大容量の5,000mAhバッテリーや4GB RAMなどを搭載しつつ約3万円の高コスパ

発売とともに賛否両論!? FREETEL「RAIJIN(雷神)」レビュー

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2017年2月1日に発売された、FREETELのAndroidスマートフォン「RAIJIN」は、約5.5インチのフルHD液晶や、5,000mAhの大容量バッテリー、Android 7.0の搭載など、高い基本スペックを備えつつ、29,800円(税別)という低価格で注目を集めている。だが、価格.comに寄せられるユーザーの意見は賛否両論だ。その理由に迫った。

ポイントを押さえた高いハードウェア性能と高いコスパが魅力のRAIJIN。使ってみてわかった点をレポートする

ポイントを押さえた高いハードウェア性能と高いコスパが魅力のRAIJIN。使ってみてわかった点をレポートする

大容量バッテリーを内蔵しながらコンパクトにまとめられたボディ

FREETELのスマートフォン「RAIJIN(雷神)」は、フルHD表示に対応する約5.5インチの液晶ディスプレイを採用する大画面モデル。サイズは約76(幅)×153(高さ)×8.7(厚さ)mm、重量約183gで、後述する5,000mAhの大容量バッテリーを内蔵するため、重さや厚みにボリューム感がある。ただ、重量バランスやボディ形状の工夫により、携帯性は思ったよりずっとよく、大容量バッテリー搭載の悪影響を心配するほどではない。

ボディは、同社の「REI」などと共通したデザインのアルミ合金製のフレームに、金属のような見た目の樹脂製背面パネルを組み合わせたもの。カラーバリエーションは、マットブラック、シルバー、ネイビーの3種類がラインアップされている。

大容量のバッテリーを収めるためやや厚みのあるボディだが、重量は約183gに抑えられている

大容量のバッテリーを収めるためやや厚みのあるボディだが、重量は約183gに抑えられている

側面を囲むアルミのフレーム。FREETELの人気モデル「REI」とよく似ている

側面を囲むアルミのフレーム。FREETELの人気モデル「REI」とよく似ている

上面にはヘッドホン端子とストラップホールが配置されている

上面にはヘッドホン端子とストラップホールが配置されている

外部インターフェイスとしては、USB On-the-Go(OTG)に対応するUSB Typy-Cポートが採用される。充電やPCへのデータ転送に加えて、USBメモリーやHDDなどのUSBストレージを接続できるほか、マウスやキーボードも接続可能だ。

画面下部の3つの操作ボタンは、FREETELのスマートフォンでよく見かけるプッシュ式ボタンではなく、いずれもタッチセンサー式だ。背面には円形の指紋認証センサーが配置されるが、この指紋認証センサーは、価格.comのユーザーレビューやクチコミ掲示板でも、認証精度の点でやや難ありと話題になっている。実機で試してみたが、ほかのスマートフォンの指紋センサーと比較して指をセンサー表面に密着させにくいところがあり、結果として、認証が1回で通らないことが多かった。せっかくの指紋認証センサーなのだから、改良を望みたいところだ。

画面下部にはタッチセンサー式の操作ボタンを配置。プッシュ式ボタンは採用されていない

画面下部にはタッチセンサー式の操作ボタンを配置。プッシュ式ボタンは採用されていない

価格.comに寄せられるユーザーレビューやクチコミ掲示板でもその精度が話題になっている指紋認証センサー。センサー表面に指を押し当てにくく、認証が通らないことが多かった

なお、液晶ディスプレイの画質は、2016年10月に行われた発表会でのタッチ&トライでは少々暗く感じたが、今回使用した製品版では画質や視野角に不満はなかった。全体として、色味はややマゼンタ気味で、コントラストも少し淡白だが、さほど気になるレベルではない。なお、コントラストや彩度、写真の輝度、シャープネス、色温度などを調整できる「MiraVision」という画質調整機能を備えており、画質傾向もある程度まではチューニングできる。なお、マルチタッチは10点まで対応している。

ディスプレイはややマゼンタ気味の発色。画質調整機能「MiraVision」を使えば、ある程度修正できる

ディスプレイはややマゼンタ気味の発色。画質調整機能「MiraVision」を使えば、ある程度修正できる

余裕のある処理性能、キャリアアグリゲーション対応で高速通信も可能

本機は、処理性能にかなり余裕があり、大きな特徴となっている。処理性能の要であるCPUは、MediaTeKのミドルレンジ向けオクタコアプロセッサー「MT6750T (1.5GHz×4 + 1.0GHz×4)」で、4GBのRAMと64GBのストレージを組み合わせる。RAMとストレージの容量は価格を考えれば異例なほど多い。OSも、最新世代のAndroid 7.0だ。Android 7.0は、2画面分割のマルチウィンドウや、改良された節電機能「Doze」などを備えており、使い勝手が向上している。

Android 7.0の注目機能「マルチウィンドウ」も利用可能だ

Android 7.0の注目機能「マルチウィンドウ」も利用可能だ

定番のベンチマークアプリ「Antutuベンチマーク」を使って、実際の速度を計測してみたところ、総合スコアは43096で、サブスコアの内訳は「3D」が7343、「UX」が18265、「CPU」、「RAM」が4078となった。大まかに言えば2〜3年ほど前のハイエンドモデル並みの性能で、現行モデルではNTTドコモの「MONO」(Antutuベンチマーク総合スコア:44358、価格.comマガジン調べ)に近い。体感速度では、「ポケモンGO」や「Kindle」など大型アプリの起動にかかる時間は、多少ばらつきはあるもののおおむね速く、ベンチマークテストの結果では倍近スコアをつけている「Nexus 6P」(CPU:Snapdragon 810、RAM:3GB)に迫るほどで、このあたりには大容量RAMの恩恵を感じる。そのいっぽうで、起動後のアプリの動作レスポンスについては、CPUのスペック並み。特に描画のもたつきを感じることが多かった。

Antutuベンチマークの総合スコアは43096。大まかに言えば2〜3年ほど前のハイエンドモデルに相当する処理性能だ

ストレージの空き容量は初期状態で約53.3GBが利用可能。さらに、128GBまで対応するmicroSDXCメモリーカードスロットを備えているので、ストレージの空き容量の不足に悩まされることは少なそうだ。

センサーまわりでは、ジャイロセンサーを搭載しており、「ポケモンGO」のARエフェクトが利用可能だ、また、カーナビアプリでの自車位置の測位でもジャイロセンサーの搭載は有効だ。GPSにももちろん対応しているが、測位衛星は、GPS、GLONASSに加えて、国産の「みちびき(QZSS)」にも対応している。

一般的な測位衛星のGPSやGLONASSに加えて、「みちびき(QZSS)」にも対応している

一般的な測位衛星のGPSやGLONASSに加えて、「みちびき(QZSS)」にも対応している

ジャイロセンサーを備えるほか、3種類の測位衛星に対応するなど、人気アプリ「ポケモンGO」との相性はよい

ジャイロセンサーを備えるほか、3種類の測位衛星に対応するなど、人気アプリ「ポケモンGO」との相性はよい

通信機能を見てみよう。本機のLTEの対応バンドは1/2/3/4/5/7/8/17/19/28Bで、LTEのバンド3+19とバンド1+19のキャリアアグリゲーションにも対応する。NTTドコモ系のSIMカードを使えば、下りで最大300Mbpsの高速通信が利用可能だ。また、デュアルSIMデュアルスタンバイ(DSDS)にも対応しており、LTE対応データ通信用のSIMカードと、3Gの音声通話用SIMカードを同時に使うことができる。Wi-Fiは、IEEE802.11 a/b/g/n の各規格に対応し、5GHz帯も使用可能だ。価格.comのクチコミ掲示板に寄せられた意見の中にはWi-Fiの受信感度に不満があるというものもあるが、今回の検証で2.4GHz帯を使った限りでは、感度は十分確保されており、オフィスを仕切る薄い壁2枚を突破して、モバイルWi-Fiルーターの親機からの電波をキャッチできていた。なお、NFCポートは搭載されていない。

5,000mAhの大容量バッテリーの実力は?

5,000mAhの大容量バッテリーも本機の大きな魅力だ。カタログスペックを見ると、連続通話時間2,040分、連続待受時間約590時間(約24日間)という数値で、かなりのロングスタミナである。そのいっぽう、価格.comのクチコミ掲示板には「期待したほどではない」といった趣旨の意見も少なからず見かける。

今回の検証は3日強(約80時間)の期間で行ったが、その間に行った充電は3回。24〜28時間に1回程度の間隔で充電を行った。検証中に追加したアプリは、バッテリー監視アプリと、Twitter公式アプリのみ、使い方にもよるだろうが、期待したほどにはバッテリーが持たなかった。気になった点として、節電機能「Doze」を搭載している割に、待機時のバッテリー消費が多く、1時間に2%前後消費していた。同じくAndroid 7.0を搭載する「Nexus 6P」なら、Doze動作時で睡眠中(6時間)なら大体2〜3%程度しかバッテリーは減らないが、本機の場合は同じ条件で10%近く消費していた。この差が意外と大きく感じた。

6時間の待機中に、バッテリーは73%から60%まで消費された。Dozeモードが動作している割にはバッテリーの消費はかなり多い

いっぽうの発熱だが、本機が採用するCPUである「MT6750T」は、ミドルクラスということを考慮しても発熱は抑え目で、GPSを使い続ける「ポケモンGO」を動作させ続けてもCPUの温度は36.0℃にとどまった。加えて、ボディの背面が熱を通しにくい樹脂製なうえに、熱源がボディの上面にあるため、持つことが不快なほどの熱は、検証中に1度も現れなかった。

使用中の発熱の様子。充電中に38℃を記録したが、ポケモンGOを30分ほど使い続けてもCPU温度は36℃にとどまった

なお、従来のFREETELのスマートフォンは急速充電に対応していなかったが、本機は大電流に対応するUSB Type-Cポートを搭載しており、急速充電に対応したこともセールスポイントになっている。本機の急速充電は、製品パッケージに含まれるACアダプターを使うことで、5V/1.8A(9W)または7V/1.8A(12.6W)で充電を行うというものだ。しかし、残量ゼロからフル充電にかかる時間は、3時間半とかなり長い。なお、手元にあった、USB Type -Cの標準である5V/3A(15W)に対応するACアダプターを試してみても、充電時間は変わらなかった。USB Type-Cを使う割に、急速充電の性能はあまり高くなく、大容量バッテリーの長い充電時間を少しでも短縮するために、もっとポテンシャルの高い急速充電に対応してほしかったというのが率直な感想だ。

同梱されるACアダプターは、5V/1.8A(9W)と、7V/1.8A(12.6W)の出力に対応。USB Type-Cの標準である5V/3A(15W)には対応していない

充実してきてきたカメラ機能。高感度撮影も比較的良好

次に、カメラを見てみよう。メインカメラはF値2.0のレンズに約1,600万画素のイメージセンサーを組み合わせたもの。サブカメラもF値2.0のレンズに800万画素のイメージセンサーを組み合わせている。

なお、カメラアプリは自社開発したものを使っているのがFREETELの特徴で、美肌効果や残像撮影、一眼レフカメラのような背景をぼかした撮影などが行える。またマニュアル撮影モードも備えており、ISO(100〜1600)、輝度(EV±3)、ホワイトバランスの3項目を手動で調節可能となっている。

メインカメラはF値2.0のレンズに約1600万画素のイメージセンサーという組み合わせ。フルHDの動画撮影にも対応している

サブカメラも約800万画素となかなか高精細

サブカメラも約800万画素となかなか高精細

マニュアル撮影や残像撮影、ハイスピード撮影、美肌効果などの各種機能を備えたオリジナルのカメラアプリ

マニュアル撮影や残像撮影、ハイスピード撮影、美肌効果などの各種機能を備えたオリジナルのカメラアプリ

マニュアル撮影モードでは、ISO感度、露出、ホワイトバランスの3項目を手動で調節できる

マニュアル撮影モードでは、ISO感度、露出、ホワイトバランスの3項目を手動で調節できる

カラーサンプルをオートモードで撮影した(ISOスピードレート:158、シャッタースピード:1/25秒)。SNSなどで画面映えしそうな明るい仕上がりだが、左上の黄色がやや飽和気味でのっぺりとした印象も受ける

暗めの照明の下で料理を撮影(ISOスピードレート:307、シャッタースピード1/20)。肉眼の印象よりもかなり明るい。オートフォーカスの迷いや手ブレも気にならない

カメラの画質傾向は、全般的に明るめで、SNSなどで映える傾向のようで、肉眼の印象に近いというよりもカジュアルな使い勝手を重視している傾向のようである。なお、メインカメラの最高感度がISO1600にとどまっている割に、暗い場所での撮影でも、手ブレ被写体ブレは想像よりも少なかった。

美点は多いが、スペック表に現れにくい性能にいくつか課題も

スマートフォンにとってバッテリーは今でも大きな課題だが、RAIJINは、5,000mAhという大容量バッテリーを搭載しながら、むやみにサイズや重量が増えておらず、使い勝手や持ちやすさは損なわれていない。また、4GBのRAMや64GBのストレージ、フルHD対応の5.5型液晶を備えるなど、基本スペックが高い点も評価できる。そのいっぽうで、USB Type-Cを使うものの、大容量バッテリーとは釣り合いの取れていない急速充電機能や、指紋認証センサーの使いにくさなど、使って初めて気づくネガティブな部分もいくつか見られた。

基本性能にこだわりつつ、コストパフォーマンスも重視したいユーザーには適しているが、細部にいたる使いやすさなど繊細な作りこみを気にするユーザーは、荒削りな印象を受けるかもしれない。自分がスマホに何を求めるかで評価が分かれやすい1台と言えるだろう。

田中 巧(編集部)

田中 巧(編集部)

FBの友人は4人のヒキコモリ系デジモノライター。バーチャルの特技は誤変換を多用したクソレス、リアルの特技は終電の乗り遅れでタイミングと頻度の両面で達人級。

製品 価格.com最安価格 備考
FREETEL RAIJIN SIMフリー 28,962 大容量バッテリーやRAM、ストレージを備えたFREETELのAndroidスマートフォン
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2017.3.30 更新
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