米グーグルは2016年10月4日(米国時間)、新型スマートフォン(スマホ)「Pixel(ピクセル)」を発表した。ライバルのアップルと同様、自社でソフトとハードを手がけた初のスマホとして、名称を「Nexus(ネクサス)」から一新。人工知能(AI)「Google Assistant(グーグル アシスタント)」を搭載し、話しかけてさまざまな操作ができるのが特徴だ。モバイルファーストからAIファーストへシフトする同社にとって、グーグル アシスタントは重要な役割を担う。ラインアップは5.0インチのPixelと5.5インチの「Pixel XL」の2モデル。米国での価格は649米ドルから。日本での発売は未定。
Pixel
Pixelは、グーグルがソフト、ハード、そしてサービスまでを手がけた初のスマホだ。アップルのiPhoneのようにソフトとハードを一体開発することで、ユーザーエクスペリエンス(ユーザー体験)の向上を図っている。目玉機能であるグーグル アシスタントは、秘書のようにやりたいことをサポートしてくれる機能。自然な話し言葉で、検索、スケジュールの確認・追加、写真の検索、フライトの情報の確認などができるという。
カメラ機能も売りの1つで、カメラ性能を総合的に判題するDxOMarkモバイルスコアで、過去最高の89という高いスコアを獲得している(ちなみに、iPhone 7は86)。背面カメラは有効1230万画素(ソニー製のセンサーを採用)で、F2.0の明るいレンズを備える。前面カメラは有効800万画素、F値は2.4。30fpsの4K動画も撮影できる。また、撮影した写真や動画を無制限でバックアップできる特典も付いてくる。
Pixelは、フルHDの5.0インチ有機ELディスプレイを搭載。本体サイズは69.5(幅)×143.8(高さ)×7.3〜8.5(厚さ)mm。2770mAhのバッテリーを備える。いっぽうのPixel XLはQHDの5.5インチ有機ELディスプレイを搭載した大画面モデル。本体サイズは75.7(幅)×154.7(高さ)×7.3〜8.5(厚さ)mm。バッテリー容量は3450mAh。
どちらもプロセッサーにはクアルコムの「Snapdragon 821」(2.15GHz×2+1.6GHz×2)を搭載。メモリー(RAM)は4GB、ストレージ(ROM)は32GBまたは128GB。外部インターフェイスにはUSB Type-Cや3.5mmヘッドホンジャックなどを備える。カラーは、Very Black、 Quite Silver、米国限定のReally Blueの3色を用意する。このほか、指紋センサーや15分の充電で7時間利用できる急速充電機能などを備える。
グーグルアシスタントと据え置き型スピーカーを組み合わせた「Google Home」も発表された。「Google Play」や先日日本でもサービスを開始した「Spotify」、「YouTube」などの音楽を音声操作で楽しめる。Google検索も可能。「Chromecast」やフィリップスの「Hue」といったほかのスマートデバイスの制御もできる。価格は129米ドル。
無線LANルーターの「Google WiFi」も発表。複数台使うことで、電波の届きにくい場所でも安定した無線ネットワークの構築を可能としている。子どもがネットワークに接続できる時間を制限するといったことも可能。価格は129米ドル、3個セットが299米ドル。
Google Home
Google WiFi
4K対応の「Chromecast Ultra」。日本では近日発売予定で、価格は9720円(税込)
今年5月に行われた「Google I/O 2016」で発表したVR向けプラットフォーム「Daydream」。Android Nで新たにサポートされる「VR Mode」、VR対応のスマートフォン、ヘッドセットと専用コントローラー、アプリを組み合わせることで、スマートフォンを取り付けてモニター代わりにするモバイルVRでも高品位なVR体験を実現できるのが特徴だ。Google I/O 2016で、Daydreamに対応したVRヘッドセットがグーグルから登場することは予告されていたが、今回、初のDaydream-ReadyのPixelの登場に合わせ、Daydreamに対応した初のVRヘッドセット「Daydream View」がついに発表された。
Daydreamに対応した初のVRヘッドセットとして発表されたDaydream View。Google I/O 2016で公開されたハードウェアのデザインがほぼそのまま採用されている
Daydream Viewは、スマートフォンを取り付けてモニター代わりにするモバイルVRタイプの製品だ。顔に密着して身に付けるものということで、通気性のある柔らかなファブリック素材を使っているのが特徴となっている。また、ファブリック素材を使用したことで、本体重量が220gと、モバイルVRタイプの製品としてはかなり軽量なのもポイント。眼鏡をかけたまま装着できるよう設計されているほか、パッド部分の手洗いにも対応しているという。
このほか、9軸モーションセンサーを内蔵した専用コントローラーを付属。アプリのメニュー操作はもちろん、ゲームアプリでは、コントローラーを使ってバットを振ったり、飛行船を操縦したりといったことができる。使わないときは、コントローラーをVRヘッドセット内に収納することも可能だ。
ファブリック素材を採用したことで、本体はかなり軽量に仕上がっている。カラーバリエーションは、発売当初は写真のスレートのみの展開だが、スノーとクリムゾンも今後順次発売していくという
なお、発売は11月を予定しており、価格は79米ドル。日本での発売時期や価格は現時点でアナウンスされていないが、日本のGoogleストアではすでに製品ページが用意されている。