ドルビーアトモス対応で音も映像も楽しめるハイエンドスマホ

高音質スマホ「AXON 7」は音楽プレーヤーを超えられるのか!?

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ZTEジャパンから2016年10月に登場した「AXON 7」と「AXON 7 mini」は、サウンドにこだわったSIMフリースマートフォンだ。ハイレゾ音源の再生と立体音響「ドルビーアトモス」に対応するほか、高品質なステレオスピーカーを搭載するなど、映像コンテンツの迫力ある音もガッツリ楽しめる製品となっている。今回は本製品のそんな強力なサウンド機能を中心にチェックした。

ZTEジャパンのスマートフォン「AXON 7」(左)と「AXON 7 mini」(右)

ZTEジャパンのスマートフォン「AXON 7」(左)と「AXON 7 mini」(右)

「AXON 7」と「AXON 7 mini」は、これまでZTEジャパンが国内市場で展開していた「Blade」シリーズの上位にあたるハイエンド系のスマートフォンだ。それぞれの基本スペックは、「AXON 7」のほうがCPUに「Snapdragon 820」(4コア、2.15GHz)を採用し、メモリーには4GB、内蔵ストレージが64GB。いっぽうの「AXON 7 mini」は、CPUに「Snapdragon 617」(1.5GHz×4+1.2GHz×4)を採用し、メモリーは3GB、内蔵ストレージが32GBとなっている。ディスプレイはどちらも有機ELパネルを採用するが、「AXON 7」が2560×1440の5.5型なのに対し、「AXON 7 mini」が1920×1080の5.2型とひと回り小さい。

背面のメインカメラについても、「AXON 7」が光学式・電子式の両方が使える手ブレ補正を備えたF1.8のレンズに2000万画素のイメージセンサーを組み合わせたものなのに対し、「AXON 7 mini」は電子式手ブレ補正のみを備えたF1.9のレンズと、1600万画素のイメージセンサー組み合わせたものと、やや差がある。

なお、2017年2月7日時点の価格.com最安価格は、「AXON 7」が51,400円(税込)、「AXON 7 mini」が34,800円(税込)となっている。15,000円の価格差はあるが、いずれもハイエンド系のモデルにふさわしい性能を備えており、その中で「AXON 7 mini」はスペックを抑えてコストパフォーマンスを高めたモデルとなっている。

そんな両モデルの特徴は、とくにかく音にこだわっている点だ。最近のハイエンドスマートフォン同様、ハイレゾ再生対応はもちろんだが、中身のパーツに至るまで徹底してオーディオグレードを追求している。たとえば、音質を大きく左右するD/Aコンバーターには、実売50万円のデジタルオーディオプレーヤー(以下、DAP)、Astell&Kern「AK380」と同じ、旭化成エレクトロニクス製の「AK4490」を搭載しているのだ(AXON 7 miniはグレードの低い「AK4962」)。そのうえ、ノイズ対策も徹底。ハイエンドチップの性能を引き出せるよう、基板のレイアウトや部品の選定にも気をつかっている。

さらにユニークなのが、映画館やホームシアター向けの立体音響技術「ドルビーアトモス」に対応していること。イヤホンのほか、フロントに備えたステレオスピーカーでも立体的なサウンドを楽しめる。2モデルともディスプレイに高画質な有機ELパネルを採用していることもあり、動画の再生にも適している。

DSDに非対応だが、音声フォーマットは192kHz/24bitまで対応

では、実際に「AXON 7」および「AXON 7 mini」のハイレゾ対応プレーヤーとしての性能を見ていこう。まず音声出力端子であるが、用意されているのは3.5mmのヘッドホンジャックのみで、ノイズの影響を受けにくいバランス出力は搭載されていない。このあたりは通常のスマートフォンと同じだ。

「AXON 7」(左)と「AXON 7 mini」(右)ともに音声出力端子は3.5mmヘッドホンジャック1系統のみ。ノイズに強いバランス出力は非搭載となっている

また、再生できる音声フォーマットは、192kHz/24bitのWAVやFLAC、Apple LosslessなどのPCMとなっており、DSD音源には非対応だ。音楽プレーヤーアプリについても、特筆すべきはドルビーアトモスを呼び出せるアイコンがあることくらいで、それ以外はAndroid標準のプレーヤーと操作感は似ている。

フォルダ内の楽曲を表示した際のプレーヤー画面(左)。試しに、DSD音源を入れてみたが、ファイル自体が表示されなかった。なお、筆者が確認した限りでは、96kHz/32bitの音源も再生できた。なお、楽曲再生画面(右)で、表示された画像の下にあるドルビーのロゴマークを押すことで、ドルビーアトモスを設定できる

ドルビーアトモスは、標準の音響効果として「映画」「音楽」「ゲーム」「ボイス」の4種類のプリセットが用意されているほか、好みの設定を記録できる「カスタム1」「カスタム2」なども用意されている

ドルビーアトモスは、本体の設定の「音とバイブレーション」にある「ドルビーデジタルプラス」からも呼び出せる。ここで有効にしておけば動画再生中でもドルビーアトモスの効果を楽しめる(左)。なお、「ヘッドセットHiFi対応」の設定画面では、「標準」と「スーパー」の2つのモードが選択可能。「スーパー」のほうがより高音質で楽しめる(右)

入門向けのハイレゾDAPを超える音質

それでは気になる音質についてレビューしよう。試聴時に使ったイヤホンは、1964 EARSのカスタムIEM「V6 Stage」で、音源には、192kH/24bit、96kHz/24bit、96kHz/32bit、CD音源(44.1kHz/16bit)のそれぞれを使用した。

まず、特に音質にこだわり抜いた「AXON 7」は、一般的なハイレゾ対応スマートフォンで聴くより確かにいい音だった。ハイレゾ音源では特に明瞭度の高さがよく出ており、1枚ベールをはがしたように、ハッキリクッキリと聴こえるようになっている。残留ノイズ(雑音)の類もなく、小さな音も聞き分けられるほどの解像度の高さもある。音の傾向としてはフラット寄りで淡々としているが、情報量のあるサウンドのため物足りない感じはしない。音の広がりはやや弱いように感じた。

ただ、イヤホンでは十分な音量を確保できるが、ヘッドホンではかなりボリュームを上げる必要がある。試しにインピーダンスが70Ω、音圧感度120dBのゼンハイザーの小型ヘッドホン「HD25-1 II」をつなげてみたところ、ボリュームを最大寄りにしてようやく聴ける程度になった。このときの音量は15段階で調整できる側面の音量ボタンで9〜10あたり。使用するヘッドホンのインピーダンスや音圧感度によっては、鳴らしきるのがやや厳しいかもしれない。ちなみに、イヤホンでは5前後のあたりで適当な音量になった。

1964 EARSのカスタムIEM「V6 Stage」で「AXON 7」の音を聴いた

1964 EARSのカスタムIEM「V6 Stage」で「AXON 7」の音を聴いた

さて本機で気になるのはDAPと比べてどうなのかという点だろう。手元にあったソニーのウォークマン「NW-A25」と聴き比べてみたところ、十分張り合えるという印象を抱いた。さすがにヘッドホンでの再生となるとDAPのほうがドライブできるため有利に思えたが、イヤホンでは大きな差はない。なお、3万円オーバーのAstell&Kernの「AK Jr」とも聴き比べてみたが、音質と操作性ともに一歩及ばずという感じだ。とはいえ、スマートフォンとしてはかなり高品位な音を実現した製品であることは間違いない。

いっぽう、廉価モデルとなる「AXON 7 mini」は、「AXON 7」から音のグレードが落ちる、というのが正直なところ。特に解像度は低くなっており、ハイレゾ対応スマートフォンより若干すぐれている程度だ。しかし、ディテールは甘めだが各帯域のチューニングがよいためか、一体感のある力強いサウンドは出ていた。電車内などの騒音環境下でも、その力強さによりしっかりしたサウンドを聴けたのは好印象だ。こちらは繊細な表現を得意とする「AXON 7」にはなかった特徴と言える。

迫力のある音が楽しめるドルビーアトモス

次にドルビーアトモスを使ったサラウンド効果についてもチェックしていこう。サラウンド感をより楽しむためにイヤホンではなく、フロントに備わるステレオスピーカーを使い、映画コンテンツを再生してみた。まずはドルビーアトモスをオフの状態で視聴してみたが、左右のステレオスピーカーが横方向に広がりのあるサウンドを再現していた。ステレオスピーカーを搭載するスマートフォン自体少ないので、これだけでも十分感動できる。次にドルビーアトモスをオンにし「映画」モードで再生したところ、音の広がりがガラリと変わった。音がより前に出てくるようになり、左右も大きく広がる。スイートスポットはさほど広くないが、ピタリとはまれば臨場感のあるサウンドが楽しめる。フロントに備わる高品位なステレオスピーカーを通じてしっかりとしたサラウンド効果を体験できるのは、「AXON 7」と「AXON 7 mini」の大きな魅力だと感じた次第だ。

フロントに備えたステレオスピーカーとドルビーアトモスで、高いサラウンド感が得られる

フロントに備えたステレオスピーカーとドルビーアトモスで、高いサラウンド感が得られる

まとめ

「AXON 7」と「AXON 7 mini」は、音にとにかくこだわったスマートフォンだ。特にフラッグシップモデルの「AXON 7」は、入門向けハイレゾプレーヤーと同等以上の品質を持っており、スマホ1台で高音質な音楽プレーヤーも兼ねることができるのは大きなメリットと言えるだろう。また、両モデルともディスプレイに有機ELパネルを採用し、フロントにステレオスピーカーを備えるうえ、ドルビーアトモスの立体音響効果を加えることができるなど、映像コンテンツのサウンドでもリッチに楽しめる。

音楽プレーヤーのインターフェイスがシンプルすぎたり、DSD音源が再生できないなど気になるところもあるが、これは有料のプレーヤーアプリを導入すればクリアできてしまう。そうしたことも考えると、「AXON 7」と「AXON 7 mini」は、いずれも非常にコストパフォーマンスの高いハイレゾ対応スマートフォンと言えそうだ。

銭袋秀明(編集部)

銭袋秀明(編集部)

編集部の平均体重を底上げしている下っ端部員。アキバをフィールドワークにする30代。2015年4月、某編集部から異動して価格.comマガジン編集部へ。今年こそ、結果にコミット!

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2017.6.28 更新
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