ITライター川村和弘氏が、iPhoneで役立つアプリや便利な使い方をお届けするこの連載。第1回目は、年末年始のこの季節にピッタリの家族や友だちなどと出かける際に重宝する王道の「地図アプリ」「待ち合わせアプリ」をピックアップ。基本の使い方をおさらいしつつ“実はもっと便利”な機能を紹介!
iPhoneには、アップル純正アプリ「マップ」のほか、地図と言えばおなじみの「Google Maps」、最近機能充実の「Yahoo! 地図」がそろっているが、実はまだ使いこなしていない便利な機能がたくさんあるので、基本機能とあわせて解説したい。さらに、今回はこれらに加え、友だちと待ち合わせをする際に便利な待ち合わせ系アプリ「友だちを探す」や「LINE HERE」も紹介。これらのアプリを使いこなせば、どこで誰と待ち合わせしても、迷子になることも行き違いになることもないはず!
iPhoneに純正の地図アプリマップが登場した当初、地名表記などがおかしなことになっており、例えば駅名に「パチンコガンダム駅」という存在しない謎の表示があったりして話題になった。しかし、それは昔の話。いまは地名もキチンと正確に表示され、すごく便利なものになっている。地図の精度も機能も年々進化しており、3D表示やクルマや徒歩での移動のルート案内なども用意。しかも純正アプリならではの特長を生かし、ルート案内中はロック画面でも表示される。
現在地と、スタバ検索結果。マップはかなり使えるぞ。もちろん、現在地の地図が表示され、住所や店名での検索も可能(画像は「iOS 9」のマップ)
ルート検索も可能で、道のりはロック中の画面でも表示。iPhoneの画面表示をオフでもにしていても、曲がるポイントにくると自動的に表示され、音声とともに案内してくれる
3Dで地図を拡大させると、街並みが立体的に表示される。航空写真にすると本当に俯瞰して見ているよう
さらにこのアプリでは、主要都市部の航空写真の地図を立体的に見ることができるほか、世界中の観光名所をヘリコプターで遊覧するツアーのように楽しめる「Flyover Tourツアー」という機能も用意されている。見ているだけでも楽しいぞ!
Flyover ツアーを利用するには、まずは都市名で検索。「○○を3D Flyover表示」と表示されればツアーが可能。「出発」をタップして、遊覧を楽しもう
ちなみに日本は、現時点では「札幌、仙台、東京、静岡、名古屋、京都、大阪、岡山、広島、長崎」の10か所
スマホだけでなくPCでも多くの人が利用しているGoogle Mapsだが、iPhone用でもルート案内や路線図、交通状況など、基本的な機能が備わっており、おなじみのストリートビューも見られる。また、駅前ビルやデパートなどでは、各フロアの店舗配置地図まで確認できるようになっているぞ。さらに、スマホ向けに片手で操作できるように工夫されていて、地図をダブルタップしてから指を離さずに上下に移動させると拡大・縮小が可能。ちなみに2本指で回すと地図の回転で、2本指で上下にスライドさせると、「バードビュー」の角度調整も行える。
ほかにもPCのブラウザー版「Google マップ」との連携機能も用意されていて、PCで検索した位置情報を、登録してあるiPhoneやスマホ、iPadやタブレット端末に送ることができるぞ。
地図の定番アプリ。路線図や渋滞状況も把握でき、ルート案内も用意されているので、カーナビの代わりにも
片手でも地図の拡大縮小がスムーズ。駅ビルを拡大表示させれば、フロア内部もチェックできる
スマホでもストリートビューを使えば、目的地の様子を360度自在に動かして見られる。行く前にチェックできて便利
PCで目的地をチェックしておきその情報をスマホに送っておけば、そこに行く際に目的地を改めて検索する必要がないので便利
開発: Google, Inc.
現在の価格:無料
地図アプリの基本的機能の地名やルート検索はもちろんのこと、多彩な便利機能が追加され、もはや定番地図アプリとして欠かせない存在になっているのがYahoo! 地図だ。
検索機能では、住所や施設名で探せるほか、郵便番号や電話番号による検索にも対応し、飲食店や駅、コンビニなど、主な施設はアイコンをタップするだけでOK。そして、このアプリならではの特徴が、雨雲の様子を地図上に表示できることだ。今いる場所に、雨雲が何時間後にやってくるのかといった予想が確認できる。さらに、機能面でもバージョンアップで進化し続けており、最近では、東京23区など(今後拡大予定)ではあるがタクシーの配車も可能となっている。
ひととおりの地図機能はもちろんのこと、さまざまな機能が用意されているのをご存知だろうか?
電話や郵便番号での検索も可能。主な施設は、アイコンを選ぶだけで探せる
雨雲の動きがわかる「雨雲レーダー」。現在地周辺の雨雲を感知し、プッシュ通知で知らせてくれる機能も
「混雑レーダー」では、人々の混雑具合を地図上に表示。画面上部のスクロールバーで、過去3時間までの様子も見ることができる
開発: Yahoo Japan Corp.
現在の価格:無料
地図アプリには、「MapFan eye」のように映像上に道案内の矢印を表示してくれるものまである。しかも地図とリアル映像を2画面で表示して導いてくれるのだ。地図を見ても、まず、どちらの方に進めばよいのかわからないという方向音痴の方には重宝しそうだぞ。
今見ている景色に矢印が表示されるので、どちらに進むべきかひと目でわかる。さらに地図のどこを進んでいるのかも把握できるので道に迷うこともなくなりそう
開発: INCREMENT P CORPORATION
現在の価格:120円
年末年始はみんなで集まる機会が多いだろう。当然、どこかに待ち合わせすることになるが、遅れてくる人が出たりして、なかなかそろわないことも。そんな時に、純正チャットアプリ「メッセージ」や無料通話アプリ「LINE」を使って、位置情報を送りあっている方も多いと思うが、ところがこの場合、お互いが移動しているとリアルタイムで把握しにくい。
そこで便利なのが、アップル純正の友だちを探すやLINE HEREといった“リアルタイム位置情報共有サービス”アプリだ。iPhoneやスマホの位置情報を承諾した者同士だけで共有でき、地図上にみんなの居場所をリアルタイムにアイコン表示してくれるのだ。おかげでみんながいまどこにいるのか把握でき、それぞれが安心できる。居場所の情報共有も時間設定が可能なので、必要以上に居場所を知られる心配もない。遊園地や初詣など大勢の人で混雑している場所でもこれを使えば、お互いの位置を把握できるので、はぐれてしまっても安心。旅行などでそれぞれ別行動する際でも活用できるだろう。
友だちを探すではApple IDを利用するので、iPhoneユーザー同士じゃないと使えない
LINE HEREは、LINEユーザー同士はもちろん、Facebookユーザーであれば、使っている端末がiPhoneでもAndroidでも位置情報を共有可能。なお位置情報の共有は最大24時間までで、任意で一時的にオフにできる
開発: LINE Corporation
現在の価格:無料
今回、3つの定番地図アプリと、特殊地図アプリ、そして待ち合わせアプリを紹介したが、特に地図アプリは使うアプリを1つに絞るのではななく、用途や機能にあわせて使いわけるのがよい。たまにではあるが、住所検索をしたものの、間違った位置を表示されてしまうこともある。マンション名なども一緒に検索すると間違いも起きやすいので、その部分は削除して検索するように。もし地図の表示位置が間違っているかと思ったら、別の地図アプリで検索してみるといいだろう。
今回紹介したアプリを活用して、お出かけや待ち合わせに活用し快適な年末年始を過ごそう。もちろん一年中大いに役立つぞ!