スマートフォンとして世界で初めてフルバランス駆動・バランス出力を実現

音に徹底的にこだわったオンキヨー初のSIMフリースマホ「GRANBEAT DP-CMX1」

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オンキヨー&パイオニアイノベーションズは1月26日、東京都内で同社初のスマートフォン製品の発表を記念した「“GRANBEAT”LAUNCH EVENT」を開催。オーディオに特化したオンキヨーブランドのSIMフリースマートフォン「DP-CMX1(B)」(以下、DP-CMX1)を2月下旬に発売すると発表した。今月初旬に米国・ラスベガスで開催された世界最大級の家電見本市「CES 2017」で披露された製品を正式発表した形で、国内では“GRANBEAT(グランビート)”の愛称で展開する。さっそく実機に触れることができたので、イベントや実機の写真を交えながら、新製品の特徴をレポートする。

スマートフォンとして世界で初めてフルバランス駆動・バランス出力を実現するなど、オーディオ性能を徹底的に追及

DP-CMX1は、5.0インチのフルHD液晶を備えたAndroidスマートフォンだ。同社はこれまでAndroid OSを搭載したハイレゾDAPをオンキヨーブランドやパイオニアブランドで展開しているが、SIMカードを搭載できるスマートフォン製品としてはこれが初となる。

オンキヨーブランド初のスマートフォンとなるDP-CMX1。発売は2月下旬予定

オンキヨーブランド初のスマートフォンとなるDP-CMX1。発売は2月下旬予定

DP-CMX1の最大の特徴は、スマートフォンながら単体DAP並のオーディオ性能を実現していること。DACとアンプに、昨年10月発売の「DP-X1A」と同じESS社製「ES9018C2M」と「SABRE ES9601K」をそれぞれ2基ずつ搭載し、フルバランス駆動・バランス出力を実現している。ハイレゾ対応をうたうスマートフォンはこれまでにもあったが、フルバランス駆動・バランス出力を実現したスマートフォンはDP-CMX1が世界初となる。

専用DAPのDP-X1Aと同じハイグレードのDACとアンプを搭載し、スマートフォンとして初めてフルバランス駆動・バランス出力を実現

ヘッドホン出力はアンバランス接続の3.5mm4極出力端子に加え、バランス接続用の2.5mm4極出力端子を備える

ヘッドホン出力はアンバランス接続の3.5mm4極出力端子に加え、バランス接続用の2.5mm4極出力端子を備える

ちなみに、再生可能なオーディオファイルフォーマットについては、同じDACと搭載するDP-X1Aと共通で、DSD/DSF/DSD-IFF/MQA/FLAC/ALAC/WAV/AIFF/Ogg-Vorbis/MP3/AACをサポート。PCMは384kHz/24bitまで、DSDもPCM変換にはなるものの、最大11.2MHzまで対応している。オーディオ関連の機能も、ロックレンジ精度を調整することでジッターノイズを軽減する「ロックレンジアジャスト機能」や、BTL接続(ブリッジ接続)とCOLD側アンプの増幅能力を使ってGNDをアクティブにドライブする「ACG(アクティブコントロールGND)駆動」の2種類のバランス駆動モードなど、DP-X1Aとほぼ共通のものを搭載している。

Android OSの設定画面にある「音と通知」のメニュー。デジタルフィルター切り替えやロックレンジアジャストの設定メニューなど、オーディオに特化したメニューが並んでいる

回路設計部分では、音質に影響のあるノイズを排除するため、CPUなどが搭載されているスマートフォン用基板とDAC以降のオーディオ基板を完全にセパレートしたオーディオ専用設計を採用。オーディオ基板は、DP-X1Aよりさらに小型化し、特許出願中のシールド技術を搭載するなどして、さらなるノイズ低減化を図っている。

回路設計には、同社のAndroid OS搭載DAPにも採用されているオーディオ専用設計を採用。DP-CMX1では、ノイズ発生源の多いスマートフォンということもあり、オーディオ基板のシールドがさらに強化されている

スマートフォンは電波によるノイズが発生し、音質的に不利だと言われていきたが、イベントに登壇したネットワークサービス事業本部の土田秀章本部長は、「試作機でSN比を測定したところ、LTE/3G/Wi-FiのON/OFFでほとんど差がない。基板レイアウトやシールド設計により、安定したオーディオ性能を実現している」と、DP-X1Aのオーディオ性能の高さをアピールしていた。

回路設計やノイズ低減シールドなどの採用により、通信機能をONにした状態とOFFにした状態でSN比にほとんど差がでないようになっているという

オーディオに特化したモデルということもあり、本体はアルミブロックから削り出したという重厚感のある筺体を採用。本体側面には、ボリューム調整ダイヤルや再生/停止ボタンなどの物理キーを搭載し、楽曲再生時の使い勝手を向上させている。ちなみに、ボリュームコントロールについては、スマートフォンとしての利便性を追求するため、DP-X1Aの151段階から61段階へと変更されており、プレーヤーアプリのボリュームコントロールUIも、片手で操作しやすいように、若干変更されている。

筺体はアルミ削り出し。右上にあるのはボリューム調整ダイヤルだ

筺体はアルミ削り出し。右上にあるのはボリューム調整ダイヤルだ

本体側面には、電源ボタンのほかに、オーディオプレーヤー機能をコントロールできる再生/停止ボタンなどの物理キー、ホールドスイッチなどが用意されている

ボリューム調整ダイヤルでは、ボリュームを61段階で調整できる。DP-X1Aなどの151段階に比べると少なくなっているが、スマートフォンとして使う場合に細かすぎるために少なくなったということだ

このほか、BluetoothでCDを上回る最大48kHz/24bitまでの伝送が可能なクアルコムの「aptX HD」コーデックをサポートしたのもトピック。aptX HD対応のイヤホンやヘッドホンを組み合わせれば、従来よりも高音質で楽しむことができる。まだまだ対応イヤホン・ヘッドホンは少ないが、こういった最新の規格を積極的にサポートしてくれるのはうれしいところ。

クアルコムが開発したBluetoothでハイレゾ相当の音を伝送できる最新のaptX HDコーデックをサポートした

クアルコムが開発したBluetoothでハイレゾ相当の音を伝送できる最新のaptX HDコーデックをサポートした

DSDSとmicroSDカードスロットの両立や4K動画撮影対応カメラの搭載など、スマホ機能もかなり充実

ここまで、DP-CMX1のオーディオ性能についてふれてきたが、DP-CMX1はスマートフォンとしての機能もかなり充実している。

プロセッサーは、ソニーの「Xperia X」などにも採用されているクアルコム製の「Snapdragon 650(MSM8956)」。メモリーは3GB、ストレージはDAPとしてファイル容量の大きいハイレゾ音源をたくさん持ち出すことを想定し、標準で128GB備えている。

128GBのストレージというのもなかなかスゴイが、DP-CMX1はそれに加え、microSDメモリーカードによるストレージの拡張にも対応している。256GBのmicrSDXCメモリーカードを別途用意すれば、ストレージ容量を最大384GBまで拡張することができるのだ。

microSDXCメモリーカードを利用し、ストレージ容量を最大384GBまで拡張できる。たくさんの音源を持ち出す人にはうれしいポイントだ

しかも、DP-CMX1はSIMフリースマホとして発売されるということもあり、SIMフリースマートフォンのトレンドのひとつであるDSDS(デュアルSIMデュアルスタンバイ)にも対応しているのだが、DSDS用のデュアルSIMカードスロットとmicroSDメモリーカードスロットをそれぞれ独立した形で搭載しており、DSDSとmicroSDメモリーカードによるストレージ拡張の両方を使えるようになっているのだ。デュアルSIMカードスロットとmicroSDメモリーカードスロットの両方を搭載しているモデルはかなり限られているので、この点はかなりうれしいポイントといえる。

SIMスロットを2つ装備しており、DSDSを利用できる。なお、SIMスロット1は4G/3G対応、SIMスロット2は3Gのみの対応となっている

本体側面のカバーを外すと、SIMスロット(左)とmicroSDメモリーカードスロットが現れる。microSDメモリーカードはそのまま本体に直挿しする形だ

カメラ機能も充実しており、メインカメラは有効画素数1600万画素のソニー製Exmor RSセンサーや、F値2.0の明るいレンズを採用し、4K動画撮影やHDR撮影などに対応。800万画素のインカメラも備えており、自撮り撮影も楽しめる。

本体背面のメインカメラには、ソニー製Exmor RSセンサーが採用されている。レンズもF値2.0と明るく、暗所でも手ブレを抑えた写真を撮影できる

プリインストールされているAndroid OSのバージョンは6.0。最新のSIMフリースマートフォンがAndroid 7.0を積極的に採用する中、Android 6.0というのは少々見劣りする部分ではあるが、担当者によると、Android 7.0へのアップデートについては検討中とのことだ。

プリインストールされているAndroid OSのバージョンは6.0だ

プリインストールされているAndroid OSのバージョンは6.0だ

本体サイズは72(幅)×142.3(高さ)×11.9(奥行)mm、重量は234g。スマートフォンとしてぎりぎり持ち運べる大きさと重量感だ。内蔵バッテリーは3,000mAhで、連続通話が22時間、連続待ち受けが480時間、音楽再生時間が25時間(96kHz/24bit、FLAC、Unbalanced再生時、SIMあり待ち受け時)となる。

筆者の所有するDP-X1とDP-CMX1の大きさを比較したところ

筆者の所有するDP-X1とDP-CMX1の大きさを比較したところ

DP-X1とDP-CMX1の厚みを比較したところ

DP-X1とDP-CMX1の厚みを比較したところ

いざという時にスマートフォンとして使えないのは問題外ということで、バッテリー容量はDP-X1からかなり増量されている

DAPとスマホの2台持ちを解決するのにうってつけの1台

今回、イベント会場で短時間ながらDP-CMX1を試聴することができた。近年、高音質をうたうハイレゾ対応スマートフォンがさまざまなメーカーから登場してきており、仕事柄、いろいろな製品を試聴させていただいているが、どれも専用DAPに比べてノイズが多く、なかなかコレだという製品がなかった。そんな中、今回オンキヨーから登場したDP-CMX1は、高音質をうたうスマートフォンの中でも別格の音のよさで、これが本当にスマートフォンの音なのかと驚いてしまった。特にバランス接続時のサウンドは圧巻で、女性ボーカルの声は非常に生々しく、かなりリアルに感じられた。筆者はDP-X1を所有しており、以前、DP-X1Aと音質比較を行ったことがあるのだが、DP-CMX1のパワフルかつキレッキレなサウンドはまさにDP-X1Aを彷彿とさせてくれた。

DP-CMX1を試聴

DP-CMX1を試聴

DP-CMX1の価格はオープンとなっているが、DP-CMX1を取り扱うMVNOのひとつである楽天モバイルでは、一括で84,800円(税抜)とアナウンスしている。スマートフォンとしてみるとやや割高な印象を受けるが、DP-X1A並のオーディオ性能を備え、標準で128GBものストレージを備えている点や、現在のDP-X1Aの価格などを考慮すると、決して高くはない。スマートフォンでハイレゾのいい音を楽しみたいという人はもちろん、スマートフォンと専用DAPの2台持ちを解決したい人にとってもぴったりな1台になりそうだ。

遠山俊介(編集部)

遠山俊介(編集部)

PC・家電・カメラからゲーム・ホビー・サービスまで、興味のあることは自分自身で徹底的に調べないと気がすまないオタク系男子です。最近はもっぱらカスタムIEMに散財してます。

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2017.8.17 更新
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