10年保証で、読み書き90MB/秒超えの高パフォーマンスを実現

容量256GBのサムスン製microSDXCメモリーカード「EVO Plus 256GB」の実力をチェック!

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microSDXCメモリーカードの大容量化が進んでいる。これまでの最大容量であった200GBからついに256GBに到達。また読み書き速度は90MB/秒を超え、4K動画の撮影に有利な「UHSスピードクラス3(U3)」にも対応するなど、大容量になっただけでなくスピードも高速化しているのだ。そんなサムスンの容量256GBのmicroSDXCメモリーカード「EVO Plus 256GB」を今回はくわしくチェックする。

サムスン「EVO Plus 256GB」

サムスン「EVO Plus 256GB」

標準モデルの最大容量ながら読み書き速度は上位モデルに匹敵

サムスンのmicroSDメモリーカードは主に、スタンダードモデルとなる「Evo」シリーズと、より性能を重視した「Pro」シリーズの2モデルがラインアップされている。今回登場した「EVO Plus 256GB」は、スタンダードモデルの最大容量モデルで、現状で最大容量となる容量256GBを実現したmicroSDXCメモリーカードだ。

「EVO Plus 256GB」は大容量であると同時にデータ転送速度も速い。最大転送速度は、読み出し95MB/秒、書き込み90MB/秒を公称しており、その速度は「Pro」シリーズの最大容量である128GBモデルに匹敵するほどとなっている。また、4K動画の撮影に有利な「UHSスピードクラス3」にも対応しているなど、一般の利用シーンでは、「Pro」シリーズと遜色ないスペックを実現。ちなみに、大容量microSDXCカードの人気モデルであるSanDisk製の200GBモデルは、読み出しが90MB/秒で「UHSスピードクラス3」には非対応なので、容量200GBを超すmicroSDXCメモリーカードとしては、現状「EVO Plus 256GB」がトップクラスの性能を実現したと言っていい。

パッケージに記載された転送速度。4K動画の撮影時に欠かせない「UHSスピードクラス3(U3)」のロゴも確認できる

そんな「EVO Plus 256GB」の見どころは、情報を記憶するNANDフラッシュに、サムスン製の48層V-NANDを採用していること。V-NANDとは、データを記憶できるメモリーの最小単位セルを垂直方向で積層していく3次元構造のNANDで、簡単にいえば高層ビルと同じような考え方だ。

この3次元構造のNANDをサムスンは他社に先駆けて、SSDにいち早く投入している。注目なのは、今回の製品で使われているV-NANDが、従来からさらに積層化を進めた48層のV-NANDを採用している点である。これまでのV-NAND は16層や32層が一般的だったが48層タイプは比較的新しく、今回実現した大容量・高速化にも貢献している。

気になる耐久性については、書き換えサイクル10,000回を公称し、保証期間も10年と長めだ。そのうえで、耐水(IPX7)、耐温度(動作時:−25℃〜85℃)、耐X線(50R)、耐磁(最大15,000ガウス)性能も持つ。これらの耐久性についても上級モデルの「Pro」シリーズと遜色ないレベルがうたわれている。

ファイルコピーテストでは公称値の9割近い読み書き性能を再現

ここからは、「EVO Plus 256GB」の実力に迫っていこう。まずは定番のベンチマークソフト「Crystal DiskMark v5.0.3」(作者:ひよひよ氏)を使い、ストレージの転送速度を計測してみた。今回は、比較対象として、同社の128GBモデルの上位モデル「PRO Plus 128GB」とスタンダードモデル「Evo Plus 128GB」を用意している。

テストは、「50MB」「100MB」「1GiB(≒1GB)」「4GiB(≒4GB)」の4つデータサイズを選択。それぞれで、中身がランダムなデータと“0”で埋め尽くされた均質なデータ「0Fill」の両方で実施した。テスト回数はデフォルト設定の5回。なお、ランダムデータと0Fillがほぼ同じ速度になったため、結果グラフはランダムのもののみを掲載している。

「CrystalDiskMark 5.1.2 x64」の結果。データサイズは1GiB

「CrystalDiskMark 5.1.2 x64」の結果。データサイズは1GiB

テストサイズ50MBのときのベンチマークデータ。4Kリード性能のみ「PRO Plus 128GB」が上回っているが、そのほかのシーケンシャルリードとライトは「EVO Plus 256GB」の結果がすぐれている

テストサイズ100MBのときのベンチマークデータ。ここでも4Kリード性能のみ「PRO Plus 128GB」が上回った

テストサイズ100MBのときのベンチマークデータ。ここでも4Kリード性能のみ「PRO Plus 128GB」が上回った

テストサイズ1GiBのときのベンチマークデータ。このシーンでも「PRO Plus 128GB」の4Kリードは強い

テストサイズ1GiBのときのベンチマークデータ。このシーンでも「PRO Plus 128GB」の4Kリードは強い

テストサイズ4GiBのときのベンチマークデータ。最後まで4Kリードのみ「Evo Plus 128GB」が有利だった。なお、4Kライトの軸がないように見えるのは、0.1MB台となっているため

前述のとおり「EVO Plus 256GB」は、サムスン製microSDメモリーカードのスタンダードモデルに位置付けられている。したがって「Evo Plus 128GB」の増量版が「EVO Plus 256GB」になるわけだが、上のグラフを見る限り、その想像はいい意味で裏切られた。転送速度はほぼすべての項目で「PRO Plus 128GB」を上回るからだ。特に書き込み性能はシーケンシャルそしてランダムともに最強で、書き込みにもすぐれたパフォーマンスを発揮した。その中で「PRO Plus 128GB」が存在感を示したのが、ランダム4Kの読み出し性能。その差はごくわずかだがテストサイズに関係なく「PRO Plus 128GB」が優位な傾向を示している。

続いてWindows 10上でファイルコピーを行ってみた。ファイルは、実際に録画した4K動画で、長さ30分の動画(1ファイル21GB)を1つと、長さ6分の動画(1ファイル平均4.2GB)を5つの、6ファイル計42GB分(システムファイルは除く)。コピーはmicroSDXC→PCとPC→microSDXCの両方で行った。ちなみに、比較対象として、SanDisk製の200GBモデルも使用している。

読み出しに関しては大きな性能の違いは見受けられない

読み出しに関しては大きな性能の違いは見受けられない

書き込みは「EVO Plus 256GB」が圧倒的な性能を見せつけた

書き込みは「EVO Plus 256GB」が圧倒的な性能を見せつけた

microSDXCメモリーカードからPCにデータを取り込む(読み出す)ときの速度は、どちらも80MB/秒と差が付かなかったが、いっぽうで明確な違いが出たのが書き込み(PC→microSDXC)だった。SanDisk製200GBモデルが16MB/秒とまずまずのスピードを記録していたのに対し、「EVO Plus 256GB」はその4倍以上の70MB/秒をキープしていたのだ。手軽に内蔵ストレージを増量できない最近の2in1 PCやタブレットでは、本体に用意されたSD/microSDカードスロットに大容量のメモリーカードを挿し込んで使用するケースも多いが、そういったセカンドストレージ用途でも、不満なく使えるレベルとなっている(ただし、このスピードを発揮させるには、カードスロット側がUHSに対応している必要がある)。

4K撮影にも安心して使用可能。1100もの機器と相性もチェック済み

次にチェックしたのが「UHSスピードクラス3」をサポートしたことによる、4K動画の撮影パフォーマンスだ。今回は、パナソニックのデジタルカメラ「DMC-GH4」と、ソニーのアクションカメラ「FDR-X1000V」を使用してテストを行ってみた。まず「EVO Plus 256GB」を認識するかどうかだが、どちらの機器でも認識しフォーマットもできた。もちろん4Kのビデオフォーマット(4K/3840×2160、30fps/29.97fps)で録画も可能で、録画可能時間は、「FDR-X1000V」が5時間28分(XAVC S 4K)、「DMC-GH4」が5時間42分(MOV)と、256GBという大容量ならではの長時間の撮影が可能だった。テストでは30分間録り続けたが、途中で止まることもなかった。

なお、ソニーの「FDR-X1000V」では、「UHSスピードクラス3(U3)」に対応していないカードでは、高画質の「XAVC S 4K(100Mbps)」で記録できない。U3に対応していない容量200GBのSanDisk製microSDXCメモリーカードでは使うことができなかったわけだが、今回の「EVO Plus 256GB」なら問題なく使用できた点は大きなアドバンテージと言えるだろう。

4K動画の記録可能時間。左の「FDR-X1000V」が5時間28分、右の「DMC-GH4」が5時間42分となった

4K動画の記録可能時間。左の「FDR-X1000V」が5時間28分、右の「DMC-GH4」が5時間42分となった

ちなみに、2014年発売のソニーモバイル製ファブレット「Xperia Z Ultra」にも、おそらく使えないだろうと思いつつ挿してみたところ、きちんと認識された。サムスンが1100を超える機器で互換性のチェックをしているというだけはある。なお、プレス向けの資料にあったその互換性のリストには、サムスン製のスマートフォン「Galaxy」シリーズをはじめ、デジタルカメラとしてニコンの「Nikon1 J5」やキヤノンの「EOS M10」、さらにマイクロソフトのWindowsタブレット「Surface 3」なども掲載されている。「EVO Plus 256GB」は決してSDXC対応機器すべてで使えるというわけではないが、128GB〜200GBクラスのmicroSDXCメモリーカードに対応した製品なら、使える可能性は低くなさそうだ。

ソニーモバイルのファブレット「Xperia Z Ultra」でも「EVO Plus 256GB」は認識された

ソニーモバイルのファブレット「Xperia Z Ultra」でも「EVO Plus 256GB」は認識された

まとめ

「EVO Plus 256GB」は、容量だけでなく読み書き速度も十分速い。耐久性についても抜かりがなく、欠点らしいところをあえてあげるとしたら、やはり価格が高いことに尽きる。Amazon.co.jpでの販売価格は24,000円台なので、8,000円前後で購入できるSanDisk製200GBなら最大3枚は買える計算になる。ただ、サムスンの「PRO Plus 128GB」は市場価格で12,000円前後はしているので、同程度かそれ以上の性能で容量が倍となれば、この価格も納得だろう。

また、200GBを超える大容量microSDXCメモリーカードが少ない中で、さらに「UHSスピードクラス3」に対応している点は、大きなアドバンテージだ。現時点では高価なため万人に向く製品とは言えないが、性能と容量どちらも妥協できないならこれ以上に適したモデルはないだろう。

なお、ライバルのSanDiskも256GBのmicroSDXCメモリーカードをすでに発表しており、その中には高速タイプもラインアップされる。これが発売されるまでは、とりあえずこのサムスンの製品がトップクラスの性能であることは間違いないだろう。

銭袋秀明(編集部)

銭袋秀明(編集部)

編集部の平均体重を底上げしている下っ端部員。アキバをフィールドワークにする30代。2015年4月、某編集部から異動して価格.comマガジン編集部へ。今年こそ、結果にコミット!

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2017.4.28 更新
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