auは2016年1月12日、2016年春モデルとして、Androidスマートフォン2機種、同タブレット1機種、ガラホ1機種の合計4機種を発表した。同社は、2015年秋モデルおよび冬モデルをまとまった形で発表しておらず、久しぶりの新製品発表会となったが、どんな製品がラインアップされたのか、その概要をお届けしよう。
2015年春モデルとして登場した「AQUOS SERIE mini SHV31」(以下、SHV31)の後継機種。画面サイズが約4.5インチから約4.7インチにアップし、本体サイズと重量もわずかにアップしている。本体サイズは約66(幅)×126(高さ)×8.9(厚さ)mm、重量は約120g。SHV31と比較すると、幅が約3mm、高さが約2mm、重量が約2g増加し、約1mm薄型化している。
画面解像度はフルHDで、IGZO液晶という点は変わらないが、120Hzの倍速駆動に対応したハイスピードIGZOに変更されている。これによって、ゲームなどの操作性や地図やWebブラウザーなどの画面スクロールの追従性が向上している。
CPUには、ヘキサコアの「Snapdragon808 MSM8992(1.8GHz×2+1.4GHz×4)」を採用。3GBのRAM、16GBのROM、200GBまで動作確認の取れたmicroSDXCメモリーカードスロットを備える。プリインストールされるOSは「Android 5.1」だ。
基本スペックとしては、ROMが16GBとSHV31から変更がなく、やや少ないのが気になる。最近のスマートフォンではゲームアプリやマルチメディアデータ、撮影した写真や動画など、ストレージを消費するペースが以前よりも早まっているので、容量の大きなmicroSDメモリーカードを組み合わせたいところだ。
また、SHV31では、Android 5.X系へのバージョンアップが見送られた経緯があったが、本機のバージョンアップについては現時点で未知数である。
電源の周辺を見ると、バッテリーが2,810mAhとかなり大きい。これは、SHV31の2,120mAhと比較しても大幅アップだが、約5.0インチ液晶を備えた2015年夏モデル「SHV32」の2,600mAhと比べてもさらに大容量だ。連続通話時間は約1350分、連続待受時間は、約490時間、特に連続通話時間は、過去のAQUOSと比較しても長めの部類だ。
2015年夏モデルとして登場したタブレット「Qua tab 01」から発展する形で、au独自のプライベートブランドとして「Qua(キュア)」シリーズが新たにスタートする。
auでは、今までデザイン志向の「iida」や、多機能かつ高性能な「isai」といったスマートフォンのサブブランドを保有していたが、このQuaシリーズは、「アフォータブル(affordable:手ごろな、入手可能な)」がキーワードで、必要とされる機能は抑えつつ、低価格な製品ラインアップとして位置づけられている。
そんなQuaシリーズ初のスマートフォン「Qua phone」は、HD表示対応の約5.0インチ液晶ディスプレイに、クアッドコアCPU「Snapdragon 410 MSM8916(1.2GHz)」と2GBのRAM、16GBのROMを組み合わせている。ハードウェアの基本スペックは控えめだ。なお、動作OSのAndroid 5.1を64bitで動作させている。
本体サイズは約72(幅)×146(高さ)×7.9(厚さ)mmで、重量は約132g。ボディがメタル製ということもあり、価格帯が近いSIMフリースマートフォンとはひと味違う上質感も感じられる。
また、本機はタフネス設計にこだわりのある京セラ製ということで、アメリカ国防総省の調達基準であるMIL-STD-810Gの耐衝撃基準をクリアしている。もちろんIPX5/8等級の防水仕様と、IP5Xの防塵仕様も満たしている。
機能面では、フルセグおよびワンセグチューナーが省略されているほか、キャリアアグリゲーションにも対応しておらず、下り最大速度も150Mbpsにとどまっている。そのいっぽうで、FeliCaポートやVoLTEには対応しており、優先度の高い機能を選別して搭載している。
気になる本体価格だが、2万円台前半を想定しているとのこと。格安のSIMフリースマホと比較しても十分魅力的な価格設定だ。
Qua tab 01に続く2世代目のQuaシリーズのタブレット。前モデルは約8.0インチのコンパクトなモデルだったが、Qua tab 02はWUXGA表示に対応する約10.1インチ液晶ディスプレイを備えたフルサイズタブレットだ。
処理性能を見ると、オクタコアCPUの「Snapdragon 615 MSM8939(1.5GHz×4+1.2GHz×4)」に、2GBのRAM、16GBのROM、最大128GBまで動作確認の取れたmicroSDXC
メモリーカードスロットを組み合わせる。OSは、Android 5.1だ。
本機は、LTEおよびWiMAX2+には対応しているが音声通話は行えない。キャリアアグリゲーションにも対応しておらず、下り最大速度は150Mbpsにとどまっている
機能面を見ると、ファーウェイの擬似サラウンド機能「Super Wide Sound 2.0」を備えており、本体の左右に備わる2個のスピーカーを使って迫力ある音声を再生できる。フルセグおよびワンセグの各テレビチューナーや、FeliCaポート、NFCポートは搭載しない。
本機は、高解像度なディスプレイと高いサウンド機能を備えたAV機能を重視したタブレットだ。価格は、本体価格は1万円台前半が想定されており、Qua phoneとセットでも購入しやすい。
「AQUOS K」に続く、auとしては3世代目のAndroidケータイ、いわゆるガラホとなる「GRATINA 4G」。前モデルと同様、VoLTEに対応するなど、基本的な機能を維持しつつ、ユーザーの意見を反映して従来のケータイに使い勝手を近づけたのが強化点だ。
約3.4インチの液晶というサイズはそのままだが、AQUOS KのqHD(540×960)から、480×864のFWVGA液晶に変更。防水および防塵仕様に加えて、京セラ製端末らしく耐衝撃性能を備えるようになった。新たにNFCポートも搭載した。
このほか、アプリの起動や短縮ダイヤルを登録できる3個のショートカットボタン「カスタマイズキー」や、利用したい機能だけを登録できる「カスタムメニュー」、電話帳に登録した誕生日や記念日を通知する「記念日通知」といった新機能を備える。