タブレットスタイルでも使えてペン入力にも対応! 14型の大画面モバイルノート

この1台があれば何でもこなせる!? 高性能な 2in1「ThinkPad X1 Yoga」

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パソコン市場が縮小傾向にあり、モデル数を絞るメーカーが多い中、レノボ・ジャパンは積極的にラインアップを増やしている数少ないメーカーだ。同社のWebサイトを見ると、定番のビジネス向けノートパソコン「ThinkPad」、個人向けの「ideapad」、360度回転ヒンジを備える「YOGA」など、ノートパソコンだけでもバラエティに富んだモデルがそろっているのがわかる。モデル数が多すぎて、どれを選んでよいのか迷うほどだ。

今回はパフォーマンスと携帯性の両立を目指した2in1パソコン「ThinkPad X1 Yoga」をレビューしたい。タブレットスタイルでも使えて、ペン入力もできる同モデルは、「1台ですべてをこなしたい」という欲張りなユーザーに最適なモデルと言える。

14型のディスプレイを搭載するThinkPad X1 Yoga。画面が360度回転することで、「スタンド」「ラップトップ」「テント」「タブレット」の4つのモードで使える。「ヨガスタイル」などと呼ばれるこの機構は、同社のYOGAシリーズと同じ。直販価格は243,000円(税込)から(メール登録などで入手可能なクーポン適用後は170,100円から)。価格.com限定のバリューパッケージモデルの価格.com最安価格は169,344円(2016年5月10日時点)

14型の大画面モデルながら重量は約1.36kg

ThinkPad X1 Yogaは、14型のディスプレイを搭載する2in1タイプのモバイルノートだ。モバイルノートは画面サイズが11型、12型、13型と比較的コンパクトなモデルが多い。タブレットとしても使える2in1タイプなら、さらに小さな10型前後のモデルもある。それらと比べると、大きな画面を使えるのがThinkPad X1 Yogaの魅力だ。画面が大きければ、当然ながら作業効率が高まる。複数のウィンドウを開いての作業がしやすく、クリエイター向けのソフトウェアならツールやメニューを開いても広い作業スペースを確保できる。本体が大きいため、キーボードも余裕のあるレイアウトで入力もしやすい。

逆に、大画面のモバイルノートは、大きくて重いことから、携帯性が悪いという欠点があるが、ThinkPad X1 Yogaは約1.36kg(標準構成時)と14型クラスのモバイルノートとしては比較的軽いのがポイントだ。毎日持ち歩くという人には、11型や12型の小型のモデルのほうが向いているが、週に2、3回しか持ち歩かないという人なら、ThinkPad X1 Yogaを選んだほうが作業はしやすいはずだ。

ThinkPadとひと目でわかる黒いボディ。梨地のサラッとした手触りが心地いい。本体サイズは、約333(幅)×229(奥行)×15.3〜16.8(高さ)mm。画面が360度回転する機構を備えつつ、回転機構のない「ThinkPad X1 Carbon」(厚さ14.95〜16.45mm)とほとんど同じ厚さを実現している

画面が360度回転することで、タブレット、テント(写真)、スタンド、ラップトップの4つのモードで利用可能。ヒンジは硬すぎず、開いたり、閉じたりしやすい

重量はキッチンスケールでの実測で1353g。カタログスペック通りだった

重量はキッチンスケールでの実測で1353g。カタログスペック通りだった

ディスプレイは2560×1440と1920×1080の2種類の解像度から選択できる。今回は2560×1440のモデルを試したが、IPS液晶で視野角が広く、タブレットスタイルでも画面が見やすかった。コントラストや明るさも十分。光沢(グレア)タイプだが、光の反射が控えめで、表示品質は高いと感じた。タブレットスタイルでの利用を想定し、額縁(ベゼル)との境目がないデザインで、見た目も美しい。

なお、今夏には有機ELディスプレイ(OLED)を搭載したモデルが出荷される予定だ。今年2016年2月の発表会で実物を見たが、液晶モデルと比べると鮮やかで、ハッとさせられる画質だった。画質だけでなく、本体の軽量化も期待できる。液晶モデルよりも価格は高くなると思われるが、こだわりのあるユーザーにとっては登場が待ち遠しいモデルだ。

左が今夏発売予定の有機ELモデル、右が発売中の液晶モデル。有機ELモデルは、黒が引き締まった鮮やかな表示が魅力。重量も約1.2kgと液晶モデルよりも軽くなる予定だ(2016年2月の発表会時の写真)

入力性は文句なし。拡張性は「ThinkPad OneLink+ドック」でカバー

ThinkPadと言えば、昔からキーボードの打ちやすさに定評がある。ThinkPad X1 Yogaのキーボードも文句なしに打ちやすい。本体が大きいので、キーのレイアウトに余裕があり、キーピッチが広くとられており、小さなキーもない。キーの真ん中が凹んだ独特の形状で、指が収まりやすく、使い慣れたキーボードのように自然にタイピングできる。ストロークも1.8mmと深く、フィーリングも絶妙で疲れにくい。長時間キーボードを使って作業する人にとって、ThinkPad X1 Yogaは心強いモデルと言えるだろう。ポインティングデバイスは、タッチパッドとトラックポイントの2つを備えており、好みのほうが使える。

「Lift'n' Lock」という機構を備えているのもポイント。画面が360度回転する2in1タイプのパソコンは、タブレットスタイルにすると、裏側がキーボードになる。キー入力ができなくなるモデルがほとんどだが、手に持ったときにキーが沈み込んで持ちにくいのが難点だ。この問題を解消するのがLift'n' Lockで、タブレットスタイルにするとキーフレームが浮き上がり、キーとの段差がなくなる。細かいところまでこだわるThinkPadらしい機構だ。

定評のあるキーボードは、ThinkPad X1 Yogaにも継承されており、とても打ちやすい。キーボードバックライトも搭載する

タブレットスタイルにするとキーフレームが浮き上がり、キーとの段差がなくなる

タブレットスタイルにするとキーフレームが浮き上がり、キーとの段差がなくなる

拡張性は何点か気になる点がある。USB3.0端子は3基あり、HDMI出力端子もある。国内では、普及が進んでいないmini DisplayPortも備える。気になる点は、フルサイズのSDカードスロットがないことと、アナログRGB端子がないこと。高画質なディスプレイを備えているので、写真を扱う仕事をしている人にとってはカードスロットがあったほうが便利だっただろう。アナログRGB端子は、国内メーカーを中心に搭載するモデルが再び増えてきたので、ビジネス向けのThinkPadには標準であってもいいだろう。なお、別売りの「ThinkPad OneLink+ドック」を使えば、アナログRGB端子や有線LAN端子を使えるので、必要に応じて追加購入したいところだ。

外部インターフェイスの配置はThinkPad X1 Carbonと同じ。タブレットスタイル時に利用する音量調整ボタンと電源ボタンが右側面に配置されている(写真下)。電源ボタンが小さくて押しにくい。ThinkPad X1 Carbonのようにキーボード面にあったほうが便利だったかもしれない

背面にmicroSDカードスロットとSIMカードスロットを搭載。SIMカードスロットはあるが、残念ながら国内でのLTE通信に対応していない

ペン入力に対応! ペンが収納できるのがありがたい

アップルの「iPad Pro」や日本マイクロソフトの「Surface」など、最近はペン入力に対応したデバイスが増えている。ThinkPad X1 Yogaもペン入力が可能だ。「ThinkPad Pen Pro-3」と呼ばれるもので、2048段階の筆圧検知に対応し、精度や応答性は高い。滑りがよすぎて、紙とペンのようにはいかないが、手書きのメモ程度なら快適にこなせる。2つのボタンを備えており、消しゴム機能などが割り当てられている。

ペン自体は細くて少々持ちにくいものの、本体側面に収納できるようになっており、紛失したり、忘れたりする心配がないのがありがたい。また、収納時に自動で充電される仕組みで、15秒間で80%充電できる。5分以内にフル充電ができるので、使いたいときに電池切れで使えない、ということがないのは心強い。

2048段階の筆圧検知に対応したThinkPad Pen Pro-3が付属する

2048段階の筆圧検知に対応したThinkPad Pen Pro-3が付属する

ThinkPad Pen Pro-3はペン・スロットに挿入すると自動的に充電される。15秒で80%まで充電されるので、電池が切れてもすぐに使える

ThinkPad X1 Yogaには店頭販売モデルと直販モデルがあり、搭載するCPUやメモリーの容量などが異なるモデルがいくつか用意されている。今回試したモデルは、CPUに「Core i7-6600U」(2.60GHz、最大3.40GHz)、8GBのメモリー、256GBのSSD(PCI ExpressとNVMeに対応)を搭載していた。パソコンの総合的な性能を測定するベンチマークソフト「PCMark 8」(Home accelerated)は、3036の高いスコアを記録。ドライブの速度を測れる「CrystalDiskMark 5.1.2」(ひよひよ氏作)では、シーケンシャルリードQ32T1(順次読み速度)が2201MB/秒とかなり高速だった。実際に使ってみると、電源を押してから短時間で起動し、エクスプローラーやプログラムも瞬時に立ちあがった。操作に待ち時間がほとんどなく、かなり快適に操作できる。試したモデルが高性能な構成だったこともあるが、体感でも速さを感じられるパフォーマンスと言える。

PCMark 8(Home accelerated)のスコアは3036

PCMark 8(Home accelerated)のスコアは3036

CrystalDiskMark 5.1.2の結果。PCI ExpressとNVMeに対応した高速なSSDを搭載する効果がはっきりと出ている

CrystalDiskMark 5.1.2の結果。PCI ExpressとNVMeに対応した高速なSSDを搭載する効果がはっきりと出ている

まとめ

ThinkPad X1 Yogaは、高性能な2in1パソコンとして完成度の高いモデルに仕上がっている。パフォーマンスと使い勝手に大きな欠点がなく、14型のディスプレイを備えたモバイルノートとしては薄くて軽いのも魅力だ。自宅と外出先の両方で使える万能モデルと言える。

タブレットスタイルやペン入力を使わないという人は、兄弟モデルのThinkPad X1 Carbonを選ぶといいだろう。こちらは重量が約1.18kgと14型の大画面モバイルノートとしては驚異的な軽さを実現しており、価格もThinkPad X1 Yogaより安い。

気になる価格は、「Core i5-6200U」(2.30GHz、最大2.80GHz)、8GBのメモリー、192GBのSSDを備えた価格.com限定バリューモデルが169,344円(2016年5月10日時点)。高解像度やディスプレイやNVMe対応のSSDを選ぶと、20万円は超えてしまうが、それだけの価値はあるモデルと言える。1台のパソコンでいろいろやりたいという欲張りな人にとって、ThinkPad X1 Yogaは有力な選択肢になるはずだ。

三浦善弘(編集部)

三浦善弘(編集部)

パソコン関連を担当する双子の兄。守備範囲の広さ(浅いけど)が長所。最近、鉄道の魅力にハマりつつあります。

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2017.8.20 更新
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