厳しい。iPad Airや「iPad mini」と同じ感覚で、手に持って使うのには向いておらず、据え置きで使うのが基本となりそうだ。ただ、重さと大きさに関しては、人によって感じ方が異なる。編集部の数人に試してもらったが、「大きすぎる」という人もいれば、「これくらいなら余裕で使えそう」という人もいた。クチコミでも意見は分かれている。サイズ感に関しては、アップルストアや店頭で試してみるのがいいだろう。

iPad Proが大きいのは、iPadシリーズで最大となる12.9型の大画面ディスプレイを搭載しているためだ。画面サイズは9.7型の「iPad Air 2」よりも78%も大きい。これだけ大きいと、電子書籍は読みやすく、動画は大迫力で楽しめる。ピンチアウトしなくても細部まで確認できるので、雑誌などをよく読む人にはありがたいだろう。写真を見るのにももちろん適している。また、縦向きでも横向きでもステレオで楽しめる4つのスピーカーを搭載しており、動画を視聴するのにもピッタリだ。コンテンツを楽しむためのタブレット端末としては、歴代iPadの中でもベストな1台ではないだろうか。

iPad Proのデザインは、ほかのiPadシリーズと同じだ。12.9型ディスプレイの解像度は2732×2048。表示品質はタブレット端末の中でもトップクラスだ

アルミニウム製のユニボディは、スリムだが、かなり頑丈な作りとなっている。カラーはシルバー、ゴールド、スペースグレイの3色

iPad Airとの比較。ディスプレイは78%も大きい

iPad Airとの比較。ディスプレイは78%も大きい

iPad Pro、Apple Pencil、Smart Keyboardを合計すると1kgを超えてしまう

iPad Pro、Apple Pencil、Smart Keyboardを合計すると1kgを超えてしまう

「Apple Pencil」の書き味はまさに紙と鉛筆

別売りの専用ペン「Apple Pencil」は、数が少ないようで、まだ購入できていない人も多いようだ。アップルのオンラインストアでは出荷予定日が4〜5週間となっており、現在も品薄の状態は解消されていない(2015年12月14日時点)。これまで他社からペンはいくつも発売されてきたが、アップル純正は今回が初めてだ。このペンの書き味は、紙と鉛筆のように、非常に書きやすい。特筆すべきは反応速度で、思った通りに線を描ける。仕事柄、取材や発表会でメモをとることが多いのだが、ほかのタブレットでは、素早く文字を描くと、文字が表示されるまでタイムラグがあって、イライラすることがある。それに対して、iPad ProとApple Pencilの組み合わせは、タイムラグがなく気持ちよく描けるのだ。小さな文字も描けるので、これなら取材用にも活用できそうだ。

ハードウエアはアップルらしくシンプルで上質な出来だ。一般的なボールペンよりも長く、人によっては重く感じたり、バランスが悪く感じたりするかもしれない。個人的にはもう少し短くてもよかったと感じた。充電は、iPad ProのLightningコネクターに挿し込んで行う。15秒充電すると30分間使えるので、長時間挿しておく必要はない。フル充電すれば12時間利用できる。iPad Proから大きく飛び出すので、充電しながら持ち歩くのはやめたほうがいいだろう。

ペン自体の完成度は高いが、本体にも専用キーボードにもペンを収納したり、固定したりできないのは不便だった。人によっては、ペンケースに入れて持ち歩くといいかもしれないが、なくさないように注意したい。また、価格が11,800円(アップルオンラインストアでの税別価格)もするのが気になるところだ。iPad Proの能力をフルに活用するには必須のアクセサリーだが、気軽に購入できる金額ではない。

Apple Pencilは、鉛筆のように斜めにすると太い線が描けるなど、細部まで作り込まれている。もちろん筆圧も検知して、強く描くと太い線が描ける。反応速度が速く、素早く文字を書いてもしっかり反応してくれるのが好印象だった

Lightningコネクターに挿し込んで充電する。挿し込んだまま持ち歩くと、てこの原理でコネクター部分が折れるので注意しよう

Apple Pencilに対応するアプリ。「App Store」にはiPad Pro向けのアプリをまとめたページがあるので、チェックしておきたい

「Smart Keyboard」があればノートパソコン代わりに使えるか?

もう1つの純正アクセサリーである「Smart Keyboard」は、おなじみの「Smart Cover」とキーボードを組み合わせた専用キーボードだ。一見すると簡易的なキーボードに見えるが、意外とクリック感があり、タイプしていて気持ちがいい。1枚のファブリック素材から作られており、水や汚れに強い仕上げが施されており、耐久性も高い。iPad Proとは「Smart Connector」で接続する仕様で、ペアリングなどの面倒な作業は不要だ。充電する手間もいらないなど、専用キーボードらしく完成度は高い。

ただし、キーレイアウトが英語で、英語と日本語の切り替えも地球儀マークで行わなければならないなど、パソコンのように使いこなすのには慣れが必要だ。走り書きのメモ程度であれば、Apple Pencilと「メモ」アプリの組み合わせのほうが実用的かもしれない。

Smart Keyboardは、見た目は簡易キーボードだが、しっかりした打鍵感があり、打ち心地は快適だ。キーレイアウトは英語で、英語と日本語の切り替えは右下の地球儀マークで行う

1枚のファブリック素材でスプリングのような張力を再現。Smart Keyboard自体の厚さは4mmだが、しっかりしたクリック感がある

モバイルノート並みの画面サイズと専用キーボードがあれば、ノートパソコン代わりに使えるかどうかが気になるところだ。iPad Proでは、2つのアプリを同時に起動して作業できる「Split View」などを活用すれば、Safariで調べ物をしながら、メールを描くといったことができる。動画を小画面で表示できるピクチャ・イン・ピクチャなども可能だ。処理性能についても文句なしだ。ただ、ノートパソコンに近い使い方は可能だが、大量のファイルを扱ったり、2つ以上のアプリを同時に起動して作業したりするのは難しい。

もちろん、いつでもすぐに使えるiOSならではのレスポンスの良さはノートパソコンよりもすぐれている。さらに、WindowsよりもOS Xよりもアプリが充実しており、ノートパソコン以上に使えるシーンが多い。

2つのアプリを同時に起動して作業できるSplit View。ソフトウェアキーボードを表示しても、これだけ作業スペースが確保できる

iPad ProはMac ProではなくMacBook Proのような存在

iPad Proを実際に使ってみるまでは、Macで言うところの「Mac Pro」のような存在だと思っていた。高価で特定の人にしか使いこなせない特別なモデルであり、普通の人には不要なアイテムということだ。しかし、2週間ほど使ってみたところ、Mac Proではなく、「MacBook Pro」のようなモデルであることがわかった。MacBook Proは、プロのクリエイターから高性能なパソコンを求める普通の人でも使える汎用性の高いモデルだ。「自分はプロのイラストレーターやクリエイターじゃないからiPad Proは不要」と最初から決めつけるのはもったいない。携帯性は多少犠牲になってはいるが、大画面のiPad Proは、Webページの閲覧や写真のチェック、動画やアプリなど日常的な作業も快適にこなせる。パワーが求められる作業にも応えられるiPad Proのポテンシャルは非常に高く感じた。

三浦善弘(編集部)

三浦善弘(編集部)

パソコン関連を担当する双子の兄。守備範囲の広さ(浅いけど)が長所。最近、鉄道の魅力にハマりつつあります。

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