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年末年始は定額制動画配信サービスを使い比べる絶好のチャンス!

待ちに待った冬休み。日ごろ、忙しくてなかなか見られない映画やドラマをたっぷり楽しもうと考えている人に注目してほしいのが、定額制の動画配信サービスだ。今年は、動画配信サービスの“黒船”、Netflixが日本でサービスを開始したほか、インターネット通販大手のアマゾンも参入。国内勢では、老舗の「dTV」(旧「dビデオ powered by BeeTV)」が4月に、「U-NEXT」が今年10に大幅リニューアルを実施するなど、定額制の動画配信サービスが盛り上がりを見せている。今回は、主要なサービスの特徴を紹介したい。なお、ほとんどのサービスは、無料のお試し期間を設けているので、年末年始にじっくりと使い比べてみるといいだろう。

無料お試し期間中に見たいコンテンツがあるかどうかをチェック!

定額制動画配信サービスとは、毎月決まった料金を支払えば、映画やドラマなどが見放題となるサービスだ。スマートフォンやタブレット、パソコン、対応テレビやゲーム機などがあれば利用できる。ストリーミング(逐次再生)型のサービスのため、インターネットへの接続が必須だが、なかにはダウンロードしてオフラインで視聴できるものもある。年末年始の旅行や帰省の移動中に楽しみたい人は、オフライン視聴に対応したサービスを選ぶといいだろう。

料金は月額500円から1,990円とサービスによって幅がある。視聴できる作品はサービスごとに異なるので、お試し期間中に好みのジャンルの有無や数をチェックしよう。今回は5つのサービスをパソコンのブラウザーとスマートフォンのアプリで試したが、使い勝手に大きな違いは見られなかった。どのサービスも幅広いユーザー層をターゲットにしているため、シンプルなユーザーインターフェイスで迷わずに使える。なお、配信中の作品は、ずっと見放題ではないので注意しよう。海外ドラマなどは期間限定で見放題になっていることがあるので、見逃してしまうこともある。見放題と言っても追加作品をこまめにチェックするようにしたい。

Netflix ハイクオリティなオリジナル作品は必見!

今年2015年9月に日本でサービスを開始したNetflix。圧倒的なコンテンツ数とハイクオリティなオリジナル作品を強みに、世界50か国以上で6500万人以上の会員を抱える、動画配信サービス界の巨人だ。サービスを開始したばかりの日本では、コンテンツ数に関してはこれからという印象だが、米国発のサービスだけに海外の映画やドラマは充実している。料金は画質と同時に視聴できるデバイスの数で3つのプランを用意。月額650円の「ベーシック」はSD画質で同時に視聴できるデバイスの数は1台。月額950円の「スタンダード」はHD画質で2台まで、月額1,450円の「プレミアム」はHD/UHD(4K)画質で4台まで。スマホでしか利用しないならベーシック、4Kテレビを持っているならプレミアムと、使い方に合わせて選べる。

Netflixといえば、Netflixでしか視聴できないハイクオリティなオリジナル作品だ。「ジェシカ・ジョーンズ」「デアデビル」「センス8」「マルコポーロ」などは、海外ドラマ好きなら必ずハマる作品が多数そろっている。日本でも海外と同様、オリジナル作品に注力しており、フジテレビと提携して「テラスハウス」の新作を制作したほか、桐谷美玲主演のオリジナルドラマ「アンダーウェア」も配信中だ。日本でも大ヒット作品が生まれれば、海外と同様、Netflixにどっぷりハマる人が増えるかもしれない。

テレビで視聴しやすいのもNetflixの強みだ。ソニー、パナソニック、シャープ、東芝など国内の主要テレビメーカーがNetflixボタン付きのテレビを販売している。もちろん、パソコンやスマートフォン・タブレットなどでも楽しめる。オフライン視聴には対応していない。

Hulu 海外ドラマ好き御用達! 日本テレビの人気番組も配信中

2011年に日本でサービスを開始したHulu。Huluといえば、サービス開始当初から、海外ドラマが充実しており、海外ドラマ好き御用達の定額制動画配信サービスとして着実にユーザー数を増やしてきた(2015年には加入者数が100万を突破)。現在も注目の海外ドラマをどこよりも早く配信するなど、海外ドラマに関しては強いこだわりが感じられる。

2014年には日本テレビの子会社となり、日本テレビ系列で放送された「笑ってはいけない」シリーズを12月2日より配信するなど、日本のコンテンツも充実してきている。日本テレビの子会社なので、日本テレビ系のドラマも豊富だ。テレビ番組と連動した映像を配信するなど、面白い試みにも挑戦している。音楽系のコンテンツが少ないので、そこは注意したい。

対応デバイスは、パソコン、スマートフォン・タブレット、テレビ、ゲーム機と豊富だ。発売開始時は非対応だったアップルの「Apple TV」(第4世代)にも12月に対応した。Netflixと同じく、オフライン視聴には対応しない。

プライム・ビデオ Amazonプライム会員向けだが、その内容は侮れない

アマゾンのプライム・ビデオは、「お急ぎ便」や「お届け日時指定便」、「会員先行タイムセール」などと同じ、Amazonプライム会員向けサービスの1つという位置付けだ。年額3,900円(税込)を支払っている会員であれば、追加料金なしで利用できる。オマケと思うかもしれないが、4Kに対応するなど、なかなか侮れないサービスとなっている。

見放題の作品数は約2000本(編集部調べ)。ほかのサービスに比べると物足りないが、レンタル・購入できる作品が5万本もある。Amazonオリジナル作品である「モーツァルト・イン・ザ・ジャングル」、子供向けの「タンブルリーフ」など、プライム・ビデオでしか楽しめない作品を用意するほか、日本でもAmazonオリジナル作品を制作する計画もある。日本のテレビドラマやバラエティもあるが、種類はdTVやU-NEXTには劣る印象だ。

海外勢のサービスとしては珍しく、オフライン視聴に対応しているのもポイント。「Kindle Fire」(2012年モデル以降)とiOSデバイスに限られるが、オフラインでも動画を楽しめる。アマゾンの「Fire TV」や「Fire TV Stick」を利用すれば、テレビでも視聴可能。Fire TVなら4Kコンテンツも楽しめる。4Kコンテンツの数は少ないが、Amazonプライム会員で、4Kテレビを持っている人ならFire TVを使わない手はない。

dTV 500円のワンコインで楽しめる見放題サービス

NTTドコモとエイベックス通信放送が運営するdTV。NTTドコモのサービスではあるが、ほかのキャリアのスマートフォンでも利用できる。月額料金は500円で、定額制動画配信サービスとしては安いのが魅力だ。キャリアのサービスだけに、スマートフォンとの相性がよく、オフライン視聴をサポート。見たい動画をあらかじめダウンロードしておけば、電波状況や通信制限を気にせずに視聴できる。

作品数は12万以上。「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN 反撃の狼煙」や「三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBE 独占ライブ映像」などのオリジナル作品のほか、BeeTVが昔から得意としてきた映画と連動したオリジナルドラマなどもある。2016年1月10日までの期間限定ではあるが、映画「スター・ウォーズ」の6作品(エピソード1〜6)が見放題なのも見逃せない。エイベックス通信放送のサービスだけに、ミュージックビデオやライブ映像など、音楽系のコンテンツも充実している。新作映画のレンタルや販売もある。

対応デバイスは、スマートフォン・タブレット、テレビ、パソコンなど幅広い機器で利用できる。最大5つのデバイスで使えるので、移動中はスマートフォン、自宅ではテレビ、書斎ではパソコンと、シーンに合わせてデバイスを使い分けられるのも特徴だ。非対応テレビでdTVを楽しむための端末「dTVターミナル」もラインアップする。

U-NEXT 新作映画も楽しめる! 雑誌の読み放題特典付き

今回取り上げるサービスの中では利用料金が一番高いU-NEXTだが、月額1,990円の中には新作のレンタルなどに利用できる1,000円分の「U-NEXTポイント」が含まれている。見放題にかかるのは実質990円で、HuluやNetflix(スタンダードHD)とほとんど変わらない。新作は540円、準新作は432円でレンタルして視聴できる。毎月1本ないしは2本の新作映画を楽しめる計算だ。定額制動画配信サービスで新作映画も楽しみたい欲張りな人に適したサービスと言える。

視聴できるタイトルは10万本以上(カラオケ含む)。毎月2000本以上が更新されるなど、充実したラインアップだ。映画や海外ドラマだけでなく、テレビ東京、TBS、日本テレビ、テレビ朝日、フジテレビのドラマやアニメがあったり、韓流・アジアドラマがあったり、バラエティに富んでいる。大人向けのコンテンツを楽しめるのもU-NEXTならではのポイントだ。動画だけでなく、60誌以上の雑誌が読み放題の特典がついているのも面白い。U-NEXTポイントを使えば、コミックや書籍も読める。

対応機器は、テレビ、ゲーム機、スマートフォン・タブレット、パソコン。スマートフォンなどで「U-NEXTモバイルアプリ」を使用すれば、オフラインでも視聴できる。また、子アカウントを無料で3つまで追加できる「ファミリーアカウントサービス」があり、家族で利用しやすいのも特徴だ。年齢制限のある作品を非表示にしたり、子アカウントに購入制限を設けたりすることもできる。同じ作品を同時に再生することはできないが、家族で楽しむための仕組みが充実しているのはうれしい。

三浦善弘(編集部)
Writer / Editor
三浦善弘(編集部)
出版社で月刊誌やWebメディアの編集・記者を経験し、2013年にカカクコム入社。「価格.comマガジン」にて、PCやスマートフォン分野を担当。取材歴は20年以上。現在は「価格.comマガジン」全体を統括する。
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