価格.com 家電トレンド研究所

オーラルケアの2大人気!1万円以下の「お手ごろ電動歯ブラシ」と2万円近い「ちょい高価な口腔洗浄器」

長年家電業界を見てきた価格.com編集長が、価格.comが保有するさまざまなデータと、自身の知識・経験をベースに、家電製品の最新トレンドを解説。今押さえておくべき機能やスペックを紹介しつつ、コスパ、性能、ユーザー評価などの観点から、今買って間違いなしの製品を厳選して紹介する。

第19回は、近年注目度が上がってきたオーラルケアの必需品、電動歯ブラシの最新トレンドについて解説する。

昨今注目されるオーラルケア。電動歯ブラシの基本を知って、効果的な歯磨きを

昨今、オーラルケア(口腔衛生)の重要性が広く認知されるようになってきた。以前であれば、虫歯予防とか歯肉炎・歯槽膿漏の予防といった面だけにフォーカスされていたオーラルケアであるが、最近では、口腔内の細菌がさまざまな体調不良の原因となることがわかってきたこともあって、医学的にもその重要性は以前より増していると言える。そんなオーラルケアに役立つ製品が「電動歯ブラシ」だ。

電動歯ブラシは、ボディ内に内蔵された小型モーターがブラシを高速に振動・回転させることで、手磨きよりもはるかに効率よく歯の表面を磨けるのが特徴。その方式はおおまかに分けると、「振動式」と「回転式」とに分けられる。このうち振動式は、ブラシに与える振動数によっていくつかのグレードに細分化されるが、最も一般的なのは「音波式」と呼ばれる製品だ。これは、1分間に1万〜5万回程度の高速振動を、一般的な歯ブラシと同様の縦型ブラシに与えて歯を磨くというもの。歯の表面の歯垢はもちろんのこと、音波振動によって、歯と歯の隙間などの歯垢も掻き出せるとされている。いっぽうの回転式は、左右に1分間で3,000〜7,000回程度の高速回転するブラシを採用しており、比較的強力に歯の表面の歯垢を掻き出すとされている。

なお、音波式の上のクラスで「超音波式」という方式もあるが、こちらは音波式と原理的には同じだが、振動周波数がさらに高くなったものをさす。超音波式は、細かい部分の歯垢もしっかり除去するもので、歯の矯正を行っているような人にも適した製品と言える。

現在の電動歯ブラシの主流は音波式で、パナソニックやフィリップス、オムロンなど、多くのメーカーがこちらを採用している。いっぽうの回転式は、ほぼブラウンのみの採用となっており、シェア的な面で言えばやや劣勢だ。ただし、両方式とも一長一短があるので、購入の際にはよく検討するといいだろう。

最近人気の「口腔洗浄器」。電動歯ブラシは1万円以下の低価格モデルが人気の中心

【図1】価格.com「電動歯ブラシ」カテゴリーの閲覧者推移(過去2年)

【図1】価格.com「電動歯ブラシ」カテゴリーの閲覧者推移(過去2年)

図1は、価格.com「電動歯ブラシ」カテゴリーの過去2年間における閲覧者推移を示したものだが、凹凸はあるものの、ほぼ横ばいで推移していることがわかる。カテゴリー自体が大きく伸びているとは言えないが、安定した需要があることを裏付けており、消費者の関心もさほど衰えていないようだ。なお、価格.comの「電動歯ブラシ」カテゴリーには、電動歯ブラシ以外に、最近増えてきた「口腔洗浄器」も含まれている。後述するが、最近、口腔洗浄器が人気となっていることを考えると、純粋な電動歯ブラシ自体の人気はやや落ちているとも考えられる。

【図2】価格.com「電動歯ブラシ」カテゴリーにおける主要メーカー別の閲覧者推移(過去2年)

【図2】価格.com「電動歯ブラシ」カテゴリーにおける主要メーカー別の閲覧者推移(過去2年)

図2は、価格.com「電動歯ブラシ」カテゴリーにおける主要メーカー別の閲覧者推移(過去2年)を示したもの。国内の電動歯ブラシ市場は長らく、パナソニック、フィリップス、ブラウンの3社がほとんどのシェアを占めている寡占市場であり、この3社ともが、2年前から見ても、同じような割合で推移している状況だ。首位がパナソニックなのは変わらないが、フィリップス、ブラウンも安定してユーザーを獲得しており、なかでもフィリップスが最近の口腔洗浄器ブームもあって、その存在感を増している。

【図3】価格.com「電動歯ブラシ」カテゴリーにおける人気トップ5製品の閲覧者推移(過去6か月)

【図3】価格.com「電動歯ブラシ」カテゴリーにおける人気トップ5製品の閲覧者推移(過去6か月)

では、価格.comの「電動歯ブラシ」カテゴリーでは、どんな製品が人気なのか。それを端的に表したのが図3だ。ここでは、売れ筋ランキングのトップ5製品の顔ぶれを見ると、パナソニックが3製品、フィリップスが2製品ランクインしているが、このうち、パナソニックの2製品は口腔洗浄器「ジェットウォッシャードルツ」となっていることに注目したい。家庭用の口腔洗浄器は比較的最近になって登場してきた新ジャンルだが、電動歯ブラシではなかなか掻き出せない歯と歯の隙間の歯垢や汚れなどを、強い水流で流し取ることで、最近人気を博している。今や、価格.comの「電動歯ブラシ」カテゴリーでも、こうした口腔洗浄器がランキング上位をにぎわせるようになっており、この分野に比較的力を入れているパナソニック、そしてフィリップスのシェアを高める要因ともなっている。

【図4】価格.com「電動歯ブラシ」カテゴリーにおける人気トップ5製品の最安価格推移(過去6か月)

【図4】価格.com「電動歯ブラシ」カテゴリーにおける人気トップ5製品の最安価格推移(過去6か月)

上記人気5製品の最安価格の推移を示したのが、図4だ。これを見るとわかるように、今人気なのは、17,000〜20,000円程度で購入できる口腔洗浄器と、1万円以下で購入できる電動歯ブラシにほぼ二分されている。電動歯ブラシに関しては、どのメーカーも、1万円以下で購入できるエントリーモデルのほか、高機能を付加したミドルクラスモデルや、スマホ連動なども行えるハイエンドモデルなど、3段階程度の価格帯でそれぞれ製品をラインアップしているが、このうち人気なのはエントリーモデルのみ。1万円を超える上級モデルはいずれもトップ5には入っておらず、ベスト10に数点入っているのみという状況だ。

電動歯ブラシは、その振動数や回転数などによっても、得られる歯磨き効果が変わってくるし、搭載される各種の機能(強さ調整、付属ブラシの数、急速充電など)についても、あったほうが便利なものは多く、これらは価格にほぼ比例するので、あまり安すぎる電動歯ブラシを買って、あまり効果がないなと投げ出してしまうくらいなら、最初からある程度の性能・機能を搭載した製品を選んで、長く使い続けてほしいものだが、今の人気状況を見ると、そうしたモデルがあまり選ばれておらず、やや寂しい状況だ。

コレ買っときゃ間違いない! 価格.com編集長が今注目する電動歯ブラシ・口腔洗浄器5選

※最安価格とユーザー評価は、いずれも2023年8月1日 時点のものです

パナソニック「音波振動ハブラシ ドルツ EW-DP36-W」

EW-DP36-W

価格.com最安価格:18,945円
発売日:2022年9月1日発売
ユーザー評価:★4.86(5人)

人気のパナソニック「ドルツ」のミドルクラスモデル。毎分31,000回の横方向への振動に加えて、歯を叩くように動く毎分12,000回の振動を加えた「W音波振動」を搭載。歯間部に対して叩く振動を加えることで、歯の隙間の歯垢などをよりパワフルに掻き出せる。駆動モードは、W音波振動を活用する「Wクリーンモード」のほか、横方向のみの「ノーマルモード」と、やさしく動作する「ソフトモード」の3つを搭載。充電スタンドは、歯ブラシ自体が底面に接しないフロート構造となっており、お掃除がしやすいのも美点。ブラシは、極細毛のラージとコンパクト、ホワイトニングに適した「クリーン&ホワイトブラシ」の3つが付属する。

パナソニック「音波振動ハブラシ ドルツ EW-DL38-A」

EW-DL38-A

価格.com最安価格:8,732円
発売日:2022年9月1日発売
ユーザー評価:★4.48(9人)

パナソニック「ドルツ」のエントリーモデル。毎分31,000回の横方向への振動で、歯科医師推奨の横磨きを手軽に体感できる。軽量・コンパクトで、シンプルな操作感が特徴。1万円以下で購入できる価格の安さが支持されている。駆動モードは、「ノーマルモード」と「ソフトモード」の2種類。ブラシは、極細毛のコンパクトと、ホワイトニングに適した「クリーン&ホワイトブラシ」の2つが付属する。

ブラウン「オーラルB iO5 IOG51A60BP」

価格.com最安価格:12,880円
発売日:2022年9月30日発売
ユーザー評価:★-(0人)

回転式ブラシを採用するブラウン「オーラルB」のミドルクラスモデル。歯を包み込むように高速回転する丸形ブラシに加え、ブラシの1本1本まで振動する「遠心マイクロモーション」を搭載することで、歯垢をパワフルに除去できるとされている。駆動モードは、「標準クリーン」「しっかりクリーン」「やわらかクリーン」「超やわらかクリーン」「ホワイトニング」の5つを搭載。ブラシは「iO アルティメイトクリーン」と「iO ジェントルケア」が1つずつ付属する。高機能のミドルクラスモデルでありながら、1万円台前半で購入可能なのはコスパが高い。

フィリップス「ソニッケアー プロテクトクリーン HX6803/72」

HX6803/72

価格.com最安価格:9,805円
発売日:2021年11月中旬発売
ユーザー評価:★4.00(3人)

フィリップスの「ソニッケアー」のミドルクラスモデル。毎分31,000回の振動で音波水流を引き起こし、歯垢を効果的に除去できるとされている。駆動モードは、通常の洗浄モード「クリーンモード」のほか、専用のブラシで舌を磨く「舌磨きモード」の2種類。強さは、2段階から設定可能など、好きな設定を選びやすい。ブラシは、「舌磨きブラシヘッド」「C2クリーンプラス」「ガムプラス」の3本が付属。ブラシヘッドにはブラッシング時間やブラシ圧が記録され、交換時期になるとハンドル部分のランプが点灯し、交換のタイミングを教えてくれる機能も搭載する。

パナソニック「ジェットウォッシャー ドルツ EW-DJ55」

EW-DJ55

価格.com最安価格:17,580円
発売日:2022年6月1日発売
ユーザー評価:★4.07(20人)

パナソニックが発売するコードレスタイプの口腔洗浄器。独自の超音波水流により、歯の表面の除去しづらい汚れや、通常の歯ブラシでは磨きづらい歯間や歯周ポケットの汚れもしっかり洗い流すとされている。水圧調節は5段階。約200mLの給水タンクを搭載し、1回の給水で約1分間の連続使用が可能だ。ノズルは、「超音波水流ノズル」のほか、「ポイント磨きノズル」「舌磨きノズル」の3つが付属する。「価格.comプロダクトアワード 2022」の金賞受賞製品

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鎌田 剛(編集部)

鎌田 剛(編集部)

価格.comの編集統括を務める総編集長。パソコン、家電、業界動向など、全般に詳しい。人呼んで「価格.comのご意見番」。自称「イタリア人」。

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