フランスのモバイル端末ベンチャー企業「Wiko(ウイコウ)」は、2017年2月14日、日本市場への参入を発表した。その製品第1弾として、Android 6.0を搭載するSIMフリースマートフォン「Tommy」を2月25日より発売する。国内でも競争が激化しているSIMフリースマホ市場だが、Tommyはどんな特徴があるのか? そのポイントを速報でお届けしよう。
Wikoは、フランス発祥のベンチャー企業。競争の激しい日本市場に対しTommyはどんな強みで勝負するのか?
Wikoは2011年にフランス・マルセイユで設立されたスマートフォンを中心としたモバイル端末のベンチャー企業だ。現在、ヨーロッパ、アジア、アフリカで事業を展開しており、本国のフランスではシェア2位、西ヨーロッパ諸国でもシェア上位5位以内をキープしている。
そんなWikoが日本市場参入に際して用意したのはSIMフリーのAndroidスマートフォン「Tommy」。720×1280のHD表示に対応した約5.0インチのIPS液晶を備え、価格を14,800円(税別)に抑えた、カジュアルさが特徴で、若年層ユーザーをターゲットとして想定した製品になる。
ボディサイズは、約71.5(幅)×145.9(高さ)×8.9(厚さ)mm、重量約165g(メーカーの情報修正に従い2017年2月24日訂正)。CPUにはクアッドコアの「Snapdragon 210 MSM8909+(1.3GHz×4)」を採用し、2GBのRAMと、16GBのストレージを組み合わせる。OSは、Android 6.0だ。なお、増設用のmicroSDXCメモリーカードスロットは64GBまで対応する。
HD表示対応の5インチ液晶ディスプレイ。IPS液晶なので視野角も十分広い
樹脂の質感を前面に出した背面デザイン。マット処理された表面の質感は良好
側面のボリュームと電源ボタン。カチッとしたクリック感があり好ましい操作感覚
本体下部には、充電用microUSBポートを装備。なお、本機は防水仕様にはなっていない
ヘッドホン端子は上面に配置されている
センサー類では、加速度センサー、光センサー、近接センサー、磁気センサーといった一般的なセンサーに加えて、ジャイロセンサーも搭載。ステレオ録音が可能なデュアルマイクを搭載しているのも、この価格帯の製品ではユニークなところ。メインカメラは約800万画素、サブカメラは約500万画素で、720pまでの動画撮影が可能だ。なお、NFCポートは搭載されていない。
メインカメラは約800万画素。720pの動画撮影が可能
サブカメラは500万画素。美肌効果などの機能も搭載される
プリセットされた画像と写真を重ねる「フレーム」撮影機能も搭載
バッテリーは容量2,500mAhで、最近では珍しい交換可能なパック式だ。なお、交換用のバッテリーは、当面、別売りのオプションとして発売される予定はなく、ユーザーサポートなどを通してユーザーに届けられるという。カラーバリエーションは発売当初は、ブリーン、フラッシュレッド、トゥルーブラックの3色だが、サンイエロー、ホットピンク、クールグレーの3色も追加が予定されている。
交換可能なバッテリーパックを採用。ただし、当面、バッテリーのオプション販売は行わない。急速充電には非対応
当面用意されるカラーバリエーションは、フラッシュレッド(写真左)、ブリーン(写真中央)、トゥルーブラック(写真右)の3色
通信機能を見てみよう。LTEの対応バンドは、B1/3/8/18/19。NTTドコモの「Xi」でサービス中のB1/3/19を利用可能なほか、auの「au 4G LTE」で中心的に使われるB18や、ソフトバンクの「プラチナバンド」で使われるB8にも対応するなど、主要キャリアのネットワークが利用できる。このクラスでは珍しく高音質通話サービス「VoLTE」にも対応している点もユニークだ。
なお、本機は2基のmicroSIMカードスロットを搭載しているが、2枚のSIMカードを同時に使うデュアルSIMデュアルスタンバイ(DSDS)には対応していない。
本機の属する15,000円以下のエントリー向けSIMフリースマートフォンは、ここ最近製品が急増しているが、本機は、ライバル機と比較してRAMとストレージの容量が大きいのがポイントだ。特に、FREETELの最新モデル「Priori 4」とはハードウェア的に共通する点が多く、両機の比較は興味深いものになるだろう。
Wikoは、フランス本国では、海外勢のスマートフォンと比較して「自分たちのメーカー」という愛着や、デザイン性などで評価されていたという。今回投入されるTommyは、カジュアルで明るいWikoらしい印象があり、しかも価格も安く抑えられているので、10代や20代の若者向けのスマートフォンとして面白い存在になりそうだ。
なお、Wikoはグローバルでは30製品ほどのラインアップを展開しており、国内でも2017年度中にさらに数機種の発売を計画している。今後の展開にも注目したい。