レビュー
指紋センサー&金属ボディのフルHD液晶のSIMフリースマホ

実売3万円台前半! 人気沸騰中のファーウェイ「GR5」に迫る

2016年2月12日にファーウェイから発売されたSIMフリーのAndroidスマートフォン(スマホ)「HUAWEI GR5」(以下、GR5)が好評だ。価格.comの「スマートフォン」カテゴリーの人気ランキングでも1位を快走中(2016年2月17日から2月26日まで1位をキープ)だが、その理由に迫ってみよう。

金属ボディに約5.5インチのフルHD液晶や指紋センサーを搭載しつつ、3万円台という驚きのコストパフォーマンスを実現したGR5

3万円台前半で買える指紋センサー付きフルHD大型スマホ

GR5は、フルHD表示に対応する約5.5インチ液晶ディスプレイを備えたSIMフリーのAndroidスマホ。2016年2月26日時点の価格.com最安価格は33,820円だ。サイズは、約76.3(幅)×151.3(高さ)×8.15(厚さ)mmで、重量は約158g。ボディは、アルミニウムマグネシウム合金を使った金属製で、このクラスで一般的な樹脂製ケースと比べて高級感があり、ユーザー評価を高める重要な要素となっている。なお、このボディは、防水や防塵、耐衝撃などは備わっていない。

ヘアライン加工されたボディはアルミニウムマグネシウム合金製。ひんやりとした金属の感触は、同価格帯のモデルと比べて高級感がある

そのデザインを細かく見ると、表面にヘアライン加工の有無など違いはあるが、同社が2014年12月に発売した「Ascend Mate 7」の面影がある。SIMカードアダプターも凝った金属製トレーで、細部へのこだわりを感じる。カラーバリエーションは、ゴールド、シルバー、グレーの3色が用意される。本機のボディは魅力的ではあるが、背面の上下に取り付けられた細かいドット模様のパーツの取り付けがわずかではあるが甘く、指先や手のひらの感触でわずかに引っかかりを感じた。

本機の特徴である背面の指紋センサーは、ロック解除に加えて、スリープからの復帰、シャッターボタン、電話対応などにも使うことができる。登録できる指紋は最大で5個まで。認証の際、指の向きは、左右上下斜めを選ばない。5日ほどで100回ほど使用したが、認証をはじかれたことは1回だけだったので、国内メーカー製スマホの指紋センサーと比べても安定している印象を受けた。

背面の指紋センサー。ロックの解除だけでなく、スリープ復帰やシャッターボタンなどにも利用できる

背面の指紋センサー。ロックの解除だけでなく、スリープ復帰やシャッターボタンなどにも利用できる

登録できる指紋の数は最大5個。筆者の経験上両手の指すべてを登録できると利便性や精度が増すので、もう少し登録できてもよさそうだ

側面のSIMカードとメモリーカードのトレー。同社のスマホではよく見かけるものだが、ほかのモデルと同じく精巧な作りだ

背面の上部と下部はパーツが別となっており、表面加工も変えている。評価機では、指先で感じる継ぎ目の引っ掛かりが少しだけ気になった

8コアの「Snapdragon 615」を採用。カジュアルユースなら十分な性能

ファーウェイのスマホといえば、CPUに同社のグループ企業であるHisiliconのKirinチップを使用するモデルが多いが、本機はクアルコムのオクタコアCPU「Snapdragon 615 (1.5GHz×4+1.2GHz×4)」を搭載している。このCPUは、最上位機種と中級機種の間であるアッパーミドルレンジ向けの製品だが、64bitに対応するなど性能的には十分なものだ。メモリーはRAMが2GB、ROMが16GB。128GBまで動作確認の取れたmicroSDXCメモリーカードスロットも備える。OSは「Android 5.1」だ。価格帯を考えれば仕方ないが、16GBというROMは心もとないので、メモリーカードによるストレージの増設は必須だろう。

ベンチマークアプリ「Antutuベンチマーク」を使ってみたところ、総合スコアは36059だった。これは現時点で最高レベルの処理性能を備えるファーウェイの「Ascend Mate 8」の総合スコア92000点台と比べるとかなり差があるのは否めない。

AnTuTuベンチマークを使った本機の総合スコアは36059。最速クラスのMate 8(92746)と比べるとその差はかなりある

このベンチマークテストの結果を踏まえつつ、本機とハイエンド機で処理性能をつぶさに挙動を比較すると、アプリが起動するまでの速度やWebページのスクロールの際に違いを感じることができる。また、3Dを多用した人気ゲームタイトルでも動作の滑らかさやフレーム落ちなどに違いがあった。ただ、体感速度は、ホーム画面やSNS利用、カジュアルゲームなどの用途なら十分確保されている。こうした用途であればユーザーが本機に不満を持つことは少ないだろう。

処理のヘビーさで知られる人気ゲームタイトル「アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ」では、本機は、高性能機と認識され3D標準モードが自動選択された。ただ、ゲームが長引くと徐々に処理がもたついてくる

通信性能は、FDD-LTEのB1/3/5/7/8/19/28に対応しており、NTTドコモ系のSIMカードとの親和性がよい。このほか、TDD-LTEのB40にも対応しているが、NTTドコモで予定されているTDD-LTEはB42の予定なのでマッチングしない。

通信速度はダウンロード時で最大150Mbps、アップロード時最大50Mbpsで、キャリアアグリゲーションには対応していない。VoLTEにも対応しておらず、音声通話には従来どおりのW-CDMAの3Gネットワークを使う。なお、利用するSIMカードは最近では減りつつあるMicro SIMサイズとなっている。

使用するのはMicro SIMサイズ。NTTドコモ系のSIMカードとの相性がよい

使用するのはMicro SIMサイズ。NTTドコモ系のSIMカードとの相性がよい

次にディスプレイを詳しく見てみよう。約5.5インチに対してフルHDという画面解像度はバランスが良好で、粗さを感じることはない。大ぶりな画面は今どきのモデルらしく好印象だ。また、マルチタッチも10点まで対応しているので、用途が制限されることもないだろう。発色や色ムラはもちろんだが、低質な液晶にありがちなぎらつきも正面から見る限り目立たない。視野角に不満を感じることもなかった。この価格帯で大画面&フルHD、そして質も一定レベルをクリアしていることは、本気の人気の理由の1つと言えそうだ。

発色の偏りや色ムラはもちろんだが、細かい文字のつぶれやにじみもない。なお、画面の色温度はユーザーでチューニングできる

黒の表現もなかなかよい。視野角は十分だが、斜め方向から見るとちらつきが少し目立った

黒の表現もなかなかよい。視野角は十分だが、斜め方向から見るとちらつきが少し目立った

マルチタッチは10点まで対応。ゲームなどで制限を感じることはなさそうだ

マルチタッチは10点まで対応。ゲームなどで制限を感じることはなさそうだ

なお、赤外線通信ポートやFeliCaポート、ワンセグチューナーのような、「ガラケー」に由来するような機能は搭載されていない。また、MiracastおよびMHL、SlimPortなど外部ディスプレイに接続するためのインターフェイスがなく、NFCポートも搭載しない。Wi-Fiについても5GHz帯に対応していないなど、上位機種に搭載される機能の多くが非搭載となっている。

さらに、USBポートがホスト機能に対応しておらず、ゲーム機のコントローラーや、USBメモリーのようなUSBストレージを接続して使うこともできない。このあたりに、エントリーモデルとしての位置づけが端的に現れている。

USBポートは、USBホスト機能を備えておらず、充電やデータ転送だけに使う

USBポートは、USBホスト機能を備えておらず、充電やデータ転送だけに使う

ACアダプターとUSBケーブルが付属する。ACアダプターは電流の出力が1Aになっている

ACアダプターとUSBケーブルが付属する。ACアダプターは電流の出力が1Aになっている

バッテリー性能は悪くはないが、過剰な期待はしないほうがよい

次にユーザーの評価が高いバッテリー性能を見てみよう。本機には、3000mAhの大容量バッテリーが備わっており、連続通話時間1560分、連続待ち受け時間740時間(3G)/740
時間(LTE)を実現している。特に連続通話時間の長さは驚きのレベルである。条件は異なるが、近ごろのモデルの中ではバッテリーの持続性に定評のあるシャープの「AQUOS ZETA SH-01H」の約1300分(VoLTE)と比べても、バッテリー性能の高さが理解できるだろう。

検証に際して5日間メインのスマホとして使用したが、その期間に行った充電は3回。待ち受け状態ならバッテリー消費は少ないが、使えば相応のペースでバッテリーが減っていく。結果、バッテリーの消費ペースは特別に緩やかとまでは言えず、アッパーミドルレンジ向けのCPUを搭載するスマホとしてみても、標準的なものであった。ただ、フル充電すれば24時間+α以上は持続するので、一般的な利用ペースであればモバイルバッテリーなしでも十分に運用できそうだ。

温度の上昇は比較的緩やか。最高温度を記録したのはアプリの更新などで通信を多用したときで38.1度。一般的な使用パターンでは30〜35度台で推移していた

待ち受け状態でのバッテリー消費はかなり少ないが、使い始めるとそれなりのペースで消費する

待ち受け状態でのバッテリー消費はかなり少ないが、使い始めるとそれなりのペースで消費する

バッテリー残量が8%になると、ウルトラ省電力モードに切り替えるダイアログが現れる。通話やSMSなど最低限の機能に絞られるがバッテリーの持続が倍近くまで延びる

スマホにとって優先度の高い機能を選び抜き、そこに注力した1台

低価格なスマホは高級モデルと違い、あれもこれも機能を載せるわけにはいかないので、どこかでコストを抑えなければならない。その中で本機が優先したのはディスプレイやボディの質感といった、誰もが目にし、手で触れる部分だ。加えて指紋センサーというわかりやすい機能を組み合わせたことで、さらに魅力が増している。

そのいっぽうで、切り捨てられた機能も少なくない。外部ディスプレイへの映像出力や、NFC、USBホスト機能、5GHz帯のWi-Fiなど、ヘビーユーザーがこだわる機能はかなり省略されている。これらの機能はあれば便利だが、なくても困らないという人が大半の機能なので、上手にコストを抑えている。

パフォーマンスは、Webページの閲覧やSNS、カジュアルゲームなどであれば十分な性能を備えている。手ごろで魅力的なスマホを探しているユーザーであれば本機はまさにぴったりとはまるだろう。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

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